「マーケティング研修ではどんな内容を扱うべきかわからない」「マーケティング研修の目的について理解したい」
というお悩みを抱えている経営者や人事担当者も多いのではないでしょうか。
この記事では、マーケティング研修の概要や解決できる課題、カリキュラム例などを紹介していきます。社内のマーケティング力や企画力を向上させたい方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- マーケティング研修を実施する目的
- マーケティング研修のカリキュラム例
- マーケティング研修の選び方
マーケティング研修の効果を高めるためには、研修の内容や講師の質が重要です。キーセッションでは、貴社にぴったりな研修をご提案します。マーケティング研修を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

マーケティング研修とは
マーケティング研修とは、顧客や市場に対するアプローチを図るマーケティングの方法を学ぶ研修です。マーケティングの考え方や役割を幅広く理解し、顧客に商品やサービスを届ける仕組みを作る方法を学べます。
マーケティングに関連する言葉に、マーケティング戦略があります。マーケティング戦略とは、経営者や幹部が立てる売るための戦略であり、「誰に、何を、どのように」設計して行くかを考えるものです。現場でも「誰に、何を、どのように」をより細かく行い顧客アプローチを図りますが、これは「マーケティング戦術」に該当します。
マーケティング研修では、マーケティングの基本概念や考え方を学ぶことで、顧客に商品やサービスを届ける仕組みを作る具体的な方法が身につきます。
マーケティングの具体的な役割は、顧客の特定、満足、維持を支援することです。
《出典》 マーケティングの定義 - Washington State University
ビジネスにおけるマーケティングの重要性
マーケティングは、ビジネスの成功を支える重要な要素です。そもそもマーケティングとは、ビジネスにおいて顧客のニーズを理解し、市場に対するアプローチを戦略的に計画し、商品やサービスを顧客に届ける仕組みを作り出すための方法です。
商品やサービスを顧客に届け、売上を最大化するために、広告やプロモーションなどのさまざまさまざまな手法を用います。マーケティング施策によっては、顧客との関係構築や競合他社との差別化も可能です。
ここまでの説明をまとめると、マーケティングは「売れる仕組みづくり」に他なりません。つまり、「どうすればお客様にお買い上げいただけるのか?」を考えるものなので、自社の売上に直結します。
一昔前は、マーケティングを重視する企業は多くありませんでした。しかし今の競争の激しい市場において、「マーケティング戦略」の構築は、ビジネスの基本になっています。また、戦略を立てる側だけでなく実行する側も、自社のマーケティング戦略を理解して、業務を行うことが求められています。
マーケティングにおいて企業が抱える課題
2020年12月のマーケティング関連業務従事者を対象に実施した「マーケターが抱える課題感に関する調査」によると、次の3つが上位を占めました。
1位:商品・サービスの企画・開発力不足
2位:市場や競合に関するデータ不足
3位:蓄積データの活用方法
マーケティングでは、市場の状況を調査し、競合他社の強み・弱みを分析した上で自社が取るべき行動を選択することが重要です。しかし、上記の調査ではデータ収集やその活用方法について多くのマーケティング従事者が課題を感じていることがわかります。
データの分析手法やマーケティング戦略を立てるプロセスなど、実践で使えるスキルを研修でしっかりと身につけることが求められています。
参考:マーケターが抱える課題感に関する調査 「ロイヤリティ マーケティング」調べ
マーケティング研修を実施する目的
マーケティング研修を実施する目的は、主に以下の3つです。
- マーケティングの役割や考え方を理解する
- 社内コミュニケーションを活性化させる
- 会議議論における質の向上
それぞれ解説していきます。
マーケティングの考え方や役割を理解する
マーケティング研修を実施することで、社員がマーケティングの考え方や役割を理解できます。
研修で、マーケティングの上流から下流までを学ぶことで、マネジメント層では実行可否を踏まえた戦略策定ができるようになりますし、現場レベルでは上流工程を踏まえて意思決定ができるようになります。
社内全体にマーケティングの概念を浸透させることで、自身の役割が明確になり業務の実行力が底上げされるでしょう。
