新人でもすぐできる良い議事録の書き方のコツを解説【例文あり】

一般的に議事録とは、会議など話し合いの場での内容を文字などに起こして記録したものですが、場面によっては法的な効力を発揮することもあります。この記事では良い議事録、悪い議事録の特徴を解説し、新人でも良い議事録を書けるコツと記載例も紹介します。

良い議事録を書けるようになるためには、研修を実施するのも一つの手です。座学だけでなく実際に議事録を作るワークがある研修を選ぶことで、効率的に新人の議事録スキルの向上が目指せます

キーセッションでは、以下のような座学とワークの両方がある、実践的な議事録作成の研修がご紹介できます。相談は無料なので、お気軽にお問い合わせください

相手に伝わる文章スキルを身につけるビジネス文書研修(議事録編) (1日)

議事録に焦点をおいたビジネス文書研修です。議事録の果たす役割、議事録を作成する目的を理解した上で、実際に映像を見ながら議事録を作成することでビジネス文書力を磨きます。

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議事録とは

議事録をとる女性
社会人になりたての頃、訳も分からずに社内会議に参加したり、先輩との商談に同席したりするわけですが、先輩や上司は暇そうに見える新入社員に向かって「議事録取っておいて」と言ってしまっているのではないでしょうか。
「会議の内容を書き留めておけば良いだけなんだから、社会人経験がなくたって取れるだろう」くらいにしか思わないですよね。

でもちょっと待ってください、本当にそれで良いのでしょうか。

例えば生意気な新入社員に向かって「先輩には若者らしい態度を取りなさい」と注意したら、生意気な態度は改まると思いますか。

「そうか、若者らしくもっと積極的にチャレンジすることを求められているのか」と思ってより生意気な態度で先輩を困らせる結果になるのではないかと想像できるわけです。

仕事を依頼するときに大切なのは「言葉(指示)の意味のすり合わせ」です。
当たり前だと思っているようなことも、その仕事の意味や背景、具体的に行うべき内容を師事しなければ行けません。

もしくはその会社の共通認識として、議事録とはこういうものだということを、新人研修ですりあわせておく必要があります。

一般的に議事録とは、会議など話し合いの場での内容を文字などに起こして記録したものということになりますが、場面によっては法的な効力を発揮することもあります。

コンサルティング会社など職種によっては、顧客に対して成果物として納品する必要もありますので、備忘録といった類の軽いものではありません。

議事録を依頼するのであれば、最初に必要事項を指示するようにしましょう。

  • どのような議題で話し合いが行われたのか
  • 開催された日時、場所
  • 出席者とその属性
  • 会議の内容(誰がどのような発言をしたのか)
  • 決定された事項とその決定方法
  • 繰り越された場合はその内容と次回予定

ビジネスの場での議事録とは、上記のようなことを詳しく正確に記載しなければならないことは、頭に入れさせておくようにしてください。

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議事録の目的

ではそもそも議事録を取る目的はどういった理由からなのでしょうか。
改めて問われると答えに詰まってしまう人もいらっしゃると思いますので、ここでおさらいをしておきましょう。

決定事項や経緯を共有する

議事録は、会議の出席者の備忘録だけのためにある訳ではありません。

会議の内容は、理由があって参加できなかった方や、その決定事項を元に仕事を進めていく部署の人、時には取引先の人にも正確に伝える必要があります。

議事録によって間違った内容や意図が伝わってしまうと、それが各所に広まっていくわけですから、多大な被害や支障が発生しかねません。

迷いなく、会社が次のアクションを起こすためにも、議事録はとても大切は役割を果たしているわけですが、新入社員は、議事録を取った後、どのような使われ方をするのか、どのように周囲に影響を与えるのかまでイメージすることができません。

上司や先輩は、そこについても具体的に教えなければならないわけです。

責任の所在をはっきりさせておく

新入社員が一番見落としがちなのが、責任の所在をはっきりさせておく記載です。

話し合われた内容が記載されていても、それが誰の発言なのかがわからないと、後々事実確認を行ったり、発言の真意・意図を聞いたりといったことができなくなります。

また、どのような形式で誰が決定を行ったのかがわからないと、会議での決定事項が誰の責任も元になされたのかがわからず、ゆえに決定事項がうまく伝わらなかったり、徹底されなかったりということも起こりかねません。

