「アサーティブコミュニケーション研修とはどんな研修?」「アサーティブコミュニケーション研修の効果を知りたい」
このようにアサーティブコミュニケーション研修が気になっている経営者や人事担当者は多いのではないでしょうか。アサーティブコミュニケーションを企業で実践することで、このような悩みを解決できます。
この記事では、アサーティブコミュニケーション研修について、解決できる悩みや効果とともに解説していきます。職場の人間関係を改善したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- アサーティブコミュニケーションとは
- アサーティブコミュニケーション研修の効果
- アサーティブコミュニケーション研修のカリキュラム
アサーティブコミュニケーション研修には、職場でのコミュニケーションを活性化させられるなど、多くのメリットがあります。しかし、そのメリットを享受するためには、研修の内容や講師の質が重要です。
キーセッションでは、貴社にぴったりな研修会社を豊富な提携研修会社の中からご提案いたします。相談は無料なので、お気軽にお問い合わせください。
アサーティブコミュニケーション研修とは
アサーティブコミュニケーション研修とは、自分と相手の双方を尊重しながら意見を交わすアサーティブコミュニケーションについて学べる研修です。相手を尊重した伝え方や話し方について学び、良好な対人関係を目指します。
アサーティブの語源である「Assertiveness」は、相手に配慮した自己主張という意味です。この考え方は、アメリカの人権擁護運動が土台となっています。
現在では、相手を尊重するコミュニケーションスキルとして、ビジネスにおいて注目されています。
アサーティブコミュニケーション研修が必要な理由
アサーティブコミュニケーション研修が必要な理由は、主に以下の3つです。
- 組織全体の健全なメンタルヘルスへの対応
- 人材に関する課題への解決策
- 働き方の多様化への対応
上記について詳しく解説していきます。
組織全体の健全なメンタルヘルスを保てるようになる
アサーティブコミュニケーション研修によって、組織全体のメンタルヘルスを良好に保てます。
近年組織において問題視されているのが、ハラスメントです。「職場のパワーハラスメント防止措置」が2022年に義務化されたことにより、企業はパワーハラスメントをはじめとした各種ハラスメントの対策に取り組む必要があります。
その対策として注目されているのが、アサーティブコミュニケーションです。このコミュニケーション手法により、社員は自分の権利を主張し、適切な対応ができるようになります。職場でのパワハラやセクハラなどのハラスメントの防止に繋がり、メンタルヘルスが保たれるのです。
人材確保に関する課題の解決を促してくれる
アサーティブコミュニケーション研修によって、人材に関する課題を解決できます。人材に関する課題とは、優秀な人材の育成・獲得などです。
アサーティブコミュニケーションでは、お互いを尊敬し、認め合う文化を醸成します。こういった文化が職場にあると、仕事に対するモチベーションが向上し、優秀な人材が育ちやすいです。また、優秀な人材が多い職場は、社外から優秀な人材を呼び込みやすくなります。
働き方の多様化への対応できるようになる
アサーティブコミュニケーション研修を実施することで、働き方の多様化にも対応できます。
働き方が多様化する中で、企業はさまざまな調整や効率化をしなければなりません。そのためには、相手に配慮しつつ適切な自己主張ができるスキルが求められます。このスキルを獲得できるのが、アサーティブコミュニケーションなのです。
アサーティブコミュニケーション研修の効果
アサーティブコミュニケーション研修の効果は、以下の3つです。
- 職場内のコミュニケーションが活発になる
- 社員のモチベーションが向上する
- メンタルヘルス対策になる
それぞれ解説していきます。
職場内のコミュニケーションが活発になる
アサーティブコミュニケーション研修を実施することで、職場内のコミュニケーションが活発になります。なぜなら、アサーティブコミュニケーションはお互いの意見をすり合わせることが基本であり、それによりコミュニケーションが活性化されるからです。
コミュニケーションが活発になると、職場の風通しもよくなります。その結果、離職率の低下を防いだり、社員の生産性が上がるという効果も期待できます。
反対に、職場でのコミュニケーションが不足していると、トラブルや伝達ミスにつながりかねません。研修を行うことで、職場でのコミュニケーションをさらに活発化させましょう。
社員のモチベーションが向上する
アサーティブコミュニケーション研修の効果として、社員のモチベーション向上も挙げられます。