社内コミュニケーションを活性化させる
マーケティング研修によって、社内コミュニケーションを活性化させることも可能です。企業では異なる部署の人々が関わります。研修によりマーケティングという共通の視点をもつことで、部署の垣根を超えた横串の社内コミュニケーションが活性化されるのです。
社内コミュニケーションが活性化されると、組織全体の連携が強まり、業務の効率化や業績の向上が期待できます。
会議・議論における質の向上
マーケティング研修を実施することで、会議・議論の質が向上します。会議の場では異なる意見や議論が交わされますが、会議に参加するメンバーの知識レベルが揃っていないと互いの理解が進みません。
社員のマーケティング知識が向上することで、会議議論の質が向上し、より戦略的な意思決定ができます。
マーケティング研修の対象者
マーケティング研修の対象者は、主に以下のような方です。
- マーケティングを担当する方
- マーケティングの観点から戦略を立案するマネージャーや管理職
- 商品の企画や販売・営業にマーケティングの知識を活かしたい方
マーケティング研修は、内容によってプログラムが分かれていることがあります。たとえば、新人向けの基礎的なマーケティング研修、顧客のインサイトを発掘するマーケティング研修、マーケティングのためのデータ分析を学べる研修などです。
受講者の仕事に活かせる研修を導入することで、受講者のスキルを高めましょう。
マーケティング研修のカリキュラム内容の例
マーケティング研修のカリキュラム内容の例として、「人材育成(管理)力」強化と「経営の視座視点強化」の2点を4日程で実施するプログラムをご紹介します。
【現状の課題】販路拡大が頭打ちで、顧客も競合に奪われている
【対象者】営業部門の責任者、管理職や経営幹部
日程 | 内容 | ゴール |
---|---|---|
1日目 | マーケティングの基本 | 午前 【講義】マーケティングとは?マーケティングミックスやS T P戦略 【演習】マーケティングの進め方を確認しどう改善するか 午後 【講義】顧客ターゲット設定と商品企画、購買心理について 【演習】誰に何をどう売るか?について考える |
2日目 | アイデアを産み形にする | 【講義・グループワーク】アイデアの発想の仕方 【講義・グループワーク】KJ法でアイデアを整理、統合する 【講義】顧客創造・サービスマーケティング 【ケース】あなたはこの場合どう顧客を生み出すか? |
3日目 | 顧客維持マーケティング | 【講義】顧客維持戦略について 【ケース】ケース企業が行っている戦略を理解する 【講義】リピート化、クロスセル、アップセル 【ケース】ケース企業を4つの視点で整理し、どうすべきかを提示 |
4日目 | 総合演習 | 【ケーススタディ】自社のマーケティング戦略上の課題は何か?解決のためにあなたが推進することは? 【ケーススタディ】自社が今後新規事業を行うが、その事業は、誰に、どのように販売を実行していくか? |
研修のラインナップ
マーケティング基礎研修「株式会社ノビテク」
マーケティングとは、自社の商品やサービスを届けたい顧客層を分析し、どうすれば買ってもらえるかを考え、実行することです。しかし、その内容や手法は多岐にわたる上にとても奥が深く、いくら理論を学んでも実践に移すのはなかなか難しい場合もあります。本研修では、市場分析(誰に買ってもらいたいか)と戦略分析(どうやって買ってもらうか)の2つの視点からマーケティングを学びます。多数の実践的なワークを通して、マーケティングの基本から応用まで、総合的な知識と実践ノウハウが得られる内容です。
株式会社ノビテクは、「研修で学んだ内容が現場ですぐに実践できる」カリキュラムのご提供に力を入れています。グループディスカッションやケーススタディ、実際の現場を想定したワークを積極的に取り入れ、社員が主体的に研修に取り組み、学んだだけで終わりにさせない独自のプログラムです。現場の課題解決や社員のレベルアップなど、それぞれの目的に合わせた学びの場を豊富にご用意し、企業でイキイキと活躍する人材の育成を力強くバックアップします。

マーケティングの基本プロセスから実務的な知識習得を目指すマーケティング基礎研修 - 株式会社ノビテク
マーケティングの基本プロセスからロジカルシンキング技法の応用を通して実務的な知識習得を目指します。
マーケティング研修で身につくこと
マーケティング研修で身につく力は、主に以下の4点です。
- マーケティングの基礎知識
