「部下育成研修は実施すべき?」「部下育成研修はどこに依頼すればよい?」という悩みを抱えている経営者や人事担当者も多いのではないでしょうか。
この記事では、部下育成研修の概要や解決できる課題、カリキュラム例などを紹介していきます。部下育成の見直しを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 部下育成研修の概要と注目される理由
- 部下育成研修を受講するメリット
- 部下育成研修のラインナップ
キーセッションでは、貴社のニーズや予算に応じて適切な部下育成研修をご提案可能です。お気軽にご相談ください。
部下育成研修とは
部下育成研修とは、上司やマネージャーなどのリーダーが部下を育てるために必要なスキルやノウハウを身につけるための研修です。
部下を指導する立場にある人たちが、部下の成長を促し、組織全体のパフォーマンスを向上させるために、効果的な指導方法やコミュニケーションスキル、フィードバックの方法などを学びます。
研修では、主に以下のような内容を学習します。
- 個人個人に沿ったフィードバックやコミュニケーション
- 部下の成長段階や状況理解
- 仕事ぶりの評価基準
- 問題があったときの対処法
上記について学ぶことで、部下の能力やモチベーションを引き出しつつ、信頼関係までも構築します。
部下の育成については、つい経験則や風習に頼りがちです。しかしコーチングや組織論を元にした手法が実施できれば、部下をさらに大きく成長させられます。
部下育成研修が多くの企業から注目される理由
部下育成研修が多くの企業から注目を集める理由は以下です。
- 部下育成を自社で学ぶのは困難
- 個人で育成や指導法を理解するのはむずかしい
- 社員の満足度を大きく向上させるうえで効果的
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
部下育成を自社で確立するのは困難
部下育成研修が注目される理由の一つは、自社で部下育成のスキルを確立するのが難しいことです。
自社には部下を育成するためのマニュアルがあるかもしれませんが、そこにはコーチングや組織論にもとづく指導方法が盛り込まれていない事、マニュアル自体が用意されていないケースもあり、部下育成に関する判断に迷うことが多くあります。
経験則に基づいた指導では部下の成長が安定しないため、理論に基づいた育成や指導方法を学ぶことが重要です。しかし、自社で理論に基づいた育成や指導を実施するのは難しく、とくに中小企業ではその傾向が顕著です。部下育成研修であれば、各社が根拠立てた育成方針を学べます。
個人で育成や指導法を学習するのはむずかしい
部下育成の方法論を自社で確立するのは難しく、社員が個人で読書やセミナーを通じて育成や指導法を学習するのはより困難になります。
また、部下の育成方針を体系的にまとめている上司は少なく、経験則や信頼関係に依存した育成や指導が主流であることが多いです。
そのため、部下育成研修が注目されています。
社員の満足度を大きく向上させるうえで効果的
部下育成研修は、社員の満足度を大きく向上させるうえで効果的です。
部下育成研修を通じて社員のスキルや能力を向上させることで、社員は自己成長を実感し、仕事に対するモチベーションが高まります。そして社員がスキルアップして成長することで、企業全体の生産性や組織の持続的な発展にも繋がります。
また、働き方改革が進み、フリーランスや副業など多様な働き方が広まっている昨今。企業は社員の求心力を確保し、離職を防ぐために社員の満足度向上を図る必要があります。こうした背景から、部下育成研修が求められているのです。
部下育成研修で解決できる課題
部下育成研修を実施すると、以下のような課題を解決できます。
- 社内に部下育成のマニュアルが存在しない
- 部下とのコミュニケーションが難しい
- 新人の成長の仕方に個人差がある
社内に部下育成のマニュアルが存在しない
部下育成に関する明確なマニュアルが存在しない場合、研修を活用することで組織全体での一貫性のある育成プログラムを実施できます。さらに、自社の目的に合わせてカスタマイズできる研修を選ぶことで、部下の育成を効果的に進められます。
