社員研修の比較サイトKeySessionを運営する株式会社東邦メディアプランニングは、全国の20〜50代男女300名を対象に「接客体験の良し悪しと再利用意向に関する意識調査」を実施しました。
接客体験が再利用意向に「影響した」と答えた人は78.3%に上る一方で、同じ企業や店舗でも担当者によって接客品質にばらつきを感じた経験がある人が60.3%に達することが明らかになっています。
<調査背景>
帝国データバンクの調査によると、「飲食店」「飲食料品小売」「旅館・ホテル」といったサービス業では、直近改善傾向はあるものの、人手不足に悩む業種のランキング上位に常に入っています。
人手不足や人材の流動性が高い現場では、一部のベテランが提供する「良い接客」が属人的なものにとどまりやすく、担当者が替わるたびにサービス品質が変動するリスクが生じます。
実際、社員研修の比較サイトKeySessionに寄せられる接客関連の研修相談でも、単なるスキル不足の改善だけでなく「店舗や担当者によるばらつきをどう抑えるか」「現場に定着する研修設計にしたい」といった品質の標準化を課題とする声が増えています。
研修による組織的な人材育成を推進する立場から、「接客品質のばらつき」の実態とその影響を可視化するため、本調査を実施しました。
<調査結果サマリー>
- 直近3ヶ月の接客体験で「良い体験だった」と回答した人は84.0%
- 接客体験が再利用意向に「影響した」と答えた人は78.3%
- 良いサービスを受けた企業・店舗でも、別の担当者にがっかりした経験がある人は60.3%
- がっかりポイントの上位は「対応のスムーズさ・段取り」「言葉づかい・態度」(ともに44.2%)
- 良い体験の決め手では低い「気配り・先回り」が、がっかりポイントでは約3倍に急上昇(8.7%→28.7%)
<調査概要>
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年2月20日
調査対象:全国の20〜59歳男女
有効回答数:300名(男性150名・女性150名)
<調査利用条件>
- KeySessionを出典元として記載をお願いいたします。
- Web上で使用する場合は、出典元として下記リンクの設置をお願いいたします。
URL:https://keysession.jp/media/hospitality-survey/ - 本調査に関するお問い合わせ先:contact@keysession.jp
約8割が直近3ヶ月で印象に残った接客は「良い体験」と回答

直近3ヶ月の接客体験について、ホスピタリティの観点で最も印象に残った体験を4段階で回答を求めたところ、「非常に良い体験だった」(6.7%)と「良い体験だった」(77.3%)を合わせて84.0%が良い体験を選択しました。
多くの人が日常的に良い接客を受けていると感じている一方で、悪い体験をした側も16.0%存在し、約6人に1人は直近3ヶ月にネガティブな接客体験をしていることがわかりました。
接客の印象を左右する3大要素は「説明」「スムーズさ」「態度」
そう感じた理由を複数回答で尋ねたところ、上位3項目は「説明のわかりやすさ」(48.0%)、「対応のスムーズさ」(45.0%)、「言葉づかい・態度」(43.3%)でした。

いずれも「接客の基本動作」に分類される要素であり、特別な演出やサプライズではなく、基本的なコミュニケーション品質こそが顧客の印象を左右していることがわかります。
一方、「先回りした配慮」(9.3%)や「提案の的確さ」(6.3%)といったスキルは10%未満にとどまりました。
接客体験が再利用意向に「影響した」人は78.3%

その接客体験が次回以降の再利用意向にどれくらい影響したかを尋ねたところ、「とても影響した」(19.0%)と「どちらかといえば影響した」(59.3%)を合わせて78.3%が「影響あり」と回答しました。約5人に4人が、接客体験を基にリピートするかどうかを判断しています。
接客体験の印象別に見ると、「非常に良い体験」をした人の95.0%が再利用意向に影響したと回答。「悪い体験」でも71.4%が影響ありと答えており、ネガティブ体験もポジティブ体験に匹敵する影響力を持つことがわかりました。

