“伝わる”表現アドバイザー・講師家として活動されている山本衣奈子さんにインタビュー

企業研修の総合メディアのキーセッションでは、講演会で講師として活躍する方の魅力をお伝えすべく取材を行っています。

今回は、“伝わる”表現アドバイザーとして活動されている山本衣奈子さんにお話を伺いました。

どんなテーマについて講演を実施しているか教えてください。

主にコミュニケーションをテーマに、「伝わる伝え方」や「気持ちの良い人間関係づくり」についてお話しています。大学時代に演劇を専攻していたことから、表現力を高め相手の心を動かす「伝わるプレゼンテーション」についてのご依頼をいただくこともあります。また、産業カウンセラーという立場から、メンタルヘルスやモチベーションについての講演や研修を行うこともあります。ビジネスコミュニケーションの一環として、ビジネスマナー研修なども行っています。

対象は新入社員から管理職、役職クラスの方まで様々です。基本的に講演や研修は全てカスタマイズしています。まずはご希望やご要望をしっかりお伺いして、様々な要素を組み合わせながら最適なものをご提案＆実施しています。

講演を始めたきっかけや背景を教えてください。

最初のきっかけは、とあるサービス業の会社から、接客における「話し方」についての講演のご依頼をいただいたことです。実は当時の私は、講師業という仕事があることすら知らずにいたのですが、演劇経験に興味を持ってくださった知り合いから、たまたまお声がけいただいたのです。初めてのことだったので試行錯誤しながら、私の知っていることをお伝えさせていただいたのですが、思った以上にとても喜んでもらえました。

その経験から、「私にももっと世の中の役に立つようなことができるのではないか」という気付きを得られました。ならばもっと専門的に知識とスキルを磨こうと、コミュニケーションについて改めて多角的に研究し、分かりやすくかつ楽しく伝える術を磨き、現在は年間平均180件ほどのご依頼をいただけるようになりました。

講演を通じて伝えたいメッセージや講演における目標を教えてください。

私が最もお伝えしたいのは、「コミュニケーションは難しいものではなく、当たり前を当たり前に大事にする力」だということです。コミュニケーション力は、決して特別な人だけが持つ難しいスキルなのではなく、誰しもが生まれつき持っている人と向き合う心と姿勢です。ほんの小さな心掛けと意識と行動で、人付き合いの質は大きく変わることを実感いただき、毎日の笑顔が増えるきっかけとなることを目指しています。

そして全ての講演・研修において大切にしているのは“楽しむ”ことです。イヤイヤ覚えこまされたことよりも、主体的に楽しんで参加したものの方がずっと長く記憶に残り、行動に反映されていくものです。頭に詰め込むことより、心で感じて動くことを大切に、参加型・体感型にこだわっています。

講演の内容やテーマを決める際の工程はどのようにしていますか？

講演内容やテーマは全て、ご希望・ご要望に沿ってアレンジし、組み立てています。事前にその講演や研修を企画した「きっかけ」「目的」「ゴール」「ご希望」「ご要望」などをなるべく具体的にしっかりお伺いして、私の持っているコンテンツの中から最適なものを組み合わせてご提案しています。

ご希望やご要望を丁寧にお伺いすると、目的が当初のご依頼テーマとは別のところにあることが分かってくることもあります。その結果、テーマ自体が最初の予定にはなかったものに変更になることもありますが、結果的に目的に最も沿ったものになるので、大変喜ばれることが多いです。

講演を聴いてくださった方々からのフィードバックや印象に残っているエピソードを教えてください。

難しいスキルやテクニックではなく、今日からすぐに取り入れられる行動や意識についてお伝えしているので、すぐに実践してくださる方がとても多いです。講演や研修のあとに、「こういうことに気付いたので、明日からこうしていきます」といったご感想や宣言などを自発的にご連絡くださったり、「あれからこんな変化がありました」というご報告をくださったりすることも少なくなく、とても嬉しく思っています。

また、職場の研修で聴いてくださった方が、「これは家庭でも大事だと思ったので家でも実行します」と言ってくれて、実際に家族関係がかなり改善されたというエピソードもありました。人間関係という意味では、環境や立場に関係なく、人と人とが向き合う場において共通する部分はたくさんあることを改めて実感しました。

これまでの講演活動で達成した成果や成功体験があれば教えてください。

講演活動を始めてからこれまで、有難いことにほとんどのお仕事を、紹介またはリピートでいただいてきました。ある場所で参加者だった方が、主催者として自身の会社に呼んでくださったり、自分の仲間に紹介してくださったり、全国の支店や支社に広げてくださったりという形で、多くの機会と出会いをいただいてきました。

おかげさまでこれまでに47都道府県全てにお伺いすることもできました。さらにそうした実績や口コミから、執筆等のお仕事をご依頼いただけることも増え、雑誌の原稿執筆や出版にも繋がりました。

講演活動の将来的な展望や目標があれば教えてください。

私が代表を務める「E-ComWorks」の社名には、Eに「笑顔」「エナジー」、Comに「コミュニケーション」「コミュニティー」、Worksに「仕事」「活動」という意味を込めました。“笑顔溢れる社会を実現するための活動”をすることが目的であり目標です。講演・研修の活動を通してこれからも、一人でも多くの方にもっと“楽に”そして“楽しく”、毎日をイキイキと過ごしていただくきっかけとなることを目指しています。

そのためには私自身が常にスキルアップ・ブラッシュアップしていくことが必要不可欠ですので、研究機関や大学等にも足を運び、もっと専門的な知識やスキルをしっかり身につけるための学びや努力も続けています。

最後に、講演会に参加しようか迷っている方に、メッセージをお願いします。

講演や研修というのは、それを受けたからといってすぐに何かがガラッと変わったり、目に見える変化が急激に起こったりするものではないかもしれません。けれども、そこでの気付きや発見という小さな心の動きが、長い目で見て大きな変化や進化を生み出すことは確かです。今の小さな行動・言動の積み重ねが未来を創っていきます。人間関係の豊かさはそのまま人生の豊かさにつながるこということが様々な研究でも明らかになっています。

そのために必要なことは、ほんの小さな心がけと行動です。「やるべきことが多すぎて何から手をつけたらいいのか分からない」「やったらいいのは分かっているけれどなかなか行動に起こせない」そんな悩みを軽減し、具体的に動き出せるきっかけとなるための工夫を散りばめてお話しておりますので、楽しみながらたくさんの学びを持ち帰っていただけます。前向きな気持ちと笑顔が様々なことをより良くし、多くの成果を生み出すのだときっと実感いただけます。

山本衣奈子さんの基本情報