お客様と接する際に大切なマナー

接遇の5原則は、日々の業務や生活における人との接し方において、基本となるマナーの柱です。これらの原則には、挨拶、身だしなみ、表情、言葉遣い、そして態度が含まれ、それぞれが相手に対する敬意と心遣いを形にするものです。

これらを意識し、実践することで、私たちはより良い人間関係を築き、信頼と尊敬を得ることができます。この記事では、これらの原則がどのように仕事の中で活かされるべきか、具体的な行動を示しながら解説します。

接遇力を高めるには、研修の実施がおすすめです。接遇5原則を理解することは重要ですが、お客さまごとに状況が異なる中で適切なおもてなしをするには、何より実践形式でのトレーニングが重要だからです。

キーセッションでは、予算と目的を共有いただくだけで、貴社にぴったりの接遇研修をご紹介できます。実践的な研修もご紹介可能なので、スタッフの接遇力を高め、顧客満足度を高めたいと考えている方はぜひご相談ください

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【この記事の監修者】
ザ・ホスピタリティチーム株式会社 代表取締役 船坂 光弘

新卒でホテルのオープニングを経験し、以降17年間ホテルマンとして現場でホスピタリティを体現。ホテルマン時代には、ベルマン、フロント、販売、バンケット、企画、宴会予約、ウェディングなど様々なセクションを経験し、ウェディング支配人時代には、ハード・ソフト両面で改革し、日本のホテルウェディング売上増部門で帝国ホテルを抜いて全国第1位となり、地方ホテルとしては異例の日本一を実現した。

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接遇5原則とは

接遇5原則
接遇マナーの5原則とは、以下の5つを指します。

  1. 挨拶
  2. 身だしなみ
  3. 表情
  4. 言葉遣い
  5. 態度

この5原則を理解し、日々の業務や生活で実践することで、接遇マナーを向上させることができます。

接遇マナーは、サービス全体の質を高め、お客様にとって快適な体験を提供するために不可欠な要素です。

1.挨拶

挨拶は、人と人との関係を築く最初のステップであり、相手に対する敬意とオープンな姿勢を示す重要な行為です。

元気で明るい声、笑顔、適切なボディランゲージを伴う挨拶は、ポジティブな第一印象を与え、コミュニケーションの土台を築きます。挨拶は、相手を認識し、その人との関係を大切にする意思を伝えるために、常に意識して行うべきです。

2.身だしなみ

身だしなみは、個人のプロフェッショナリズムと自己尊重の表れです。

清潔で整った服装、適切なヘアスタイル、控えめなメイクやアクセサリーは、相手に対する敬意を示し、信頼感を構築します。

特にビジネスシーンでは、服装が整っていることは相手に対する尊重と自分自身の自信を示すことにつながります。また、身だしなみは文化や業界によって異なるため、その環境に適した服装を選ぶことが重要です。

3.表情

表情は、言葉を超えて感情や態度を伝える強力な手段です。特に笑顔は普遍的な歓迎のサインであり、相手に安心感と親しみを与えます。

表情は状況に応じて適切に使い分ける必要があり、相手の話に真剣に耳を傾ける際の真摯な表情や、共感を示すときの温かい眼差しなど、状況に応じた表情が求められます。

4.言葉遣い

言葉遣いは、相手への敬意を表す基本的なマナーです。適切な敬語の使用、丁寧な表現、相手を尊重する言葉の選択は、良好な人間関係を築く上で不可欠です。また、相手が理解しやすいように、専門用語を避けたり、簡潔で明確な言葉を使ったりすることも大切です。

