役員育成に関する悩み・課題
教えるべきことが ある程度明らかな新入社員や若手社員と異なり、役員の育成は難しいと言われます。難しい理由は、以下のような悩みと課題があるからです。
・役員の仕事は誰も教えられない
・役員に必要な能力がよくわからない
・ベテラン社員に今さら研修を受けさせられない
・本人が研修を受ける必要を自覚していない
・役員/役員候補の社員の時間がなく、研修を受けさせられない
このような悩みは、役員にどのような能力が必要なのかを把握し、必要な内容を学べる研修を導入することで、解決が可能です。詳しく解説していきましょう。
役員に求められる能力
役員の育成が難しい原因のひとつが、役員に求められる能力がはっきりしていないことです。そこで、具体的にどのような能力が必要なのかを整理していきましょう。例えば、以下のような能力が挙げられます。
・軸を持って判断する力
・変化に対応する力
・マネジメントやリーダーシップ
・企業理念への理解
・経営ビジョンを実行する力
・コミュニケーションスキル
・ヒューマンスキル
組織を率いる者として、責任を持って判断する力が求められます。また、近年の社会は複雑さを増しているので、環境に適応して柔軟に対応する力も必要です。
マネジメントやリーダーシップはもちろんですが、企業理念や経営ビジョンを理解した上で、部下を率いていかなければなりません。部下をまとめれば良いだけでなく、役員は企業が向かうべき方向を理解しつつ、自分の組織を率いて行く必要があります。
コミュニケーションスキルやヒューマンスキルも重要です。部下が迷うことなくついていける役員は、人当たりが良く部下に慕われています。一昔前のように権力で部下を操ったり、上下関係にこだわったりする役員は求められていません。フラットで風通しの良い職場に合った役員が求められます。
これらのスキルは、会社で経験を積むうちに自然に身につけることも可能です。しかし、自分が経験した分野のことしか判断できない役員になってしまうなど、知識の偏りが心配されます。役員が判断できないと経営者にしわ寄せが行きますし、部下もそんな役員についていきたいとは思いません。
役員に求められる能力をバランス良く身につけるには、よくカリキュラムが練られた役員研修を受講するのが効果的です。役員研修を導入し、役員にふさわしい人材を育成しましょう。
役員研修の内容
学ぶべきことが固まっている新入社員と異なり、役員向けの研修は、研修会社によって内容が異なります。各社が工夫を凝らしてカリキュラムを作成しているので、よく比較してください。また、オーダーメイドでカリキュラムを組んでくれる研修会社が多いので、まずはヒヤリングを行ってもらうことをおすすめします。
役員研修で学べる一般的な内容としては、以下のような項目があります。
・経営者が役員に求めること
・役員が判断の軸とするべきこと
・メンバーの動かし方
・経営戦略の考え方
・マーケティング手法
・内部統制やコーポレートガバナンス
・コンプライアンス
研修は、まず「役員とは何か」「どのような役割のための役職なのか」をはっきりさせることから始まります。「経営者の次に偉い人」程度の認識しかない人が意外と多いからです。経営者は何を期待して役員という役職を置いているのか、研修の最初に理解することで、その後の学習効果が高まります。受講者の研修に対するモチベーションも高めることができます。
次に、役員に必要となる判断の軸、メンバーの動かし方、経営戦略の考え方やマーケティングなどを学んでいきます。経営戦略の考え方は、SWOT分析など一般的に使われる手法を活用します。マーケティングも、4C分析などよく使われる手法を中心に学びます。

