「アンガーマネジメント研修の内容とは?」「アンガーマネジメント研修を実施する目的は?」といったお悩みがある人事担当の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アンガーマネジメント研修の内容や目的、具体的な研修プランなどを紹介します。
社内でアンガーマネジメントスキルの向上を検討している人事担当の方はぜひ、参考にしてみてください。
この記事でわかること
- アンガーマネジメント研修の目的
- アンガーマネジメント研修で学べること
- アンガーマネジメント研修を実践する際のポイント
キーセッションでは、豊富な提携研修会社から貴社に適したアンガーマネジメント研修をご提案可能です。予算とご希望を伺えれば、ぴったりな研修プランをご提案するので、ぜひご相談ください。
アンガーマネジメントとは
アンガーマネジメントとは、怒りやイライラなど負の感情をコントロールするための心理トレーニングのことです。
アメリカでは1970年代から注目されるようになり、日本にも輸入されました。企業だけではなく、学校教育や子育て、介護、看護など幅広い分野で活用されています。
怒りは誰にでもある感情で、生きていくためには必要です。しかし、怒りをコントロールできないと、感情的なコミュニケーションを取ってしまい、チームメンバーとの関係性や信頼に悪影響を与える可能性があります。
アンガーマネジメントを習得するとストレスやプレッシャーに直面しても、自分自身の感情をコントロールし、冷静に問題解決に取り組めます。
《出典》 怒りにコントロールされる前にコントロールする - American Psychological Association
アンガーマネジメント研修の目的
アンガーマネジメント研修の目的は以下の3つです。
- 受講社員が感情をコントロールできるようになる
- 社内のチームコミュニケーションを円滑にする
- 受講社員のストレスを軽減する
アンガーマネジメント研修を実施する目的を理解すれば、研修を実施すべきかどうか判断できるでしょう。それぞれの内容を解説します
受講社員が感情をコントロールできるようになる
アンガーマネジメント研修の目的の1つは、受講した社員が感情をコントロールできるようになることです。社員が怒りの感情をコントロールできれば、業務上のトラブルを防いだり生産性を高めたりできます。
近年、職場でのストレスやハラスメントが問題視されており、その一因として怒りの感情が挙げられています。怒りをコントロールできずに感情的に部下を叱責してしまうのは、ハラスメントにつながりかねません。
一方で、怒りの感情を上手にコントロールできれば、淡々と業務上の問題を指摘するフィードバックができるようになります。
また、怒りを上手にコントロールできれば、理不尽なトラブルやクレームにあっても、平常心を保って業務に向き合いやすいです。感情の揺れに社員のパフォーマンスが左右されなければ、生産性の向上にもつながります。
社内のチームコミュニケーションを円滑にする
チーム内のコミュニケーションをスムーズにすることも、アンガーマネジメント研修の目的の1つです。
仕事におけるコミュニケーションでは、ついイラッとする場面も出てきます。そんなときに怒りをうまくコントロールできないと、険悪なムードになってしまったり、部署間の対立を招いたりしかねません。
一人ひとりがうまく怒りを抑えられるようになれば、不満を感じた際にもうまく折り合いをつけ、適切にコミュニケーションをとれます。
結果として感情を原因としたトラブルも減るでしょう。
受講社員のストレスを軽減する
アンガーマネジメント研修の目的の1つは、受講社員の怒りによるストレスを軽減することです。定期的に怒りを覚える状態は精神的な緊張や心身の負担が続き、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
怒りをうまくコントロールできないと心の中に不満を溜め込んでしまい、ある日爆発してしまうことも考えられるでしょう。
怒りとの付き合い方を理解できれば、ストレスも軽減され精神的な健康も保てるようになるでしょう。
アンガーマネジメント研修で学べること・得られる効果
アンガーマネジメント研修で学べることや得られる主な効果は、以下のとおりです。
- 怒りの抑え方に関するについての知識が深まる
- 感情的な相手への対処方法が身につく
- 怒りの抑え方に関するについての知識が深まる
- 自分の行動パターンを見直せるようになる
- 人間関係のトラブルを回避しやすくなる
- 精神面で健康を維持できる
- 社内のパワハラ防止になる
それぞれを解説します。
怒りの抑え方に関する知識が深まる
アンガーマネジメント研修を実施すれば、怒りという感情やその抑え方への理解が深まります。