研修で学んだ経験を活用して、自社の部下育成マニュアルを作ることも可能です。
部下とのコミュニケーションが難しい
部下とのコミュニケーションがうまくいかない場合、研修を通じてコミュニケーションスキルを向上させられます。効果的なコミュニケーションの方法やコミュニケーションのポイントを学び、部下との関係を良好にし、チームの協力を促進できます。
新人の成長の仕方に個人差がある
新人の成長の仕方には個人差があり、一律の育成プログラムでは十分に対応できない場合があります。部下育成研修を活用すれば、新人の個別のニーズや学習スタイルに合わせたカリキュラムを選べ、効果的な育成を促せます。
部下育成研修は、これらの課題を解決する有効な手段として、組織の発展を支援します。
部下育成研修を受講するメリット
部下育成研修を受講するメリットは、以下の3つです。
- 部下の成長や状況をより正確に把握して適切にフィードバックできる
- コミュニケーションの基礎に則った指導ができる
- 育成や指導に関する多くのナレッジを習得できる
いずれも企業、そして受講する本人にとって重要なポイントです。それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
部下の成長や状況をより正確に把握できる
部下育成研修を受講すると、部下の成長や状況をより正確に理解できます。そして、適切なタイミングでフィードバックを出せるようになります。
部下育成研修では、部下の成長度合いや状況、あるいは考え方の傾向について見抜く能力を備えられます。
部下にとっても効果的な助言や指示が得られるのは大きなメリットです。次第に「この上司のフィードバックは価値あるものだ」と判断され、信頼関係が構築されます。その状態を作り出すためにも、まずは部下に対する理解度を高めましょう。
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コミュニケーションの基礎に則った指導ができる
部下育成研修を受ければ、コミュニケーションの基礎を見直し、より安定感ある部下育成と指導が実現されます。部下育成、と言っても、それはコミュニケーションにおける一つの形態でしかありません。
また、「傾聴」や「メンタライジング」などといった一般的な対話技法や基礎知識は、育成においても有効です。もちろん研修では、その点を踏まえたうえでカリキュラムが進行します。
「人を育てる」という点に主眼を置いたマネジメントも重要ですが、コミュニケーションの基礎に立ち返り、より安定した指導スタイルを確立しましょう。
育成や指導に関する多くのナレッジを習得できる
部下育成研修であれば、育成や指導に関する数多くのナレッジを習得することが可能です。
育成や指導に関する知識はさまざま存在しますが、ナレッジとして蓄積している会社はさほど多くありません。
たとえば、部下のタイプは「コントローラー」や「プロモーター」などに分けることが可能ですが、こういった知識を学ぶ機会は限られています。
得られた情報をもとに、自社で育成基盤を構築しましょう。
部下育成研修のラインナップ
部下育成研修であれば、以下のカリキュラムをおすすめします。
部下の成長を促進させるコーチング研修「株式会社ノビテク」
株式会社ノビテクが主催するコーチング研修は、管理職や営業マネジャーなど部下育成を仕事のひとつとする方を対象とした1日の研修です。部下の成長支援の強化を目的とした研修で、傾聴・質問・承認といったコミュニケーションスキルに特化して、コーチングの基本を身につけることができます。
研修では、コーチングの手法を理解する講義や、実践的なワークを通じ、コーチングのスキルを高めていきます。「聞く」「聴く」の違いを理解して傾聴力を高めるワーク、相手が自ら気づきを得られる質問ができるようになるワーク、承認することを通じたコーチングなど、実践的なトレーニングによって現場ですぐに使えるコーチングの手法を身につけることが可能です。研修を通して部下育成の方法を身につけることで、部下を育成するだけでなく、指導担当の上司や先輩も成長できます。
