トップ / メディア / 組織構築/ ベルビンのチームロールとは?9つの役割と組織で活かす方法を解説

ベルビンのチームロールとは?9つの役割と組織で活かす方法を解説

ベルビンのチームロールは、チームで成果を上げるために必要な9つの役割(ロール)を定義した理論モデルです。学習領域は9役割の理解・チーム構成の可視化・不足ロールの補完・役割を踏まえた育成設計と多岐にわたり、人の性格ではなく「チームの中で自然に果たす振る舞い」に着目する点が最大の特徴です。チームビルディング、管理職育成、組織開発の現場で世界的に活用されています。

本記事では、ベルビンのチームロールの基礎から、9役割の内容・活用ステップ・他アセスメントとの違いまで、社員研修の導入支援を行っているKeySessionが体系的に解説します。

この記事でわかることは次のとおりです。

  • ベルビンのチームロールの定義と理論背景
  • 9つのロールの特徴と、3カテゴリ(思考系・行動系・人間関係系)による整理
  • 各ロールが不足・過剰なときにチームで起こる症状
  • 組織で活用するための4ステップ
  • 他のチームアセスメント(ストレングスファインダー・MBTI・DiSC)との違い
【この記事の監修者】
レイテストナレッジ株式会社 代表取締役 番井 潤一郎

精密機械メーカー キヤノンの半導体製造装置部門で、技術営業、事業計画、マーケティングを経験。その後、大手外資系メーカーにて営業、マーケティングを経て、日本人として初めてアジア地区の研修担当責任者となる。これまで5,000人以上の研修実施を通じ、受講者の確実なスキル向上に繋げた経験と、営業・マーケティングの経験から、教育と実践、両方を提供するべくレイテストナレッジ株式会社を設立。

監修者ページはこちらから

ベルビンのチームロールとは

ベルビンのチームロールは、英国ケンブリッジ大学のメレディス・ベルビン博士(Dr. Meredith Belbin)が1970年代から1980年代にかけての実証研究を通じて体系化したチーム理論です。マネジメントゲーム形式の長期研究により「なぜ同じ能力の個人を集めたチームでも成果に差が生じるのか」を分析し、チームの成功を左右する9つの典型的な役割を特定しました。

ベルビンの考え方の中核は、個人の性格や能力ではなく「チームの中で自然に果たす振る舞い」に着目する点です。同じ人でも、チーム構成や状況によって発揮されるロールは変わり得ます。メンバーのロール傾向を理解し、チーム全体で不足する役割を補い合うことで、集団としてのパフォーマンスを高めることを目指します。

詳細はBelbin公式サイトで確認できます。

ベルビンの9つのチームロール

ベルビンが定義する9つのロールは、性質によって「思考系(Thinking)」「行動系(Action)」「人間関係系(People)」の3カテゴリに分類されます。以下は9ロールの一覧です。

カテゴリ ロール名(日本語) 英名 主な貢献
思考系 プラント(創造家) Plant 独創的なアイデアで困難な問題を解決する
思考系 監視評価者 Monitor Evaluator 冷静な分析で選択肢を評価する
思考系 専門家 Specialist 専門知識・技能でチームに不可欠な貢献をする
行動系 推進者 Shaper 圧力の中でもチームを前進させる
行動系 実行者 Implementer アイデアを具体的な行動に落とし込む
行動系 完成者 Completer Finisher 細部まで点検し、品質と納期を守る
人間関係系 調整役 Co-ordinator 目標を明確化し、意思決定を導く
人間関係系 協調者 Teamworker チーム内の摩擦を和らげ、協力関係を支える
人間関係系 情報探索者 Resource Investigator 外部と関係を築き、機会やリソースを持ち込む

思考系ロール(Thinking roles)

思考系は、アイデア創出・評価・専門知識でチームに貢献する役割群です。内省的で集中を要するタイプが多く含まれます。

プラント(Plant)
独創的で、型にはまらない発想で突破口を開く役割です。新規事業や困難な課題に向き合う場面で力を発揮します。一方で、自分の世界に没頭しすぎて他者との連携が疎かになりやすい弱みがあります。
監視評価者(Monitor Evaluator)
冷静沈着に選択肢を比較検討し、戦略的な判断を下す役割です。感情に流されない分析力が強みですが、周囲を鼓舞する推進力に欠ける傾向があります。
専門家(Specialist)
特定領域の深い知識や技能でチームに不可欠な貢献をする役割です。関心領域が狭く、専門外には興味が薄いのが特徴です。

行動系ロール(Action roles)

行動系は、推進力・実行力・完遂力でチームを前進させる役割群です。成果に直結するアウトプットを担うタイプです。

推進者(Shaper)
プレッシャーの中で勢いを失わず、困難を押しのけてチームを前に進める役割です。決断力が強みですが、熱量が強い分、周囲を傷つけてしまうことがあります。
実行者(Implementer)
決まったプランを着実に形にする役割です。規律正しく信頼できる一方、変化への適応はやや遅れがちです。
完成者(Completer Finisher)
細部まで注意を払い、エラーを見つけて品質と納期を守る役割です。慎重さが強みですが、自分で抱え込みすぎる傾向があります。

