リーダー研修でEQを学ぶ社員たち

優秀なリーダー像は時代により変化しています。生き方も働き方も多様化している今、リーダーに求められるのは心の知能指数(EQ)です。

EQは生きていく中で必要なスキルであり、ビジネスでも重要な役割を持ちます。にもかかわらず、
これまで学ぶ機会がなかったという方が多いです。

信頼される社会人として、また、リーダーとして活躍するためにEQを理解し、その能力を高めていきましょう

EQとは

心の知能指数EQは、誰でも持っているスキルです。

IQが情報処理や状況・環境に対する合理的対処などの能力を表すのに対して、EQは自分や他者の感情を理解したり、自分の感情をコントロールする能力をいいます

イェール大学のピーター・サロベイ博士とニューハンプシャー大学のジョン・メイヤー博士により提唱され、『EQ こころの知能指数』の著者であるダニエル・ゴールマン氏によって世界に広く認知されるようになりました。

参考:Amazon『EQ こころの知能指数 (講談社+α文庫)

サロベイ博士とメイヤー博士の調査研究では、ビジネスで成功している人はIQだけではなくEQも高いことが証明されました。

どんなにIQが高くても対人能力がなければ、せっかくの知能を使いこなすことができず、能力を十分発揮することができないのです。社会生活を営むに当たり、EQは土台となるスキルと言えます。

EQの5つの構成要素

参照サイト:ハーバード・ビジネス・レビュー『ダニエル・ゴールマン”組織のリーダーとして成功を収めるにはEQ(こころの知能指数)が不可欠である”』 

ダニエル・ゴールマン氏はEQには5つの要素があると言っています。これらをバランス良く備えることでEQが高まります。

自己認識

自分の感情や強み、弱み、周囲への影響力などを知る能力です。

自分自身のことを正確に把握することで、できることできないことの区別がつき、できないことに対しては潔く助けを求めることができます。また、できることがわかっていると自信を持って行動することができます

自己抑制

自分の感情を抑える能力です。

特に怒りや不安などのネガティブな感情をコントロールするのは、社会人として大切です。どのような時に負の感情になりやすいのか、どのようなことをすると静まるのかを知り、行動につなげます。

動機付け

目標達成を促す能力です。

仕事に意欲を持ち、たとえ上手くいかないことがあっても集中し継続するための原動力を自分で見つけていきます

これは自分だけのものではなく、一緒に仕事をする同僚や部下に達成感を味わってもらうための働きかけも含まれます。

共感性

他者の気持ちを察知し、愛情を持ち良い人間関係を築く能力です。

自分の考えや感情で動くのではなく、人の気持ちも大切にしながら、冷静に合理的に物事を進めることがビジネスでは大切になります

人間性豊かで人を惹きつける魅力を持つ人は、良いチーム作り組織作りには必要です。

ソーシャルスキル

人間関係を調整する能力です。

優秀な人材を育て、全員が同じ目標に向かって進めるように導きます。ビジネスには変化が付き物です。目の前にある問題を解決するための方法を探し出し、周囲の人を巻き込み職場に連帯感、一体感を作ることができます。

EQが高いリーダーの特徴

部下とコミュニケーションをとるリーダー
5つの構成要素をバランスよく持つ人リーダーは、次のような特徴を持ちます。

冷静な判断ができる

トラブルが起こった時、事実を見極め、必要なこと、優先すべきこと、必要な人材などを冷静に判断し、自分自身と部下の行動を指示します

また、自分自身にことを良く理解しており、自分の言動が部下に対してどのような影響を及ぼすのかを知っているため、不用意な言動はしません。

部下のやる気を引き出すのが上手い

部下の特徴や特性を見抜くことに長けているとともに共感性があります。

話を聞くのが上手く部下の考えていることを尊重することも忘れませんので信頼が厚く、ついて行きたくなるようなリーダーです

柔軟性がある

どのような状況の中でも、できることに集中します。そのため「できない」「無理」ということは言わず、できる方法を見つけるように自分にも周囲にも働きかけます。

自分とは違う意見を聞いたとしても従わせるのではなく、良く話し合い、より良い方向に進むようお互いに納得できる道を探します

部下に感謝の気持ちを伝える

仕事はひとりではできないこと、ひとりでできることには限界があること、自分が万能ではないことを知っているため、人に対して感謝の気持ちを持っています。

部下に対しても例外ではなく、リーダーの自分が偉いという考えは皆無で、みんながいるから今がある・自分がいると考えます

EQの伸ばし方

IQとEQの違い
EQは誰でも高めることができます。仕事だけではなく日常生活の中でも磨く機会はたくさんありますので、毎日のトレーニングとして取り入れていくと良いでしょう。

自分の感情を分析する

怒りを覚えた時、不安になった時、焦りを感じた時、幸せな気分になった時など、自分の感情が大きく動いた時のことを分析します。

日記を書く、1日を振り返る時間を作るなどして、感情に注目をします。

感情が湧き上がった時の状況や感情のMaxが10とした時にどの程度の強さだったか、他の感情の有無、感情が落ち着くまでの時間や行動など、できるだけ詳しく書き出します

こうすることで、自分の感情が湧き上がる傾向や鎮める方法を見つけることができます。

人の感情と行動を観察する

身近な人の言動を良く見てみましょう。そして話をする時間を作ります。

表面的な話ではなく、心の深いところにある気持ちや感情について話し合うようにします。

同じ本を読んで感想を伝えあったり、映画やテレビを見て思ったことを言い合ったりすることで、相手の考えていることや行動の根本にあるものが理解できるようになります

また、小説を読むこともお勧めです。現実には遭遇できないことも小説の中では体験できます。フィクションの中からも人の感情を学ぶことは可能です。

自分にないものを楽しむ

海外の文化、自社にはないルール、自分の周囲にはない考え方など、今まで触れてこなかったものに目を向けてみてください。

自分の考えと違うことは理解できないこともあるかもしれません。違うことを否定するのではなく、こんな考え、こんな文化もあるのだとただ受け止めるだけで良いのです

知らないことに目を向けることは視野を広げる良い機会になります。

相手の立場に自分を置いてみる

他人の経験を自分のこととして置き換えてみましょう。

自分だったらどう行動するか、自分だったらどう感じるかを想像すると同時に、その人が持った感情や行動に至った心理をイメージしてみます

このトレーニングでは共感性を養う、自分との違いを知ることができます。

言葉使いに気を配る

できるだけ美しい言葉を使うようにします。乱れた言葉は自分にも相手にも良い印象を与えません。

そして「ごめんなさい」「すいません」という言葉を「ありがとう」に置き換えましょう。してくれたことに対して、「ごめんなさい」では感謝の気持ちは伝わらず、余計なことをしたかな?と思わせてしまいます。

普段から感謝の気持ちを言葉にして表現することで人間関係が良くなります

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EQを上げて真のリーダーへ

EQは誰でも持っており、誰でも高めることができる能力です。

仕事をする能力はあるはずなのに結果が出ない、部下が思うように育たない、チーム内の雰囲気が良くない、人間関係の悩みが尽きないと感じている人は、ぜひEQを上げることをしてみてください。

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