組織の成長につながる中堅社員向けの研修をご紹介します。
中堅社員の役割とは
中堅社員とは、若手を中心とした現場の社員と、マネジメントを担う管理職の間に位置する社員のことです。中堅社員の仕事を簡潔に表現すると、現場の状況を管理職に伝え、管理職の指示をわかりやすく現場に伝えること、と言えます。
中堅社員と呼ばれる年代は主に30代から40代で、企業によっては20代や50代の社員も含まれます。さらに、正社員だけでなくエキスパート職や地域職など、多様な雇用形態の社員を含む場合もあります。若手社員や管理職よりも幅広い社員が中堅社員に該当するため、求められる業務は多岐にわたります。
中堅社員本人も、自分の立場をしっかり認識できていないケースがあります。若手ではないものの、管理職と言える立場でもない…という微妙な立場に立たされ、困っている社員も多いものです。
人事担当者も、微妙な立場の中堅社員をどのように育成していけば良いのか、困っている人も多いはずです。しかし、中堅社員を育成することこそ、組織の成長につながるのです。中堅社員の育成方法について、理解を深めていきましょう。
企業が抱える課題・よくあるお悩み
中堅社員の育成をしなければいけないと思っていても、なかなか有効打が打てないのは、企業や人事担当者が中堅社員の育成に課題や悩みを感じているからです。この章では、中堅社員の育成に関して、よくある課題や悩みと対策を紹介していきます。
中堅社員がステップアップに意欲を示さない
まず、中堅社員自身がステップアップに意欲を示さない、という課題があります。本人が成長や出世を望まず、現状維持できればいいと考えていると、人事担当者が研修を設けるなどの工夫をしても、中堅社員の能力開発はできません。
本人から成長意欲が見られない場合、面談を設けるなどして、今後のキャリアプランをヒアリングしましょう。よくある本音としては、「管理職になっても責任が増して大変」「現場の仕事を続けたい」といった意見があります。
本人の意志は尊重する必要がありますが、「管理職は嫌」など偏見を持ち、成長に消極的になっているだけの場合もあります。新たな領域の仕事に積極的になれるよう、中堅社員の誤解を解いていく工夫が必要です。
後輩の育成に興味を持ってくれない
中堅社員に期待される大きな役割のひとつが、後輩の育成です。しかし、現場のプレーヤーとして頑張ってきた中堅社員には、後輩の育成に興味がない人も大勢います。
しかし、中堅社員には現場での経験を活かし、後輩たちを率いてプロジェクトを回して行ってほしい、というのが企業の本音です。そのためにも、中堅社員には後輩の育成方法や、プロジェクトマネージャーとしてのスキルを身につけてほしいものです。
後輩の育成に興味を持ってもらうためには、それが中堅社員にどのようなメリットになるのかを伝えると良いです。現場の仕事を後輩に任せると、自分はより難易度が高く、やりがいのある仕事ができることなど、中堅社員にとってのメリットを伝えて訴求しましょう。
業務が集中して育成の時間を取れない
そもそも、中堅社員が忙しすぎて、ステップアップのための研修や面談の機会を設けにくい、という課題もあります。
中堅社員は一人でも仕事ができる立場なので、自分の仕事を抱えています。それだけでなく、管理職から任された仕事にも対応します。さらに、若手から頼られて仕事を手伝うこともあるのです。自分の仕事に加え、ほかの人の仕事も手伝うので、中堅社員には仕事が集中しがちなのです。
目の前の仕事を優先せざるを得ないため、成長や能力開発の機会が後回しになりがちなのも、中堅社員の育成における重要な課題です。人事担当者としては、育成の機会を設けられるよう、中堅社員の上司にかけあって調整するのが第一ステップになります。

離職率を下げる人材育成のポイント
職業の多様化、働き方の意識の変化などにより、仕事を辞めることに躊躇しない人が増えてきました。この傾向は若者世代に特に高くなっています。少しでも離職率を下げ、長く働いてくれる優秀な人材を育てたいと思うのが企業の本音です。ここでは「この会社で働き続けたい」と思わせるような指導のポイントを解説しています。
記事を読む研修の特徴・目的
これまでの章で、中堅社員の育成には研修を有効活用すると良いと解説してきました。具体的に、中堅社員向けの研修とはどのようなものなのでしょうか。多くの中堅社員向け研修は、学べる内容ごとに分かれており、受講者が選択できるようになっています。中堅社員は年齢層や雇用形態、担当する業務領域が幅広く、一括りにまとめることができないからです。
