営業戦略の立て方とフレームワークの活用方法

会社の利益を上げるために営業力の強化は欠かせませんが、継続的に売上を作るためには営業戦略におけるフレームワークが重要です。
フレームワークを再現することにより、継続的に安定した結果が出せるようになるからです。

そこで今回は具体的な営業戦略やフレームワークとはなにか、どのように構築していくのか紹介していきます。

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営業戦略とは

営業会議
まず第一に営業戦略とは、簡単にいうと売上達成のための準備、計画のことです。
目標となる売上を決めた後、ほとんどの企業がどのように売上目標を達成するか、具体的に考えて行動します。その際必要な顧客数や顧客単価、週ごとの必要売上など考えることは様々です。
営業戦略ではその見えた課題を具体的にどう解決していくかを話し合い、目標達成のために必要な項目を洗い出し戦略を立てていきます。

戦略立案とは

実際に営業戦略を立案する時は、結果を残している既存のフレームワークを利用する企業が多いです。後ほど詳しく紹介しますが、主に以下のようなフレームワークをもとに戦略立案が行われます。

  • 3C分析
  • SWOT分析
  • 4P分析

上記のフレームワークは非常に有名で、ベースとなる部分を参考に自社に必要なものを加えて戦略を立案していきます。
そのため、まずは自社の目標を設定し現状を把握することで、どのような戦略が必要なのか見えてきます。

販売戦略との違い

営業戦略と販売戦略を立案する際、決定的に違うことは「クライアントに売りに行く」というポイントです。
販売戦略の場合、店舗に来てくれる人に対して「どれだけ購入してもらえるか」「どうしたら買ってもらえるか」を戦略に落とし込んでいきます。対して営業戦略の場合、待っていてもクライアントは出向いてくれません。

そのため「どのようにアプローチをするのか」「ヒアリングからクロージングまでの流れはどうすべきか」など、より戦略化する項目が多いことが特徴です。

マーケティング戦略との違い

営業戦略はマーケティング戦略の一部です。
営業戦略の目的は、セールスを成功に導き売上を伸ばすことです。そのためどうすれば売上を作れるかが、戦略のポイントとなります。
一方のマーケティング戦略は、商品の売上を含め市場の需要を調査し誰に売るのか、売れるためにはどうすれば良いのかなど、全体的な視点でマーケティングを行います。
結果的にどうすれば商品が売れるか調査ができれば、売上も必然的に伸びます。つまり営業戦略はマーケティング戦略の一部で、その中でも商品のセールスに特化した戦略といえます。

おすすめのマーケティング研修

マーケティング研修

マーケティングとは、ターゲットとなる市場のニーズを正確に汲み取り、自社の製品・サービスの付加価値を高め、その結果として利益を上げることです。顧客の価値観が多様化し、情報の流れが早い現代社会において、マーケティング手法を学ぶことは必要不可欠です。


営業戦略の立て方

実際に営業戦略を立てる際、正しい手順にそって行うことを推奨します。
具体的には大きく分けて、以下の5つのステップが必要です。

STEP1ゴールの設定

まず最初に、目指すゴールを決めます。
具体的には「◯月までに売上◯◯円達成」「顧客数◯◯%増幅」などです。まずは戦略を立ててどこを目指すのか決めます。

STEP2現状把握

次に目標に対して現状との差を突き止めます。
例えば目標に対して売上がいくら足りないのか、顧客数がどれくらいビハインドしているのかなど、理想と現実のギャップを明確にしましょう。
そこから導き出された問題点を解決するための営業戦略を立てることで、目標達成のために必要なアクションが見えてきます。

STEP3顧客整理

営業戦略に関していえば、顧客整理が大切です。

  1. 新規契約が見込める顧客
  2. 継続受注が見込める顧客
  3. 継続受注でなおかつ単価が上がりそうな顧客
  4. 新規契約が見込めない顧客
  5. 継続受注が切れそうな顧客

大きく分けると上記の5つに分類されます。

1〜3は今後の売上を作るためにも、追っていくべき顧客です。
また、5はすでに売上にカウントされているため、失注を防ぐよう動くことを推奨します。
4に関しては契約が見込めないのであれば切り替え、他の顧客へ時間と労力を割くべきです。
このように顧客に優先度を付けることで、生産性を上げるための戦略立案に繋がります。

STEP4内的要因・外的要因の整理

実際に目標を決めどの顧客にアプローチするかが決まった後は、現在抱えている課題を内面と外面の両面から分析します。
例えば、内的要因であれば以下の要因が挙げられます。

  • 営業力の不足
  • 人数の不足
  • 高すぎる目標設定
  • 営業スタイルが不確立

上記のような内面的要因からくる課題は、すぐに社内で解決できます。
一方で外的要因からくる課題は以下のとおりです。

  • 顧客のニーズ
  • 市場の変化
  • 競合他社の動き

上記はいくら社内で話し合っても、それだけでは解決できません。
そのため営業戦略を立案する際、この外的要因からくる課題をいかに解決できるかが大きな鍵を握ります。
そのためすぐに解決できない外的要因からくる課題はなるべく多く洗い出し、具体的な解決策を導き出すようにして下さい。

STEP5実行と振り返り

実際に営業戦略が決定した後は、実行に移ります。
さらにその後重要となるのが、実行後の振り返りです。
具体的に上手くいったポイントは継続、ふるわなかった部分は理由を突き止め改善しなければなりません。
このように営業戦略は何度もトライアンドエラーを繰り返し、改良することで自社に合う戦略が導き出せます。

営業戦略に使えるフレームワークとは?

