「自社に財務研修は必要なのだろうか?」
「財務研修はどのように実施すべきだろうか?」
このような悩みを抱えていませんか?
この記事では、財務研修を成功に導くポイントやおすすめの財務研修について解説します。財務研修の基礎知識を押さえたい方や財務研修の導入を検討中の方はぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 財務研修の目的
- 財務研修のカリキュラム例
- 財務研修のポイント
財務研修では財務の専門知識や経営面に精通する講師が欠かせません。キーセッションでは研修コンシェルジュがオーダーメイドの財務研修をご提案します。無料相談も可能なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
財務研修を知る前に押さえておきたい財務の仕事内容
財務の仕事内容は大きく3つあります。
- 企業の収支バランスを管理する
- 企業の投資計画を策定する
- 財務指標の分析結果を使って経営層をサポートする
ここでは財務研修の前提となる、財務の仕事内容について解説します。
企業の収支バランスを管理する
第1の仕事は、収支バランスの管理です。事業を継続するためには、収益が支出を上回っている状態を維持しなければなりません。そこで収益と支出のバランスを取るのが財務の役割です。
経理や会計と連携を取りながら、未払金などが発生しないよう、資金繰りを検討し実行するスキルが求められます。
企業の投資計画を策定する
第2の仕事は、投資計画の策定です。財務の仕事の中でも投資計画の策定は重要な役割を担います。投資計画は将来の収益確保に直結するためです。
自社資金をどのような投資先にどの程度投入するかについて、中長期的な視点で計画するスキルが求められます。
財務指標の分析結果を使って経営層をサポートする
第3の仕事は、経営層へのサポートです。財務指標を分析することで、施策の効果測定や新規事業の立ち上げなどの経営判断につなげます。
収益性やキャッシュフローなどのデータを可視化し、経営層にわかりやすく伝えるスキルが求められます。
なお中小企業では、経営層や経理部などが財務の業務を兼ねることもあります。
財務研修が必要な企業が抱える課題
財務研修が必要な企業が抱える課題は3つあります。
- 財務諸表の読み方を理解している人材が少ない
- 資金管理に関する知識をもった人材が少ない
- 資金面におけるリスク管理ができない
これら3つの課題を抱えている場合、財務研修が効果的です。詳しく見ていきましょう。
財務諸表の読み方を理解している人材が少ない
1つめの課題は、社内に財務諸表が読める人材が少ないことです。財務諸表の基礎知識を身につけなければ、企業の財務状況を理解できません。
財務担当者にとっては大前提となる知識ではありますが、財務担当者以外の社員も財務諸表の基礎知識を身につけておくのが理想的です。財務は経理、会計、人事、経営など、社内の多くの部署と関わるためです。
財務諸表の基礎知識をもつ社員を増やすことで、部署間の連携がスムーズに進みやすくなります。
資金管理に関する知識をもった人材が少ない
2つめの課題は、資金管理に関する知識をもった人材が少ないことです。資金管理とは企業が事業活動を進めるために必要な資金を調達・管理するプロセスです。
資金管理に関する知識がなければ、財務の主要な仕事の一つである、財務計画の立案が難しくなります。たとえばキャッシュフローを改善するためには、予算編成、資金調達、資産運用などの知識が必要不可欠です。
資金面におけるリスク管理ができない
3つめの課題は、資金面におけるリスク管理ができないことです。企業が成長を続けるためには、資金面におけるリスク管理が欠かせません。
リスク管理を怠ると、最悪の場合、倒産につながります。事業を安定的に継続するためにも、定期的な財務研修によって社内のリスク管理体制を点検することが大切です。
財務研修の対象者
財務研修の対象者は以下の4種類に分けられます。
- 財務部の社員
- 経営層・管理職
- 中堅社員
- 若手社員・新入社員
研修の種類や難易度に注目して対象者を選定するのがポイントです。
財務部の社員
財務部の社員は財務研修が必須です。研修を通じて業務に必要な基礎知識を身につける必要があるためです。
基礎知識を学ぶと同時に、最新の法律や税制に関する情報なども研修に盛り込むとより効果的です。
経営層・管理職
経営層・管理職にとって財務研修は欠かせません。自社の財務状況を正確に把握し、適切な経営判断を下す必要があるためです。
その他、投資家や金融機関との交渉時や節税対策、他社との業務提携を模索する際などにも財務の知識が活かされます。
中堅社員
中堅社員は財務研修の受講が推奨されます。財務研修を受けることで、自社の財務状況や経営戦略への理解が深まるためです。