例えば、リーダーシップ研修、コミュニケーション研修、マネジメント研修、DX研修などが挙げられます。すべての研修を受講するのは、忙しい中堅社員にとって難しいですし、不必要な研修まで履修するのは非効率です。人事担当者は、中堅社員からヒアリングしたキャリアビジョンを基に、社員が理想に近づけそうな研修を選んで導入しましょう。
研修のラインナップ
ここからは、研修会社が提供する研修プログラムを紹介していきます。豊富なノウハウに裏打ちされた現場マネジメント研修「株式会社PDCAの学校」
株式会社PDCAの学校の現場マネジメント研修では、管理職に必要な現場における力を養います。業務の進め方(PDCFA)や質の良い会議体づくりなど、リーダー層がすぐに仕事に活かせる実践的な内容を学べる研修です。特に、中堅社員になったばかりの社員が直面するのは、質の良い会議の進め方ではないでしょうか。自分ひとりの仕事ができれば良かった若手社員の頃とは違い、中堅社員になると、部下から報告を受けたり、部下に指示をしたりする会議は非常に重要です。上手に進めるためのファシリテーションスキルを、株式会社PDCAの学校のマネジメント研修で身につけましょう。
株式会社PDCAは、1社1名から参加できる研修プログラムを提供する研修会社です。他社の社員と合同で研修を受講できるため、人脈形成にも役立つメリットがあります。
株式会社PDCAでは、受講者が研修で知識を得るだけでなく、現場で成長機会をつくることを重視しています。それぞれの社員に何を達成させるのかを明確にし、研修と現場の両方で社員教育を行えるプログラムを提供します。個人と組織のベクトルを合わせた社員計画を行うので、組織にとっても社員にとっても満足度の高い研修が実現します。

豊富なノウハウに裏打ちされた現場マネジメント研修 - 株式会社PDCAの学校
超実践的PDCAで、社員のスキルアップによる生産性の向上をはかる研修です。人マネージメントにフォーカスしたトレーニングと、豊富なノウハウに裏打ちされた知識学習をバランスよく取り入れたプログラムをご提供します。
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問題解決能力が向上するモチベーションアップ研修「株式会社モチベーション&コミュニケーション」
株式会社モチベーション&コミュニケーションでは、管理職やチームリーダー向けの「モチベーションアップ研修」を提供しています。モチベーションアップ研修では、コーチングスキルを身につけ、自分やチームのモチベーションを高める方法を身につけられます。中堅社員には、仕事がマンネリ化してしまい、やる気を持てない人が大勢います。大抵の仕事ができるようになってしまったため、若手の頃と違って新しい刺激が少なく、燃えるようなエネルギーが湧いてこないのです。モチベーションアップ研修では、やる気がなくなってしまった中堅社員がやる気を取り戻せるようになる研修です。
研修ではコーチングの手法を学び、自らの「やらなければならないこと」を「やりたいこと」に変える思考方法を身につけます。コーチングのスキルは、チームのモチベーションを高めるためにも有効なので、リーダーとしての能力向上にも役立ちます。
株式会社モチベーション&コミュニケーションは、組織におけるコミュニケーションの課題を解決する研修プログラムを提供する研修会社です。モチベーションアップ研修のみならず、話し方や聴く力、論理的思考や営業スキルなど、現代のビジネスパーソンにとって必要なコミュニケーションスキルを身につけることができます。

問題解決能力が向上するモチベーションアップ研修 - 株式会社モチベーション&コミュニケーション
“考えた方・捉え方”といった思考や認識にアプローチすることで、目の前の問題を解決していく問題解決型のモチベーションアップ研修です。 やるべきことを”やりたいこと”に変えていく方法を解説していきます。
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あらゆる課題を解決できる人材を育成するアダプティブリーダーシップ研修「株式会社ノビテク」
株式会社ノビテクのリーダーシップ講座は、若手社員から中堅社員、管理職まで、あらゆる年代の社員を対象としています。講座で学ぶのは「アダプティブリーダーシップ」で、従来のリーダーシップとは異なる新しい概念です。従来のリーダーシップは、技術的な課題に対応するものでした。達成可能な売上目標を立て、指示を出すのがリーダーの役割でした。このようなトップダウン型の組織が成長できたのは、未来がある程度は予測可能だったからです。