アサーティブコミュニケーションで自己表現ができるようになると、自分の気持ちを理解してもらえていると感じ、自信を持てます。そうすると、自然と仕事へのモチベーションも上がるのです。
また、アサーティブコミュニケーションによって人間関係が改善されると、チームワークも強化されます。このチームワーク強化も、モチベーション向上の一因です。
社員のモチベーション向上は、最終的に業務効率化や生産性向上にも寄与します。
メンタルヘルス対策になる
アサーティブコミュニケーションを実践する社員が増えると、メンタルヘルス対策にもなります。
職場の関係性が悪いと、モチベーションが低下したり、自分のキャパシティ以上の仕事を一人で抱え込むことがあります。その結果、ストレスによって休職や離職する社員が出かねません。
このような事態を防ぐためにも、アサーティブコミュニケーションによって人間関係を改善し、メンタルヘルス対策をすることが重要です。
アサーティブ研修を実施するポイント
アサーティブ研修を実施する際のポイントは、主に以下の2つです。
- 研修を実施する前に社内準備を整える
- 職場全体で実践し快適な職場を作る
それぞれについて理解し、アサーティブコミュニケーション研修を成功させましょう。
研修を実施する前に社内準備を整える
研修を実施する前に、社内準備を整えることがポイントです。まずは、研修の目的に沿って計画を立てます。計画を立て終えたら、研修成果をどのように検証し、改善していくかを考えましょう。
アサーティブコミュニケーションは、一度の研修で簡単に身に付くものではありません。特徴や効果を受講社員に周知させ、継続的に取り組むことが大切です。
職場全体で実践し快適な職場を作る
ただ研修を行うだけでなく、研修で学んだ内容を職場全体で実践することもポイントの一つです。職場全体で活用し続けることで、快適な職場を実現できます。そのためには、組織全体を受講対象にすることが重要です。
研修会社では、さまざまなカリキュラムを用意しています。プロの力を借りることで、円滑にアサーティブコミュニケーションを根付かせてください。
アサーティブコミュニケーション研修の対象者
アサーティブコミュニケーション研修は、主に以下のような方におすすめです。
- 上司から無茶な指示を受けても本音を言えず、我慢してしまう
- 部下に気を使いすぎ、指示がきちんと通らない
- 普通に会話しているつもりだったのに、相手を怒らせてしまった
- 異動や転職で職場が変わったら、人間関係がギクシャクし始めた
これらに該当しない場合でも、よりよいコミュニケーション方法を学びたい方にはおすすめです。
アサーティブコミュニケーション研修で解決できる悩み
研修を導入して社員がアサーティブコミュニケーションを身につけられれば、以下のような悩みを解決できます。
- チームの報連相がうまくいかず、プロジェクトのスピード感が低下している
- 人間関係がギクシャクしており、雰囲気が良くない
- 仲の悪い社員同士が関わろうとしない。周りも気を使いすぎている
研修では、相手を尊重しながら自分の意見をきちんと伝えるコミュニケーション方法を学びます。学んだことを繰り返し実践して、人間関係の悩みを解決してください。
アサーティブコミュニケーション研修のカリキュラム
アサーティブコミュニケーション研修の研修カリキュラムの一例をご紹介します。
研修カリキュラム | 具体的な内容 | ゴール |
---|---|---|
アサーションの基礎 | (座学)アサーションとは何か?/自分の正直な感情とは? | アサーションの本質・基礎を理解する |
アサーティブ・コミュニケーション実践編 | (ロールプレイング)傾聴やロールプレイングの実践 | アサーティブ・コミュニケーションの取り方を学ぶ |
アサーティブ・コミュニケーションのスキルアップ | (ロールプレイング・座学)メラビアンの法則・ボディランゲージ | アサーションスキルのレベルアップを目指す |
アサーティブ・コミュニケーション実習 | (ロールプレイング)実践的な場面を想定したコミュニケーショントレーニング | 身につけたアサーティブ・コミュニケーションを実践で使用できるようにする |
研修の振り返り | 1日の学習を振り返る | 知識をしっかりと定着させる |
上記の流れを1日でぶことが多いです。
アサーティブコミュニケーション研修は、新人から管理職者まで幅広い層を対象としています。しかし、研修プログラムによって対象者が設定されている場合もあるため、レベル間のあった研修プログラムを選びましょう。
アサーティブコミュニケーション研修のラインナップ
意見が違う人とも上手く会話ができる【アサーティブコミュニケーション実践研修】「株式会社モチベーション&コミュニケーション」
