チームをまとめる管理職にとって、スタッフの作業進捗管理は日常業務であると同時に、悩みのタネになりやすいものです。
特に繁忙期や新たな業務が加わったとき、作業効率化は常に課題となります。
限られたリソースで成果を出そうとすれば、スタッフ一人ひとりが課されたタスクを遅滞なく完了させられるかどうかがポイントとなります。
チームのパフォーマンス向上には、スタッフの作業効率化が欠かせないのです。
この記事ではスタッフの作業効率を上げる、すぐにでも実践可能な10個の仕組みについてご紹介していきます。
✅ スタッフの作業効率化を目指す管理職の方
✅ チーム単位や部署単位のパフォーマンス向上を課題とする人事担当者や経営者の方
はぜひ参考にしてください。
目次
仕事で必要とされる作業品質と作業スピード
スタッフの作業効率化を考える際に注目すべき点は、作業品質と作業スピードです。
任せた作業が社内向けであれ社外向けであれ、求められる品質を担保して期日までに仕上げなくてはならないことは変わりません。
管理職ができること
スタッフ育成の観点からすると、一度タスクをスタッフに任せたら管理職はできる限り手を動かさず、必要な指示やアドバイスを行うことが望ましいです。期日が迫り、このままだと間に合わないという判断をすれば、作業を巻き取ったり答えを教えたりということも必要になります。しかし、そうならないように誘導し成功体験を積ませることが、スタッフの自信と成長に繋がります。
スタッフができること
一方スタッフは、手戻りを最小限に抑えるよう、自発的に管理職(または直属の先輩など)への進捗報告や相談を行い、間違った方向に進んでいないか定期的に確認します。
多忙な管理職からの指示やレビューを受け身で待っていては、予定通りに作業を終えることは難しくなってしまいます。
コミュニケーション時には、質問や相談事項を明確にしておくことも有効です。
https://magazine.keysession.jp/how-to-tell-you/
スタッフの作業効率を上げる仕組み10選
それでは、実際にスタッフの作業効率を上げる仕組みを、作業のプロセス(作業開始前・作業進行中・作業完了後)に区切ってご紹介します。
作業開始前におこなうこと
その1:作業の目的と背景を共通理解とする
作業内容と同様に管理職とスタッフが注意を払うべきなのは、作業の目的と背景です。
スタッフがこれらを理解していれば、作業中に迷っても
この方法で目的を達成できるか
背景を考慮するとどちらの方法が望ましいか
などの検討ができるため、作業がストップしてしまうのを防げます。
その2:優先順位を明確にする
ビジネスの現場では日々新たなタスクが舞い込み、重要度や期日によって優先順位を見直す必要があります。
急ぎの案件は手つかずのまま別の案件に没頭していた、ということが起きないよう、優先順位は明確にしておきましょう。
その3:作業の手順とスケジュールを合意する
作業の手順やスケジュールはスタッフ自身がToDoリストなどで管理すべき内容ですから、まずはスタッフが考え管理職が了承するという流れが、自覚を持たせるには効果的です。
ただし、スタッフが作業を終わらせるために無理をして残業するケースもありますので、どのくらいのスピード感が適切なのか、管理職はスタッフの能力を日頃から把握しておくことも大切です。
長期間の作業であれば、WBSを作成すると進捗の遅れに気づきやすくオススメです。
その4:作業が滞るリスクを事前に解消する
作業について不安な点はないか、事前に確認しておきましょう。
例えば、
○○の情報を入手できるか分からない
○○の作業は未経験なので時間がかかりそう
などです。
想定されるリスクへの対応策を予め相談しておくことで、管理職がスタッフに使えそうな過去資料を共有するとか、知見があるメンバーを紹介するといったサポートができ、遠回りをせずに済むことが多いです。
https://magazine.keysession.jp/concentration/
作業進行中におこなうこと
その5:毎日作業のスケジュールと優先順位を見直す
作業開始前に決めた優先順位は、毎日の作業の進捗状況や外的要因によって変わる可能性があります。
ベストのパフォーマンスを発揮するためには、適宜スケジュールと優先順位の見直しを行い、最初の計画に固執せず柔軟に対応しましょう。
その6:抱えている作業量の調整をする
チーム全体での作業効率化の観点では、個々のスタッフの能力に応じて作業を再分配したり、必要に応じてサポート人数を増やしたりすることが必要です。
スタッフが協働して目標を達成することにより、チームワークの向上も期待できます。
その7:タイムマネジメントを意識する
若手のスタッフが陥りやすい状況の一つに、一人で考え過ぎてタイムオーバーとなってしまうことがあります。
数あるタスクを期日までにさばき切るためには、タイムマネジメントをしながら動かなければなりません。
15分考えても分からないものは先輩に聞くようにするなど、目安となる時間を決めておくと良いでしょう。
その8:作業にメリハリをつける
長時間にわたって全力投球することは誰でも難しく、集中力の低下を招きます。
頭を使う時間と手を動かす時間を分けるなど、メリハリをつけるようにしましょう。
その9:毎日の作業報告をテンプレート化する
付加価値を生まない管理作業は、要点さえ押さえれば必要以上に時間をかけるべきではありません。
報告時点で
- 完了している作業
- 残りの作業の着手状況と完了予定日
- 相談事項や懸念点
の3つを管理職とスタッフ間で共有できれば良いのです。
これらの3つをテンプレート化して埋めていけば必然的に次の作業を意識するため、先を見据えて行動できるようになります。
作業完了後におこなうこと
その10:作業中に見つけた課題の対応策を決定する
作業が完了したら、報告してレビューを受け、必要に応じて修正し完了というのが一般的な流れです。しかし、スタッフの作業効率化を行うためには、次回の作業をより効率的に行うとしたら何ができるかを考えておくことが大切です。
何度も行うような作業であれば、ツール導入やテンプレート作成なども考えられます。
働き方改革が推進されて、時間の使い方を見直す良い機会となっています。仕事量は減らないのに、業務時間が減っている現状で、どう時間を使いこなすかとい課題に頭を抱えているビジネスマンが多いです。タイムマネジメントの重要性を理解し、企業単位で取り組みを強化しましょう。
管理職とスタッフが意識と行動の変化で作業効率化を実現
一定の品質を保って期日までに作業を完成させるという成功経験を積むことにより、スタッフは自信を持てるようになります。
「どうすれば無駄なく作業を進められるのか?」を前向きに考えるモチベーションにもなりますので、人材育成のためにも作業効率化は有効な手段といえるでしょう。
あるスタッフの作業が効率化されると、他のスタッフをフォローしやすくなり、効率化のノウハウを共有することでチーム全体のパフォーマンス向上にも繋がります。
ここまで10個の仕組みをご紹介しましたが、これらの仕組みを最大限活用するためには、普段から管理職とスタッフ間で相談しやすい関係性をつくっておくことが重要だということも忘れてはいけません。