「コーチング研修の内容って?」「コーチング研修の目的は何?」といった風にお悩みの方も多いのではないでしょうか。
社員がコーチング技術を身につければ、コミュニケーション能力も向上でき、営業成績の向上や職場内の人間関係の改善になります。
この記事では、コーチング研修を受けるメリットやティーチングとの違い、コーチング研修を取り入れる方法などを詳しく解説していきます。コーチング研修の導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- コーチングについて
- コーチング研修を受けるメリット
- コーチングに必要なスキル
キーセッションでは、貴社にぴったりなコーチング研修を豊富な提携研修会社からご提案可能です。予算や目的など簡単なご要望をいただければプランを提案しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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コーチングとは
コーチングとは、指導対象者がもつ課題に自分自身で気づき、課題解決に向けた行動を自発的にできるようにサポートする手法です。指導対象者の能力を最大限に発揮できるように支援するコミュニケーション技術でもあります。
個人の目標を具体化し、目標達成を促すことが目的で、セルフマネジメントとしても活用できます。
コーチングとは何かについては、こちらの記事で紹介しています。
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コーチングとは
コーチングとティーチングとの違い
コーチングとティーチングの違いは、答えを与えるか気づきを与えるかです。
ティーチングは、ティーチャーとなる人(学校の先生、上司、先輩など)が経験に基づき答えにもとづいた指導をします。場合によっては指示をすることもあります。
対してコーチングは、コーチと呼ばれる人が指導対象者自身が現在の状態を理解し、理想の状態に向かえるようサポートします。場合によっては指導対象者の精神的な支えとなることもあります。
コーチングには、『答えはその人の中にある』との考えが基本にあるので、コーチが成功に導くことはしません。あくまでも指導対象者が自分自身で答えを見つけるところが特徴です。
コーチングをおこなう人のことをコーチやプロコーチと言い、コーチ資格を取得しています。
効果的な指導コーチは、信頼と相互尊重に基づいた関係を構築し、判断を下すのではなく、内省的で探求志向のフィードバックを提供する、思考パートナーとしての役割を果たします。
《出典》 WHAT IS AN INSTRUCTIONAL COACH? - University of Wisconsin–Madison
コーチングとティーチングの違いは、こちらの記事でご紹介しています。
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コーチングとティーチングの違い - メリット・デメリットと使い分け方
コーチング研修の目的
コーチング研修の目的は以下が挙げられます。
- 指導者としての振る舞い方を学ぶこと
- 社員の能力や可能性のを引き出し方を知ること
- 自発的に行動する人材の育て方を学ぶこと
それぞれを具体的に解説します。
指導者としての振る舞い方を学ぶこと
コーチング研修では、部下に対する振る舞い方やコミュニケーションを学べます。「指導者として部下にどのように接するか?」は、非常に重要な問題です。
同じチームで働く以上、お互いに不満を抱えたり、別のメンバー同士で衝突したりすることもあります。そうした問題が続くと、仕事に対する部下のモチベーション低下は避けられません。
正しいコミュニケーションを行い、状況に応じた適切な対処をするのは指導者の役割です。対処するにあたっては、相手のことを正しく理解しておくことが必要です。相手の考えや状況をしっかり把握し理解を示すことで、それぞれの問題に関する適切なアドバイスができるようになります。
社員の能力や可能性の引き出し方を知ること
コーチングでは、社員自身が自分の可能性に気づけるようにし、それを仕事で活かしてもらうことで成長を促します。
仕事において重要なことは「自ら考えて行動していく」点です。目の前の仕事に対するPDCAサイクルを回し、その結果を基に「次の仕事はどのように取り組むべきか?」を考えることで成長します。そのため、指導者から指示された仕事に漠然と取り組んでも、部下の成長にはつながりません。
大切なのは、部下のやる気を引き出すことで積極的に仕事に取り組むようになってもらうことです。積極性が生まれることで部下自身の成長につながるのです。そのための指導方法をコーチング研修で学べます。
自発的に行動する人材の育て方を学ぶこと
自走できる人材の育て方を学ぶのも、コーチング研修の目的です。
企業が理想とするのが「自立型組織」です。自立型組織では、組織の目標を共有したら、あとは個々人が主体となって動けます。こうした組織だと、あらゆる状況にも対応しやすく、変化できるスピードが早いです。
