やりがいのある仕事をしているとモチベーションが上がり、組織の士気も向上します。社員が仕事にやりがいを感じていれば、それに伴う成果が期待できるのはもちろん、定着率も上がります。
やりがいを見つけるのは個人に任せるのではなく、企業としてやりがいを見つけやすい環境を作ることが大切です。
この記事では、ビジネスパーソンが仕事でやりがいを感じることや企業が取り組むべきことをご紹介しています。
目次
やりがいを感じる瞬間
参考サイト:エン・ジャパン”9,000名に聞く「仕事のやりがいと楽しみ方」調査”
会社員がやりがいを感じるのは、チームや組織としてよりも個人としての評価や達成感が関係しています。
お礼や感謝の言葉をもらった時
自分のした仕事や行動に対して感謝を言われると、うれしくなりますし、仕事をやって良かったと満足感につながります。
どんなに大変な仕事でも、「ありがとう」「助かった」という言葉を聞いただけでやって良かったと思いますし、自分の価値を見出してもらったような思いにもなります。
仕事の成果を認められた時
どんな人の中にも承認欲求というものがあります。誰かに認められたいという思いです。
コツコツがんばってきたことが成果として現れたことを身近な先輩や上司が見てくれていたと知った時は、とてもうれしくもっとがんばろうという意欲にもつながります。
目標を達成できた時
自分で立てた目標をクリアした時の達成感は、何とも言えない感覚です。脳内からは快楽物質であるドーパミンが分泌され、とても幸せな気持ちになります。
仕事をしていて幸せを感じること、満足感や達成感を味わうことはやりがいに直結します。
やりがいを感じることがもたらす効果
やりがいがなければ仕事ができないということはありませんが、やりがいがあることで得られるメリットは相当なものです。
ストレスが減る
会社員は多少なりとも仕事や職場に悩みを抱えていますが、仕事にやりがいを感じていると、悩みよりも幸福感が勝り、ストレスを感じにくくなります。
1日の大半は仕事時間です。ストレスにさらされて仕事をしていると疲労感が高まりますので、仕事以外の活動も意欲が持てなくなるのです。
やりがいを持つことで、「仕事のストレスが減る→疲れにくくなる→活動的な生活になる→人生そのものが充実する」という、良い連鎖が起こります。
気持ちが前向きになる
やりがいは仕事へのモチベーションにつながり、新しいチャレンジをしたくなりますし、失敗をしても気持ちの切り替えが早くなります。
自分なりの目標を作り行動できますので、常に前向きな明るい気持ちで日々を過ごすことができます。
現状維持ではなく成長と変化を望むようになるため、多くの経験をしたいとあらゆることに積極的になるのもメリットです。
自己肯定感が上がる
やりがいを持って仕事をしている姿は、他の人にも伝わりやすく、上司や会社からの評価が上がります。
周囲から認められることで、自分でも自分のがんばりを認められるようになり、自己肯定感も上がってきます。
経験した人にしか味わえない達成感や満足感は、自分を褒める要素としては十分なものです。
やりがいがある企業の強み
仕事にやりがいを感じている社員が多い企業は、とても大きなメリットがあります。個人の成長だけではなく、企業の成長にも欠かせないものです。
良い人材が定着する
やりがいを感じる仕事ができていると、職場や仕事への不満が減り意欲的に目の前のことに取り組めるようになります。
もっと良い仕事をするためにの工夫をしますし、必要なスキルを積極的に身につけようとします。
企業がお膳立てをしなくても、自分で考え行動するようになるのです。向上心のある人材はどの企業でも欲しいと感じるのではないでしょうか。
やりがいのある仕事ができる企業は、離職率が低下し、優秀な人材が定着するのです。
利益向上
社員一人ひとりがやりがいを見つけて仕事をすることで、組織全体の雰囲気が良くなりお互いに良い影響を与え合います。
全員がそれぞれの能力を発揮し、満足感の高い仕事ができると、それは商品に現れ、顧客に思いが伝わり、利益向上につながります。
社員のやりがいを向上させるポイント
やりがいを持つのは個人の努力と行動だけではなく、企業全体でやりがいを持てる職場作りも必要です。
個人の能力にあった配置
仕事が自分に合っていないと感じると、仕事に興味を持てなくなりやりがいも持てなくなります。
個々の能力や持っているスキルを考慮した配置や業務内容にすることで、モチベーションが上がり仕事に対する気持ちも高まります。
会社都合の配置転換や異動ではなく、個人に焦点を当てた適材適所がやりがいにつながるのです。
感謝を伝えあう
やりがいを感じる瞬間に、お礼や感謝の言葉をもらうというのがありました。感謝の言葉はお客様からの言葉だけではなく、身近な同僚からの言葉でもやりがいにつながります。
職員同士で感謝の気持ちを伝えあうことを習慣にした企業があります。
この取り組みの結果、ありがとうを言いやすい雰囲気が作られている、相手の良いところを見られるようになった、コミュニケーションが良くなったという効果が現れています。
感謝を言ってもらえる、そして自分も伝えることで、お互いのやる気とやりがいアップにつながります。
参考サイト:富士通”個人と組織の成長のツール ~当社サンクスカード活動のご紹介~”
キャリアアップを支援する
キャリアアップを求めている社員には可能な限りのサポートをおこないます。
この会社ではここまでしかできない、これ以上のスキルは得られないと感じると、やりがいがなくなり仕事への意欲を失ったり、転職を考えるようになります。
研修等を開催する、社外研修への参加支援など、希望する人が学べる体制は企業の取り組みとして大切です。
社員の意見を定期的にヒアリングする
社員の意見を業務や経営に反映させることもやりがい向上につながります。
自分の意見を受け入れてもらったという事実が「認めてもらっいてる」という意識を生みます。
すべてを反映できないとしても、定期的に社員の意見や仕事への思いなどを聴く機会を作るようにします。
経営理念や企業の方向性を共有する
企業と社員の向いている先は違っていては、どんなに優秀な人でもやりがいを見つけることは難しくなります。
経営理念を中心に、ひとつひとつの仕事のミッションなどを全員で共有するようにします。これは社員に任せるのではなく、経営陣が自らの言葉で伝え続けることが大切です。
企業の目標や方向性と自分の求めていることが一致すると、会社の一員としての自覚が持てるようになり、仕事へのやりがいも持てるようになります。
やりがいは企業の成長に不可欠
やりがいを持って仕事に取り組む社員が多い企業は、顧客や社会からの信頼も厚く、成長し続けることができます。
技術的な成長だけではなく、目に見えない心の満足感を上げることが企業存続には必要なのです。
積極性を持って仕事に取り組める人材を増やすためにも、これからは社員がやりがいを持てる企業作りが求められます。