人間関係系ロール(People roles)

人間関係系は、調整・協力・外部連携でチームをつなぐ役割群です。コミュニケーション力が問われます。

調整役(Co-ordinator)
目標を明確化し、メンバーの強みを引き出しながら意思決定を導く役割です。リーダー的立場に向きますが、自分の仕事を他者に任せすぎる面もあります。
協調者(Teamworker)
チーム内の摩擦を和らげ、メンバー同士が協力しやすい雰囲気を作る役割です。共感力が強みですが、対立場面で決断を避けがちになることがあります。
情報探索者(Resource Investigator)
チームの外と関係を築き、新しい機会やリソースを持ち込む役割です。熱意は強いものの、初期の盛り上がりが過ぎると興味を失いやすい傾向があります。

各ロールが不足・過剰なときにチームで起こる症状

ベルビンのチームロールは、「足りない役割」と「過剰な役割」の両方を可視化することで真価を発揮します。以下は、ロールの偏りによって起こりやすいチームの症状の例です。

偏り チームで起こりやすい症状
プラント不足 新しい発想が出ず、解決策がマンネリ化する
監視評価者不足 勢いで意思決定し、重大なリスクを見落とす
推進者不足 議論ばかり増え、実行のスピードが落ちる
完成者不足 納期遅延・品質不良が頻発する
協調者不足 対立が多く、心理的安全性が下がる
推進者過剰 衝突が増え、慎重派が疲弊する
専門家過剰 議論が専門領域に偏り、全体最適が見えにくくなる

この視点を持つことで、これまで「メンバーの個性」で片付けていた課題を、「チーム構成の設計課題」として扱えるようになります。

ベルビン チームロールを組織で活かす4ステップ

ベルビンのチームロールを実務に取り入れる際は、次の4ステップで進めると効果的です。

①メンバーのロール傾向を把握する

最初のステップは、メンバー一人ひとりのロール傾向を把握することです。Belbin社が提供する公式の自己評価・他者評価ツール(Belbin Team Role Self-Perception Inventory)が代表的ですが、組織導入時は有料のアセスメントとなります。まずは管理職・リーダー層を対象に実施し、チーム全体像の把握から始めるのが現実的です。

②チーム構成を可視化する

次に、メンバーのロールを一覧にしてチーム全体のバランスを可視化します。特定カテゴリ(思考系・行動系・人間関係系)への偏りや、決定的に不足しているロールがないかを確認します。

③不足ロールを補う配置・育成を設計する

不足ロールが明らかになったら、配置転換・兼任・意識的な育成で補います。本人の2番目のロール(副次的ロール)を伸ばす、外部から必要ロールの人材を加えるなど、選択肢は複数あります。

④定期的に振り返り、チームを更新する

チームの状況は固定的ではありません。プロジェクトのフェーズやメンバーの成長に伴い、求められるロールも変わります。四半期または半期ごとに振り返りを行い、チーム構成を更新していくことが重要です。

他のチームアセスメントとの違い

「性格診断」「強み診断」「行動特性診断」など類似アセスメントとの違いを理解すると、ベルビンを選ぶ意義が明確になります。代表的な4つを比較します。

手法 分析の軸 主な用途
ベルビン チームロール チーム内で発揮される役割(9ロール) チーム構成の最適化・役割補完
ストレングスファインダー 個人の才能資質(34資質) 個人の強みを活かすキャリア開発
MBTI 性格タイプ(16タイプ) 自己理解・相互理解の促進
DiSC 行動特性(4スタイル) コミュニケーションスタイルの理解

ベルビンは個人特性ではなく「チームの中での役割」に焦点を当てるため、他のアセスメントとは補完関係で用いることもできます。たとえば、ストレングスファインダーで個人の強みを把握したうえで、ベルビンでチーム内での発揮の仕方を整理する、といった使い方です。

ベルビン チームロールを研修で活用するには

ベルビンのチームロールを自社で活用するには、診断ツールの導入だけでなく、メンバーが「チームの中での自分と他者の役割」を体感的に理解する場が欠かせません。そのための選択肢として、以下の研修を組み合わせると効果的です。

どうしても自社に合う研修会社が見つからない、比較するだけの工数が確保できないという場合には、研修会社比較サービスのKeySessionをご活用ください。

2026.05.14 KeySession編集部
この記事の作者
研修の導入を徹底サポート。企業に最適な研修会社を紹介しています。お気軽にご相談ください!

KeySession独自調査リリース

研修お役立ち資料

社員研修の一括見積り

最短30秒 研修導入の無料相談はこちらから