怒りのメカニズムについて詳しい知識をもっていれば、怒りを否定せずにうまく付き合っていけます。自分がどのような状況で怒りを感じやすいかや、冷静になる方法、怒りをコントロールするテクニックを学べるからです。
感情的な相手への対処方法が身につく
アンガーマネジメント研修を受講すると、相手が怒っているときの対処方法も学べます。怒りが発生するメカニズムが理解できれば、相手が何に怒っているかを想定しやすくなるからです。
相手の怒りの原因がわかれば、余計な言い訳をしてしまい火に油を注ぐことも避けられます。うまく怒っている相手に対処できるメンバーが増えるのもメリットの一つです。
自分の行動パターンを見直せるようになる
自分自身の思考や、行動パターンを客観的な視点で見つめることで改善できるのも、アンガーマネジメント研修の効果の1つです。
怒りには数種類のタイプがあり、それぞれ原因や特徴が異なります。アンガーマネジメント研修で各種の怒りを理解し自分がどのタイプに当てはまるかを知ることで、言動の癖が明確にできるのです。
自分自身の思考の癖に気づくことで、怒りを抑えたり、ストレスを解消するための方法を見つけたりできます。
人間関係のトラブルを回避しやすくなる
アンガーマネジメント研修を受けて怒りのコントロールが身につくと、人間関係のトラブルを回避しやすくなります。人前で怒ることが減り、穏やかで明るい人となれるのです。笑顔も伝播するため、周囲との関係が良くなるのです。
研修では相手の感情や立場を理解するスキルを身につけ、トラブルを回避し、良好な人間関係を築けます。また、自分自身の感情もコントロールできるため相手に適切な反応ができ、よりよい人間関係を築き、トラブルのリスクを低減できます。
精神面で健康を維持できる
アンガーマネジメント研修で得られる効果には、精神面で健康な状態を維持しやすくなる点も挙げられます。怒りへの沸点が低いと小さなできごとでもイライラが増幅し、常にストレスを抱えることになります。
精神的に余裕がなくなり、些細なことにさらにイライラしやすくなる悪循環に陥ってしまい、ストレスに耐えきれなくなる社員が出るかもしれません。
メンバーのメンタルを保つためにも、アンガーマネジメントは定着させたいスキルです。
社内のパワハラ防止になる
アンガーマネジメント研修は、社内のパワハラ防止に役立ちます。パワハラの主な原因の1つに管理側が怒りを抑えきれずに、そのまま部下にあたってしまうケースがあるからです。
怒りをうまくコントロールできれば、部下のミスへの対応なども感情的にならずに向き合えるでしょう。
怒りのまま怒鳴ってしまうと被害者に精神的な苦痛を与え、職場の雰囲気を悪化させます。最悪訴訟される危険性もあり、大きなトラブルにつながりかねません。
パワハラ予防のためにも、マネジメント層の社員はアンガーマネジメント研修を受けるのがおすすめです。
アンガーマネジメント研修の対象者
アンガーマネジメント研修の主な対象者は、以下のとおりです。
- 経営幹部層
- 中間管理職・現場リーダー
- 中堅社員
- 新入社員
アンガーマネジメント研修は、経営幹部層から新入社員まで幅広い層が対象になる研修です。それぞれが、なぜアンガーマネジメント研修対象になるのかの理由とともに解説します。
経営幹部層
経営幹部層にとってアンガーマネジメント研修は有益な研修です。経営幹部層は自社の重要な意思決定や経営判断するシーンが数多くあります。そのため、責任やプレッシャーから大きなストレスを抱えやすい状況が多く、怒りをつい感じがちなシチュエーションが多いからです。
うまくコントロールできないと、怒りに任せて冷静な判断をできなくなる可能性が高まります。幹部層の判断は、経営に大きく影響を与えるため、怒りに任せた判断をしないことが重要です。
また、経営幹部層が怒りに任せて社員にパワハラを行ってしまうと、会社としての信頼が失われてしまいます。感情をうまくコントロールする必要がある経営幹部層もアンガーマネジメント研修を受けるのがおすすめです。
中間管理職・現場リーダー
アンガーマネジメント研修は、中間管理職の社員にも必要な研修です。中間管理職や現場リーダーは、上司と部下の要望の板挟みになり、ストレスを感じやすいポジションです。そのため、怒りやイライラ、不満のコントロールを覚えないと、ある日怒りが爆発してしまう危険もあるでしょう。
研修ではストレスの原因を理解し、効果的な対処方法を学ぶことでストレスに打ち勝ち、仕事を円滑に進めるためのスキルが身につきます。
中間管理職や現場を指揮するリーダーが怒りをコントロールできるようになると、社内コミュニケーションや職場全体の雰囲気が改善されやすいです。
中堅社員
