これまで生きてきて、ストレスを感じたことがないという方はいないと思います。
厚生労働省の調査によると、働く人が感じているストレスの1〜3位は以下の結果となっています。
・第1位 仕事の量・質
・第2位 仕事の責任・失敗
・第3位 人間関係
1位と2位の悩みは、すぐには解決できないことが多いですが、人間関係は対処方法がわかればすぐにでも解決できます。
この記事では、職場での人間関係を良くし、ストレスを減らす方法をご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
参考:厚生労働省「平成30年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況」
目次
職場の人間関係で大切なこと
職場での人間関係は、ただの同僚を超えた信頼と協力のネットワークを築くための基礎です。良好な人間関係は、ストレスの軽減、仕事の効率向上、そして職場の満足度を高めることに直結します。
ここでは、職場での人間関係を強化し、より生産的な環境を作り出すために重要な3つの要素、
- コミュニケーションの重視
- 尊敬とと信用を築く
- プロとしての態度を忘れない
について掘り下げてみましょう。
それぞれの要素がどのように職場の日常に影響を与え、私たちがどのようにそれらを実践できるかを見ていきます。
コミュニケーションの重視
職場でのコミュニケーションは、意見や情報の交換だけでなく、チームメンバー間の理解と信頼を深めるためにも不可欠です。効果的なコミュニケーションには、聞くスキルが含まれ、これにより他人の視点を理解し、共感を示すことができます。
自分の考えをはっきりと、しかし尊重を持って伝えることで、誤解を防ぎ、より良い協力関係を築くことができます。
尊敬と信頼の構築
職場での尊敬と信頼は、協力的な環境を作り出す基盤です。尊敬は、同僚の能力、貢献、価値観を認めることから始まります。
信頼は時間をかけて築かれ、一貫性のある行動、約束の守り、誠実さによって強化されます。信頼される環境では、人々はリスクを取り、革新的なアイデアを共有し、困難な状況でもお互いを支え合うことができます。
プロとしての態度
プロフェッショナリズムは、職場での行動規範として機能し、個人が仕事に対してどれだけ献身的であるかを示します。
プロフェッショナルであることは、適切な服装、時間厳守、責任感のある行動、そして職務に対する熱意を含みます。プロフェッショナリズムを維持することで、個人は同僚や顧客からの尊敬を得ることができ、職場の品質と効率を高めることに貢献します。
職場の人間関係の悩み
職場での人間関係は、仕事のやりがいだけでなく、日々のモチベーションにも大きく影響します。しかし、時には上司や同僚との関係がストレスの源になることもあります。
このセクションでは、職場での人間関係に関する一般的な悩みと、それらにどう対処すればいいかを探っていきます。上司との難しい関係、仕事外のコミュニケーションのストレス、そして悪口や噂話が蔓延する職場の環境など、これらの問題をどう乗り越えれば、より快適な職場を作り出せるかを考えてみましょう。
上司と合わない
上司との関係がうまくいかないと、職場での日々がとてもストレスフルになりがちです。特に、上司が自分のやり方に固執したり、気分によって態度を変えたりすると、部下はどう対応していいか迷うことがあります。上司が自分のミスを認めずに部下に責任を押し付けたり、自分の仕事を部下に無理やり任せたりすることも、職場での緊張を高める原因となります。
これらの問題に対処するには、まずは自分の感情をコントロールし、冷静に状況を分析することが大切です。
具体的な対処法としては、上司とのコミュニケーションを改善するためのアプローチを考えること、例えば期待と責任の明確化を図ることが有効です。また、上司との関係改善には時間がかかることを理解し、根気強く取り組む姿勢も必要です。自分自身のストレス管理技術を身につけることも、このような状況を乗り越えるためには重要です。
仕事以外のコミュニケーションが苦痛
職場での人間関係は、業務的なコミュニケーションだけでなく、個人的な交流も含まれることが多いですが、これがストレスの原因になることもあります。
特に、プライベートな時間を大切にしたい人にとって、昼食や仕事後の飲み会への参加が負担に感じられることがあります。これは、特にプライベートと仕事の境界線をしっかり引きたい若い世代の間でよく見られる傾向です。
このような場合、自分の境界を設定し、それを同僚や上司に対して明確に伝えることが重要です。例えば、「今日は家でゆっくりしたいので、飲みには行けません」というように、自分のニーズを伝えることで、ストレスを軽減できます。また、仕事中の雑談が多いと感じる場合は、時間管理を理由に会話を短く切り上げるなどの方法も有効です。重要なのは、自分の限界を知り、他人にそれを尊重してもらうためのコミュニケーションスキルを身につけることです。
悪口や噂話が多い
職場での悪口や噂話は、ハラスメントの一形態として認識されることがあります。これらの行為は、対象者に対する敬意を欠き、職場の信頼関係を著しく損なうものです。
悪口や噂話が横行すると、対象者は孤立感や排除感を覚え、精神的な苦痛を経験する可能性があります。これは、職場での集中力の低下やモチベーションの喪失だけでなく、職場の士気全体にも悪影響を及ぼします。