5.態度

態度は、言葉や表情と同様に、相手に対する自分の姿勢を示すものです。敬意を持って相手の話を聞く姿勢、礼儀正しい行動、相手の意見を尊重する態度などが含まれます。

相手に対してポジティブな態度を取ることで、信頼と尊敬の気持ちを伝えることができます。

そもそも接遇とは何かについては、こちらの記事でご紹介しています。

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接遇とは?意味や接客との違い、おすすめの研修を紹介

医療現場で求められる接遇の5原則

安心して治療を受けられるよう、心がける5原則
医療現場において、高度な専門知識や技術と同じくらい重要なのが、患者に対する適切な接遇です。

患者が安心して治療を受けられるよう、医療従事者は日々の対応において次の5つの原則を心がけることが求められます。

これらの原則は、患者との信頼関係を築き、より良い医療サービスを提供するための基盤となります。以下に、医療現場で求められる接遇の5原則に則った具体的な例を挙げてみましょう。

挨拶

患者さんが病院に来院した際や診察室に入るとき、医療スタッフは笑顔で「おはようございます」「こんにちは」といった適切な挨拶をします。また、患者さんが帰る際には「お大事に」と声をかけることで、患者さんが気持ちよく病院を去ることができます。

身だしなみ

医療現場では、清潔感が最も重要です。医療従事者は、常に清潔なユニフォームを着用し、手洗いや消毒を徹底します。髪はきちんとまとめ、長い爪や派手なネイルは避け、身につけるアクセサリーも最小限に抑えます。これにより、患者さんにプロフェッショナルで衛生的な印象を与え、安心感を提供します。

表情

痛みや不安を抱える患者さんに対して、医療従事者は温かい笑顔で接します。患者さんが話しているときは、共感を示すような表情を心がけ、安心して話ができる環境を作り出します。また、困難な状況でも冷静さを保ち、安心を与えるような表情を大切にします。

言葉遣い

医療用語は患者さんにとって難しいことが多いため、わかりやすい言葉を選び、丁寧に説明します。診断や治療方針を伝える際には、専門用語を避け、患者さんが理解しやすい言葉を使い、不安を和らげるような言葉遣いを心がけます。

態度

患者さんの話を真剣に聞き、目を見て話をする、頷きながら聞くなど、患者さんの話に耳を傾ける態度を示します。また、患者さんのプライバシーを尊重し、個室での会話やカーテンを閉めるなど、配慮を持った行動をとります。患者さんの立場に立った行動は、信頼関係を築く上で非常に重要です。

原則 注意点
挨拶 患者さんの名前を正しく呼び、親しみを込めた挨拶を心がける。
身だしなみ 常に清潔なユニフォームを着用し、個人の衛生にも注意する。
表情 患者さんの感情に寄り添うような表情を意識する。
言葉遣い 専門用語を避け、患者さんが理解しやすい言葉を選ぶ。
態度 患者さんの話に耳を傾け、適切なプライバシーの配慮をする。

▼ 医療接遇について詳しい解説は以下の記事をご参考ください。

医療接遇研修

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サービス業に求められる接遇の5原則

快適な体験を提供するための5原則
サービス業において、顧客体験を向上させるためには、卓越した接遇が不可欠です。

顧客が店舗に足を運んだ瞬間から、彼らに快適な体験を提供することが、リピート率の向上とブランドの忠誠心を築く鍵となります。

サービス業における接遇の5原則を適用した具体的な行動例を紹介し、それぞれの原則が顧客満足度にどのように貢献するかを探ります。

挨拶

顧客が店舗に入店した際や接客を開始する前には、明るくはっきりとした声で「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」と挨拶をします。これにより、顧客は歓迎されていると感じ、ポジティブなショッピング体験が始まります。

身だしなみ

サービス業では、スタッフの身だしなみが企業のイメージを左右します。従業員は清潔でアイロンがかけられた制服を着用し、髪型は整え、過度な香水やアクセサリーは控えめにします。これにより、顧客に対してプロフェッショナルであるという印象を与え、サービスの質を高めることができます。

表情

笑顔はサービス業において最も強力なツールの一つです。スタッフは常に親しみやすい笑顔を心がけ、顧客がリラックスしてサービスを受けられるようにします。また、顧客の話を聞く際には、関心を持っていることを示すような表情を使い、共感を示します。

言葉遣い

敬語はもちろん、顧客に対して丁寧でわかりやすい言葉を使います。商品の説明やサービスの案内をする際には、専門用語を避け、顧客が理解しやすい言葉を選びます。また、顧客の質問には明確で簡潔な言葉で答え、信頼を築きます。

