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アカハラとは - アカハラの種類、具体的な対策、教育機関が取るべき措置を解説

アカハラの種類、具体的な対策、教育機関が取るべき措置

アカハラ(アカデミックハラスメント)とは、教育・研究機関で権力を持つ立場の者が、その権限を濫用して学生や職員の教育・研究機会を不当に妨げる行為です。指導拒否や進学・就職妨害、研究成果の盗用、暴言、性的言動など、形態は多岐にわたります。

本記事では、アカハラの定義と種類、発生原因、関連する法的枠組み、被害者・加害者・教育機関それぞれが取るべき対応、そして相談窓口や予防のための研修まで、教育機関のハラスメント担当者・人事担当者が押さえるべき観点を整理します。

この記事でわかること

  • アカハラの定義と6種類の具体的な形態
  • アカハラが発生する構造的な原因
  • 関連する法令と現行制度の位置づけ
  • 被害者・加害者・教育機関それぞれの対応の流れ
  • 学内・学外の相談窓口と、予防のための研修の設計ポイント

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アカハラとは

アカハラは、教育機関内で権力を持つ者がその力を不当に行使し、他の職員や学生に対して精神的・身体的な苦痛を与える行為を指します。東京大学の「アカデミックハラスメント防止宣言」では、教育・研究上の権力を濫用することで教育や研究の機会を阻害し、またはその遂行に支障をきたす行為がアカハラと定義されています。

進学や就職への不当な干渉、研究成果の横取りなども含まれます。教育機関では指導関係や研究室の閉鎖性によりこのような行為が発生しやすく、防止と対策が重視されています。ハラスメント全般の整理はハラスメントの種類を一覧で紹介もあわせてご覧ください。

東京大学の「アカデミックハラスメント防止宣言」

東京大学が公表した「アカデミックハラスメント防止宣言」は、大学におけるアカハラの防止と認識の普及を目的としています。教育・研究活動において不当な圧力や言動を行うことがアカハラと定義され、教育プログラムの強化や相談体制の整備、被害者支援と加害者への適切な対応が宣言に含まれています。

東京大学アカデミックハラスメント防止宣言

アカハラの種類

アカハラは、学習・研究の妨害から進学・就職の妨害、暴言・暴力、経済的・精神的圧力、研究成果の盗用、セクハラ行為まで多岐にわたります。被害者の学術的成長やキャリアに深刻な影響を及ぼすだけでなく、教育機関全体の信頼性を損なう問題です。

学習・研究の妨害

学生や研究者が学習資料・施設へのアクセスを制限される、不平等な指導や支援の拒否を受ける、重要な研究機会から排除される、教材や設備の利用を制限される、といった行為です。学問の自由と成長を阻害し、被害者の学術的キャリアに重大な悪影響を及ぼします。

進学・就職の妨害

教員が推薦状を拒否する、進学や就職活動を不当に制限する行為は、学生の将来の機会を奪うものです。推薦状は学生の進路に重要な役割を果たすため、教員の裁量による不平等な扱いが特に問題視されます。

暴言・暴力・過度の叱責

指導者が学生や部下に人格を否定するような発言や暴言を浴びせる、心理的な圧迫を行う、物理的な暴力やその威嚇を行うといった行為です。学習意欲の喪失や精神的苦痛、安全と健康への脅威を招きます。

経済的・精神的な圧力

研究資材の購入や学会参加費用を学生に自己負担させる、過剰なストレスを伴う言動で精神的苦痛を与えるといった行為が該当します。学生の学問的成長や健康を害する可能性があり、本来は機関側が適切に支援するべき領域です。

研究成果の盗用

教員が学生のアイデアを自身の成果として発表する、研究貢献者を論文から故意に省略するといった行為は、研究倫理を根底から覆すものです。学生のキャリアだけでなく、研究そのものの信頼性にも重大な影響を及ぼします。

セクハラ行為

性別を理由とした不適切な言動や、性的な意図を持った接触が含まれます。「研究は男性の仕事だ」といった性差別的発言、学業成績と引き換えに私的な関係を強要する行為などが具体例です。被害者の学習権や研究の自由を侵害し、機関全体の信頼性を損なう深刻な行為です。

