「面接官研修でを身につくスキルは?」「面接官研修の目的は何?」
このようにお悩みの方もいるのではないでしょうか。
自社の未来を担う社員を採用する面接は、企業にとって非常に重要なものです。
人材の本質を見抜き、適切な人物を採用することで企業は強化されます。しかし一方で、面接官としての技能を養う機会はさほど多くありません。このような背景から、面接官研修を活用した学びのチャンスが、近年注目されはじめました。
この記事では、面接官研修を実施する目的や身につけられるスキル、カリキュラム例や研修実施時のポイントなどを紹介します。面接官研修の実施を検討している方はぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 面接官研修で身につけられるスキル
- 面接官研修のカリキュラム例
- 面接官研修実施時のポイント
キーセッションでは、貴社のニーズや予算に応じた最適な面接官研修を提案可能です。複数社の中からご要望に合った研修を紹介可能なので、まずはお気軽にご相談ください。
面接官研修とは
面接官研修とは、企業の面接官に必要とされるスキルを習得する研修です。
採用力を強化すれば企業の競争力を高められるため、企業にとって有用な人材を見極める能力は会社の将来を左右する大事な要素です。
面接官研修では、面接官に必要なマインドや面接の基礎知識、実践スキルなどを学びます。
面接官研修の目的
面接官研修の目的には、大きく分けて次の3つがあります。
- 面接の質を高めるため
- 社内の面接官を育成するため
- 採用プロセスの効率化につなげるため
面接の質を高めるため
面接官研修を実施する大きな目的は、面接の質を高めることです。
採用面接では、優秀な人材をいかに見抜いて確保するかが大きなテーマです。同時に、企業と応募者間のミスマッチをできる限り回避しなければなりません。
応募者の能力や適性を正確に判断できれば、優秀かつ自社にふさわしい人材が獲得しやすくなるため、企業の発展のためには非常に重要です。
社内の面接官を育成するため
面接官研修には、社内の面接官を育成する目的もあります。
志望者に対して適切な質問や評価ができる面接官を育てられれば、常に一定レベルの人材確保が可能です。面接ごと・面接担当者ごとに逐一ブレが発生するのも避けられるため、現場で必要とされる人材を安定的に確保できます。
採用プロセスの効率化につなげるため
面接官研修の実施によって、採用プロセスの効率化を実現する目的もあります。
基本的なスキルが不足した状態では手探りで面接することも多く、合理的とはいえません。その分リソースやコストもかさむため、自社の不利益となり得ます。
研修で体系だった採用プロセスを学べば、採用の量・質双方の改善が可能です。
面接官研修で解決できる企業が抱える課題
面接官研修で解決できる企業が抱える課題は、主に次の3つです。
- 選考プロセスが不透明
- 採用のミスマッチ
- 応募者の定着率の低下
選考プロセスが不透明
面接官研修によって、面接時の選考プロセスが不透明化している問題が解決できます。
これは、研修を通じ面接中にチェックすべき評価項目や手順を知ることで、企業内での選考ポイントが確立できるためです。面接官個人の主観ではなく、企業内で共通の客観的な選考基準を統一することで、面接官ごとのムラを防いだ合理的な採用が見込めます。
採用のミスマッチ
面接官研修によって、採用時のミスマッチを防止できます。
なぜなら研修でスキルを身につけることで、志望者に対して適切な質問を行い、相手を正しく評価できるようになるからです。志望者を単純に学歴で判断せず、勘頼みにもならないことで、自社が求める採用すべき社員像と合致するか判断しやすいといえます。
採用のミスマッチは、企業側・志望者側双方にとってリソースとコストの無駄です。たとえば企業側では、採用活動にかけた経費と貴重な採用枠が消費されます。
足踏みしている隙にライバル企業は優秀な人材を確保し、次のステップへと進んでいくため、人材を的確に判断するスキルを身につけるのは重要です。
応募者の定着率の低下
面接官研修には、応募者の定着率低下を抑える効果も期待できます。
これは、先に挙げたように採用時のミスマッチを防ぐことで、企業にふさわしい人材が確保しやすくなるからです。企業カラーにマッチした人材は短期離職しにくく、定着率の改善が見込めます。
また面接官研修では、面接のノウハウはもちろん、面接官としての心構えからしっかり学べます。面接官としての魅力向上により、応募者が企業側へ抱くイメージのアップにも貢献できるため、内定の辞退率も改善可能です。
面接官研修の対象者
面接官研修の受講対象者としては、次のような人が挙げられます。
- 人事部門の社員
- 採用担当の社員
- マネージャー・リーダー社員