営業戦略において取り入れるべきフレームワークと活用方法
営業活動において、売上を作れるチームになるために営業戦略は必要な要素です。また同時に自社に合うフレームワークを取り入れることも重要です。そこで今回は営業戦略において、取り入れるべきフレームワークや活用方法を解説していきます。
記事を読むまた、内部統制やコーポレートガバナンス、コンプライアンスの知識も重要です。役員という立場になると、自分が遵守するだけでなく、部下にも徹底しなければならないからです。部下から提案を受けたとき、大きく見てコンプライアンス上の問題がないか程度のことは、すぐに判断できなければなりません。
話が進んでからコンプライアンス上の問題が発覚したり、社内ではスルーしたもののリリースしてから問題を指摘されて炎上したりするのでは遅いです。役員はリーダーとして部下を率いるだけでなく、全体のリスクマネジメントも重要です。
⇒こちらもチェック!『内部統制とは~強化する4つのメリットと押さえるべき4つのポイント~』
役員研修のカリキュラム例
役員研修のゴールは、「経営者が求める役員の仕事を理解し、実行できる人材になること」です。そのために、例えば以下のような内容を学びます。
・経営ビジョン・経営戦略の理解とアップデート
・業績拡大・業績改善のためにやるべきこと
・ビジネスモデルへの理解と変革の必要性
・人材育成・能力開発への理解
・各ステークホルダーの利害関係の理解
・SDGs、ESG、CSVなど現代企業の責任
・法務、コンプライアンスなど経営の基礎知識
・リスクマネジメントの基礎知識
その他にも、ディスカッションやグループワークを通し、自分を客観視して意見を伝える練習をしたり、組織を動かすコミュニケーションスキルを高めたりします。
上司の指示を受けて行動する社員と異なり、役員は自分の力で自分とメンバーを率いなければなりません。そのため、経営戦略や会社の事業だけでなく、コンプライアンスやリスクマネジメントなどを含めた広範な知識が必要となります。誰かに教えてもらったり、書籍で学んだりするのは困難なので、研修を導入して効率良く人材を育成しましょう。
役員研修に関するよくある質問
役員研修の導入を考えている企業から、頻繁に寄せられる質問について回答していきます。
ここで紹介するのは一般的な事例で、研修会社によって詳細は異なります。研修を申し込む前に、気になることは研修会社に聞いてみましょう。
オンラインでの研修はできますか?
オンラインで研修を受講することも可能です。
役員や役員候補の社員は忙しく、また出張も多いため、会場に集まっての研修が難しいことが多いです。パソコンとインターネットがあれば受講できるオンライン研修を活用し、人材育成にお役立てください。
受講者が少人数でも研修を開催できますか?
最少催行人員に達していれば、少人数でも研修を開催することができます。詳しくは研修会社にご相談ください。
対象者が1人や2人などの少人数であれば、研修会社の会議室やホールで開催されるセミナー型の研修を活用しても良いでしょう。他社の社員との合同研修のため、人脈形成にも役立ちます。
受講者が忙しいので短時間で研修をやってもらえますか?
研修会社は可能な限り要望に合わせて研修を行いますが、基本的にはある程度の時間を取って研修を受講することをおすすめします。
短時間の研修だと、座学で学んだ内容を演習で実践したり、グループワークやディスカッションで知識を深めたりする時間が取れません。せっかく研修で学んだことが定着しないと、研修にかけた時間と費用がもったいないです。1日や2日など時間を取って研修を受講した方が、結果的には高い費用対効果を得られます。
役員研修のラインナップ
ここからは、現在募集されている役員研修のラインナップを紹介していきます。
経営理念浸透プログラム研修「株式会社ノビテク」
株式会社ノビテクが主催する「経営理念浸透プログラム研修」は、役員や経営陣だけでなく、管理職や中堅社員、若手社員、新入社員も受講できるプログラムです。企業が掲げる「理念」「方針」「ビジョン」を自分の言葉に置き換えて理解し、具体的な行動に落とし込めるようになる内容です。
企業の理念やビジョンは抽象的な理想が掲げられていることが多いですが、それを具体的な実務に落とし込むのは、役員の最も重要な業務と言えます。部下が行動しやすくなるような実務に落とし込むための考え方を、研修で身につけましょう。
株式会社ノビテクは、ビジネスシミュレーション型のプログラムに定評がある研修会社です。ワークが中心なので研修内容が記憶に定着しやすく、眠くならない特徴があります。楽しみながら学べるプログラムを用意しているので、新入社員から役員までどなたにもおすすめです。

経営理念浸透プログラム研修 - 株式会社ノビテク
「理念」「方針」「ビジョン」を自分達の言葉に置き換え、自分たちの「なりたい姿」としてのビジョンを描き、ビジョン達成に向けた今後の行動を宣言する研修です。
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JMAトップマネジメント研修「日本能率協会(JMA)」
日本能率協会(JMA)が主催するJMAトップマネジメント研修には、たくさんの研修が含まれているので、受講者が自分に合った研修をピックアップして受講していく形です。「新任社長セミナー」「新任取締役セミナー」「新任執行役員セミナー」など役職別のセミナーや、「法務・企業統治セミナー」「経営戦略セミナー」などテーマ別のセミナーもあります。
日本能率協会は、人材育成や産業振興、ものづくり支援などを行う一般社団法人です。人材育成分野では、階層別の公開研修やカスタマイズ研修など、多岐にわたる研修を提供しています。

日本能率協会(JMA)
日本の経営革新、世界と社会と共に。
先進的テーマから実務課題に基づくものまで、階層別・課題別でまとめ、分野も幅広く取り揃え、バラエティーに富んだ人材育成・教育支援を行っています。
役員研修~企業経営と役員の仕事「株式会社インソース」
株式会社インソースの役員研修は、2日間にわたるプログラムです。経営者の代行として、組織を拡大し守って行くための視点を身につけます。
研修は、役員の仕事や役員が持つべき資質の整理から始まり、経営戦略のワーク、役員として組織を動かすワークを行います。内部統制やリスクマネジメントなど、役員として必要な守りのスキルも身につけられます。
株式会社インソースは大手の研修会社で、東京や大阪だけでなく札幌から福岡まで全国で研修を開催しています。研修内容も、人材育成だけでなく営業やITスキル、ビジネスマナーなど多様なテーマを取り扱っています。