株式会社モチベーション&コミュニケーションが主催するアサーティブコミュニケーション実践研修は、意見が違う人をはじめ、どんな人とでもうまく会話ができるようになるための研修です。いつも意見が異なる人がいる、価値観が合わない人がいる、話しかけにくい人がいる、人の話を聞こうとしない人がいる、高圧的で話しかけづらい人がいる、といった職場の悩みを抱えている人におすすめです。
研修では、意見が違う人ともうまく会話ができる「会話力」を学び、身につけます。自分の意見を主張するときに配慮するべきことや、相手の話をきちんと聞きながらも自分の意見を伝える方法などです。自分を主語にして意見を伝えるアイメッセージや、相手を怒らせないDESC法など、すぐに使える実践的な会話力を身につけられます。
株式会社モチベーション&コミュニケーションは、組織のコミュニケーション課題の解決に特化した研修会社です。アサーティブコミュニケーションのみならず、話す力や聴く力、論理的思考、営業スキルなど、現代のビジネスパーソンに必要なコミュニケーションスキルを高められる研修を数多く主催しています。
意見が違う人とも上手く会話ができる【アサーティブコミュニケーション実践研修】
思ったことをそのままぶつけるのではなく、かといって自分の意見を押し殺すのでもなく、相手の立場を重んじながら正当な意見を主張するコミュニケーションスキルを学ぶ研修です。このスキルで、職場やプライベートでの快適な人間関係を実現できます。
自分も相手も大切にするアサーティブコミュニケーション研修「株式会社ノビテク」
株式会社ノビテクのアサーティブコミュニケーション研修は、管理職から若手社員・新入社員まで、幅広い階層のビジネスパーソンを対象とした研修です。接客や販売に携わるスタッフや、営業担当者など、社外のお客様と接する方にもおすすめです。
当研修では、自分も相手も大切にするコミュニケーションスキルを身につけられます。まずはチェックシートを用いて客観的に自分のコミュニケーションタイプを自覚します。そのうえで、他者の価値観やコミュニケーションのスタイルを理解し、どのような配慮をすれば良いのかを学びます。自分と他人のコミュニケーションスタイルの違いを理解することで、自分も相手も大切にできるアサーティブコミュニケーションの方法を身に着けていきます。
株式会社ノビテクは、受講者が基本的なやり方を学ぶだけでなく、そこからうまくやり遂げられる方法を自ら考えられるように導く研修を行う研修会社です。ビジネスシミュレーションやワークなど実践的な内容を多く導入し、受講者が眠くならず、記憶に定着しやすい研修プログラムを提供しています。
3つのコミュニケーションのスタイルと会話例
コミュニケーションには、以下3つのスタイルがあります。それぞれの特徴や会話例を紹介していきましょう。
- アサーティブ
- アグレッシブ
- ノンアサーティブ
アサーティブ
柔らかく自分の意思を表明できるタイプです。
特徴
- 自分の意見も相手の意見も尊重できる
- 双方が納得できる答えを出そうとする
- 意見が違うのが当たり前と考えることができる
会話例
A氏「来月の会議の仕切りを頼みたいんだけど」
B氏「えっ?私ですか?仕切りは苦手なので、どなたかもう一人担当者がいてくれるとできそうなのですが」
A氏「そうか。じゃあもう一人誰かにお願いしてみるよ」
B氏「はい、よろしくお願いします。」
自分の意見を通すか、相手の意見を通すかという観点ではなく、どちらの意見も取り入れた答えを導こうとします。
どのような相手にも理論的で適切な対応ができます。
アグレッシブ
攻撃的な自己主張タイプです。
特徴
- 自分の意見を大切にし、他人の意見を聞こうとしない
- 相手より優位に立とうとするマウンティングの傾向がある
- 自分の要求が通らないと過剰に反応する
会話例
A氏「来月の会議の仕切りを頼みたいんだけど」
B氏「えっ?私ですか?無理です」
A氏「やってくれる人がいなくて困っているんだよ」
B氏「何度言われても無理です!」
自分の意見を無理にでも通そうとして、時には非理論的とも取れる主張をしてくることがあります。
上司がこのタイプの場合は、パワハラと捉えられてしまいます。
ノンアサーティブ
主張ができず周りに振り回されるタイプです。
特徴
- 相手の言動を優先して行動する
- 自分の意見を表現できない
- ストレスを溜めやすい
会話例
A氏「来月の会議の仕切りを頼みたいんだけど」
B氏「えっ?私ですか?(心の声:そんなの無理だよ、仕切りは苦手だし)」
A氏「やってくれる人がいなくて困っているんだよ」
B氏「そうなんですね。わかりました(心の声:あぁ、言っちゃった・・・)」
頼まれごとをされても嫌と言えず我慢し、ひとりで抱え込んでしまうことが多くあります。
部下がこのタイプの場合、上司にとって都合の良い部下という印象になってしまいます。