コーチングスキルを身につけ、社員それぞれが自発的に行動できることで、この自立型組織への一歩を踏み出せます。
従来の「管理型組織」では、上層部から降りてくる指示を基に仕事をこなすのが一般的でした。しかしこれでは、上層部の考え方が組織の考え方になってしまい、決定権も一つに集中してしまうので変化は少ないです。こうした組織は、あらゆる情報やモノが目まぐるしく変わる現代では生き延びられません。
ビジネス分野での競争は激しくなっており、IBM、Hewlett Packard、MCI などの成功した組織は、競争力を維持するために従業員の継続的なコーチングを実施しています。
《出典》 職場でのコーチングの重要性とその方法 - Quantic School of Business and Technology
コーチング研修を実施するメリット
コーチング研修を実施するメリットは以下が挙げられます。
- 受講社員のマネジメントスキルが向上する
- 社員のモチベーション向上を促進できる
- 社員が目指すべき方向性を明確化できる
ビジネスにおいてとくに関わり深い上記のメリットを詳しくご紹介します。
組織が目標を達成しようとする場合、コーチングは非常に重要です。従業員の可能性を最大化するために、マネージャーによる継続的な従業員パフォーマンス管理の一部であるべきです。
《出典》 職場でのコーチングの重要性とその方法 - Quantic School of Business and Technology
受講社員のマネジメントスキルが向上する
コーチング研修を受けることで、社員のマネジメントスキルが向上します。自発的に行動する人材の育て方や、社員や部下の能力や可能性の引き出し方を把握し、管理能力が向上するのがメリットです。
コーチング研修を通して、心理的な観点から各々にあったマネジメント方法を見出せるようになります。指導者としてマネジメント能力は無くてはならないものです。スキルが向上することで、自身の能力や可能性を存分に発揮できる社員や部下が増えます。
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社員のモチベーション向上を促進できる
コーチング研修を通じて、社員のモチベーションアップを促せます。
コーチング研修では自ら考えて選択する重要性を学べるからです。
部下の能力を引き出すのは上司の役割ですが、本人が自分自身に可能性や能力があると気づかなければ、いくら上司が褒め讃えてもよい結果にはなりません。
自身のポテンシャルや、どうなりたいかという思いにコーチングを通じて気づけるメンバーが増えれば、社内のモチベーションは自然と上がっていくでしょう。
社員が目指すべき方向性を明確化できる
コーチング研修によって、社員自ら目指すべき方向性を言語化できます。
コーチングはコーチの質問に答えることで、心の中にある答えを自分自身で見つけていく手法です。何度もコーチングを受けているうちに、自然と自ら考える癖がつくようになります。
そのためには潜在意識の引き出し方や指導方法を理解する必要があります。コーチング研修では、それらを学び理解できるため、指導を受けた社員や部下は自身が目指すべき方向性を明確化できるでしょう。
コーチング研修の内容
コーチング研修の内容の例は以下の通りです。
- コーチングマインド育成研修
- 傾聴・質問・承認スキル研修
- ロールプレイング研修
それぞれの内容を解説します。
コーチングマインド育成研修
相談しやすい態度や話し方などが求められることを学びます。コーチングを実施する上では、相手自身の中に存在する意識に着目する姿勢が重要です。要はコーチングにおける心構えを学ぶ研修です。
部下や後輩、社員の長所を見つけたり、人に対してプラス思考なマインドが持てるよう研修で学びます。ただ学ぶだけでなくコーチングを意識して実践するために重要な研修です。
傾聴・質問・承認スキル研修
コーチングスキルには、傾聴・質問・承認の3スキルが存在します。
それぞれの特徴は以下です。
スキル | 内容 |
---|---|
傾聴 | 相手の気持ちや湧き上がってくる感情に共感しながら聴く |
質問 | どのような言葉をどのように投げかけたらいいかの判断 |
承認 | アドバイスの実践を評価してあげる姿勢 |
傾聴・質問・承認のスキルはあらゆる場面で活用できるスキルです。
ロールプレイング研修
上司役と部下役に分かれてロールプレイングを実施します。よい点と改善点を部下役がまとめてフィードバックすることで、さまざまなタイプの悩みや人にコーチングできる力を身に着ける研修です。
研修ではさまざまな場面(ケース)を作り、それにあわせて指導や育成方法を考えます。研修を行うことで状況や人を限らずに、コーチングできるようになるでしょう。
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ロールプレイング研修
参加者が役割を演じることで、リアルなシチュエーションに直面することができ、実際の業務においても同様の状況に遭遇した際に、冷静に対処する力を養うことができます。