アンガーマネジメント研修は、中堅社員にもおすすめです。現場で業務を遂行する中で、上司や同僚との意見の食い違いやミスによるミスマッチなどさまざまなストレスに直面します。
これらの状況をうまく乗りこえるためには、アンガーマネジメントのスキルを高めておく必要があります。また、チーム内での円滑なコミュニケーションを促進することも、仕事の効率性を高める上で重要なポイントです。
新入社員
アンガーマネジメント研修の対象者には、新入社員も含まれます。入社後まもない段階でアンガーマネジメントスキルを習得することで、職場でのストレスやトラブルに対処するための能力を高められます。
まだ社会人になりたての新入社員は何かとストレスやイライラを感じてしまいがちです。早期にアンガーマネジメントの技術を習得することで、平常心をもって業務に打ち込めるようになります。
アンガーマネジメント研修のカリキュラム内容
アンガーマネジメント研修のカリキュラム例は、下表のとおりです。
テーマ | 内容 |
---|---|
アンガーマネジメントの基本 | ・アンガーマネジメントとは何か ・怒りの感情がもたらす問題や影響 |
ストレスマネジメント | ・ストレスのメカニズム理解 ・リラクゼーション技術の習得 |
コミュニケーションの改善 | ・相手の感情を理解する方法 ・傾聴スキルと表現力の向上 |
総合演習 | ・特定のシナリオに即した総合演習 ・実践演習によるスキル習得度の確認 |
状況や研修会社のプランによって異なるものの、おおむねどの研修でも上記を扱うことが多いでしょう。それぞれを解説していきます。
アンガーマネジメントの基本
多くの研修では、アンガーマネジメントの基本をまずは学びます。
アンガーマネジメントとはそもそも何かや、アンガーマネジメントの重要性、怒りがもたらす問題や影響などを学習します。
ストレスマネジメント
ストレスマネジメントは、ストレスを上手にコントロールするためのスキルです。このテーマではストレスがどのように発生するのか、そのメカニズムを学びます。また、リラクゼーション技術の習得によって、ストレスを軽減する方法も身につきます。
コミュニケーションの改善
コミュニケーションの改善では、相手の感情を理解するための方法や傾聴スキル、表現力の向上を学びます。これによって、コミュニケーションの改善が期待できます。
総合演習
総合演習では特定のシナリオに即した演習を行います。アンガーマネジメントスキルやストレスマネジメントスキル、コミュニケーションスキルなどです。実践演習によってスキル習得度を確認し、より実践的なアプローチを身につけられます。
アンガーマネジメント研修のラインナップ
キーセッションで扱うアガーマネジメント研修のおすすめラインナップは、以下のとおりです。
- 「【管理職・リーダー向け】よりよい人間関係を築くアンガーマネジメント研修」株式会社ノビテク
研修の特徴を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
「【管理職・リーダー向け】よりよい人間関係を築くアンガーマネジメント研修」株式会社ノビテク
部下や後輩に怒りを感じることは、誰にでもあります。しかし、その怒りの表し方について意識したことがある人は、実はあまり多くないのです。本研修では怒りの感情が発生するメカニズムを理解し、怒りを適切に扱うための具体的な思考・動作を学んでいきます。3時間の中で多数のワークを交えながら、誰でも実践的に使えるスキルやテクニックの習得が可能です。職場の人間関係を円滑にして、効率的に仕事をすることに役立ちます。
取引実績1,100社、5,000の研修カリキュラムと220名の講師を備え、アンガーマネジメント研修をはじめ幅広い分野の学びの場を提供しています。それぞれの組織のお困りごとにじっくりと耳を傾け、現場の実情に即したカリキュラムです。
「”気づき”と”学び”と”やれる気”で、人や組織を成長させる」を理念に、「体験」を大切にした研修カリキュラムを提案しています。”やれる気”とは社員自身がもつ”やる気”にすべて委ねるのではなく、研修を通じて社員の自己効力感を高め「自分も行動が起こせるんだ」というマインドを育てる方法です。現場で実際に使えるスキルを伝えることで、目標に向かって前向きに進む社員が育ち、組織の成長を後押しします。
アンガーマネジメント研修では、怒りの感情をコントロールすることにより、社内外でよりスムーズなコミュニケーションを図れるようにします。よりよい生活や仕事、人間関係を手に入れ、職場でイライラせずに効率的に仕事をするためのスキルを習得します。
アンガーマネジメント研修を実践するポイント
アンガーマネジメント研修を実践する際のポイントは以下の点です。
- 実践的な内容で演習を重ねる
- ポジティブフィードバックを活用する
- 実生活でアンガーマネジメントを活用させる