中堅社員は近い将来、管理職候補となる人材です。中堅社員向けの研修では、自社の経営理念や経営方針への理解を促すことで、効果的な人材育成につながります。
若手社員・新入社員
若手社員や新入社員にとっても、財務研修は役立ちます。日々の業務と会社全体の収支の関係を学ぶことで、モチベーションアップにつなげられます。
若手社員・新入社員向けの研修では、財務の基礎知識を身につけることに主眼を置きます。たとえば財務諸表や財務指標の読み方など、収支状況を把握するための基礎知識を学ぶことが重要です。
財務研修のメリット
財務研修を実施するメリットは以下の2点です。
- 財務指標に基づいた企業分析の手法を学べる
- 社内で財務に関する共通認識を作れる
財務指標に基づいた企業分析の手法を学べる
財務研修を受講するメリットの一つは、財務指標に基づいた企業分析の手法を学べる点です。財務指標とは企業の収支変動などを把握・評価するための指標です。
たとえば貸借対照表や損益計算書などを用いた財務諸表分析の手法などは、財務研修で取り扱われることの多い内容です。経営層には、財務モデルから将来の収益推移を予測・管理する手法を学べる財務研修などもおすすめです。
社内で財務に関する共通認識を作れる
もう一つのメリットは、社内で財務に関する共通認識を作れる点です。共通認識ができることにより、業務間や個人間での連携がスムーズになります。
研修で学ぶ財務知識は、実務でも活かせるものが多数あります。たとえば、前述の財務指標に関する知識が社内で共有されれば、共通の指標に基づいた業務遂行が可能になります。
財務研修で学べる・活かせる内容
財務研修で扱う内容のうち、実務に直結する内容は次の5つです。
- 財務戦略の立案
- 予算の管理
- 資金調達
- 資金の運用
- 監査法人対応
ここでは財務研修で学ぶ内容と実務の関わりについて解説します。
財務戦略の立案
財務研修では財務戦略の立案に必要な専門知識を学べます。
たとえば資金調達・資産運用・予算編成などの立案時には、決算書を読み解く知識が必要となります。決算書を読み解くための知識やスキルは、財務研修で学べます。
予算の管理
財務研修では予算の管理方法を学べます。予算管理に関する学習内容は、とくに経営層やマネジメント層に役立ちます。
予算管理の知識やスキルを身につけることでキャッシュフローの安定につながります。キャッシュフローの安定により、中長期的な企業戦略へとつなげる余地が生まれます。
資金調達
財務研修では資金調達に役立つ知識を学べます。資金調達とは、キャッシュが不足した場合や新規事業を立ち上げる際に必要な資金を外部から調達することです。
資金調達に関する学習内容は経営層の業務に直結します。それと同時に、経営層以外の社員にとっても、仕入れのコントロールや在庫管理などの業務で、資金調達に関する知識が役立ちます。
資金の運用
財務研修では資金運用に関する知識を学べます。
たとえば設備投資や新規雇用など、幅広い選択肢の中から最適な運用方法を選ぶ際に、財務研修での学習内容が活かされます。
監査法人対応
財務研修では監査法人対応のノウハウについても学べます。監査法人対応とは、決算資料について外部から説明を求められた際に、説明責任を果たすための対応です。
専門的な内容については税理士などに相談する必要がありますが、自社内でも対応できる状態にしておくのが理想的です。
財務研修のカリキュラム例
財務研修のカリキュラム例を紹介します。ご紹介するのは、財務担当者に加え営業・マーケティング部の社員や若手社員も対象とした財務研修のカリキュラムです。
全体像を押さえたうえで、業務上重要性の高い損益計算書や賃借対照表の読み方などを習得することを目的としています。所要時間の目安は、半日〜1日です。
テーマ | ゴール | 研修内容 |
---|---|---|
企業会計の基礎 | 財務や企業会計の基礎を理解する | 決算書の基本・全体像を学ぶ |
損益計算書の基本 | 損益計算書の読み方を理解する | 損益計算書関連の基礎学習/演習 |
賃借対照表の基本 | 賃借対照表の読み方を理解する | 賃借対照表の基礎学習/演習 |
財務分析の基本 | 簡単な財務分析のポイントを学ぶ | 財務分析の基礎学習/演習 |
財務研修のラインナップ
ここでは実際に実施されている財務研修プログラムの一例を紹介します。
【Zaim】財務基礎知識体感 ビジネスゲーム研修|「株式会社ノビテク」
株式会社ノビテクの「財務基礎知識体感ビジネスゲーム研修」は、本来は座学で学ぶ財務をゲームを通じて楽しく学べる研修プログラムです。夢中になって楽しめるように工夫されているため、数字や計算に抵抗のある方にとっても楽しく学べる点が大きな特徴です。ゲームとはいえ、決算書の読み方など財務に関するエッセンスをしっかり学習できます。主に、新入社員・若手社員・中堅社員を対象とした研修プログラムです。