株式会社ノビテクは、基本的なやり方を学び、そこからうまくやり遂げられる方法を受講者が思考できるように導く研修プログラムを提供。ビジネスシミュレーションなどワークを多く取り入れているので、受講者は眠くならず、研修で学んだことをしっかりと記憶に定着させることができます。
部下との関係性を築く質問力と傾聴スキル研修「株式会社モチベーション&コミュニケーション」
株式会社モチベーション&コミュニケーションが主催する質問力と傾聴スキル研修は、幹部層や管理職、リーダーなど、部下を育成する立場の方を対象とした研修です。特に、部下とのコミュニケーションに課題を感じているものの、どうすれば解決できるのかわからず困っている方におすすめです。
上司と部下には上下関係がありますが、そのような関係は会社の外には無いため、お互いの気持ちを理解しあえずすれ違ってしまうことがあります。たとえば、上司は有益なアドバイスをしたつもりでも、部下は自分を否定されたように感じてしまう、といったすれ違いです。部下にとって相談しにくい上司になってしまったら、適切なタイミングで報連相が上がってこない、といったトラブルにも発展します。
こうしたコミュニケーションの問題を解決するために研修を導入し、相手の心を開く話の聴き方や、共感力を高める質問の仕方などを身につけましょう。ペアワークやグループワークが中心の研修なので、学んだことをすぐに実践して身につけることができます。
株式会社モチベーション&コミュニケーションは、組織のコミュニケーション課題の解決に特化した研修会社です。すぐに実践できる内容を盛り込んだ研修プログラムで、受講者のモチベーションを高め、自立を促します。
【OJTを体系化する部下育成研修】サービス業の現場で生かせる部下指導5つのステップ「ザ・ホスピタリティチーム株式会社」
ザ・ホスピタリティチーム株式会社の部下育成研修は、管理職、中堅社員、リーダー候補、リーダー、マネージャーを対象とした研修です。サービス業の現場におけるOJTを念頭に、部下育成の方法を体系的に学ぶことができます。一般論を学ぶのではなく、実際のサービス業の現場で活かせることを、短時間で効率よく学べる研修プログラムです。
サービス業の現場では息をつく暇もないほど顧客対応が忙しいため、新人の育成が後回しになったり、そもそもリーダー層が部下育成方法を学べる機会や時間が無かったりします。この状態で現場を放置してしまうと、新人が戦力に成長しにくいので、企業にとっても利益が生まれにくいです。部下育成は新人だけでなく、育成担当者にも会社にもメリットがあります。こうした人材育成の意義を学び、OJTの意味や方法、教育ツールの種類や活用方法について理解できるのが、この研修です。
ザ・ホスピタリティチーム株式会社は、サービス業を専門に現場教育を行う研修会社です。部下育成研修のようなリーダー層やマネジメント層向けの研修だけでなく、現場のスタッフを育成するホスピタリティ研修なども充実しています。サービス業ならではのニーズを的確に押さえた研修プログラムが特徴です。
【OJTを体系化する部下育成研修】サービス業の現場で生かせる部下指導5つのステップ
一般的な理論を学ぶのではなく、部下育成の重要性を理解し、実際のサービス業の現場で生かせる部下指導5つのステップを体系的に学び、自組織の部下育成方法を構築します。
部下育成研修のカリキュラム一例
部下育成研修カリキュラムの一例を紹介します。
<想定受講者>
チームリーダー・教育部門担当者・課長などの管理職・経営者
<受講後の状態>
- 部下育成における基本的な知識を身につける
- あらゆる指導における具体的な手法を理解する
- ケーススタディにより、研修の理解度を理解する
- 学習内容を自社で応用できるようにする
主要なテーマ | 学習内容 |
---|---|
部下育成を取り巻く現状 | 近年の若年世代の傾向 部下のモチベーション 部下育成を実施しない場合のデメリット |
指導者として求められる要素を考える | 行動様式の理解 指導方針の考案 自己の特性を確認する |
部下育成の具体的な手法 | 部下をタイプ分け 適切なフィードバックをあ モチベーションを高める方法 各種マネジメント能力の重要性 ハラスメントを回避する リーダーシップの発揮 基本的なコミュニケーション能力 |