アサーティブコミュニケーションの効果を高める4つの基本柱
アサーティブコミュニケーション効果を高めるためには、以下4つの基本柱を意識することが大切です。
- 誠実
- 対等
- 率直
- 自己責任
誠実
アサーティブコミュニケーションでは、自分に対しても相手に対しても誠実であることが大切です。相手の意見と自分の意見が違うときは、無理に賛同したり反論したりするのではなく、相手の主張を受け入れた上で自分の意見を主張します。
アサーティブコミュニケーションとは別に、アグレッシブコミュニケーションとノンアサーティブコミュニケーションがあります。アグレッシブコミュニケーションは、自分の意見や感情を強引に押しつけます。ノンアサーティブコミュニケーションは、自分の意見や感情を抑えて、相手に合わせる傾向があります。
どちらも相手や自分に対して誠実ではありません。誠実なコミュニケーションを意識することで、アサーティブコミュニケーションを実現できます。
対等
アサーティブコミュニケーションでは、前向きかつ肯定的な表現で、対等に伝えるのがポイントです。
たとえば、時間が取れないときに業務を依頼された場合、
「時間がないので対応できません」
というのではなく、
「〇〇日なら時間を作れますがご都合いかがでしょうか」
と伝えるなど、自身の状況を伝えつつ相手を否定しない表現方法を学ぶことで、スムーズなコミュニケーションが生まれます。
職場では、上司と部下、同僚同士、営業マンと顧客、どのような関係でも対等でなければなりません。
率直
自分の意見を伝える際は、遠回しな表現ではなく、率直な思いを具体的に伝えるようにしましょう。
アグレッシブな傾向がある方は、ストレートな言い方を控えて、相手に受け入れられやすい表現をするのがポイントです。ノンアサーティブな傾向がある方は、感情を言葉にする方法を考えて伝えることで、無理に感情を制御する必要がなくなります。
いずれにしても、相手の立場に立って考えることが大切です。
自己責任
アサーティブコミュニケーションでは、自分の伝えたいことが伝わらなくても、相手のせいにしません。相手の伝えたいことがわからない場合も同様です。
たとえば、相手の説明に理解できない部分があったときは、
「あなたの説明ではわかりません」
ではなく、
「私に理解不足な部分があるため、質問してもいいでしょうか」
と伝えることで、表現を柔らかくできます。
いかなる場合も、自分を主語にして伝えることが重要です。
アサーティブコミュニケーション研修についてよくある質問
アサーティブコミュニケーション研修について、よくある質問は以下です。
- Q. オンラインでの受講は可能か
多くの場合、オンラインでの受講が可能です。
オンラインの場合、ライブ配信とeラーニングという2つの形式があります。ライブ配信の場合、講義が生中継されるので、リアルタイムで講師に質問できます。また受講者同士でワークやディスカッションができる機能を活用して、会場受講と大差ないカリキュラムを受講することが可能です。
eラーニングでは録画された動画を視聴して受講者が学ぶので、受講者が好きなときに受講できるメリットがあります。
研修会社によって、会場受講とオンライン受講を選べる場合と、オンライン受講のみの場合がありますので、ニーズに合った研修を選びましょう。
- Q. 対象者はどんな社員なのか
アサーティブコミュニケーション研修は全階層に向けた研修なので、新入社員や若手社員から管理職・経営層まで、あらゆる階層の方におすすめです。また、職種を問わず受講できます。接客や営業に携わるスタッフのみならず、事務スタッフなど内勤の方にもおすすめです。
アサーティブコミュニケーションは、相手を尊重しながら自分の意見を伝えるコミュニケーションのことです。社内の立場や職種に関係なく、こうしたコミュニケーション方法を身につけることで、組織がうまく機能したり、顧客と良好な関係を築けたりします。
- Q. 自社に合わせたカスタマイズは可能か
可能です。受講者の悩みを踏まえた内容にカスタマイズしたり、導入企業や業界でよくあるコミュニケーションの問題を扱った内容に変更したりできます。研修会社への申し込みの際に、カスタマイズの要望について伝えましょう。
受講者の悩みに合った研修にするためには、事前に受講者にアンケートを取るなどの工夫をするとよいです。事前準備は研修会社がサポートしてくれます。
キーセッションでは、貴社のご要望に応じて最適な研修をご提案可能です。カスタマイズや事前準備が必要な場合は、複数の研修会社から対応可能な研修会社をご紹介します。相談は無料なので、アサーティブコミュニケーション研修を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。