”能力”という言葉を聞いたことがあると思いますが、正しく理解していますか?
仕事でミスをしたり、上手くいかなことがあると「能力がない」と自信をなくしてしまうこともあるかもしれません。
この記事では能力について解説をしています。
能力の本当の意味とこれからのビジネスで必要な能力、能力の上げ方などを理解して、能力向上を目指しましょう。
目次
『スキル』『資質』『能力』の違い
能力と似たような使い方をされている言葉に、スキルと資質があります。これらはすべて意味が異なります。
【スキル】
経験から培われた特定の力のことを言います。知っているだけではなく行動に移せる、実際に使える技能のことです。
【資質】
生まれ持った特性や性質、才能のことを言います。先天性のもののため、人それぞれ持っている資質は違います。
【能力】
教育や経験から学んだ、物事を成し遂げる力のことを言います。資質の先天性に対して、能力は後天的な性質です。
能力は学ぶことができる性質ですので、誰にでも平等に得ることができる力で、スキルは能力を上げるための手段と位置付けることができます。
ビジネスパーソンに必要な3つの能力
参考サイト:小樽商科大学”「社会人基礎力」3つの能力と12の能力要素”より
仕事上必要な能力は数多くありますが、これからのビジネスパーソンに求められる能力は3つあります。
前に踏み出す力
失敗しても諦めず、何度もチャレンジする能力です。
これには主体性、働きかけ力、実行力があり、企業では若いうちに主体性を特に伸ばして欲しいという要望が強くあります。
変化に怯むことなく、周囲を上手に巻き込み協力しながら実行していく、そんな能力が必要になります。
参照記事:巻き込み力については以下の記事もご参照ください
巻き込み力とは - 必要なスキルと身につけるコツを紹介
考え抜く力
問題意識を持ち、解決への道筋を明確にするために考え抜く能力です。
これには課題発見力、計画力、創造力があり、社員に対して企業では課題発見力を特に求める傾向があります。
現状から課題を見つけ出し、様々な方向から解決プランを立てます。前例に捕らわれない分析と解決方法により、新しい価値を生み出すことができます。
チームで働く力
業種、立場を超えて協力し合い、目標を達成する能力です。
これには発信力、傾聴力、柔軟性、状況把握力、規律性、ストレスコントロール力があります。
この能力は平均的に求められるのですが、発信力と状況把握力は特に向上させると良いでしょう。
ビジネスの成功はチームなくしては望めません。一人ひとりが自分の役割を理解して、お互いに協力し合うことが、今後のビジネスではより大切になってきます。
個人で取り組める能力を伸ばす方法
能力は後天性のものです。誰にでも教育を受け、経験を積むことで手に入れることができます。能力を伸ばすのは個人でもできるということです。
では、具体的にどのようなことで能力アップを図れるのでしょうか。
自分の現状を知る
仕事に必要な能力の中で、どの能力をどのくらい上げたいのか、今になっている仕事や今後のキャリアを見据えて具体的に考える必要があります。
闇雲に能力アップを!と目標を掲げても、能力ごとに向上の方法が違いますし、評価の基準も変わります。
まずは自分の現状を知らなくては、手を打つことができないのです。
人と話をする
ひとりが経験できることは限界があります。しかし、経験を聞くことで疑似体験ができたり、体験談を通して学ぶことができます。
年齢、業種、役職などに関係なく、多くの人と話をすることで新しい価値観を見出すこともできますし、能力を上げるためのヒントや情報が得られます。
目指す人を見つける
能力を伸ばすには、すでに卓越した能力を持っていたり、能力を発揮している人の真似をすることから始めると良いでしょう。
自分が伸ばしたい能力を持っている人を探し、どのようなことをしているのかを観察し、とにかく同じ行動をするようにします。
何度もチャレンジする
能力は繰り返し経験することで習得できます。ですから諦めなければ必ず手に入ります。
小さな目標を立てながら、一段階ずつ確実に経験を積み重ねることが大切です。急いで取得しようとせずに、長期戦で考えると良いでしょう。
毎日短時間でも良いので、取り組み、定期的にフィードバックをします。どこまで能力が上がっているのか、もう少し上げるためには何が必要かを明確にすることで、努力できるようになります。
必要なスキルを身につける
能力を上げるには、スキルが必要です。
コミュニケーションであれば話を聴く力や伝える力、メール等の文章力が必要ですし、チームワークであればチーム内での自分の得意な役割、状況を判断する力などが必要になります。
仕事処理能力を上げたいのであれば、タイムマネジメントや優先順位の付け方などを強化することが大切です。
上げたい能力に必要なスキルを洗い出し、身につけることで効果的に能力アップが狙えます。
部下の能力を向上させる上司の行動
参考:明治安田生命”「理想の上司」アンケート調査 P20「理想の上司」を漢字で表すと?”
社員の能力向上には、上司との関りが不可欠です。特に入社3年目くらいまでの若い社員は上司が能力を引き出すことで急成長する可能性が高まります。
見守る
忙しさや時間的制約などで、上司が指示を出してしまうことも多いと思いますが、可能な限り部下が自分で考え判断し、行動するのを見守ることが大切です。
報告や連絡、相談は必要ですが指示や意見は最小限に留めます。
最初は誰でも上手くいかないことも時間がかかることもあります。しかし、経験を積むことで能力は確実に上がりますので、待つことも上司の大切な役割なのです。
能力を引き出す問いかけ
相談をされた時、助言をおこなう時の声掛けはとても重要です。
問いかけひとつで、自主性を持つか、指示待ちになるか分かれます。
自主性を促す話し方は、上司の考えや意向を一切言わず、
- 「あなたはどうしたいか」
- 「そう考えた理由は?」
- 「それをおこなうために必要なもの(人)は?」
- 「何から始めるか」
など、部下の考えを引き出すような聞き方が効果的です。
効果的に褒める
能力は評価や成長基準があいまいなため、本人が成長している自覚がない場合があります。定期的に褒めることで、本人のやる気にもつながり、能力アップの努力を続けることができます。
- 成長した部分を具体的に褒める
- 第三者がいる前で褒める
- 「○○さんが褒めていたよ」と間接的に褒める
- 「期待している」など、今後につながる言葉を加える
など、本人にわかりやすく褒めると効果的です。
能力アップに年齢は関係ない
能力はいつからでも上げることができます。社会人になって何年経っても必要だと思った時から努力をすることで必ず向上できるのです。
能力開発研修等を通して自分の能力に気づき、強化すべき能力を明確にし、必要なスキルを身につける。
個人と組織の両方からアプローチをし、能力の高い人材育成をおこなうことが大切です。