「CS研修ってどんな内容?」「CS研修を実施する目的とは?」
CS研修の実施を検討する際、このような悩みを抱える人事担当者は多いのではないでしょうか。この記事では、CS研修の目的や内容、ポイントなどを解説します。CS研修を計画している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- CS研修を実施する目的
- CS研修のカリキュラム・内容例
- CS研修で身につくスキル
研修を成功させるためには、自社に合った質の高いカリキュラムや講師を選ぶことが重要です。しかし、多くの研修会社から依頼先を探すのは困難ではないでしょうか。キーセッションでは、複数の研修会社の中から貴社に最適なプランを紹介します。無料で相談可能なため、ぜひお気軽にお問い合わせください。
CS研修とは
CS研修とは、顧客満足度を向上させるための研修のことです。Customer Satisfaction(顧客満足)の頭文字を取ってCS研修と称されています。
顧客満足度は、商品やサービスそのものに対する評価だけで決まるものではありません。公益財団法人が実施する「顧客満足度調査(JCSI)」では、サービスなどを購入・利用する際の心の動きを以下の6つの指標で示しています。
指標 | 説明 |
---|---|
顧客期待 | サービスを利用する際に、利用者が事前に持っている企業・ブランドの印象や期待・予想を示します。 |
知覚品質 | 実際にサービスを利用した際に感じる、品質への評価を示します。 |
知覚価値 | 受けたサービスの品質と価格とを対比して、利用者が感じる納得感、コストパフォーマンスを示します。 |
顧客満足 | 利用して感じた満足の度合いを示します。 |
推奨意向 | 利用したサービスの内容について、肯定的に人に伝えるかどうかを示します。 |
ロイヤルティ | 今後もそのサービスを使い続けたいか、もっと頻繁に使いたいかなどの再利用意向を示します。 |
引用元:公益財団法人 日本生産性本部
つまり、接客態度や電話対応など、顧客が企業に接するあらゆる場面や要素が顧客満足度を決定する要になるということです。したがってCS研修では、基本の接遇マナーから応用的なホスピタリティなど、多様なテーマが扱われます。
とくに昨今は、口コミサイトやSNSにおける評判が消費者の選択に大きく影響を与えるようになりました。そのためCS研修は、現在多くのBtoC企業で重視されています。
CS研修を実施する目的
CS研修を実施する目的は、主に下記の3つです。
- ロイヤルカスタマーを増加させる
- 新規顧客の獲得につながる
- 働き方改革のきっかけをつくる
以下で、それぞれについて解説します。
ロイヤルカスタマーを増加させる
CS研修の目的は、ロイヤルカスタマーを増加させることです。
商品やサービス、企業そのものに強い愛着をもっており、売り上げ貢献度が高い顧客を「ロイヤルカスタマー」と称します。ロイヤルカスタマーを増やすためには、その企業・店舗ならではの価値を提供し、競合との差別化を図ることが重要です。
販売職や飲食店などのどんな業種でも、CS研修で従業員のスキルを高められると、商品に「サービス」という付加価値が生まれます。良質なサービスによって「また利用したい」と思う気持ちを顧客に引き起こすことで、安定的な売り上げにつながります。
新規顧客の獲得につながる
CS研修は、新規顧客の獲得につなげることも目的です。
インターネットやメディアによる評判は、消費行動を決定する際の大きな要因です。顧客満足度を高めると、よい評判が集まったり、SNSで紹介されたりする機会が増えるため、新規顧客の獲得につながります。
また、一般的に消費者は、よい評判よりも不満や悪評を口コミに投稿しやすい傾向があります。一つの悪い口コミから新規獲得のチャンスを逃さないためにも、CS研修で接遇マナーを徹底することは大切です。