しかし、現代の複雑さを増した社会では、翌年の売上を予測することなどは非常に難しいです。むしろ、状況に合わせて柔軟に課題を設定し、解決していかなければなりません。そこで必要になるのが、アダプティブ(適応型)リーダーシップです。今現在、チームを率い、責任を背負う中堅社員こそ、アダプティブリーダーシップを学び、自分と組織の成長につなげたいところです。
株式会社ノビテクの研修プログラムは、受講者が仕事を楽しめるようにする工夫で溢れています。眠くならない、記憶に残るプログラムが特徴で、ワークやゲームを通じた実践的な研修を行います。

あらゆる課題を解決できる人材を育成するアダプティブリーダーシップ研修 - 株式会社ノビテク
アダプティブリーダーシップ研修は、既成の手段では解決できない『”アダプティブな問題”解決のために発揮するリーダーシップ』を学ぶための研修です。このリーダーシップは技術的な問題に対しても活用することができます。
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OJT体系化する部下育成研修「ザ・ホスピタリティチーム株式会社」
ザ・ホスピタリティチーム株式会社の部下育成研修では、現場で活かせる人材育成の5つのステップを学ぶことができます。特にサービス業では、新入社員や若手社員の離職率が問題となっていますが、部下指導は離職率に大きく関わります。現場のリーダーである中堅社員が部下とのコミュニケーション方法を学ぶことで、離職率は低下し、組織力も向上します。本研修は、特にホテル、旅館、飲食、病院、介護施設、旅行会社、教育、保育など、サービス業全般におすすめです。サービス業が抱える課題に焦点を当て、部下育成の方法や、組織や自身へのメリットを学ぶことができます。体系化された人材育成の5つのステップを学ぶことで、部下への指導がしやすく、円滑なコミュニケーションも可能になるでしょう。
ザ・ホスピタリティチーム株式会社は、サービス業専門の現場教育を行う研修会社です。サービス業ならではの課題に対し、効果的にアプローチできる研修を豊富に取り揃えているのが特徴です。サービス業の企業にとって強い味方なので、ぜひお問い合わせください。

【OJTを体系化する部下育成研修】サービス業の現場で生かせる部下指導5つのステップ - ザ・ホスピタリティチーム株式会社
一般的な理論を学ぶのではなく、部下育成の重要性を理解し、実際のサービス業の現場で生かせる部下指導5つのステップを体系的に学び、自組織の部下育成方法を構築します。
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グローバルな組織でチームのパフォーマンスを最大化するマネジメント研修「株式会社J-グローバル」
株式会社J-グローバルのマネジメント研修は、さまざまな国籍の社員が集まるグローバルチームのマネージャーやグローバル環境で働く人を対象とした研修です。価値観や文化的背景が異なる人材が集まるグローバルチームでは、メンバーどうしが分かり合えず衝突するなど、チームワークが育たない場合があります。当研修では、スタッフの価値観が違う環境ならではのマネジメント方法を学ぶことができます。研修では、多様な価値観のスタッフそれぞれの良い部分を組み合わせた最適解を見つける方法や、多様な文化的背景を持つスタッフと協力してひとつのチームを作り上げる方法などを学びます。成功するダイバーシティ組織とは何かを理解し、違いを矯正するのではなく、違いをうまく活かす方法を考えられる人材を育てます。
株式会社J-グローバルは、グローバル化にともなって日本企業が抱える課題を明らかにし、解決する方法を提案する企業です。グローバル環境で働く人のためのビジネススキル研修のみならず、日本人社員や外国人社員の育成にも注力しています。

グローバルな組織でチームのパフォーマンスを最大化するマネジメント研修 - 株式会社J-グローバル
グローバルな組織で、チームのパフォーマンスを最大化するために欠かせないスキルを学びます。異なる文化を持つチームメンバーと、協力して仕事を進めるために不可欠な力を身につけることができます。
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効率的なオンライン会議の手法を身につけるオンライン会議術研修「株式会社かんき出版」