ハラスメントを防ぐためには、個人が悪口や噂話に参加しないことが最初のステップです。もし目撃したり、そのような話に巻き込まれたりした場合は、その不適切な行為を明確に拒否し、適宜、職場の上司や人事部門に報告することが重要です。
職場では、ハラスメントに対する明確なポリシーを設け、教育を通じて従業員にその基準を理解させることも必要です。正しい知識と対処法を身につけることで、職場の健全なコミュニケーション文化を育成し、全員が尊重される環境を作り出すことができます。
人間関係にストレスを感じやすい人の特徴
人間関係にストレスを感じている人がいる一方で、あまり感じないという人もいます。
考え方や行動のパターンに違いがあるのですが、人間関係にストレスを感じやすい人にはこんな特徴があります。
周りからの評価が気になる
周囲から自分がどう見られているか、変だと思われていないかと、常に周りの目を気にしている傾向にあります。
人からどう見られているかが大切なあまり、他の人と違うことをしないように、気に障るようなことをしないように、目立つことをしないようにと、必要以上に気を遣い疲れてしまいます。
まじめ
とてもまじめで、期待に応えようと思う気持ちが強い傾向にあります。
責任感もあるため、まかされた仕事を最後まできちんとやり抜くのですが、自分の出来る範囲を超えてでもやってしまうこともあります。
できないということを言うのを嫌うため、人に頼ることができず、一人で抱え込み同僚や上司との距離をどんどん広げてしまうことになります。
自分を持っている
良くも悪くも自分を持っている人も人間関係にストレスを感じやすくなります。
自分の中にある正義やルールを周りにも求めてしまう傾向にあるため、意図せず自分のやり方を押し付けてしまったり、相手を否定するような言動を取ってしまうことがあります。
自分ができるのだから、他の人もできて当たり前という考えを持っているのも特徴で、自分にも人にも厳しく完璧を求めてしまいます。
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職場の人間関係の悩み解決法4点
職場での人間関係は、時に私たちの日常生活に大きな影響を与えることがあります。良好な関係を築くことは、仕事の効率だけでなく、職場での幸福感にも直結します。
しかし、時には悩みやストレスの原因にもなり得ます。そんな時、私たちはどのように対処すればよいのでしょうか?
このセクションでは、職場の人間関係の悩みを解決するための4つの実践的な方法を提案します。
飲み会での心の吐露から、仕事とプライベートの境界線の設定、異なる意見への対応、そして悩みを一人で抱え込まないことまで、これらの方法はあなたの職場での人間関係を改善するための一歩となるでしょう。
思い込みや想像を捨てる
自分の中で相手のリアクションや反応を決めていると、その通りにならなかった時にストレスを感じやすくなります。
- 「こうするのが当たり前!」
- 「普通はこうするよね!」
- 「これが常識だよね!」
- 「当然こんなふうに行動するよね!」
という、思い込みや勝手な想像をしないだけでも心は楽になります。
人は思いもよらない行動をすることがありますので、理解を超えるリアクションがあることを意識しておきましょう。
仕事なんだと割り切る
会社は仕事をする場です。
仕事に集中し、他のことには関わらないくらいの割り切りを持つのも効果的です。
職場内でコミュニケーションを取るのは大切ですし、仕事をスムーズに進めるために必要ですが、業務に関係のない話には乗らない、プライベートまで時間を共有しないと決めることで、自ら境界線を引くことができます。
また、相手が気になる言動をしても「こういう人だよね」と、ある意味あきらめることも大切です。
いったん受け止める
違う意見があった時、まずは受け止めましょう。
正しいか正しくないかを考えると、人の意見は聞きにくくなります。誰の意見も正しいという視点を持つことで受け止めやすくなります。
相手の意見を理解しようとしすぎると、これも辛くなりますので、無理に理解しなくてもだ丈夫です。
自分とはあまりにも違う考えや行動は理解しようと思ってもできません。
「こんな意見を持っているんだな」と思うだけで十分です。
一人で抱え込まない
人間関係で感じている負担を一人で悩まず、誰かに話をしてみましょう。
職場の人でも良いですし、プライベートな友人、家族でも良いのです。
自分では思いつかない対処方法を教えてもらえるかもしれませんし、他にも同じように感じている人がいるかもしれません。
「私だけ」と思うと孤独になり、余計にストレスになります。共感できる人がいるとわかるだけでもストレスが軽減されます。
特に、上司との関係で自分だけではどうにも対処できないこともあります。
その時は、会社の相談窓口を頼ることも検討してください。
人間関係は自分で決めて良い
仕事のストレスは、会社との調整が必要なことも多いのですが、人間関係だけは個人で対処し解決できることが多くあります。
仕事に対する自分のスタンスを決め、過度な期待をせず、どんな意見も聞いてみることが大切です。そして、一人で考えすぎずに誰かに辛い気持ちを伝えることも必要です。
会社でどのような人とどのような関係性を作るかは、自分で決めて良いのです。自分なりの距離感を作るようにしましょう。
それがあなた自身を守ることにもなります。
自分に合った方法でストレスに対処することを、ストレスマネジメントと言います。ストレスマネジメントの方法を知れば、本人が過剰なストレスを感じにくくなるなど、適切に対処できるようになります。