また、再利用意向に「とても影響した」と答えた層57名の体験理由を分析すると、「言葉づかい・態度」(68.4%、全体+25.1ポイント)、「説明のわかりやすさ」(63.2%、全体+15.2ポイント)に加え、「こちらへの共感」(24.6%、全体の約2倍)が特徴的でした。

接客の基本動作に共感が加わることで、再利用意向が「どちらかといえば影響した」から「とても影響した」に格上げされる傾向がうかがえます。
良いサービスを受けた人の約6割が、別の担当者に「がっかり」を経験

以前良いサービスを受けた企業・店舗で、別担当の対応に残念さを感じた経験については、「何度もある」(11.0%)と「たまにある」(49.3%)と、全体の60.3%が「がっかり経験あり」と回答しました。
「良い接客ができる人がいること」と「組織として接客品質が安定していること」は別の課題であることがわかります。
性別で見ると、男性57.3%に対し女性63.3%と、女性の方がばらつきへの感度が高い傾向が見られました。
がっかりポイントの上位は「段取り」「態度」。最大のギャップは「気配り」に

がっかり経験者(181名)が差を感じたポイントの上位は「対応のスムーズさ・段取り」と「言葉づかい・態度」がともに44.2%で並びました。これらは良い体験の理由でも上位に入る項目であり、良い体験を作る要素とがっかりを生む要素は同じスキルセットに集中していることがわかります。
最も注目すべきは、「良い体験の理由」と「がっかりポイント」を比較した際に浮かび上がるギャップです。

「気配り・先回りした対応」は、良い体験の理由ではわずか8.7%ですが、がっかりポイントでは28.7%と約3倍近く高くなっています。
できていても評価されづらいものの、「できない人が目立つ」期待の非対称性が最も顕著に表れた項目です。
同様に「待ち時間・混雑時の配慮」も+13.3ポイントの乖離が見られ、余裕がある場面では気にならないが、混雑・繁忙時に対応が崩れると顧客は敏感に落差を感じる傾向が明らかになりました。
逆に「説明のわかりやすさ」は良い体験では1位(53.2%)にもかかわらず、がっかりポイントでは21.5%(-31.6ポイント)に低下。説明力の高い人は強く評価されますが、多少わかりにくい説明があっても顧客は比較的許容する傾向にあるといえます。
再利用意向が高い人ほど、ばらつきの影響を受けている
複数回利用者のうち接客の良し悪しが再利用意向に影響があると答えた223名に限ると、70.4%が別の担当者にがっかりした経験があると回答しました。