株式会社かんき出版のオンライン会議術研修は、中堅社員のみならず新入社員から役員層まで、オンライン会議を行う方におすすめの研修です。オンラインとリアルの会議の違いを理解し、画面越しにでも円滑なコミュニケーションを取れるようになります。中堅社員の場合、自分が主体となって会議を開催することが多くなります。オンライン会議でも同様で、司会者のような立場で進行しなければなりません。しかし、オンライン会議に慣れていないと、オンラインならではのやりづらさに直面し、活発な意見交換ができないことがあります。会議を始めたいのに接続できない、音声が伝わらない、といった環境設定も十分にできないケースもあります。
慣れないオンライン会議にもたつかないよう、当研修でオンライン会議の基礎知識を身につけましょう。必要最低限の環境設定をはじめ、相手に話を伝えるテクニック、活発な意見交換を促すテクニックなどを学ぶことができます。
株式会社かんき出版は、ビジネス書や自己啓発書に特化した出版社であり、そのネットワークを活かした研修を主催しています。テーマについての専門知識が豊富な講師が研修を行うので、受講者は本当に必要な知識を身につけることができます。
【中堅社員向け】問題解決力研修「アーティエンス株式会社」
アーティエンス株式会社では、社員の問題解決力に着目し、課題発見・真の原因を把握・丁寧なヒアリング・周囲との協働による解決というステップを実践できる学びを提供します。建設的なコミュニケーションで他者との認識のずれを少なくすることで、チームメンバーや顧客との信頼関係構築にも役立ちます。アーティエンス株式会社は、「人と組織の未来と今を豊かにする」を理念に、組織の持つ課題に徹底的に向き合い、本当に効果が出る研修の提供にこだわっています。時代にマッチした研修内容と、終了後も学びが持続する工夫で、効果と効率の高い学びを実施します。(参照:アーティエンス株式会社)
主体性を発揮するための意識革新コース「PHP人材開発」
PHP人材開発の中堅社員向け研修は、将来リーダーを担うことが期待される中堅社員の実務能力の強化と自己革新がテーマです。「日々の仕事が忙しく、キャリアプランに向き合う時間がない」「仕事がマンネリ化して新しいチャレンジが不安」という現状を打破するため、一度立ち止まって「仕事の意味」を考え、自らの立場に向き合うきっかけを提供します。PHP人材開発は、松下幸之助氏のマネジメント哲学に基づいた様々な研修を実施しています。組織の活性化には、社員の人間力を磨くことが一番の近道。「何のために働くのか」「どのように生きるのか」という人間の根幹に向き合うカリキュラムを通して、社員一人ひとりの可能性を広げ、自主性や責任感を持って仕事に取り組む人材を育てます。(参照:PHP人材開発)
中堅社員研修 ものづくりシミュレーション編(技能職向け)「株式会社TOASU」
株式会社ジェイテックスマネジメントセンターでは、生産現場で働く中堅社員の業務遂行力を向上し、問題の根本にアプローチする意識を育てる研修を用意しています。また、後輩指導やOJTを任される立場として「効果的な指導とはどういうものか」を学び、職場内コミュニケーションの重要性を改めて認識できる内容です。株式会社ジェイテックスマネジメントセンターは、学研グループの一員として講師派遣・コンサルティングなどを行う会社です。それぞれの企業の課題に向き合うことはもちろん、実務に直結する研修カリキュラムの実施と、研修後のフォローアップを一括して請け負うことで学びの浸透・定着を目指します。(参照:株式会社TOASU)
成果を出せる中堅社員へ!主体性発掘研修「株式会社日本マンパワー」
株式会社日本マンパワーの中堅社員向け研修では、組織の中心となる中堅社員に必要なコミュニケーション、フォロワーシップ、リーダーシップ、問題解決力などの知識を総合的にお伝えします。中堅社員が周囲に与える影響力を自覚し、主体性を持って成果を出せる状態へと導きます。株式会社日本マンパワーは、40年以上の実績とノウハウをもとにして、自分らしく前向きに力を発揮する人材育成に取り組んできました。変化が激しく不確実な出来事の多い時代だからこそ、組織と人の力を高めることが今求められています。組織の中で広い視野を持って働く自律した人材を育てるため、あらゆるビジネススキルの向上に貢献します。(参照:株式会社日本マンパワー)
福祉職員キャリアパス対応生涯研修「株式会社エイデル研究所」
