職場のメンタルヘルス・ハラスメント対策研修を実施されている渡部卓さまにインタビュー!

企業研修の総合メディアのキーセッションでは、さまざまな研修会社の魅力をお伝えすべく取材を行っています。

今回は、職場のメンタルヘルス・ハラスメント対策研修を実施されている渡部卓さまにお話を伺いました。

主に扱っている研修のテーマについて教えてください。

パワハラ・セクハラ対策、メンタルヘルス、効果的な叱り方「かりてきたねこ」理論を中心とした職場づくり研修を行っています。

Z世代と管理職の橋渡しと、みんなが安心して働ける環境づくりがメインテーマです。

どのような課題を抱えた企業さまから研修の依頼が多いのでしょうか?

一番多いのは「昔のやり方が通用しなくなった」という悩みですね。例えば、社長や本部長が「俺についてこい」スタイルで頑張ってきたものの、最近の若い子にはまったく響かず、むしろ「パワハラだ」と言われてしまう。そんな中小企業やベンチャー企業からのご相談が急増しています。

また、「優秀な若手がすぐ辞めてしまう。採用がうまくいかない。」という問題も深刻です。せっかく採用した新卒や中途入社の人が、3ヶ月~半年で辞めてしまう。人事が社長から怒られ、「何が悪いのかわからない」と困り果てています。

グローバル展開している企業では、アメリカ、中国、アジアの現地や来日スタッフとのコミュニケーションで苦労しているケースも多いです。文化の違いで誤解が生まれ、プロジェクトが思うように進まないことも少なくありません。

最近は、経営者自身のメンタル面でのご相談も増えています。「部下にどう接していいかわからない」「厳しく言いたいけど、パワハラと言われるのが怖い」といった悩みを抱えている社長さんが本当に多いので、エグゼクティブコーチングの依頼がコロナ以降で増えています。

貴社の研修ならではの強みを教えてください。

さまざまな職業・業界を経験させてもらったおかげで、幅広い視点でお話しできるのが強みです。

アメリカの一流ビジネススクールで学んだ後、大企業で働いたり、自分でベンチャーを立ち上げたりもしました。大企業の論理もベンチャーの現実も、両方経験しています。

それに加えて、産業カウンセラーとエグゼクティブコーチの資格を持ち、15年以上実践してきました。グローバルな学会でも毎年発表していて、アメリカ・中国・アジアなどの最新の研究にも触れています。特にアメリカと中国、両方を客観的に見られる機会に恵まれ多くの海外の学者やコーチの友人に恵まれたのは貴重な経験でした。

早稲田大学理工学部では22年連続、その他常勤教授でも、また中国の大学でも教えているので、Z世代の本音も毎日聞いています。「今の若い子は...」という愚痴ではなく、彼らが本当に何を考えているかがリアルにわかります。

しかし、最も驚かれるのは料金面です。経費がかかっている大手企業とちがい、小規模ローコストの当社だからこそ、新人講師とも変わらない料金設定が可能になっています。なにより「安心できる職場づくりは社会貢献、ボランティアの一環」だと本気で思っているからです。コーチングなどは同業者から価格破壊とも批判されていました(笑)。

研修のカリキュラムづくりで工夫されていることがあれば教えてください。

一番大切にしているのは「明日から使えるスキル」ということです。

例えば私が開発した「かりてきたねこ」理論。これは効果的な叱り方の7つのポイントを覚えやすくしたものですが、研修が終わった翌日から実践できます。難しい心理学用語は一切使いません。

それから、受講者の業界や年齢層に合わせて、具体例をガラッと変えます。製造業なら工場での事例、IT企業なら開発現場での話、公務員なら・・・を配慮するように。一般論ではなく、「あ、うちの会社のことだ」と思ってもらえるような内容にしています。

グローバル企業向けには、アメリカ・中国・アジアでの実体験を交えます。学会で得た最新情報も盛り込んで、「日本だけでなく世界ではこうなっている」という視点を提供します。

研修スタイルも工夫しています。一方的に講師が話すのではなく、時間の半分は参加者同士でディスカッションしてもらったり、実際に「かりてきたねこ」で叱る練習をしてもらったり。体験型にすることで、身につきやすくしています。

研修後のフォローも大切です。個別相談の時間を設けたり、「こんな時どうすればいい?」というメールでの質問にも無料で答えています。

講師さまの特徴や強みなどを教えてください。

「七足のわらじ」を履いている、ちょっと変わった講師かもしれません(笑)。

まず経営者として、大企業での経験も自分で会社を作った経験もあります。だから「理想論はいいけど、現実はそうじゃない」という経営者の気持ちがよくわかります。

次に社会心理学者として、産業カウンセラーの資格を持ち、職場のメンタルヘルス分野で活動しています。

三つめはエグゼクティブコーチとして、経営者や管理職の方々をサポートしています。落ち込んでいる人を元気にするのも、元気な人をもっと伸ばすのも得意です。特に「聞く」ことを大切にしています。