1on1面談における面談力向上 | 1on1面談の重要性 モチベーションを高める伝え方 1on1面談を通した信頼関係の構築 |
ディスカッションとロールプレイング | モデルケースを用いたディスカッション 指導場面のロールプレイング 1on1模擬面談 |
振り返り | 研修の総まとめ 今後のアクションプラン作成 |
部下育成研修の選び方
部下育成研修を選ぶ際には、自社の目的に合わせてカスタマイズできる研修を選ぶことがポイントです。自社の目的やビジネス戦略に合致したカリキュラムの研修を選ぶことで、部下のスキルや能力を最大限に伸ばし、組織のニーズに合った成果を上げられます。
また、部下育成に携わる人の悩みはさまざまです。部下育成研修を選ぶときは、自社の部下育成に関する悩みや課題を洗い出し、それに対応する研修内容を選びましょう。
部下育成に関する一般的な悩みや課題を挙げると、以下のようなものがあります。
- 部下のスキルや能力を正確に評価し、適切なフィードバックを与える方法がわからない
- 部下のモチベーションを引き出し、自己啓発を促す方法を知りたい
- 部下のコミュニケーションスキルを向上させ、チーム内の協力関係を強化したい
- 部下のリーダーシップを育成し、将来の幹部候補を育てたい
- 部下の自己管理能力を高め、効率的な業務遂行を促したい
- 部下の問題解決能力や判断力を向上させ、自己判断ができるようにしたい
自社の部下育成に関する具体的な悩みや課題を洗い出し、それに対応する研修内容を選ぶことで、組織の成果を高められます。部下育成研修を選ぶ際には、自社の目的や課題と照らし合わせることが大切です。
部下育成研修に関するよくある質問
最後に部下育成研修について寄せられるよくある疑問をQ&A形式で解消します。
- Q. 自社の状況に合わせてカリキュラムをカスタマイズすることは可能か?
カリキュラムをカスタマイズすることは可能です。ただし部下育成研修の場合、カスタマイズすると費用が上乗せされる場合もあります。
とはいえ内容次第では費用がかからないケースもあるので、まずは事前に問い合わせることが重要です。
- Q. eラーニングで学ぶことは可能か?
部下育成研修はeラーニングで学ぶことが可能です。特に新型コロナウイルス感染症が問題になる中、リモートで学習するのは有効な選択肢です。
ただし集合型のリアル研修より理解度が落ちる側面には注意しなければいけません。特に高度なカリキュラムでは、捉え違いや理解不足が起こることもあります。ただし初歩的な内容であればe-ラーニングでも十分です。
- Q. 費用はどの程度かかる?
部下育成研修にかかる費用は、一人あたり20,000円〜30,000円と考えましょう。たとえば20人規模であれば50万円前後の総費用で開催が可能です。
ただし部下育成研修のカリキュラムが高度になると、やや高額になる側面もあります。上記金額はあくまでも目安として考えてください。
- Q. 合わせて他の研修も受けるならどのようなカリキュラムがよい?
部下育成研修のほかにも受講するなら、以下のようなカリキュラムがおすすめです。
- コーチング研修
- 後輩指導研修
- リーダーシップ研修
- コミュニケーション研修
- アンガーマネジメント・ハラスメント防止研修
部下育成に当たるポジションが与えられているなら、同時にマネージャーやリーダーとしての素養も求められています。少しずつでも構わないので、そういった部分に関係した研修を受けるのがおすすめです。
部下育成研修で次世代を担う人材のコーチングを学ぶ
多くの企業にとってきわめて重要な部下育成・人材開発という課題。チームに貢献する、あるいは次世代を担う人物を育成するのは、たいへん難しいことです。単なる経験則や感覚だけで、実現できるものではありません。
研修を受講すれば、今何が求められているのか理解することが可能です。そして、組織論や心理学、あるいは経営学に根拠を置いたノウハウや知識によって、部下を育成するスキルが醸成されます。そうすれば部下の成長が向上し、結果として会社の利益へとつながるはずです。
後進の育成に課題感を感じているなら、ぜひ一度部下育成研修を検討しましょう。