株式会社エイデル研究所の研修は、介護・福祉分野の中堅職員が自身の役割を理解し、将来のキャリアパスを描くことを目的としています。業務遂行に慣れる一方で、この先どんな力を身につけるべきか迷いがちな中堅職員。研修を通してキャリアの方向性を知り、周囲とチームになって業務を進める重要性を理解して、実践へ移すことを目指します。株式会社エイデル研究所は、組織の人づくりを総合的にバックアップする会社です。一般企業はもちろん、介護・福祉分野の人材育成にも精通し、受講者参加型の主体性を発揮できる研修が特徴です。いきいきと働く職員を育て、組織の成長へとつなげます。(参照:株式会社エイデル研究所)
中堅社員を育成するポイント
中堅社員を育成するためには、研修を導入するなど人事部門の努力も重要ですが、本人や直属の上司のモチベーションがとても重要です。本人のやる気を引き出し、上司からも能力開発について理解を得て、人材育成の効果を最大化しましょう。この章では、中堅社員を効率よく育成するためのポイントを解説していきます。キャリアビジョンを考える機会を設ける
日々の仕事に忙殺されている中堅社員が、自分のキャリアビジョンを考える機会を作れるよう、工夫しましょう。人事担当者との面談や、キャリアビジョンを考える研修などを設け、仕事から離れられる時間を作ります。人材育成は、まず本人が「現状のままではダメだ」「成長したい」と思うことから始まります。上司や組織が「あなたにはこういう社員に成長してほしい」と望んでも、本人にその気がなければ成長できないからです。必ず、本人が自分の将来像をイメージしたり、そのために自分には何が足りないのかを考えたりする機会を作りましょう。
今まで目の前の仕事に全力を注いできた社員は、「急にキャリアビジョンを聞かれても困る…」と感じてしまうかもしれません。面談を設けて即答させるのではなく、宿題としてキャリアビジョンをじっくり考えてもらうのも有効です。
課題に合った研修を受講する
中堅社員のキャリアビジョンが明確になったら、どのようなスキルが足りないのか、どうすれば理想の将来像に近づけるのかが見えてきます。そこで、社員それぞれに合った研修を受講しましょう。例えば、マネージャーとしてプロジェクトを率いるという目標が見つかったら、プロジェクトマネジメント研修を受講する、という方法があります。専門性を深めたいなら、エキスパート向けの研修を受講したり、他社と合同の勉強会やシンポジウムに出席するなどの方法が考えられます。
企業の規模によっては、「中堅社員の人数が少なく、予算も厳しいし、外部から講師を招いて専門的な研修を行う余裕がない」という事情があります。その場合は、1企業1名から出席できる合同研修を活用しましょう。
⇒合同研修を問い合わせたい方はこちらからご相談ください。
理想の将来像に近づける業務を任せる
キャリアビジョンのヒアリングができたら、業務の割り振りでも本人がイメージする将来像を考慮してあげるのが理想的です。できる限り、中堅社員が研修で学んだことを活かせるように割り振ると良いです。ただし、中堅社員本人の希望と完璧にマッチする業務はなかなかありません。ひとつの業務の中に、本人がやってみたいこともあれば、やりたくないことも含まれているのが普通です。
そこで、上司から中堅社員に対し、「なぜあなたにこの業務を任せたいのか」「研修で学んだことをどのように活かしてほしいのか」を説明することが重要です。アサインされた理由を理解できれば、社員も自分の強みや研修で学んだことを発揮しやすくなります。その結果、業務を通じて社員が成長しやすくなるのです。
中堅社員におすすめの研修
中堅社員向け研修には多様な種類があるため、どの研修を導入すれば良いのかわからなくなってしまうこともあります。そこで、一般的にはどのような研修が人気なのか、3つの研修を挙げて紹介していきます。コミュニケーション研修
中堅社員向けのコミュニケーション研修では、管理職と若手の橋渡し役に必要なコミュニケーションを学ぶことができます。中堅社員にとって、コミュニケーションは最大の課題であり、難しさに悩んでしまう人もいます。若手社員は上司のみ、管理職は部下のみとコミュニケーションを取れれば構いませんが、中堅社員は上司と部下の両方と円滑にやり取りしなければならないからです。対人関係へのストレスも多い立場と言えます。
しかし、組織内のコミュニケーションを活発化するためにも、中堅社員の立ち回りは重要です。中堅社員向けのコミュニケーション研修では、成果を出せるチームを作るために必要なコミュニケーションについて学びます。

部下との関係性を築く質問力と傾聴スキル研修 - 株式会社モチベーション&コミュニケーション
相手の言いたいことを話を遮ることなくしっかり聴ける傾聴力を身に着け、話を深める質問力を習得する研修です。