アカハラの法的位置づけ

アカハラを単独で規律する法令はありませんが、行為の内容に応じて複数の法的枠組みが関係します。教育機関の担当者は、関連法令を踏まえて対応プロセスを整備することが求められます。

関連する枠組み 主な対象範囲
労働施策総合推進法(パワハラ防止法) 事業主が雇用する労働者間のパワーハラスメント。教員・職員間に適用される一方、学生は基本的に対象外
男女雇用機会均等法 性的な言動を含む場合のセクシュアルハラスメント。事業主の措置義務
刑法・民法 暴行・脅迫・名誉毀損など犯罪に該当する場合の刑事責任、不法行為に基づく損害賠償責任
各大学・教育機関の防止規程 学生・院生も対象に含めた独自規定。多くの大学が相談窓口・処分基準を整備

アカハラの行為態様によっては複数の枠組みが同時に関係することもあります。教育機関は、外部法令に依存せず独自の防止規程と相談体制を整備し、学生・院生・職員のいずれが当事者になっても対応できる仕組みをつくることが重要です。

アカハラが発生する原因

アカハラの主な発生原因として、次の2点が挙げられます。

  • 閉鎖的な環境
  • 権限の集中

これらの要因がアカハラを助長し、教育機関内でのハラスメント問題を深刻化させています。学校全般のハラスメント構造についてはスクールハラスメントとは?事例と予防策を紹介もあわせてご覧ください。

閉鎖的な環境

大学や研究室は、人間関係のピラミッド構造により権力の集中が起きやすい環境です。上位者の命令や要求に従うことが暗黙のうちに求められ、問題があっても外部に訴えにくい縦社会的構造が形成されます。

被害者は自身のキャリアへの悪影響を恐れて声を上げにくく、内部告発が研究室のキャリアパスに与える影響も大きいため、アカハラが黙認・悪化しやすい環境です。研究室特有の文化が問題行為を正しく認識する機会を奪うことも、根深い要因の一つです。

権限の集中

教授や指導教員が、学生の成績・進級・卒業資格・就職活動に至るまで重要な判断を一手に掌握しているため、その権力を背景にした不当な行為が発生するリスクが高まります。学生は不利益を被らないよう行動を制限され、不公平な扱いを受け入れざるを得なくなる場面もあります。

権限の適正な分散と、透明性の高い監督システムの構築が不可欠です。教員側のリスクマネジメントについては教員の不祥事を防ぐには - 学校でのコンプライアンス取り組みもご参照ください。

アカハラが発生した場合の対応

アカハラが発生した際の対応は、被害者・加害者・教育機関それぞれの立場で異なります。各々の役割と適切な対処の流れを整理します。

被害者の対応

被害を受けた場合は、迅速かつ適切な対応が求められます。まず心身の安全を確保するため、信頼できる友人や家族に相談しましょう。次に、被害の記録を詳細に残すことが重要です。発言や行動の日時・内容を日記やメモに記録し、可能であれば音声録音やメールの保存も行います。

その後、教育機関の専門窓口に正式に相談します。匿名対応が可能な場合はそれを利用するとよいでしょう。状況が改善されない場合は、法的措置を含めた外部の専門機関への相談も検討します。アカハラは深刻な問題であり、早急な対処が回復への近道となります。

加害者の対応

加害者として指摘を受けた場合は、行為の認識の有無にかかわらず、迅速で適切な対応が必要です。まず事実関係の確認と教育機関への報告を行い、自身の行動を客観的に見直し、必要であれば反論する機会を持ちます。

被害者と直接交渉を試みることは避けるべきであり、すべてのプロセスを教育機関を通じて進めることが望ましい姿です。誤解に基づくアカハラ認定であった場合は、法的な手続きで無効を主張する選択肢も視野に入れます。話し合いの場では、事実に基づいた誠実な対応で関係修復に努めましょう。

教育機関の対応

教育機関は、被害者からの相談を受けたら専門窓口で事実確認を行い、関係機関や委員会への申し立てを促進します。アカハラ行為が確認された場合、加害者への適切な処分を下し、教育の場としての公正性と安全性を保ちます。

外部の専門機関や調査委員会と連携し、公平な判断を下せる体制を整えるとともに、被害者支援の充実と予防教育・研修の強化に取り組むことが求められます。職場全体のハラスメント防止策については職場のハラスメント防止策も参考になります。