コーチング研修おすすめラインナップ
キーセッションで扱っているコーチング研修のうち、おすすめのラインナップを紹介します。
「決めては質問力!部下の成長を促すコーチングスキルが身につく研修」株式会社ノビテク
このコーチング研修は、管理職・営業マネージャークラスを対象にしています。コーチングの基本である「傾聴・質問・承認」などの手法を学び、ワークを通じて短期間でインプットからアウトプットまでの流れを体験できます。クローズド質問などの具体的な基本スキルが身に付くため、次の仕事から活かせます。
株式会社ノビテクは、業界ではじめて研修にゲームメソッドを取り入れたり、日本最大規模の研修実施プロジェクトを成功させたりするなど、実績豊富な研修会社です。延べ受講人数は3,000人にものぼります。 「仕事が楽しめる人を一人でも多く増やす」理念を掲げ、事業展開をしています。研修の種類は「各分野ごと」「社員の階層別」「会社の課題別」のように幅広く分類されているため、会社が抱えるあらゆる悩みに対応できます。また、用意された研修をそのまま受講するだけでなく、自社の型に合わせたカスタマイズが可能です。
「やる気を自動継続・創造させるモチベーションアップ研修」株式会社モチベーション&コミュニケーション
この研修では、仕事をする上で大切な「モチベーションを自然と継続させるためには?」を学べます。この考え方は、階級問わずすべてのビジネスパーソンに必要です。研修終了後のフォローアップ体制も万全。受講生との面談やメール相談の場を設けているため、仕事の中で改善しつつ実際に活用できます。
株式会社モチベーション&コミュニケーションは会社のコミュニケーションに関する課題を特化して解決している研修会社です。従来の単一的な指導方法で形式的にモチベーションアップを図るのではなく、社員が「心から湧き上がるモチベーション」を手に入れることを目的としています。47都道府県にまんべんなく講師が在籍しているため、全国どこでもハイレベルな指導を受けられます。
50種類もの研修を年間2,000回行っており、そのわかりやすさは折り紙付き。これまでの受講者数は30,000人を超えており、満足度は90%以上を誇ります。
感情にアプローチすることで“やる気”を無理やり出すのではなく、自動継続・創造していくモチベーションアップ研修です。 社員一人ひとりが心の底からワクワクして、イキイキと楽しく働ける環境を自らつくるスキルを解説していきます。
「外国人社員マネジメントに携わるマネージャー対象キャリアコーチング研修」株式会社J−グローバル
外国人スタッフとの間に起こるさまざまな誤解やトラブルは、マネージャーがまず日本と海外のビジネス文化や働き方の違いを理解することで防げます。せっかくコストをかけて教育した外国人が離職してしまうのは、無意識に日本特有の職場文化や考え方が外国人スタッフにも通用すると思い込んでいるからかもしれません。
本研修では日本人と外国人スタッフがチームワークを発揮し、モチベーション高く働ける職場環境づくりを学びます。
実践的なロールプレイを取り入れ、実際に行ったフィードバックはそのまま現場で使えます。また、マインドセットから学べるため、研修終了後には「自信を持って外国人スタッフと関われる」と高い評価を得ています。背景、文化、働き方の違いを理解することで、適切な指導方法がわかるのです。
株式会社J-グローバルにはさまざまな国籍の講師が在籍しています。赴任先が決まっている場合は、その国籍もしくはその国に詳しい講師が文化の特徴を説明しながら研修を実施します。そのため、細かいニュアンスの質問にも詳しくお答えできるのが強みです。特定の国籍の部下へのフィードバック、そして将来のグローバル化を見越した研修も行えます。
外国人社員マネジメントに携わるマネージャー対象キャリアコーチング研修
外国人スタッフに、日本型のチームワーク重視の働き方を理解してもらいながら、彼らをサポートし、モチベーションを高めてもらうための「コーチング型マネジメントスキル」を学びます。
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【2024年最新】コーチング研修におすすめの会社10選!失敗しない選び方も解説
コーチング研修はオンライン受講も一つの手
コーチング研修をオンラインで受講するメリットには、以下が挙げられます。
- 場所を問わず実施できる
- 研修内容を復習しやすい
- 講師に質問しやすい環境がある
対面研修とオンライン研修では内容は同じでもそれぞれに違った特徴があるため、どちらの方法が自社に向いているか検討して決めるのがよいでしょう。
場所を問わず実施できるため
オンライン研修なら、場所を問わずに受講できるため交通費や移動時間の削減につながります。また、コーチとマンツーマンでセッションを行えるのもメリットの一つでしょう。集中しやすい環境でリラックスして学べるため、オンラインの方が向いている人も多いのではないでしょうか。