日本人はとかく、責任の所在をはっきりさせない思考傾向にありますが。議事録ではそれが許されないことを、その理由からしっかりと理解させておく必要があります。

次の会議の有効性を高める

会議が続いていく場合、結論に向けて着実に議題を進めていかなければなりません。
前回話をした内容があいまいになってしまったために同じことが繰り返し議論されていたり、一部の人のために決定事項をいちいち説明していたのでは、会議は進んでいきません。

人の記憶というのは想像以上に曖昧で,且つ自分の都合の良い内容に置き換えてしまいがちです。
それを防ぐためには会議が終わった後、なるべく早く内容を共有し、その時点での見解や記憶の相違がないことを確かめて、次の会議の有効性を高めていく必要があります。

良い議事録の特徴

議事録

共有されるまでのスピードが早い

会議は基本的に、次のアクションを決めるために開かれているわけですから、終わった瞬間に会社は動き始めています。
すぐに部下に指示を出して動き出さなければならない部署も発生しているわけです。
従って、議事録は会議が終了してから24H以内に共有することを意識し、スピード重視が鉄則です。

新入社員など、若手社員が議事録を書く場合は、間違ってはいけないと考え、慎重に行ってしまいがちですので、作成を指示する場合はスピード重視の理由をしっかりと説明しておきましょう。

また、上司の確認が必要になるときもありますので、その時間も考えたスケジュールを組む必要があります。

そのためにはいくつかの工夫が必要です。

  • 会議の議題が事前にわかっていれば、周辺の知識を事前に勉強しておく
  • 前回の会議に参加していなければ、これまでの経緯を事前に確認しておく
  • 会議中に要点をPCに打ち込んで、ある程度完成形をイメージしておく
  • 内容に誤りが発生しないよう録音しておく(事前に参加者に承認を得ておく)

見ていただいてわかる通り、議事録作成にはビジネスの基本がぎっしりと詰まっています。
スキル向上にはこの上ない仕事であることを理解させたうえで進めましょう。

5W1HやPREP法などを活用する

文章を構成する際、5W1HやPREP法を意識することで、伝えたい情報の主旨がはっきりと見えてくるため、正確に主旨を伝えることができるようになります。

5W1Hについて

議事録においても特に大切な要素なのですが、ビジネスシーンでは必須要素です。
慣れないうちは5W1Hを意識しながら書くことで、癖として身に着けさせる必要があります。

  • When:いつ    = 会議が開かれた日時
  • Where:どこで  = 会議が開かれた場所
  • Who:誰が    = 出席した人(必要であれば欠席者も)
  • What:何を    = 会議のテーマ・議題
  • Why:なぜ    = 会議の目的・理由
  • How:どのように = 会議の内容・タスク

PREP法について

議事録だけでなく、ビジネスの場において「結論から先に伝える」ことが重要だと言われていますが、PREP法は、最初に結論を伝え、最後にまとめという形式でもう一度結論を述べる構成となっているのが特徴です。

  • Point:結論
  • Reason:理由
  • Example:具体例
  • Point:まとめ

議事録の場合、「Reason:理由」は概要と考えてよいでしょう。
「Example:具体例」はだれがどんな発言をしたのか、という意味に置き換えてみるとわかりやすいです。

広く共有さえる議事録の場合は特に、閲覧者が全ての議題に関係しているとは限りません。
そのために、本当は理解しておかなければならないことを読み飛ばしてしまったりする可能性がありますので、最初に注意喚起の意味でも結論を持ってくることは非常に効果的です。

この手法を採用することで、関係のある人が集中力を持って内容を確認するようになるため、しっかりと記憶に残りやすいという効果が期待できます。

読みやすい文章や表記方法で書かれている

議事録はインタビューなどの文字起こしではありません。
会議は会話という口語で進んでいきますが、意味を正しく伝えるのに不足している主語や述語を補い、文語に変換して記載していく必要があります。

読む相手はほとんどが自分より目上の人になるわけですが、なるべく短い文章で記載することが大切ですので、文章が丁寧になりすぎないよう、「ですます調」ではなく「である調」で記載し、臨機応変に箇条書きを使うと、より読みやすい文章に仕上がります。