四つめは研修講師として、過去、日本でもトップクラスとして数百社で実際に教えています。現場での実践経験が豊富です。

五つめは作家として、20冊以上の本を出版させていただきました。おかげで海外でも出版され多くの方に読んでもらえています。

六つめは評論家として、テレビ、雑誌、新聞などのメディアに出演・執筆しています。時代の変化について発信する機会をいただいています。

そして七つめはグローバルな研究者として、世界各国の学会で研究に触れています。アメリカ、中国、アジアなど、いろんな国の考え方を知っているので、昭和や日本だけの常識にとらわれない視点を提供できます。

でも一番の特徴は「現場目線」かもしれません。偉そうに上から目線で話すのではなく、「みんなで一緒に考えましょう」というスタンスです。だから受講者の方も緊張せずに、本音で話してくれるんです。

大学で22年間教えているので、Z世代とも毎日のように相談に接しています。彼らの価値観や悩みを肌で感じているので、世代ギャップの解消には自信があります。

研修を実施した企業さまでの成果やうれしいフィードバックなど印象的なエピソードがあれば教えてください。

印象深いエピソードがいくつかあります。

まず、ある中小企業の社長さまの変化です。その方は「会社の飲み会、コンパこそ社員のチームワークの源泉だ」と信じていて、新人歓迎会でも「全員でビールで乾杯!」とあいさつして満足安心する、という昭和スタイルでした。

でもコーチングを受けるうちに、それがアルハラというより、いけてない典型、だと気づいたんです。「コーチングのおかげで、やっとアルコール抜きで、スタバで新人たちとコミュニケーションが取れるようになりました」と報告してくれた時は、本当に嬉しかったですね。今では若手社員から慕われる社長に変わりました。

もう一つは、老舗の食品企業の経営者の方です。「昭和の管理職がいかにダメか、やっとわかりました」と正直に告白してくれました。「部下に苦労はさせたくないと、厳しく細かくすることが指導だ、と思っていた自分を猛省しました」とおっしゃって、今では「かりてきたねこ」理論の実践者、いまは傾聴が得意な経営者になっています。

ある地方鉄道会社では、「かりてきたねこ」がポスターになって社内に貼られています。管理職の方から「部下との関係が楽になった」「叱るのが怖くなくなった」という声をたくさんいただきました。

消防署で数多くの研修をやっていますが、厳格な縦社会の組織でも、心理的安全性は確保でき、命に関わる仕事だからこそ、何でも言い合える関係づくりが大切」ということを毎回実感していただけています。

一番嬉しいのは、Z世代の若い人たちからの新人研修からの反応です。「初めて納得できる研修だった」「こんな上司になりたいとのイメージができた」という声をもらうと、世代を超えた理解ができたなと実感します。

こうした経営者の方々の素直さと変化する勇気には、本当に頭が下がります。研修への予算のかけ方でもその企業の姿勢や本気度が分かります。リスキリングへの支援の企業の姿勢こそが経営の成功の秘訣だと実感しています。

最後に、どの企業に研修を依頼しようか迷っている方にメッセージをお願いいたします。

「昔のやり方が通用しない」と感じている経営者の方、研修企画担当の方が多いと思います。

「最近の若い子は打たれ弱い」「すぐに辞める」「やる気がない」...そんな愚痴を言いたくなる気持ち、よくわかります。でも問題は若い人たちではなく、私たちの接し方にあるかもしれません。

大切なのは上司と経営者、社風、企業文化への「安心」と「成長の実感」です。たとえ給料、福利厚生が良くても、人間関係がギスギスしていたら人は辞めます。逆に、中小企業で多少労働条件が厳しくても「この会社で成長できる」「上司が自分のことを考えてくれている」「義務でいく飲み会が少ない」と感じれば、頑張ってくれます。

ハラスメント対策も「面倒なコンプラ規制」ではありません。これからの時代を生き抜くための「必須スキル」です。コンプラ説明主体の研修では逆効果です。

私は「良い職場づくりは社会貢献」だと考えています。だからこそ、地方の中小企業さまにも手が届く料金で研修を提供しています。それなりの料金をいただくのが本来かもしれませんが、それでは本当に困っている疲弊する地方の中小企業さまには届きません。

一人でも多くの人が「この会社で働けて良かった」と思える若手がそだって頑張れる職場を作りたい。それが私の願いです。規模や業界は関係ありません。「社員の成長と安心感を大切にしたい」という気持ちがあれば、必ず良い職場は作れます。一緒に頑張りましょう。

2025年からはまだまだ遅れた日本のビジネスコーチングのテコ入れにも力を入れていきますので、そちらもお気軽にお問い合わせください。

渡部卓さまの基本情報

項目 詳細
ホームページ https://www.lifebalance.co.jp/
電話番号 080-5839-5399
メールアドレス LBMwatanabe@gmail.com
SNS https://www.facebook.com/profile.php?id=100062494673420
代表者 渡部卓(わたなべ・たかし)
現職 早稲田大学理工学部講師(22年連続)、株式会社ライフバランスマネジメント研究所代表
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