オンライン研修によっては、好きなタイミングや時間に受講できる場合もあります。自身の性格を考慮し、オンライン研修と通常の研修どちらが向いているか、メリットを感じるか検討してみてください。
研修内容を復習しやすいため
オンライン研修では、オンライン上のテキストや動画を参考に学習し直せるため復習に便利です。「もう一度学びたい」「繰り返し復習したい」と思っても通常の研修の場合、内容が進むと難しい場合も多いでしょう。
オンラインなら研修内容を復習しやすいため、好きなタイミングでより研修内容を身に着けられます。
講師に質問しやすい環境があるため
チャットツールを使えば講師に質問できるのもメリットです。対面の研修に比べて他の人の目が気になりにくく、マンツーマンでなくても質問しやすい環境が作れます。
教わった内容についてより自分なりの方法で理解を深めることにもつながるでしょう。講師とコミュニケーションが取りやすい環境は学ぶ上で大きなメリットとなります。
コーチングを取り入れる方法
コーチングを取り入れるには次の2つの方法があります。
- 社員研修に組み込む
- プロのコーチに委託する
どちらの方法が現状に合っているのかで決めるのが、スムーズな導入につながるポイントです。
社員研修に組み込む
コーチング技法はセミナーや研修で学べます。コーチングのプロを育てたいのであれば専門的な講座で資格取得が必要ですが、社内で使う範囲であれば社員研修に取り入れトレーニングを受けるだけでも十分です。
とくに管理職がコーチングスキルを習得すると、部下の教育や育成に役立ちます。チーム全体で知識を持っていると、個人の成長と組織の発展につながります。
コーチング研修の実施を検討しているなら、ぜひKeysession(キーセッション)にご相談ください。予算と貴社の目的にあった提携の研修会社を複数ご紹介させていただきます。
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研修は外部委託すべき?メリット・デメリットを徹底解説!
プロのコーチに委託する
定期的にプロのコーチングを受ける機会を作るのも効果的です。経営者やマネージャーがコーチングをおこなう場合、関係性によってはお互いに遠慮したり苦手意識を持ってしまうことがあります。
プロコーチは経験と知識をもとにしたテクニックを数多く持っていますので、対象者のタイプや状況、ケースに合わせて対応してくれます。
コーチング研修の費用目安
コーチング研修にかかる費用の目安を以下の3つに分けて紹介します。
- 社内研修の費用目安
- 外部研修の費用目安
- eラーニングの費用目安
社内研修の費用目安
社内研修の場合は、1日200,000〜500,000円が目安です。短時間の研修の場合1時間あたりの費用となります。上記は交通費や教材費を含めた費用目安です。
外部研修の費用目安
外部研修の場合、1日講座で18,000〜30,000円/人が目安です。外部研修の場合は、個人でも参加できるところがあります。研修によって短時間〜数日の研修と期間が異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
eラーニングの費用目安
eラーニングの場合は会員制を取っているところも多いため、料金に差があります。月額制や年間契約制などプランごとに確認するのがおすすめです。社内研修に比べると手軽で費用も抑えられるのがメリットです。
研修の費用相場は、こちらの記事で詳しく解説しています。
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コーチング研修についてよくある質問
コーチング研修についての以下のよくある疑問と回答を紹介します。- コーチング研修の対象者は?
- コーチング研修からどのような成果が期待できる?
- コーチング研修後に実際に部下育成に活かせるか不安
- Q. コーチング研修の対象者は?
- コーチング研修の対象となるのは、以下のような社員です。
- 管理職
- 中堅社員
- リーダー
- 後輩指導を行っている社員
- 人材育成に関わる社員
- Q. コーチング研修からどのような成果が期待できますか?
コーチング研修を受けることで、管理職やリーダーとしてのコミュニケーション能力が上がります。部下と適正な関わり合いができるようになり、職場の人間関係が良くなり、生産性や売上の向上が期待できるでしょう。
また、コーチングを用いて若手や部下の育成ができれば、これまでは出てこなかったアイデアやイノベーションをチームから引き出せます。
- Q. コーチング研修後に実際に部下育成に活かせるか不安です
研修会社に研修後の定着までのロードマップを検討してもらうと良いでしょう。
コーチング研修では、カリキュラムにケーススタディが含まれていることが多いです。上司役と部下役に分かれてロールプレイングを行うなどして、現場で活かせる具体的な指導方法を学べます。研修会社との打ち合わせの際に、自社で実際に起こっている困り事を共有することで、より実務に活かせる研修プログラムにしてもらえます。
コーチングがうまくいかない、効果が出ないと感じるときの対処法についても学べます。