また、会議で使われた図解やグラフなどといった資料は積極的に議事録に取り入れていき、理解しやすい工夫をすることも求められます。

そのためにも、会議で使われる資料はなるべく事前に入手しておくべきです。
もしそれができなかった場合、資料が使われた個所をチェックしておき、後でその資料の使用者からデータをもらうようにしましょう。

もちろん、社内であっても共有できない資料は存在しますので、共有が可能かどうかの確認は必須です。

懸案事項についても記載されている

懸案事項とは「依然として解決できていない問題・課題」を指しています。

会議の中で解決できなかった問題・課題や、新しく見つかった問題・課題などが次回に持
ち越しになってしまうことはありますが、それを議事録として最後に明記しておくことはとても大切なことです。

次回の会議に参加する人は、その懸念事項の解決のために参加するわけですから、例え指示されることがなかったとしても、解決のための施策検討や情報収集などを行う必要があります。

そのために、今何が懸念事項となっているのかを、端的に理解する必要があり、最後にしっかりとまとめておくことで、次回以降の会議が成功するかどうかが決まるといっても過言ではありません。

悪い議事録の特徴

悪い議事録とはいったいどんな議事録なのでしょうか。
結論から言うと、今まで考察してきたことができていないという議事録ということになってしまうわけですが、特に下記のような特徴があげられます。

読み手の立場にたった情報の整理・精査ができていない

会議が一時間かかったとして、その内容を理解するのに一時間かかっていては、議事録の意味がありません。

まずは議事録を読む人たちがどのような属性なのかを考えましょう。営業職のみが読み手なのか、それとも生産部門(工場で製造している人など)まで含まれているのか、一緒にプロジェクトを進めている社外の人も対象なのかによって、情報の整理・精査の方向性は違ってくるはずです。

そして、いかに短時間で、必要な内容を正確に伝えるかを考え、そのためにはどのような文体で、どのように情報をまとめて書くのか、読み手の立場にたって情報の整理・精査を行い、シンプルに記載する必要があるのです。

伝え手(参加者)の立場にたった論点整理できていない

会議で行われた話し合いの論点について、議事録の書き手が理解できていないと、漠然とした内容の伝達になってしまいます。

会議に参加した伝え手がどんなことに熱量を持って話し合いをしていたのか、紆余曲折ありながら最終的に何を伝えることで会議は決着をしたのか、参加者がどのような背景をもって会議に参加しているのか、そのあたりについて理解出来ていなければ、内容のまとめ作業や懸念事項の記載ができるはずがありません。

もし議事録を作成する新入社員や若手社員が理解していなさそうであれば、同席した上司として、納得できるまで懇切丁寧に説明する必要があります。

議事録の記載例

これまでも記載してきた通り、新入社員がビジネスの基本を学ぶ上で、議事録の作成は題材としては最適です。
会社として、クオリティを高めるために議事録のフォーマットを作成し、標準化していくことは、取り組むべき課題です。

フォーマットを共有する際には必ず記載例と合わせて行い、それぞれの項目についてしっかりとした説明を行うようにしなければ意味がありません。

ここでは、参考として簡単な記載例をご紹介します。

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会議名:AI技術を活用した英会話教材についての開発会議 議事録

日 時:20・・年・月・・日(月)13:00~15:00

場 所:東京本社3階会議室

社内出席者:A部長、B課長、C係長、D主任 議事録作成:E

社内欠席者:F主任(海外出張中)

外部出席者:株式会社Gクリエイト H氏(共同開発担当者)

議 題:AI技術を活用した英会話教材について

決定事項:
・ネーミングを高校生から公募することで知名度・認知度をあげる

・同時にアンケートを行い、メインターゲットである高校生のニーズを調査する

議論内容:
・経営陣に確認したところ、予算の関係で調査会社の利用は難しい(A部長)

・既に他社が運営しているサービスの名前を共有(D主任)
(具体名は別紙参照)

・商品特徴である新技術について共同開発会社からの説明(株式会社Gクリエイト H氏)

懸案事項:
・同時に行うアンケートの内容を・月・・日(木)までに作成する

・既存サービスについて、それぞれの利用者の声を・月・・日(木)までに調査する
⇒マーケティング部のY課長に依頼(担当:B課長)

・第2回AI技術を活用した英会話教材の開催予定日
・月・・日(金) 13:00~15:00 東京本社3階会議室

・次回は開発部のX研究員の参加が予定されているため、リモート環境を準備
⇒会議室の設備確認(D主任)
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