- データ収集・分析力
- 論理的思考法
- 戦略立案力
それぞれ説明していきます。
マーケティングの基礎知識
マーケティング研修を受講することで、マーケティングの基礎知識を身につけられます。たとえば、以下のような内容です。
- マーケティングの基本的な概念
- 市場分析
- 顧客セグメンテーション
- ターゲット設定
- プロモーション戦略
また、知識だけではなく、マーケティングの重要性や自社における自分の役割、課題なども理解できます。研修を受けることで、自社の商品やサービスの市場競争力を高めるためにはどうすればいいのかという自分の役割を明確にしてください。
データ収集・分析力
マーケティング研修を受講することで、データ収集・分析力を習得できます。これらのスキルを得ると、業務の経験値や個人の勘に頼ることなく、集めたデータをもとに的確な判断を下せます。
論理的思考力
研修では、マーケティング戦略を考える上で不可欠な論理的思考力を養えます。戦略立案で取り扱う業界の特性や競合製品の特徴などのデータはとても膨大です。その中から自社に必要なものだけを取捨選択し、体系立てて考える訓練をすることで、論理的思考力が育成されるのです。

実用可能なスキルの習得を目指すロジカルシンキング研修 - 株式会社ノビテク
MECEやロジックツリーなど、論理的思考のフレームワークを学習し、ケーススタディを用いて机上の理論ではなく実用可能なスキルの習得を目指します。社内外問わずビジネスの目的を達成するために、様々な状況・情報・条件を把握し、考えるスキルを習得する研修です。
戦略立案力
マーケティング研修では、顧客に価値を提供できる戦略の立て方を身につけられます。戦略立案力はマーケティングにおいて重要な要素であり、研修では必ず学ぶ内容です。このスキルを身につけることで、迅速に戦略を立てられるようになり、自社の競争優位性を高めることにもつながります。
マーケティング研修が組織にもたらす効果
マーケティング研修が組織にもたらす効果は、以下の2つです。
- 売上向上
- 停滞気味な自社の変革
売上向上
マーケティング研修を受講することで、自社の売上向上が期待できます。
売上を大きく分解すると、「売上=単価×客数」という式になります。マーケティングは、「単価」つまり価格戦略と、「客数」つまり集客や顧客維持(リピート面の向上)の向上に役立つのです。
また、それを活動別、「認知」→「興味づけ」→「検討」→「成約」→「リピート」→「ファン化」→「クチコミ」のような形で設計をし、各論に落とし込む研修を行えれば、より自社のマーケティング戦略の強化につながります。
停滞気味な自社の改革
長年ビジネスをやってきて売上が頭打ちである場合には、新たな打開策をマーケティングの視点で得ることが可能です。マーケティングのフレームワークや考え方を活用することで、これまで見えていなかった課題を見つけられるからです。
たとえば、4P戦略(価格、製品、流通、販売促進)を検討する中で、ボトルネックがどこか課題を検討するために顧客満足度のアンケートを取ることがあります。アンケート結果を分析し、顧客はもっと購入後のフォローを期待していることが分かった場合、そのフォローの強化を検討します。
そうなれば、LTV戦略(顧客生涯価値)の見直しも必要です。このように、マーケティングに関する知識を持っていれば、LTVを見直すという発想につながります。
マーケティング研修を受講することで、新しい視点を得られます。業績が低迷している企業にとっては、改革のきっかけになるかもしれません。
資産としての顧客の価値を判断するために顧客生涯価値 (CLV) を計算する場合、獲得コストを差し引くと状況が歪む可能性があります。
《出典》 顧客の生涯価値をどのように計算すべきか? - Massachusetts Institute of Technology
マーケティング研修を実施するポイント
マーケティング研修を実施する際には、以下のポイントに留意してください。
- 研修の目的や達成目標の理解を促す
- 振り返りや確認テストを行う
- 実践で使える環境を整える
研修の目的や達成目標の理解を促す
研修の前に、参加者に研修の目的や達成目標を明確に伝えることが大切です。研修終了後に担当する業務や流れを理解し、実践できるようにするためにも、事前に参加者に情報を提供しておきましょう。そうすることで、研修の効果を高められます。
振り返りや確認テストをする
研修内容の振り返りや確認テストをすることで、参加者の理解度を測定できます。理解度が低い場合には、しっかりとフォローし、参加者が研修内容を理解しやすくすることが重要です。
