パブリックスピーキング

社員教育や社内外でのプレゼンで話をしなくてはいけないとなった時、自信を持って「任せてください」と言えるビジネスパーソンは少ないです。

プレゼンを経験した人の約半数が「プレゼンテーションに自信がない」と思っています。では自信をつけるには、どのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。

この記事では、パブリックスピーキングという人の心を動かすスピーチの仕方を解説します。

講師もプレゼンも、相手は人です。スピーチの成功は、”聞き手の気持ちをどれだけ掴み、動かせたか”が鍵です。
この記事でパブリックスピーキングを理解し、人を惹きつける話し方を身につけましょう

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パブリックスピーキングとは

パブリックスピーキングとは、訳すと『演説』『人前で話すこと』となります。

しかし、このような単純なことではなく、人前で話をするということは、何か訴えたいことや主張したいことがあるはずです。そして、自分の考えに共感し共に行動をして欲しいと思っています。

人が行動をするためには、必ず感情と意思決定が必要になります。感情がなければ動くことはできません。

お腹が空いたという感情があるからご飯を食べますし、仕事に行こうという意思があるから起きて準備をします。

プレゼンでこの商品を買ってほしい、扱ってほしいと思うのであれば、「買いたい」「扱いたい」と思わせなければなりません。そう思ってもらわなければ見向きもしてもらえません。

当たり前だと感じますが、プレゼンが苦手な人にとってはこれが簡単ではありません。

パブリックスピーキングは、相手の心を掴み、共感を得て、行動してもらう、この一連の流れを促すためのものです。

ただ人前で上手に話すテクニックではありません。パブリックスピーキングを身につけると、仕事をスムーズに思い通りに動かすことができるのです。

共感されるパブリックスピーカーの条件

サラッ話をしているとだけなのに共感を得られやすい人と、一生懸命話をしているのに共感が得られにくい人がいます。

共感してもらいやすい話し手(スピーカー)の条件とはどのようなものでしょうか。

自信が伝わってくる

共感してもらえる人は、たったひと言だとしても、そこに自信がみなぎっています。

内側から沸き起こる自信は、とても大きなパワーとなって人の心に入り込みます。自信のある人の話は人を惹きつけ、説得しようとしなくても勝手に納得してくれるのです。

本音で話をしている

多少の誇大表現は良しとしても、嘘はすぐにバレます。本音で本心で良いと思っているもの、信じていると伝わると人は心を動かされます。

ビジネスでは信用第一です。人や商品と真摯に向き合っている人の言葉は心に沁み込みます。

掴みが上手

どんなに良い話でも、早い段階で興味を持つか自分事として考えられないとあっという間に飽きられてしまいます。

最初の数秒が、話を聞いてもらえるか飽きられるかの分かれ目になります

表情豊か

原稿を淡々と読んでいるような話は、何も心に残りません。

笑顔になったり、真顔になったり、怒ったり、内容に合わせて表情を変えることで伝わりやすくなります。

話す時間が適切

人の集中力はそれほど長くありません。

学校の授業のように45分から長くても90分が限界です。もっと集中して聞いて欲しいと思うのであれば、15分くらいに要約するのが良いです。

話し上手な人ほど、話のポイントを整理し、端的に伝えることができます。

言いたいことがわかりやすい

話が流れるように進むのも上手なスピーカーの条件です。

ひとつのテーマやカテゴリーで分断されているのではなく、気づいたら終わっていたと思わせるほどに、自然な流れで話をします。

話のつながりが切れないので、聞きやすく理解が深まります。

効果を上げるパブリックスピーキングの要素

パブリックスピーキングの効果を上げる要素は3つです。

綿密な構成

話す内容の構成はとても重要です。ここを間違うと伝えたいことがぼんやりとしたり、何を言いたいのかがわからなくなります。

起承転結を捨てる

起承転結を意識した文章を作ると小学校で習いました。間違っていませんが、パブリックスピーキングでは逆効果になることがあります。

人の心に訴えかけ、行動を促すにはインパクトが大切になります。起承転結の順番で話をするとわかりやすいのですがインパクトに欠けます。

聞き手の特徴に合わせる

聞き手や受講生の年齢、性別、職種や役割などを考慮して、結論を先に言う、理論やデータを多めに提示する、資料を増やすなどの工夫が必要になります。

例を伝える時も、聞き手や商品のターゲットに合わせたシチュエーションにします。

パソコンは最後に使う

研修やプレゼンではパワーポイントを使う場合が多いと思います。

しかし、話の内容を決める時は、まずは紙と鉛筆で話す内容や順序、例を入れるタイミング、聞き手に参加してもらう部分などを考えます。

資料を作るのはこの構成が固まってからです。

シナリオは大まかに

話す内容を忘れないように、メモを作る人も多いと思います。この時、緊張対策として台本のように話す内容を一語一句書かないようにします。

文章があるとどうしてもそれを読みたくなります。これは自分の感情が入りにくくなり、相手には伝わらない話し方になってしまうのです。

緊張対策はリハーサルを何度もすることで解消されますので、内容はメモ程度や資料の隅にポイントとして書いておく程度にしましょう。

適切な演出

パブリックスピーキングにはある程度の演出が効果を上げます。

服装、照明、音、小道具など、テーマや聞き手に合わせることが必要です。

聞き手が女性の場合は柔らかい雰囲気を、年齢が高い場合は誠実さを、若い年齢層であれば流行りを意識した演出にします。

アメリカの前大統領オバマ氏は、演説のテーマや対象者に合わせてネクタイの色を変えていました。

言葉だけではなく、視覚からも伝えたいことや思いを訴えかけることが大切です。

ただし、やり過ぎは話への集中力を失わせますので注意してください。

伝える演技

演技と言ってもドラマのように演技をするのではなく、感情を伝えるための動きという意味です。

ポイントとのなる部分では、身振り手振りを加えながら話をします。人間は視覚からの情報が大部分を占めますので、言葉による伝達だけよりも、動きをつけることでインプットを促します。

パブリックスピーキング力を上げるスキル

最後にパブリックスピーキングに必要なスキルを2つご紹介します。どんなに良い内容でもこのスキルがなくては効果が半減します。

話し方

声の大きさ、トーンはもちろんですが、話すスピードも重要です。

緊張すると早口になりますので、練習段階でスピードのチェックは必須です。アナウンサーさんのスピードが聞きやすいとされており、1分間に約300文字くらいを目安にしてください。

盛り上がりを狙う部分ではやや早口でテンポよくする必要があり、強調したいところはゆっくりと丁寧に話をします。

そのため、文字数に固執する必要はありませんが、基準があると練習しやすくなります。

他には、専門用語を多用しない、会場全体を見渡す、1文を短く50文字以内にするなども話し方として意識すると良いでしょう。

ピークパフォーマンス

先日引退を表明したラグビー元日本代表の五郎丸選手がキック前に独特のポーズを取っていました。

ルーティンと言われる行動で、ポーズを取ることで集中力を高めどんな時でも最高のパフォーマンスを出すことができます。

話す時にメンタルと行動のピークを持っていくことを、ピークパフォーマンスと言います。緊張ほぐしのルーティンを作るのも良いですし、深呼吸をしたり、自分に声をかけたりして、最高の動きができるように準備をします。

パブリックスピーキング力を上げて人の心を掴む

パブリックスピーキングは伝えた内容に共感し、行動に移してもらうためのアプローチ方法です。

身につけることで人前で話す自信がつくとともに、周囲からの信頼を得ることができます。

すぐにはできないとしても、慣れると必ずできるようになります。これからの武器として習得していきましょう。

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