活躍して欲しい人材を育てるには、より多くのスキルや技術を身に付けて欲しいと願うのが企業の思いです。しかし、研修テーマが曖昧だとせっかくの研修も水の泡になります。
本記事では人気が高い研修テーマをご紹介し、さらに研修テーマを明確に決めることの重要さと、研修テーマの決め方を解説します。
目次
研修テーマが重要な理由
「毎年やってるから」「他社でもやってるから」では、効果は望めません。
研修テーマを明確に決めなければならない理由を考えてみましょう。
研修目的がわかりやすい
テーマがはっきりしていると、受講者も受ける目的がわかりやすくなります。
『新入社員研修』『リーダー研修』というテーマよりも、具体的に何を学ぶのかがわかるほうが良いのです。
『初めてのビジネスマナー研修』『部下を引きつけるリーダーシップ研修』のように、タイトルを具体的にするだけでも違います。
受講者の意欲が湧く
研修内容がわかりやすいと、受講対象者が研修に臨む心の準備ができます。
さらに、実務に繋げやすい内容ですと目的意識も持ちやすく、学ぶ意識が生まれます。
漠然とした内容や毎回同じようなテーマでは、新鮮味がなく意欲が減退します。参加者のモチベーションアップのためにもテーマの具体化、絞り込みが大切なのです。
研修効果がわかりやすい
テーマが明確になると、目標や求める結果がはっきりするため、研修効果の評価がしやすくなります。
研修後に効果測定をすると良いのですが、この時テーマが漠然としていたり広すぎると、評価基準が曖昧になってしまいます。
効果の高い研修を企画しようと思うのであれば、テーマは『具体的で明確に』が重要です。
人気の高い研修内容
数多くある研修テーマの中でも、人気の高いテーマがあります。
長年不動の人気を誇るテーマと、この数年で需要が高くなっているテーマをご紹介します。
コミュニケーション研修
どの年代でも必要なテーマですが、特に新入社員を対象とした研修内容です。
仕事は人との繋がりがなくては成り立ちません。従業員同士、顧客、取引先などどの業種でも人間関係を切り離すことはできません。
第一印象アップ、チーム作り、職場の雰囲気作り、失礼のない電話やメール対応は社会人の必須スキルです。
以前からあった内容ですが、人間関係の在り方が変化してきている現代になり、コミュニケーション研修は必要性が見直されているテーマです。
コーチング研修
コーチングは、管理職向けの研修で取り入れられるテーマです。
社員研修の目的のひとつに、自主性のある社員を育てるというのがあります。上司が部下や新人社員が自ら考え行動するための能力を磨くには、コーチングの手法を使うと効果的です。
コーチングには質問力やコミュニケーションスキル、傾聴スキルが必要なため、管理職のスキルアップにもなります。
ハラスメント研修
近年需要が増えていテーマのひとつです。
パワーハラスメントに関しては、2020年より対策をすることが企業の義務になります。
ハラスメントの種類は50を超えています。パワーハラスメントだけではなく、他のハラスメントに対する知識も習得しておく必要があります。
女性部下が多い上司は、セクシャルハラスメントやマタニティハラスメントに対する考え方も知らなければなりません。
どのようなことがハラスメントとなるのか、予防方法、起きてしまった時の対処法などは、経営幹部だけではなく、社員全員で共有することが求められています。
メンタルヘルス研修
2015年12月から、50名以上の企業でストレスチェックが義務化されました。これに伴い、メンタルヘルス対策への関心が年々高まってきています。
体の不調はわかりやすいですが、心の健康は目に見えないため理解されにくいものだからこそ、研修で知識を得る必要があるのです。
気持ちと根性!で仕事を乗り切る働き方は古くなっています。心のケアをしながら働くことが大切とされる現代に沿った研修テーマです。
研修テーマ決定の5つのポイント
自社に合った研修テーマを決める時、どのようなところに注目し、どう決めると良いのでしょうか。
ポイントは5つです。このプロセスで検討していくと必要な研修テーマが段取り良く絞り込めます。
1.課題の洗い出し
まずは各部署でどのような問題があるか、社員からどのような要望があるかなどを確認します。
経営者が考えている課題と現場で感じていることにギャップがある可能性があります。
それぞれの立場からの意見を反映させ、経営者視点だけでテーマを決めないようにすることが効果を高める秘訣です。
2.課題内容の仕分け
出てきた課題の中で、研修で解決できるものとできないものに分けます。
課題の中にはごく限られた人が解決することも出てきますので、それまで研修にする必要はありません。
また、早急に取り組むこと、時間をかけて取り組むことに分け、テーマと共に時期の目安も決めるとスムーズに進みます。
3.受講者の選定
課題の整理が終わったら、誰に参加してもらうのか対象者を決めます。
社員全員なのか、新入社員だけなのか、管理職なのか、管理職が対象でも若手なのか?ベテラン管理職なのか?など、受講者を絞り込むことでテーマが生きてきます。
4.研修形態の決定
社員研修の形態はさまざまあります。
OJT、社内での集合研修、外部セミナー参加、eラーニングなど、それぞれにメリットとデメリットがあります。
参加人数、研修目的や習得する知識やスキルにより、効果が高いものを選ぶようにします。
5.講師の選定
講師選びも大切です。
自社についての内容であれば社内から選出するのも良いし、専門的な内容であれば外部講師にお願いすることも検討します。外部講師の場合は、専門分野が決まっている人もいるので、テーマがはっきりしているとより経験のある講師にお願いすることができます。
テーマが研修効果を左右する
社員研修はテーマを明確にすることで、受講者の意欲向上、高い成果が期待できます。漠然とした内容ではなく、現場の声と経営者の意向を上手くまとめて決めるのがポイントです。