参加者が自分の理解度を確認できる機会を設けることで、研修の効果を最大限に引き出せます。
実践で使える環境を整える
研修を受講しただけではなく、学んだことを実践できる環境整備が大切です。研修終了後には、参加者に実際の業務に応用できるような環境を整えることで、学んだ知識やスキルを定着させられます。
研修で学んだフレームワークで自社製品を取り巻く市場環境を分析する機会を設けるなど、実践の場を積極的に作ってあげましょう。
マーケティング研修の選び方
マーケティング研修は、研修の対象者によってカリキュラムを選ぶ必要があります。以下2つの対象者を想定して、おすすめのカリキュラムを紹介します。
- 現場の実行レベルが問題と捉える場合は各論強化研修で学ぶ
- 戦略立案など経営側で考えさせる力をつけたい場合は経営戦略を学ぶ
現場の実行レベルが問題と捉える場合は各論強化研修で学ぶ
現場の実行レベルが問題である場合は、営業力強化やSNS運用などのデジタルマーケティングの各論強化研修を選びましょう。
しかしこの場合、単純にインプットだけを行うような会社はおすすめできません。学びをそのまま現場で使えることが最重要なので、研修で「すぐ使える」ノウハウを多く習得できるかが重要です。出来る限り、実践が豊富な研修を選択します。
戦略立案など経営側で考えさせる力をつけたい場合は経営戦略を学ぶ
経営側で考えさせる力をつけさせたい場合は、経営戦略を学ぶことが必須となります。
研修では、マーケティングやその他経営戦略のフレームワーク(思考の枠組み)を学び、それをとにかく使い、状況を分析し、判断・決断できる力を習得できるカリキュラムが必要です。
そのためには、できるだけ近い企業規模の事例やケースを提供してくれる会社が最適です。さまざまなケースの活用で、問題の把握力・解決力を高められます。この場合は、オーダーメイド性の高い会社や例題を多数保有する会社にするなど、中身での判断が重要となります。
事前に研修内容の打ち合わせを綿密に行い、ケーススタディーのアレンジや変更を柔軟にしてくれる会社がおすすめです。
マーケティング研修についてよくある質問
マーケティング研修についてよくある質問は、以下の通りです。
- Q. マーケティング研修を実施するメリットは何ですか?
マーケティング研修を実施するメリットは、マーケティングに関する考え方を効率的に身につけて、実践に活かせる点です。マーケティングは、業界での経験値や個人のセンス・勘などといった「目に見えないもの」に頼る傾向があります。しかし実際は、マーケティングに関する理論やフレームワークを知り、基本的な考え方を身につければ、誰でもスタートラインに立てます。
一度得たマーケティングの知識は、他部署への異動や役職が変わっても役立てられる普遍的なものです。学んだ理論・フレームワークを実務に応用し、他の社員にも実践できるよう形式化すれば、社員全体の知識レベル向上にもつながります。
- Q. マーケティング研修は、どのような社員が受講対象となりますか?
マーケティング研修は、業界や職種・キャリアを問わず多くの社員が対象となります。
専門部署やマネージャー・管理職など、業務上で戦略立案が必要な立場の社員向けと思われがちです。しかし、ビジネス環境が急激に変化する現代社会では、「すべての社員が身につけるべき知識」になりました。
顧客に選ばれる商品やサービスを提供し、企業の優位性と付加価値を高めるためには、業界や職種・キャリアを問わず多くの社員のマーケティング習得が重要です。
- Q. 一度でマーケティングのすべてを理解するのは難しい?
たくさん存在するマーケティング理論のすべてを一度で理解するのは困難です。しかし、多くの企業の現場で活用されている有名なマーケティング手法は限られており、そのポイントさえ押さえれば実際の現場への応用は十分可能です。それでも知識の定着に不安がある場合には、フォローアップ研修を実施し、社員に繰り返し伝えていきます。
- Q. マーケティング研修と一緒に実施したい研修は?
マーケティング研修と一緒に実施したい関連研修として、以下のような研修がおすすめです。
マーケティング研修と一緒に、Webマーケティング研修やデジタルマーケティング研修を実施すると、参加者はより幅広いマーケティングスキルが身につきます。現代のビジネス環境において、Webやデジタルを活用した効果的なマーケティング戦略を展開するためには、これらの関連研修を一緒に実施するのがおすすめです。