- 研修後もサポートを継続する
せっかく実施するアンガーマネジメント研修を失敗させないためにも、それぞれのポイントをよく理解しておきましょう。
実践的な内容で演習を重ねる
アンガーマネジメント研修を実践する上で大切なポイントの1つは、実践的な内容で演習を重ねることです。研修で学んだ知識やスキルを実際の場面で使えるようにするには、反復練習が欠かせません。
そのため、研修内でロールプレイなどの演習を入れるようにしましょう。座学だけで終わらず、アウトプットの場を設けると定着が早くなります。
ポジティブフィードバックを活用する
ポジティブフィードバックを活用することは、アンガーマネジメント研修の実践で非常に重要です。
自分自身の負の感情に向き合うことはストレスを伴うため、悪い点にフォーカスしたフィードバックは精神的に負荷がかかります。社員の性格によっては、自分自身の人間性を否定されたと感じてしまうかもしれません。
受講社員の努力や成長に目を向けて、ポジティブなフィードバックを意識しましょう。改善した点や成功した点を積極的に評価されれば、社員のモチベーションも上がります。
実生活でアンガーマネジメントを活用させる
アンガーマネジメント研修を実践する上で大切なポイントは、実生活でアンガーマネジメントを活用させることです。学んだ知識やスキルを仕事にかぎらず日々の生活の中で実践することで、自然な行動パターンが身につきます。
たとえば、怒りが湧いてきたときは深呼吸や6秒のカウントダウンを行うことです。このように研修で学んだ方法を実践することで、怒りの感情をコントロールできます。
研修後もサポートを継続する
アンガーマネジメント研修を成功させるためのポイントは、研修後もサポートを継続することです。定期的なチェックやフィードバックを行い、受講社員がアンガーマネジメントを生活に取り入れられるようサポートしましょう。
また、継続的なサポートがあることで受講社員の意識が高まり、実践へのモチベーションも保たれます。
アンガーマネジメント研修についてよくある質問
アンガーマネジメント研修についてよくある質問は、以下のとおりです。
- アンガーマネジメント研修は法人向けと個人向けで違いがある?
- アンガーマネジメント研修の効果を高める研修の組み合わせは?
- アンガーマネジメント研修のデメリットはある?
- アンガーマネジメント研修の費用目安はいくら?
研修の実施を決めてから後悔しないためにも、よくある疑問点を抑えておきましょう。
- Q. アンガーマネジメント研修は法人向けと個人向けで違いがある?
アンガーマネジメント研修には、企業向けと個人向けがあり、それぞれ内容が異なります。
企業向けの研修では、導入企業の課題やニーズに合わせてカリキュラムをカスタマイズすることができます。企業や受講者に合った研修プログラムにできるので、受講者は学んだことをすぐに実務に活かすことができます。
個人向けの研修では、個別の受講者向けにカスタマイズすることはできません。アンガーマネジメントの方法論などを、一般的な事例をもとに解説する内容です。
- Q. アンガーマネジメント研修の効果を高める研修の組み合わせは?
アンガーマネジメント研修とセットで導入すると効果が高まる研修の例は以下です。
アンガーマネジメントは、コミュニケーション問題や労働問題から派生する項目のひとつであり、より大きなテーマから学んだほうが理解しやすい場合があるからです。
研修の総合サイトであるキーセッションではどの研修も取り扱っています。アンガーマネジメント研修と効果の高い研修も一緒に検討している方は、ぜひキーセッションにご相談ください。
- Q. アンガーマネジメント研修のデメリットはある?
アンガーマネジメント研修のデメリットをあえて挙げるなら、短期間の研修では完全にスキルを習得できず、長期的な取り組みが必要な点です。
怒りの感情に対して冷静に対処するために必要なスキルは習得難易度が高いため、時間をかけて練習することが大切です。
- Q. アンガーマネジメント研修の費用目安はいくら?
アンガーマネジメント研修の費用目安は外部に依頼するかや、オンラインでの実施かどうかなどによって変わります。
外部に依頼する場合は1日20万〜50万円、短時間の研修の場合は1時間あたり1万〜5万円が目安です。
オンラインの場合、講師を派遣してもらったり、会場を抑えたりする手間がない分費用を抑えられます。ただし、その質問などのコミュニケーションなどが実施しづらくなるため、定着率はオフライン実施に劣るでしょう。
研修会社選びでは、自社の目的や予算に応じて、最適な方法を選ぶことが重要です。キーセッションでは、貴社に適したアンガーマネジメント研修をご提案可能です。予算とご希望を伺えれば、ぴったりな研修プランをご提案するので、ぜひご相談ください。