人事部門の社員
人事部門の社員は、面接官研修の対象者です。
なぜなら人事担当者は採用プロセスにおける最終決定権を持っており、社内でもっとも人材管理に精通した社員であるからです。
採用フローの透明性や公平性を担保するためにも、率先して面接官研修の受講を検討しましょう。
採用担当の社員
現場部署における採用担当の社員には、面接官研修を最優先で受講させるべきです。
彼らは採用の現場に立ち会う人材のため、面接に関する正しい知識と適切な判断基準を理解しておく必要があります。
採用事情に精通していない現場の社員は主観を基準にした評価を下しがちなため、面接官研修で基本的な知識やスキルを身につけるのが賢明です。
マネージャー・リーダー社員
マネージャーやリーダー社員も、面接官研修の対象者に含まれます。
企業の幹部は部下や後輩など将来一緒に働く人材を選ぶポジションにいるため、採用に関する知見も深めておきたいところです。自社や業界の魅力を余すところなく伝えやすい立場にもいるため、スキルを身につけて面接に参加すれば、優秀な新入社員の獲得に貢献できます。
面接官研修で身につけられるスキル
面接官研修で身につけられる主なスキルとしては、次のものが挙げられます。
- 状況に応じた柔軟な質問技術
- 面接時のコミュニケーション技術
- 人材採用における法的ルールや倫理観念の知識
状況に応じた柔軟な質問技術
面接官研修を通じて、状況に応じた柔軟な質問技術が習得できます。
志望者はさまざまな個性をもち、背景も人それぞれなため、事前に用意した画一的な質問だけでは本質を見極めきれないのがネックです。そのため面接官研修では、志望者の性格や経歴などを加味し、相手の個性を引き出す質問を導き出すスキルを学びます。
面接時のコミュニケーション技術
面接官研修では、面接時のコミュニケーション技術も身につけます。
コミュニケーション術に長けていれば面接をスムーズに進行可能で、無駄なリソースも省けます。
またコミュニケーションスキルを上手に利用すれば、志望者側の価値観や目標に共感を示しつつ、自社の魅力をアピール可能です。志望度のアップにつながるため、身につければ採用活動時の強みにできます。
人材採用における法的ルールや倫理観念の知識
面接官研修の受講により、法的ルールや倫理観念の知識を習得可能です。
人材採用の場では、個人情報保護法や労働法の遵守、ハラスメントにならない接し方などが求められます。トラブルを避けるためにも、関連知識を一通り学んだ上で面接に臨むのが肝要です。
面接官研修カリキュラムの一例
ここからは、面接官研修のカリキュラム例を紹介します。
面接官研修の受講後に求められるのは、次のような状態です。
- 面接官に必要な知識とスキルを身につけた状態
- 応募者への適切な対応と質疑応答が可能な状態
- 近年の就活状況や学生傾向を理解した言動が取れる状態
- 自社にフィットする面接官としてのスタイルを見出した状態
これらのゴールを見据えた面接官研修のカリキュラム例を以下に紹介します。
【面接官研修のカリキュラム例】
主要なテーマ | 学習内容 |
---|---|
面接官としての役割と目的 | 面接を実施する目的 人材採用の定義 面接官として必要な心構え コミュニケーションスタイルの理解 面接官自身に求められる人物像 面接フローの学習 |
面接を取り巻く現状 | 近年の就活状況 学生の傾向 特別に注意すべきトレンド |
面接官としてやるべきこと | 面接時の導入 基本的な質問の方法 志望者に向き合う傾聴 観察すべきポイント 志望者を見極めるフレームワーク 注意すべき言動 主観ではなく客観にもとづいて評価する方法 |
スキルの実践 | 面接のロールプレイング ロールプレイングに対するフィードバック |
オンライン面接における対応 | オンライン面接で必要な準備 面接時のマナー オンライン上で志望者を観察する方法 |
面接官研修では、基本的に「面接官としての役割」や「就活状況」など、大枠を捉えることからスタートします。これらの基礎はほとんどのカリキュラムに盛り込まれているので、面接未経験者でも安心です。
その後、具体的なノウハウやスキルを学ぶのがカリキュラムの基本です。オンライン面接におけるナレッジのレクチャーを希望する場合は、研修会社に相談・リクエストしましょう。
面接官研修ラインナップ
面接官研修のラインナップ例としては、次のものが挙げられます。
面接官としてのあり方や具体的な質問の手法を身につける面接官研修「株式会社モチベーション&コミュニケーション」
株式会社モチベーション&コミュニケーションでは、面接官としての振る舞いや質問力を養う面接官研修を提供しています。
こちらの面接官研修では、以下を研修のゴールに据えているのが特徴です。
- 面接官に必須のコミュニケーションスキルを獲得する