学内・学外の相談窓口

アカハラの被害者は、状況に応じて複数の相談窓口を活用できます。一つの窓口で解決しない場合は、外部の機関に相談先を広げることが大切です。

相談先 対応の特徴
学内ハラスメント相談室/人権担当部署 大学・大学院の多くが整備。匿名相談や調査委員会への申し立てを支援
各大学のメンタルヘルス相談・学生相談室 心理的サポートに対応。相談内容により学内窓口に橋渡し
都道府県労働局・労働基準監督署 教員・職員間のパワハラやセクハラに関する助言・あっせん
法テラス/弁護士会の法律相談 法的措置を視野に入れる場合の相談先
文部科学省や所管省庁 機関の対応に問題がある場合の最終的な訴え先

アカハラ解決の制度的な背景についてはアカデミックハラスメントは何故なくならないのか?そのしくみと解決策でも詳しく解説しています。

アカハラ対策研修の重要性

アカハラの防止と対処は、教育機関にとって極めて重要なテーマです。アカハラ研修を通じて全構成員がアカハラの定義を明確に理解し、事例に基づく具体的な対策を学ぶことは、安全で健全な学習環境を整える土台になります。研修では階層別に対応策を教育し、相談窓口の機能強化や予防策の導入を促します。

合同会社JEITのアカハラ対策研修は、学校や教育機関向けに特化した内容で、教職員や学生間で発生するアカデミックハラスメントの防止を目的としたプログラムです。

研修では、アカハラの定義や事例を詳しく解説し、参加者がハラスメント行為を自分事として捉えられるように設計されています。階層別カリキュラムにより、行為者にも被害者にもなりうるすべての構成員が理解を深められます。グループワークを通じて具体的な対処方法や予防策も学び、日本ハラスメントリスク管理協会の監修のもとで提供される研修です。

【学校・教育現場向け】アカハラ研修

【学校・教育現場向け】アカハラ研修

合同会社JEITが提供する学校・教育現場向けアカハラ研修。大学構成員を階層別に対象とし、定義や事例の理解から予防策・規定策定、相談窓口運用、メンター制度導入、体制強化、アフターフォローまでワーク形式で実践し、安全で信頼ある学内風土を実現します。

地域ナンバー1の学校/会社のための人材育成・研修を提供

研修導入の検討にあたっては、ハラスメント研修の進め方ハラスメント研修のおすすめ研修会社もあわせてご覧ください。学校・教育機関向けの研修選定でお迷いの場合は、KeySessionまでお気軽にご相談ください。

アカハラに関するよくある質問

アカハラとパワハラ、セクハラの違いは何ですか?

アカハラは「教育・研究上の権力を濫用した行為」に焦点を当てた概念で、教育機関に固有のものです。パワハラは職場の優位性を背景にした言動全般、セクハラは性的言動を伴うハラスメントを指します。アカハラの中にパワハラ要素やセクハラ要素が含まれることもあり、行為態様によって複数のハラスメントに同時に該当することがあります。

大学院生やポスドクもアカハラの被害者になりますか?

なります。むしろ、指導教員との関係が長期かつ閉鎖的になりやすい大学院生やポスドク、研究員は、アカハラの被害が深刻化しやすい立場です。研究成果の盗用や進路への影響など、キャリア全体に関わる被害が発生しやすいため、各大学のハラスメント相談室や外部相談窓口の活用が特に重要になります。

留学生がアカハラを受けた場合はどこに相談すればよいですか?

まずは在籍する大学の留学生支援窓口やハラスメント相談室への相談が基本です。多くの大学では多言語での対応窓口を整備しています。学内で解決が難しい場合は、所属国の大使館・領事館、法テラス、弁護士会の法律相談など、外部窓口への相談も選択肢になります。証拠の保全(メール・録音・記録)は早期に行うことが望ましい姿です。

アカハラを匿名で相談することはできますか?

多くの大学が匿名相談に対応しています。ただし、匿名のままでは事実確認や調査が進まないケースもあるため、調査段階で実名開示が求められる場合があります。匿名相談で受け取れる助言の範囲や、その後の手続きの流れについては、相談前に窓口の運用ルールを確認しておくとスムーズです。

この記事の作者
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