株式会社インソース
企業における課題を「研修」と「IT」の力でサポートし、生産性向上に貢献いたします。
全国3万2千組織以上との取引がある、東証一部上場の社会人教育企業です。お客さまの「組織」と「個」の人事課題を解決するためにおこなっている、新入社員から中堅・管理職までの社員研修、教育管理システム・LMS、DX人材育成、オンライン研修を紹介します。
新任取締役・執行役員セミナー「SMBCコンサルティング株式会社」
SMBCコンサルティング株式会社の新任取締役・執行役員セミナーは、2日間のコアコースと1日間の選択科目の3日間かけて行うプログラムです。リーダーの役割と戦略実行のマネジメントを学ぶことができます。
コアコースでは、戦略とは何か、競争優位になるためにどのような思考が必要なのかを学べます。事業の選択と集中、事業戦略の作り方など、現役の役員が知りたいことを、効率良く学べる内容になっています。
SMBCコンサルティング株式会社は、教育事業、コンサルティング事業、会員事業を行う会社です。教育事業では、ビジネスセミナーや定額制クラブ、社内研修などを提供しています。

SMBCコンサルティング株式会社
社員研修を通じて、強い組織作りをお約束します
実績豊富で実力ある講師ネットワークにより、東京・大阪地区を中心にあらゆる企業様のご要望にお応えする効果的な研修を紹介します。
役員研修「株式会社ブレインパートナー」
株式会社ブレインパートナーの役員研修は、役員や部長の思考力、実践力、影響力を高めるリーダーシップを学べる研修です。経営幹部が集まって経営的視点や戦略立案力、論理的思考力などを学び、利害や立場を超えて議論することができます。
12名程度の少人数で、1回6時間、全11回とみっちり受講できる研修なので、高い成長が期待できます。経営戦略を考える基本フレームやランチェスター戦略、マネジメントやリーダーシップ、マーケティングとイノベーション、企業法務や会計など、役員に必要なスキルを獲得することができる研修です。
株式会社ブレインパートナーは、人材育成やコンサルティングを行う会社です。経営幹部向けの研修だけでなく、マネジメントやリーダーシップの研修、中堅社員研修や店長研修なども提供しています。

株式会社ブレインパートナー
柔軟性・一貫性・成果重視
お客様と従業員と経営の3者が共に幸せになるための経営支援を、より多くの経営者に実現して行きたい。経営者のパートナーとして、幅広く貢献していきたい。がモットーの株式会社ブレインパートナーを紹介します。
取締役・執行役員コース「日本生産性本部」
日本生産性本部の取締役・執行役員向け研修では、3日間で役員の基礎知識を学ぶことができます。グループ討議と演習が中心なので、記憶に定着しやすいプログラムです。
研修では、取締役・執行役員にとって必要な法的知識、財務分析、経営戦略を学びます。必要な基礎知識を効率良く学ぶことができます。
日本生産性本部は、人材育成研修や経営コンサルティングなど、産業の生産性向上を支える取り組みを行う公益財団法人です。

日本生産性本部
ビジネス・パーソンの職種を広く網羅
経営者層から若手まで役割・役職に応じた人材育成、能力開発のための体系的な階層別研修のほか、テーマ別研修・セミナーでは人事労務関連、経営全般、ビジネススキルなど分野別に多彩なセミナーをご紹介します。
役員に必須の最新6大要諦「みずほセミナー(みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社)」
みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社が主催する役員向けの研修は、以下の6つの観点で学べるセミナーです。
・心得編
・法務編
・人事・労務編
・SDGs・サスティナビリティ編
・戦略・DX編
・会計編
SDGsやサステナビリティ、DXなどトレンドも取り入れられており、役員にとって必要な基礎知識から最新の知識まで身につけることができます。
みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社は、人材育成のみならず、あらゆる業界のコンサルティングを行う会社です。先端ITにも強いので、DX推進においても頼りになります。
役員研修「マイナビ研修」
マイナビ研修の役員研修は、新任役員を対象とした2日間のプログラムです。管理職から役員になるために、必要な心構えや行動変容について学ぶことができます。
研修は、サッカー日本代表監督としてトップアスリートを育成してきた山本昌邦氏による特別講演から始まります。スポーツ界は監督や選手、スタッフなど大勢が関わるチームなので、ビジネスにも応用できるノウハウを学ぶことができます。
マイナビ研修は、40年以上にわたって就職や採用を支援してきたマイナビの実績とノウハウを活かした研修サービスです。就活中の学生や内定者、新入社員、企業の人事担当者のアンケートを基に、現場のニーズに即したプログラムを設計しています。

マイナビ研修
映像で実感、講義で納得『限りなくリアルに近い職場空間』を再現
マイナビが提唱する新しい研修コンセプト【ムビケーションスタイル】は、『Movie(ムービー)』 『Education(エデュケーション)』 『Simulation(シミュレーション)』の3つの言葉を融合したコンセプト名で、『限りなくリアルに近い職場空間を再現した、究極のビジネスシミュレーション研修』です。