研修を主催している株式会社ノビテクは、2005年に設立された研修事業者です。これまでに取引企業1,100社・カリキュラム数5,000・講師の人数約220名の実績があります。研修の他に情報マガジンの発行や人事教育関連のブログなど、人材に関する情報発信力の強さが目立っている点もノビテクの特徴です。
また、ノビテクは新入社員や若手社員の育成に定評のある研修会社です。「やる気をやれる気に変える」をキャッチコピーに掲げています。
ノビテクの最大の特徴は、講師です。ノビテクの講師は、講演を担当するほど指導力に長けています。研修においては、一人ひとりの受講生が「できる」ようになるまで、時には厳しく接するケースもあります。ノビテクは、「できる」の実感にとことんこだわっている研修企業です。
財務基礎知識体感ゲームを通じて財務リテラシーの向上を図ります。ゲームメソッドの「思わず夢中になる仕組み」を活用した演習を繰り返し行うことで、知らず知らずのうちに財務諸表(B/S、P/L、C/S)を理解し簡単な財務分析ができるようになります。
財務研修を実施する際のポイント
財務研修を実施する際のポイントは大きく以下の3点です。
- 財務研修の目的を明確化する
- 受講者の知識・スキルに応じたカリキュラムを組む
- ゲーム形式の実践演習を取り入れる
ここでは財務研修を成功に導くためのポイントを、具体的に解説します。
財務研修の目的を明確化する
一つめのポイントは、目的を明確化することです。研修実施前に、どのような目的で財務研修を導入するのかを明確にしましょう。目的をはっきりさせることで、目的を達成するための道筋(学習内容)も定めやすくなるためです。
より具体的には、自社の中で解決したい「課題」や実現したい「理想の状態」を明確化するのがおすすめです。
受講者の知識・スキルに応じたカリキュラムを組む
二つめのポイントは、受講者の知識やスキルに応じたカリキュラムを組むことです。受講者の目線に立つことで、理解度や満足度を高められるためです。
若手社員向けの基礎的な内容や経営層向けの内容など、幅広い受講者を想定しながらカリキュラムを組むと安心です。
ゲーム形式の実践演習を取り入れる
三つめのポイントは、実践的な演習を取り入れることです。演習によって実務を想定したトレーニングやシミュレーションの機会を作りましょう。専門用語が飛び交う財務研修では、実務との関連性が薄くなりがちであるためです。
たとえば、以下の手法が考えられます。
- ゲーム形式の実践演習
- グループワーク
- ロールプレイング
- 財務指標の計算課題
- 実際の賃借対照表を使うワーク
- コスト削減に関するケーススタディ
財務研修についてよくある質問
最後に、財務研修についてよくある以下4つの質問にお答えします。
- まったく財務や簿記に関する知識がなくても大丈夫?
- 研修のカスタマイズは可能?
- オンラインでの受講ができる?
- 財務研修は実践的なプログラム?
- Q. まったく財務や簿記に関する知識がなくても大丈夫?
研修プログラムによっては財務に関する知識が0の方が受講しても問題ありません。財務や簿記の知識がなくても受講できるようにプログラムが設計されている財務研修があります。
ただし受講対象者の難易度に合ったプログラムを選ぶことが効果・効率を高めるポイントです。研修会社のウェブサイトなどでプログラム詳細をチェックしましょう。
- Q. 研修のカスタマイズは可能?
研修会社によりますが、研修のカスタマイズが可能なプログラムもあります。
財務諸表の読み方などに関しては財務研修全般に共通する項目です。一方、実際の賃借対照表を使うワークなどは、自社資料を使ってカスタマイズするのがおすすめです。
自社資料を使うことで実務に活かしやすく、記憶にも残りやすいためです。ただし、カスタマイズに追加料金が発生する場合もあります。詳細は研修会社に確認しましょう。
- Q. オンラインでの受講はできる?
大半の財務研修は、オンラインでの受講に対応しています。オンライン研修を実施する場合、オンライン研修の受講条件や受講方法を研修会社と確認・相談しておきましょう。
たとえば、オンライン研修を受講するにあたりZoomなどのWeb会議ツールをあらかじめダウンロードしなければならないこともあります。また、研修当日に機材トラブルなどが発生する可能性も想定しておく必要があります。
研修が滞りなく進むように、研修会社と入念な打ち合わせをしておくことが重要です。
- Q. 財務研修は実践的なプログラム?
財務研修の大半は、実践的なプログラムです。予算管理や決算書の読み方など、実務に直結する内容が多いのが特徴です。
ただし研修カリキュラムや受講者の学び方の姿勢によって、研修内容がどの程度活かされるかは異なります。目的から逆算して研修内容を設計することが重要です。