キャリアデザインとは

キャリアデザインとは、仕事における未来設計図のことです。どんな職業に就きたいか、どんな働き方がしたいか、仕事を通してどのような成果を上げたいかというように、自分自身の仕事でのプランを主体的に立てます。
誰かの意見で左右されることなく、自分の思い描いた理想に近づけるように具体的で実現可能な計画です。
キャリアデザインは学生が就活に活用するために立てても良いですし、社会人がこれからの人生を考えて立てるのもお勧めです。
似たような言葉にキャリアパスがありますが、キャリアパスは1つの企業でどうのようにして昇進・昇格していくかの道のりのことです。
キャリアデザインは1つの企業に縛られず、職業人生全体の計画のことを言いますので、キャリアパスよりも広い範囲を意味します。
キャリアデザインが必要とされる理由
キャリアデザインが注目を浴び、必要とされている理由はいくつかありますが、社会、企業、個人の3つの側面から見ていきましょう。社会的側面
- 経済の崩壊
- 将来が見通せない
- 超高齢化社会
日本はオイルショック、バブル崩壊、リーマンショックなど、これまでに様々な経済危機を経験しています。
そして2020年は新型コロナウィルスによる経済への重大な影響が危惧されています。
このような中で、今まで当たり前だった終身雇用も危うさを帯び、高齢化が進んだことによる労働者を取り巻く環境の変化も大きな理由です。
企業的側面
- 成果主義
- 職業の多様化
- 労働者の減少
企業では年功序列制度ではなく、成果主義へと変わってきています。転職が当たり前になり、中途採用でも戦力になる人材を求めるようになりました。
高齢化社会で、労働人数が限られた中でいかに成果を上げるかを考えることが企業の課題のひとつとなり、社員のモチベーションを保つためにもキャリアデザインのメリットが高いと考えています。
さらに社会情勢の変化に伴い、職業や働き方の幅が広がり選択肢が広がったことも影響を受けています。
個人的側面
- 個人主義
- 働くことへの意識の変化
- 価値観の多様化
学生時代から個性を育てる教育が進み、集団主義から個人主義へと考え方が変わってきています。
社会や企業の制度や雇用状態の変化に伴い、個人レベルでも働くことへの意識も多様化しているのも特徴的です。
キャリアデザインの4ステップ

職業も働き方も企業も増えたことで、選択肢が多くなり、どのような基準で選んだら良いのか、どのようなプランを立てたら良いのか迷ってしまう方もいるかもしれません。
キャリアデザインは4つのステップで考えると、計画も立てやすく行動につながりやすくなります。
過去を見直す
まずは自分の過去を振り返ります。この時のポイントとしては
- 過去に担っていた仕事や役割
- 上手くできたこと
- 何度やっても成果が上がらなかったこと
- 持っている資格や技術
- 人から良く褒められたこと
これらを整理することで、自分の得意な分野と苦手な分野が明確になり、どのような職業や役割、立場に向ているのかの傾向がわかってきます。
記憶を頼りに見直していると、記憶が曖昧になっている可能性もありますので、身近な方の意見を参考にしてみるのも良いです。
自分を分析する
次に自分の特徴を徹底的に分析します。適性検査や性格診断、心理テストなどを通して、自分を客観的に見つめます。主観だけで考えていると、思い込みが入ってしまう可能性がありますし、真の強みや特徴は自分だけではわかりにくいものです。
キャリアデザインをする上で、自分自身をどれだけ知っているかが、実現可能なものになるの分かれ目になります。自分を分析する方法はひとつではなく、複数のものを受けると複合的に判断できます。
理想像を明確にする
3つ目のステップは、未来に目を向けます。何をしたいか、どうなりたいかという理想を具体化していきます。
ここでは、『良いか悪いか』『周りからどう思われるか』の視点は持たないようにします。
周りからの評価は必要ありません。キャリアデザインは主体的に考えるのが重要ですので、自分がやりたいことを思考の中心に置くことが大切です。
これはいくつあっても良いですので、思いつく限り書き出してみましょう。ただし、実現可能なものにしてください。もし、理想像が見つからないという時は、周りを見渡してみましょう。目標となる上司や先輩、同僚、友人などの特徴を洗い出してみると、理想の姿が見えてくる可能性が高いです。
キャリアデザインは後から修正ができます。最初から完璧なものを作ろうとしなくても大丈夫です。
行動計画を立てる
自分の特徴や未来像がわかったら、文章化し計画を立てていきます。計画の中には、年齢、職種、役割(役職)、目標、必要なスキルや資格、具体的行動を入れます。
何歳の時にどんな職業でどんな役割(役職)になっているか。その役割の中で、どのようなことをしているか、達成していることは何か、必要だと思われるスキルや資格は何かを整理します。
計画を立てると、年齢や役職になるまでに何をしなければいけないか、今できることは何かが明確になり、具体的な行動がわかります。
例えば、
・年齢~35歳
・職種~営業
・役割~主任
・目標~チーム全体の業績20%アップ、部下を育成し離職者ゼロ
・必要なスキルや資格~マネジメント力、コーチングスキル
・行動~マネジメント研修受講、コーチングスキルの見直し、部下の性格や特徴を知る
このように3年おき、5年おきに目標と行動を書くことで、到達目標がわかり、行動に移しやすくなります。
キャリアデザインで未来を創造する

キャリアデザインは自分の能力を発揮し、理想の働き方、仕事を叶えるためのものです。自分で作った計画であれば、目標に向かって行動することが楽しいと感じ、モチベーションアップにもつながります。
現状に満足できていない、物足りなさを感じるという時は、キャリアデザインを作成して、自分の未来を自分で作り上げていきましょう。