働き方改革のきっかけをつくる
働き方改革のきっかけをつくることも、CS研修の目的です。
顧客満足度と従業員満足度には、相関関係があります。職場に対する満足度が高い社員ほど、モチベーションが高く、生産性が向上しやすい傾向にあるからです。従業員が長く働いて貢献したいと思える職場にするために、CS研修では働き方に関する制度を見直すきっかけもつくります。
働き方改革を実現したいと考えている企業には、CS研修とあわせて働き方改革研修の実施もおすすめです。
CS研修のカリキュラム・内容例
CS研修のカリキュラム・内容例は以下のとおりです。
〈内容〉
CS(顧客満足)向上=ES(従業員満足)の向上となることを理解し、そのための基本となるビジネスマナーおよびホスピタリティマインドを確認・強化する。
〈対象者〉
事務スタッフ、現場リーダー、若手社員、中堅社員
〈日数〉
1.5日
〈カリキュラム〉
1日目
セッション名 | 内容 |
---|---|
1.オリエンテーション | ◆ 講義 ・研修の目的と講師自己紹介 ◆ ワーク ・受講者自己紹介 |
2.CSの必要性を確認する | ◆ 講義&ワーク ・CS向上の目的を共有化する ・当社担当者に対する顧客の期待を考える ・顧客の期待を超えるために行うことを考える |
3.CS&ESを向上させるビジネスマナー | ◆ 講義&ワーク ・ビジネスマナーとは、相手に感じてほしいことをより的確に伝えるために自分の言動や状態を整えること ・ビジネスマナーで大切なのは、「状況対応力」と「臨機応変さ」 ・マナーの原理原則だけを学ぶのではなく、使えるマナー、使いたくなるマナーに変えていく |
4.CS&ESを高める言葉遣い | ◆ 講義&ワーク ・最も丁寧度の高い言葉・・・敬語表現のマスター ・働きやすい職場環境づくりのために |
5.CS&ESを高める電話応対 | ◆ 講義&ワーク ・電話応対で相手に伝えたいこと・・・第一声、復唱、提案 ・電話応対の基本的なマナー・・・受け方、かけ方、取り次ぎ方、伝言の仕方 |
6.来客応対 | ◆ 講義 ・応接室内のルール(席次、茶菓) ◆ ワーク ・受付でのお迎え~応接へのご案内~お茶出し~お見送り |
7.まとめ | ◆ ワーク ・本日の学びと現場で実践したいことを整理する |
2日目
セッション名 | 内容 |
---|---|
1.指導・育成の進め方 | ◆ 講義 ・指導・育成の進め方 ◆ ワーク ・後輩の指導目標の設定と教育ニーズの整理 |
2.「おもてなしスタンダード」の作成 | ◆ 講義 ・実情にあったマニュアルの作成 ◆ ワーク ・職場で使える、使いたくなる「おもてなしスタンダード」の作成 ※体験的に部分的なスタンダード・マニュアルを作る |
3.「おもてなしスタンダード」を使った指導 | ◆ 講義&ワーク ・スタンダードを使った指導方法、見本の見せ方、コメントの伝え方 |
4.まとめ | ◆ ワーク ・行動宣言 ・現場で実践することを宣言する ◆ 講義&ワーク ・質疑応答とまとめ |
おすすめのCS研修
おすすめのCS研修は、以下の4つです。
- 「顧客満足と従業員満足を高める接遇強化研修」株式会社ノビテク
- 「電話受付CS向上研修」株式会社ノビテク
- 「接客・接遇・サービス力向上のホスピタリティ研修」ザ・ホスピタリティチーム株式会社
- 「明日から実践できる接客・接遇力向上ホスピタリティ研修」ザ・ホスピタリティチーム株式会社
それぞれについて、下記で詳しく紹介します。
「顧客満足と従業員満足を高める接遇強化研修」株式会社ノビテク
一つ目におすすめするCS研修は、株式会社ノビテクが実施する、接遇力強化のためのプログラムです。
こちらの研修は、顧客満足度と従業員満足度のどちらにも焦点を当て、相互作用的に両者を向上させるのが目的です。「相手に喜んでもらう」という企業活動の本質を理解し、そのための基本となるマナーとホスピタリティマインドを強化します。