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ロジカルシンキング・課題解決能力研修
ロジカルシンキング研修や課題解決能力研修も、中堅社員向け研修として人気があります。これらの研修では、論理的な思考能力を養い、ロジカルに課題を解決できるようになることを目指します。中堅社員になると、上司からの指示を待つのではなく、自ら課題を発見し、解決のために行動することが求められます。また、課題が見つかったとしても、冷静に判断できなかったり、場当たり的な対応になったりしては意味がありません。
課題を発見し、論理的に解決するためにも、ロジカルシンキングを身につける必要があります。ロジカルシンキングは全社員にとって役立つスキルですが、管理職と若手に挟まれる中堅社員にとって特に有用です。
ロジカルシンキング研修
顧客の求めていることを理解し的確さとスピード感を持って行動できる様になる
フォロワーシップ研修
中堅社員には、自分の仕事をこなすだけでなく、周囲の人をサポートすることも求められます。上司をサポートし、部下を支援し、なおかつ短時間で成果を上げることが求められるのです。そのような「サポートする力」を身につけられるのが、フォロワーシップ研修です。サポートする力が必要といっても、上司の指示に従うだけではありません。上司の指示が誤っていると感じたら進言するなど、積極的に関わる必要があります。
指示を待ち、その通りに動くだけでは、中堅社員としては物足りません。中堅社員には、フォロワーとして自ら積極的に行動し、組織を動かしていく力が必要です。フォロワーシップ研修では、そのためのスキルを身につけることができます。

ホスピタリティマネジメント・リーダーシップ研修 - ザ・ホスピタリティチーム株式会社
ホスピタリティを軸としたリーダーシップで、スタッフを生かしチーム一丸となって業績を最大化するマネジメントを学びます。また、リーダー同士の想いも共有し、明日からのマネジメントの力となるような研修カリキュラムです。
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研修についてよくある質問
中堅社員研修を導入する前に寄せられる、よくある一般的な質問を紹介していきます。詳しくは各研修会社にお問い合わせください。プログラムが多すぎて、どれを選んだら良いのかわかりません
中堅社員研修は、リーダーシップ研修やコーチング研修など、内容ごとに分かれています。多岐にわたる研修があるので、どれを導入すれば良いのかわからなくなってしまうのも、仕方ありません。研修会社に問い合わせをして、自社に合ったプログラムを組んでもらいましょう。研修会社では、研修を実施する前にヒアリングを行い、顧客のニーズに合った研修プログラムを提案します。
また、プログラムのカスタマイズも可能です。自社の特徴や業界の傾向を踏まえた研修プログラムにカスタマイズしてもらうことで、人材育成の効果を高めることができます。プログラムを選んだり内容を決めたりするとき、研修会社に相談してみましょう。
中堅社員は忙しいので、短時間での研修はできますか?
研修会社は可能な限り、顧客の要望に合わせて研修を行うので、1~2時間など短時間での研修も可能ではあります。しかし、研修の効果を高めるためにも、半日や1日などある程度の時間を確保することをおすすめします。短時間だと、講師の話を聴く講演形式の研修になるのが一般的です。知識はアウトプットによって定着するものなので、座学だけだとすぐに忘れられてしまう可能性が高いのです。真面目に座学を受講するだけでは、不十分な場合が多いです。
多くの中堅社員研修では、座学によるインプットと実践によるアウトプットをセットにしています。グループワークやロールプレイングなどのワークを行い、座学で学んだ知識を定着させるのです。研修の効果を最大化するためにも、座学だけでなくワークを行う時間も取り、研修を導入しましょう。
オンラインでの受講は可能ですか?
研修会社によりますが、オンラインで受講できる研修が増えています。社員が会場に集まるのではなく、自宅からリモートで参加できる研修もあるので、研修会社にお問い合わせください。遠方にいる社員も現地から参加できるので、交通費や宿泊費を削減できます。また、リアルタイムのオンライン研修だけでなく、好きな時間に研修の動画を見て学べるeラーニングもあります。決まった時間に社員を集めることができない場合や、動画を何度も見直して復習したい場合は、eラーニングも活用すると良いです。