では実際に営業戦略を立てる際に、おすすめのフレームワークを3つ解説していきます。
それぞれ理解し自社内で活用することで、売上目標の達成が近づきます。

3C分析

3C分析を表す図
3C分析とは3つの単語の頭文字を合わせた造語です。

  • customer:顧客・市場
  • competitor:競合となるライバル会社
  • company:自社

customerでは、顧客の性別や年齢・居住エリアなどを把握し、どのような商品に興味関心があるか分析します。
次にcompetitorでは、競合他社がいくらで販売しているのか、どのような強みを持って営業をしているのか、営業手法やマーケティング手法はどう行っているかの分析が必要です。
companyでは上記2つの分析をした後、得た分析結果をもとに自社の強みや営業スタイルを差別化し、どうすれば市場で勝ち抜けるかを洗い出します。
このように3C分析を行うことで、具体的に必要な戦略、ポイントが見えてきます。

SWOT分析

SWOT分析を表す図
SWOT分析は、主に内的要因と外的要因の両面を分析します。

  • strength:強み
  • weakness:弱み
  • opportunity:機会
  • threat:驚異

まずはじめにstrengthとweaknessで自社が市場において勝てる点、負けている点といった内的要因を確認します。
その後threatとなる競合他社の動きや、自社の商品を撹拌するopportunityをどう増やしていくのかなど、外的要因を合わせて分析することが必要です。
このようにSWOT分析では内的・外的の両面から分析を行うことで、弱み強みを理解した上で自社に何が必要なのか、明確に見えてきます。

4P分析

4P分析を表す図
4P分析では、自社でセールスする商品に焦点を当てて分析をします。

  • product:製品
  • price:価格
  • place:流通
  • promotion:プロモーション

productではまず、自社がセールスしたい商品に考え、顧客や市場は何を求めているのかを分析します。
その後セールス商品が決まった後は、priceのフェーズで適正な価格決定が必要です。
高すぎず安すぎず、市場と顧客にマッチする価格を設定するようにしましょう。
その後placeとpromotionのフェーズで、具体的にどのように認知させ、どこでセールスをするか決めていきます。
特にpromotionでは、ターゲットに合わせて正確な販促が必要です。
現代だとネット広告やSNS広告が主流ですが、ターゲットによってはテレビ、ラジオ、新聞、雑誌を利用したり紙媒体のほうが良いケースもあります。
そのためpromotionではターゲットを理解した上で、明確な販促方法を決めるようにしましょう。

営業戦略にフレームワークを活用するメリット

営業戦略にフレームワークを取り入れる最大のメリットは、効率の良さと再現性の高さです。
すでに既存のフレームワークを利用することで、ゼロから戦略を作る必要がなく、成功事例などを参考に効率よく営業戦略を立てられます。

加えて、一度上手くいったフレームワークは繰り返し利用することが可能です。
もちろん細かい改善や調整は必要ですが、一度成功したフレームワークは大きく改善する必要がありません。
そのためメンバーが入れ替わった際なども、属人化しないフレームワークであれば再現性が高いため、どのような状況下でも営業戦略を安定して確立できます。

営業戦略にフレームワークを活用する注意点

一方で注意点として、フレームワークの学習時間と個人の成長が挙げられます。
まず第一に、フレームワークを利用するのであれば自社で応用できるまで理解することが必要です。さらに応用するために多少のアレンジは必要になってきます。

そのため営業戦略にフレームワークを取り入れようとした際、一定の学習時間が必要です。またフレームワークが上手くはまった場合、そればかりに頼りすぎ個人の成長を妨げることもあります。
自分で考えたり戦略を立てず、フレームワークばかりを頼ってしまうと、独創的なアイディや個のスキルを潰しかねません。
そのためフレームワークを取り入れる際は、一定の学習時間の確保と、個人スキルの成長とのバランス調整を心がけましょう。

営業戦略の成功事例

有名な営業戦略の成功事例としてあげられるのがまず、スターバックスの事例です。
スターバックスは徹底して顧客目線に立つことで、単なるコーヒーショップではなく、Wi-Fiの完備や統一されたインテリアによる雰囲気作りなど、顧客が求める「心地良さ」を細部まで実現しました。
結果的にコーヒーショップの枠を超えて職場、家に次ぐ『第三の居場所』というブランディングを成功させ、売上を伸ばしています。

また、クラウドワークスも副業の概念を変化させた良い事例です。
本来クラウドソーシングサイトは、空き時間にお小遣いを稼ぐ目的で利用されていました。しかしクラウドワークスでは、利用者がより副業に力を入れたいというニーズに着目しました。
結果的に単価の高い案件を多く取り扱ったことで、副業を本業化できるサイトとして認知が広がり、最終的に利用者No.1のクラウドソーシングサイトに成長しています。

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