具体的には、電話応対や言葉遣いなどの基本のマナーから、指導・育成に関する応用的な内容などを1.5日かけて学びます。テーマごとにセッションを分割して、講義とワークを繰り返すため、深い理解とスキルの定着に効果的です。
「電話受付CS向上研修」株式会社ノビテク
二つ目におすすめする電話受付スキルをのばす研修も、株式会社ノビテクが実施しています。
こちらの研修の主な対象者は、コールセンターのスタッフです。ディスカッションやトレーニングを通じて、顧客の要求や問題に迅速かつ効果的に対応できる能力を養います。コールセンターでよく生じる「目標達成への意欲が低い」「人材不足から教育時間が確保できない」といった悩みを解決できます。
研修を担当するのは、コールセンター出身で、現在はコンサルや研修などを担当するプロの講師です。ただ形式的に実施する研修ではなく、現場の声を反映した実践で役立つカリキュラムを提供しています。
「接客・接遇・サービス力向上のホスピタリティ研修」ザ・ホスピタリティチーム株式会社
ザ・ホスピタリティチーム株式会社が提供するホスピタリティ研修も、CS向上のためにおすすめです。
こちらの研修は、サービス力の向上に大きく関わる「ホスピタリティの精神」を磨くことに特化しています。カリキュラムのはじめでは、ホスピタリティの起源や求められる時代背景など、ホスピタリティそのものに対する理解を深めます。その後に実用的な接客スキルを学ぶことで、学習内容がすんなりと腑に落ちるような設計です。日頃から接客を担当するサービススタッフには、とくにおすすめの内容です。
一方的にホスピタリティを説くのではなく、参加型のワークを交えることで、受講者に自然な気づきを与えることを重視しています。研修を通じて自分らしいホスピタリティ精神を養えれば、顧客のためを思って自発的に行動する力がすぐに身につきます。
「明日から実践できる接客・接遇力向上ホスピタリティ研修」ザ・ホスピタリティチーム株式会社
最後に紹介するおすすめも、ザ・ホスピタリティチーム株式会社が提供するCS研修です。
こちらもホスピタリティに焦点を当てた研修ですが、上記と異なり、接客スタッフだけではなくすべての階層のスタッフが対象です。ただマニュアルを遵守して対応するのではなく、従業員一人ひとりが顧客を想い、顧客への貢献を自分の喜びとする精神を養います。
ワークやディスカッションを豊富に取り入れたカリキュラムのため、職場のチームワークを強める機会としても有効です。スタッフ全体の意識を高め、サービス品質を底上げしたいと考える企業におすすめです。
本研修ではホスピタリティを深く理解し、ホスピタリティを接客・接遇に生かす具体的な方法を、一方的な講義ではなく、ロールプレイングやワークショップを通じて気づきを得ながら楽しく学びます。
CS研修で身につけられるスキル
CS研修で身につけられる主なスキルは、以下の4つです。
- 接遇マナー
- ホスピタリティ
- 電話応対
- クレーム対応
以下でそれぞれについて詳しく解説します。
接遇マナー
CS研修で身につけられるスキルは、接遇マナーです。
あいさつや身だしなみ、表情、言葉遣い、態度など、相手に好印象を与える基本のマナーを学びます。模範例だけでなく、業種や業界に合わせた事例なども交えて学ぶことで、実務でも接遇の基本動作がスムーズに行えます。
接遇マナーに特化した研修を実施したいと考える方は、下記の記事もチェックしてみてください。
⇒接遇研修
ホスピタリティ
CS研修では、ホスピタリティも身につけられます。
ホスピタリティは、顧客に対する「おもてなしの心」と同義です。ロイヤルカスタマーを増やすためには、マニュアル以上のサービスが自発的に提供できるようなホスピタリティが欠かせません。ホスピタリティについて理解を深めるディスカッションや、ホスピタリティを活用した接客演習を通じて、その精神を養えます。