- 即戦力となる人材を確保するノウハウを身につける
- 全社の採用力をアップすることで離職率を下げる
またこのカリキュラムでは、採用の成否を分けるポイントや、志望者の特性を知る方法、面接官のあるべき姿、避けるべき質問などを学びます。座学だけではなく、模擬面接のロールプレイングも実施するので、より実践的な力が身につくのが魅力です。カリキュラム内容は企業ごとの課題に応じてアレンジできるので、研修で得たノウハウを無駄なく実務に活かせます。
面接官としてのあり方や具体的な質問の手法を身につける面接官研修
面接は、自社にとって成果を出せる人材を仲間に加え、自社を成長させていくための大事な行為です。面接官としてのあり方や具体的な質問の手法を学び身につけることによって、面接が実りあるものになります。
面接官研修を実施する上で意識したいポイント
面接官研修の効果を最大化するためには、研修実施時に以下の点を意識しましょう。
- 研修の目的を明確にすること
- 実践演習を導入すること
- 適切なフィードバックを返すこと
研修の目的を明確にすること
面接官研修を実施する際には、研修目的の明確化が重要です。
採用のどの段階に学びを注力するかによって、研修の進め方や内容も変わってきます。まずは自社の課題を明確化し、研修会社と相談しながら研修内容を精査していきましょう。
実践演習を導入すること
面接官研修の効果を最大化するためには、実践演習が欠かせません。
単に座学で知識を得ただけでは、実際の面接の場でスキルを十分発揮するのは難しいものです。研修を受講した社員が実際に面接官の役割を体験することでこそ、生きたノウハウが身につきます。実践的なロールプレイングの導入を積極的に検討しましょう。
適切なフィードバックを返すこと
面接官研修の中では、適切なフィードバックも重要な要素の一つです。
ロールプレイング中の応対について振り返り、改善点などのアドバイスをもらうことで、受講者は自分自身の言動を客観視できます。
フィードバックは実際の面接の場でも有効です。たとえば他の面接官の見立てを通じて自身がもつ人物評価の心理的バイアスに気づけ、それを修正することでより公平に人を判断できます。ディスカッションを重ねながら、人を見る目やコミュニケーションスキルを磨いていきましょう。
面接官研修に関してよくある質問Q&A
面接官研修に関するよくある質問について、Q&Aの形式で解説します。
- 研修にかかる費用は?
- オンラインや動画で学ぶことは可能か?
- 具体的にどのようなトレーニングが受けられる?
- なぜこれほどまでに研修が求められている?
面接官研修に関する疑問をきちんと解決したうえで、受講しましょう。
- Q. 研修にかかる費用は?
面接官研修にかかる費用は、一人あたり20,000〜30,000円程度が目安です。20人規模で受講するなら、おおむね50万円ほどの予算が必要です。
専門性が高い研修はやや高額な傾向があり、それは面接官研修も例外ではありません。ただし面接官研修は研修の効果が高いので、費用をかけるだけの価値はあります。
- Q. オンラインや動画で学ぶことは可能か?
面接官研修は、オンラインや動画でも学べます。最近はオンライン面接なども増えているので、そういった意味でもよい演習として利用可能です。
ただし講義に対する理解度やスキルの身につきやすさは、対面研修のほうが優秀です。とくに高度な内容については、オンラインでは受講者が理解しきれない可能性もあります。
オンラインや動画での学習に依存しすぎないことが大切です。
- Q. 具体的にどのようなトレーニングが受けられる?
研修では、基本的に以下のようなトレーニングが受けられます。
- 座学・講義
- グループディスカッションによる考察
- 面接のロールプレイング
もっとも重要なのは面接のロールプレイングです。実践的な方法でトレーニングを積むことで、より高いレベルでスキルを習得できます。
もちろんロールプレイングにはフィードバックも付属するので、より正確に改善点を見つけられます。
- Q. なぜこれほどまでに研修が求められている?
近年になって面接官研修が注目されている理由としては、以下の二つが存在します。
- 面接官としてのスキルを磨く機会がほとんど存在しない
- 一方で、面接官に求められるハードルは向上している
「面接を受ける人」には、さまざまな学習機会が提供されています。研修だけでなく、セミナーや大学の授業などを通じ、いくらでもノウハウの習得が可能です。
しかし「面接する人」に対しては、学びの機会はさほど多く提供されていません。にもかかわらず、人材難や時代の動きによって、面接で人材を判断する重要性は高まっています。
だからこそ、研修は貴重な学びの機会として必要とされているのです。