サービスを複数回利用しない人を除いた280名のがっかり経験は64.6%であることから、5.8ポイントの差があることがわかります。
接客の良し悪しに敏感な層は、担当者間の落差を一層感じやすい構造にあるようです。
ザ・ホスピタリティチーム株式会社代表 船坂 光弘氏のコメント
新卒でホテルのオープニングを経験し、以降17年間ホテルマンとして現場でホスピタリティを体現。ホテルマン時代には、ベルマン、フロント、販売、バンケット、企画、宴会予約、ウェディングなど様々なセクションを経験し、ウェディング支配人時代には、ハード・ソフト両面で改革し、日本のホテルウェディング売上増部門で帝国ホテルを抜いて全国第1位となり、地方ホテルとしては異例の日本一を実現した。
監修者ページはこちらから今回の調査結果から非常に興味深いのは、「良い接客体験はすでに多くの現場で提供されている一方で、その再現性に大きな課題がある」という点です。
約8割が接客体験によって再利用意向に影響を受けているにもかかわらず、約6割が担当者による品質のばらつきを感じているという結果は、サービス業における本質的な課題を示しています。
本来、サービスの価値は「誰が担当しても一定以上の満足を提供できること」にあります。しかし現実には、優秀な個人の力に依存した”属人的なサービス”にとどまっているケースが多く、結果として顧客体験にムラが生まれてしまっています。
このばらつきこそが、「前回は良かったのに今回は残念だった」という”がっかり体験”を生み、リピート機会の損失につながっていると考えられます。
特に重要なのは、「良い接客を提供できる人材がいること」と「組織として接客品質を安定させること」は、全く別の課題であるという点です。個人のスキルや経験に依存している限り、品質は安定せず、顧客体験は再現されません。
では、このばらつきをどのように解消していくべきか。そのヒントが、今回の調査で浮き彫りになった「気配り・先回り」のギャップにあります。
良い体験の理由としては8.7%と低い一方で、がっかりポイントでは28.7%と大きく上昇していることからも分かるように、顧客は「できていること」よりも「できていないこと」に強く反応します。つまり、サービスにおいては”減点を防ぐ設計”が極めて重要になります。
そのための第一歩は、「説明のわかりやすさ」「対応のスムーズさ」「言葉づかい・態度」といった基本動作の徹底です。これはマニュアルや研修によって一定の水準まで平準化することが可能です。
しかし、ここで見落としてはならないのが、顧客の期待を超える”付加価値領域”の存在です。今回の結果にもあるように、「共感」や「気配り」といった要素が加わることで、再利用意向は一段階引き上げられます。この領域は、単なるマニュアルの徹底だけでは再現することができません。なぜなら、そこには「そのお客様にどう向き合うか」という個々の判断や姿勢が求められるからです。
だからこそ必要になるのが、組織への「ホスピタリティの共通価値化」です。お客様にどう向き合うのか、どのような関係性を築くのかという”考え方の軸”を組織として共有し、スタッフ一人ひとりが同じ価値観で行動できる状態をつくることが重要になります。
私はこれを「関係の質が体験価値を生む時代」と捉えています。どれだけ仕組みやマニュアルを整えても、最終的に価値を届けるのは”人”であり、その人同士の関係性がサービスの質を決定づけます。
人手不足や人材の流動性が高まる今の時代においては、個人の経験やセンスに頼るのではなく、良いサービスを”再現できる組織”へと進化させていくことが不可欠です。そのためには、サービススタンダードの明確化に加え、ホスピタリティを組織文化として定着させる取り組みが、これからの競争力を左右するといえるでしょう。
<ザ・ホスピタリティチーム株式会社の詳細>
| 研修会社 | ザ・ホスピタリティチーム株式会社 |
|---|---|
| 研修方針 | 従業員と顧客の喜びを追求し、ホスピタリティで組織を活性化。ハンズオンで現場と経営を繋ぎ、業績と定着率、顧客満足度と従業員ロイヤリティの向上を実現する |
| 代表者 | 船坂 光弘 |
| 所在地 | 東京都目黒区三田 2-12-5 COMBO HOUSE |
| 対象地域 | 日本全国対応可能(交通費・宿泊費等が別途かかる場合があります) |
| 事業内容 | コンサルティング事業 サービス調査・診断事業 ホスピタリティに関する研修・講演事業 サービス業専門のセミナー事業 出版事業 |
| 対応可能なオプション |
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まとめ:良い接客の再現性が問われている
今回の調査から、接客体験は再利用意向に直結する一方で、その品質が担当者によって大きくばらついている実態が明らかになりました。
良い接客を提供できる人材がいることと、組織として接客品質を安定させることは別の課題であり、その乖離が顧客の「がっかり体験」を生んでいます。
とりわけ「気配り・先回り」「混雑時対応」のように、ばらつきが顧客に伝わりやすい領域を特定し、組織的に底上げすることが求められています。
接客品質のばらつきを解消し、良い体験の再現性を高めるためには、組織として属人的になりがちな要素のサービス品質向上に取り組むことが必要です。たとえば接客・ホスピタリティ研修などを通じて標準化を図ることが、リピーターの増加に有効な施策のひとつと考えられます。
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