ビジネスに必要なスキルの中でも共感力は欠かせないものと言っても過言ではありません。
世界最大級の人材コンサルティング企業DDIの調査によると、企業の業績アップには共感力が大きな要因であるという結果が出ています。
この記事では共感力が仕事に与える影響と共感力を上げる方法をご紹介しています。
共感力はいつからでも高めることができます。ぜひ参考にして今日から共感力アップのトレーニングを開始してください。
目次
共感力が高い人の特徴
参考サイト:DDI「ビジネス環境とリーダーの姿」
共感力が高い人の特徴を4つにまとめました。
好奇心が旺盛
知りたい、見たいというまるで子供のような目線であらゆるものを見ています。
知らないことを知ることが楽しく、目の前にあるものはすべて観察・研究の対象となります。
人に対しても同じで、この人はどんな人だろう?何に興味があるのだろう?どんな話し方をするのだろう?自分と似ている部分はあるかな?など、知りたいことが溢れてきます。
五感に優れている
感覚が敏感で些細なことにも反応します。感じたものは忘れにくいため、ちょっとした変化にも気づきやすいという特徴があります。
感覚を大切にし、直観力もあるため、他の人とは違う視点で推測したり判断することができます。
言葉の裏にある意味を雰囲気や表情から読み取るのもとても上手です。
聴き上手
自分の話はあまりせず、聞き役になることが多く、聞き上手と言われる人です。
発せられる言葉はもちろんですが、声のトーンや表情などからも相手の気持ちを察することができるため、相手からは「あなたと話をしているとついついしゃべり過ぎちゃう」と言われることも多々あります。
人の気持ちを大切にする
自分のことよりも相手の気持ちを大切にする傾向にあります。相手がどんなことを求め、自分が何をした良いのかを瞬時に判断できるのも特徴です。
自分と違う意見でも否定することなく、受け止めることを最優先します。
共感力がビジネスに与える影響
共感力があるとビジネスに良い影響がたくさんあります。その中でも特に影響が強いものを3つご紹介します。
良い人間関係を作りやすい
人の話を良く聞き、相手の気持ちを大切にできる人は初対面の人にも安心感を与えます。相手を理解しようとする気持ちがあることでコミュニケーションがスムーズになり、苦手な人が少なくなり、どのような人でも良い人間関係を築くことができます。
相手の苦手な言動にも敏感なため、不快にさせることがなく、懐に入るのが上手なため、顧客や取引先からもかわいがられる存在になります。
周囲に助けてもらいやすい
誰に対しても適切な距離感、スタンスで接することができるため、嫌われにくくなります。そのため、困った時は誰かが必ず手を差し伸べてくれるようになります。
仕事はチームでおこなうことが多いため、お互いに助け合うことが大切です。共感力が高いと人を助けることもできますし、助けてもらうこともできますので、良い仕事環境が出来上がります。
場の空気にあった行動ができる
初顔合わせ、プレゼン、交渉時など、ここぞという時に場の空気を読んで行動することができます。
自分の置かれている立場や求められていることを察するのが上手いため、場を盛り上げることもまとめることもできるので、とても重宝されます。
周囲へ細やかな気遣いができ、どのような場面でも失敗がないため、上司からの新らも厚くなります。
共感力が高すぎることの注意点
共感力はとても素敵なスキルですが、あり過ぎることでの弊害もあります。
相手を依存させてしまう可能性がある
共感してもらうとうれしくなりますが、その気持ちが強くなると依存につながります。
「この人は私の味方だ」
「私のことをわかってくれるのはこの人だけ」
と、共感してくれる人だけに話をするようになります。
自分に自信がない人ほど依存する傾向にありますので、相手を見極めて対応することが必要です。
疲れやすい
他人の感情に敏感になり、相手の気分に左右されてしまうことがあります。そのため、人と会うことが億劫になり、会った後は疲れを感じるようになります。
ひとりの時間を作ること、自分は自分、人は人と割り切りることも必要です。
八方美人と言われる
誰にでも同じような距離感で接することができ、相手に嫌な気分にさせないため、八方美人と言われてしまうことがあります。
共感力が高くない人からの妬みともいえる不本意な評価ですが、一定数こう言われてしまうことが多いのです。
共感力を高める毎日のトレーニング
共感力は日々の行動の中で磨くことができます。4つのことを意識するだけです。
人間観察を趣味にする
職場の人、家族、駅で見かけた人などを観察してみてください。
表情、しぐさ、服装、持ち物などからその人の置かれている状況や考えていることを想像します。
観察対象者に実際の状況や考えていることを確認する必要はなく、自分の中であらゆる角度からイメージを膨らませるだけで良いのです。
共感力を鍛えるには、創造力は絶対に外せない要素です。
相手7:自分3程度の会話配分を心がける
ビジネスでは自分のことや商品のことを相手にわかって欲しい、ちゃんと説明したいと思うあまり、一方的な話し方になってしまうことがあります。
これでは共感力は生まれません。
相手が何を考えているのかがわからなければ寄り添うことはできませんので、相手に多く話をしてもらうことを心がけます。
原則アドバイスはしない
人から相談事をされた時、話の流れから困りごとの話題になった時など、ついついアドバイスをしたくなるものです。
この傾向は特に男性に多いのですが、求められない限りアドバイスをしないことが大切です。
アドバイスは場合によっては相手の行動や考えを否定しているように感じることがあります。ですから、話を聴くことに専念し、アドバイスは我慢というのが共感力アップの鉄則です。
特に男性はアドバイスをして問題解決に導くことが得意ですので、注意が必要です。
相手の言葉やしぐさを真似る
同じ動作をする、言葉を繰り返すというのが効果的です。
心理学の分野では『バックトラッキング』や『ミラーリング』と呼ばれるもので、相手に安心感を与えます。
相手と同じ言動をすることで、「同じ感覚の人」という印象を持ってもらえるため、心の内を話しやすくなり、相手の考えていることを引き出す結果になります。
共感力に関する書籍もたくさん出版されています。元人気キャスターや、元吉本興業の名物広報マンなど著名な作者によって書かれたものも。
参考:Amazon『会話は共感力が9割 気持ちが楽になるコミュニケーションの教科書 Kindle版』
参考:Amazon『他人(ひと)も自分も自然に動き出す 最高の「共感力」』
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仕事を円滑にしたいなら共感力を磨く
人間の中にある承認欲求を満たす共感力。
これがあることで人間関係が良くなり、適切な行動を取ることができるようになります。
結果、人からの信頼を勝ち取り、仕事が円滑に進むようになるのです。
もっと仕事で結果を出したい、もっと良い人間関係を作りたいと思っているのであれば、ぜひ共感力を今日から磨く行動を試してみてください。