ホスピタリティを高める研修については、下記の記事で詳しく解説しています。
電話応対
CS研修で身につけられるスキルには、電話応対の力もあります。
とくに若手社員には、電話対応を苦手とする人が多い傾向です。CS研修では、電話の取り方や切り方などの基本マナーから、取り次ぐ際のコツなどを学び、電話応対への苦手意識を軽減できます。
電話応対をテーマにした研修についてさらに知りたい方は、ぜひ下記の記事もご覧ください。
クレーム対応
CS研修では、クレーム対応のスキルも習得できます。
実践機会が少ない反面、対応を間違えることが許されず、接客においてとくに高い緊張感が走るのがクレーム対応です。研修では、顧客の気持ちを静める相槌の打ち方や話の伝え方について、実例を交えて学びます。学んだ内容を繰り返し実践練習することで、冷静沈着にクレームに対応できる技術が身につきます。
クレーム対応をテーマにした研修に興味がある方は、下記の記事がおすすめです。
CS研修のポイント
CS研修のポイントは、顧客の求める水準を理解することです。
顧客の要望を熟知することは、満足度を向上させるために何よりも重要です。顧客の立場で物事を考えられるようになると、期待に応えるだけでなく、期待を超えるサービスが臨機応変に提供できます。
そのために、研修では他企業の事例やアンケートの結果などを通じて、顧客が期待する対応やサービスについて学びましょう。まず求められる水準を理解することで、具体的な接客のアプローチを検討できます。
顧客の求める水準を理解する
CS研修のポイントは、顧客の求める水準を理解することです。
顧客の要望を熟知することは、満足度を向上させるために何よりも重要です。顧客の立場で物事を考えられるようになると、期待に応えるだけでなく、期待を超えるサービスが臨機応変に提供できます。
そのために、研修では他企業の事例やアンケートの結果などを通じて、顧客が期待する対応やサービスについて学びましょう。まず求められる水準を理解することで、具体的な接客のアプローチを検討できます。
翌日から実施可能なアクションプランを設定する
翌日から実施可能なアクションプランを設定することも、CS研修のポイントです。
CS研修で学んだ内容は、すぐに実践に結びつけることで定着が早まります。CSの重要性や顧客が求める水準を理解した後は、実際の業務における学びの活かし方を考える機会を提供しましょう。
おすすめは、研修の後半で具体的な行動計画を立てることです。一人ひとりが自身の目標を明確にすると、スムーズに行動が改善される効果が期待できます。
従業員の満足度向上にも着目する
CS研修のポイントは、従業員の満足度向上にも着目することにもあります。
CSには、職場に対する従業員の満足度とも密接に関わっています。職場環境に満足しているほど仕事のモチベーションが高く、スキルやホスピタリティの精神などが身につきやすい傾向にあるからです。
したがって、研修では顧客に対する振る舞いだけでなく、従業員のやりがいやストレス対応にも焦点を当てましょう。企業理念への共感や、ストレス軽減などを促すプログラムが、結果的に持続的なCSの向上につながります。
CS研修を実施して新規顧客やリピーターを獲得しよう
CS研修は、新規顧客やロイヤルカスタマーの獲得だけでなく、従業員の満足度向上にも貢献します。接遇マナーやホスピタリティなど、顧客満足度の向上に欠かせないスキルを従業員に徹底させるためにも、研修を実施しましょう。
CS研修で成果を得るためには、研修の内容や講師の質が重要です。しかし、数ある研修会社の中から、質の高い研修を選ぶのは難しいでしょう。
キーセッションでは、複数の研修会社の中から、良質かつ貴社の目的・予算に応じた研修会社をご提案します。相談は無料なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。