態度

顧客の話に耳を傾け、関心を持って接することで、顧客のニーズを理解し、適切なサービスを提供します。また、顧客のプライバシーを尊重し、必要な場合には適切な距離を保ちます。顧客に対する敬意と尊重の態度は、サービス業において顧客満足度を高めるために不可欠です。

原則 注意点
挨拶 顧客を見かけ次第、迅速に挨拶を行う。
身だしなみ ブランドや業界に合った服装を選び、清潔感を保つ。
表情 常に笑顔を心がけ、顧客がリラックスできるようにする。
言葉遣い 敬語を正しく使い、顧客に対して丁寧な言葉遣いをする。
態度 顧客のニーズに注意を払い、親切なサービスを提供する。

小売店での接遇の5原則


小売店において、顧客が快適な買い物体験を享受するためには、優れた接遇が必要不可欠です。

店舗スタッフの接客態度は、顧客の印象やブランドの評価に直接影響を与え、結果として売上にも関わってきます。

ここでは、小売店での接遇の5原則に基づいた行動例を紹介し、それぞれが顧客の満足度と忠誠心を高めるためにどのように貢献するかを明らかにします。

挨拶

顧客が店舗に足を踏み入れた瞬間から、暖かくて元気な挨拶で迎えます。「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」などの挨拶は、顧客が店舗での滞在を快適に感じるための基本です。また、顧客が店を去る際には、「またのお越しをお待ちしております」といった言葉で見送ります。

身だしなみ

小売店の従事者は、常に清潔で整った制服を着用し、髪型やメイクも控えめに保ちます。これは、店舗のブランドイメージを反映し、顧客に良い第一印象を与えるために重要です。また、整った身だしなみは、従事者自身の自信にも繋がり、より良い接客につながります。

表情

笑顔は顧客に安心感と歓迎の気持ちを伝えます。従事者は、顧客とのやり取りの中で、親しみやすい表情を保ちます。顧客が質問した際には、興味を持っていることを示すような表情で応じ、顧客が話しやすい環境を作り出します。

言葉遣い

丁寧でわかりやすい言葉遣いは、顧客とのコミュニケーションにおいて不可欠です。商品の特徴や使用方法を説明する際には、専門用語を避け、顧客が理解しやすい言葉を選びます。また、顧客の質問には、敬意を持って、丁寧に答えることが求められます。

態度

顧客の話を注意深く聞き、そのニーズに応じたサービスを提供することで、顧客の満足度を高めます。顧客が商品を探しているときは、積極的にサポートを提供し、商品が見つからない場合には、他の選択肢を提案します。また、忙しい時でも、顧客一人ひとりに対して丁寧な対応を心がけることが大切です。

原則 注意点
身だしなみ 制服が汚れていないか定期的にチェックし、身だしなみを整える。
挨拶 入店と退店の際には、明るい挨拶で顧客を迎え送る。
表情 顧客との対話中は、常に親しみやすい表情を保つ。
言葉遣い 商品説明は簡潔に、そして顧客が理解しやすい言葉を使う。
態度 顧客の要望に対して積極的に対応し、丁寧なサービスを心がける。

接遇マナーの定着なら接遇研修がおすすめ

接遇は顧客満足度を高め、ビジネス成功の鍵となります。

従業員が身だしなみ、挨拶、表情、言葉遣い、態度の5原則を体系的に学ぶ接遇研修を導入することで、サービスの質を向上させ、顧客からの信頼を築くことができます。

接遇研修を通じて、スタッフ一人ひとりがこれらの原則を日々の業務に活かし、顧客との良好な関係構築に努めることが重要です。

おすすめの接遇研修

接遇研修

接遇は、業務上でお客様に対するサービスのことで、接客マナーや言動、空間作りなど広範囲に渡ります。接客と混同してしまいがちですが、ただ接するのではなく、お客様が快適に過ごせるように、心地良さを感じてもらえるようにというところまで考え行動するのが接遇です。


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