コンサルタント・講師として活躍されている山下淳一郎さんにインタビュー!

企業研修の総合メディアのキーセッションでは、講演会で講師として活躍する方の魅力をお伝えすべく取材を行っています。

今回は、コンサルタント・講師として活動されている山下淳一郎さんにお話を伺いました。

講演を行っているテーマを教えてください。

講演では、「ドラッカーが教える経営チームの作り方」「ドラッカーが教える会社を変えるミッションの作り方」などのテーマでお話ししています。

講演を始めたきっかけや背景を教えてください。

私は講演家ではありませんが、活動の1つとして講演をさせて頂く機会があります。ここでは、自分の活動の1つである講演を始めたきっかけや背景をお話しさせて頂きます。

私は、コンサルティングファームで働いた後、某企業のトップマネジメントの一人として仕事をしていました。当時の役員の一人ひとりはみんな優秀な人達でした。一人ひとりが、いま以上に成果をあげようと、骨身を削って全力で仕事にあたっていました。しかし、それぞれが日々の仕事をこなすことで精一杯で、思うような成果をあげることはできなくなりました。理由は、役員一人ひとりの考えがバラバラだったからです。そんな企業の状態についてピーター・ドラッカーはこう言っています。

「事業として成功し成人したかに思われたそのとき、理解できない苦境に立つ。見通しも明るい。しかし事業は成長しない。原因は常に同じである。経営チームの欠落である。企業の成長がトップ一人でマネジメントできる限界を超えた結果である。実際にはそのときすでに適切なチームがなければ手遅れである。生き延びることで精いっぱいになる。たとえ生き延びたとしても、不治の機能不全に陥るか少なくとも数年は出血が止まらない。士気は衰え、従業員は幻滅し、熱気は失われる。ピーター・ドラッカー」

優秀な人達が全力で仕事にあたっているにも関わらず、思うような成果をあげることができなくなった理由は、まさに、ドラッカーの言う通り、役員一人ひとりが頑張っていただけであって、役員がチームとして機能していなかったからです。そのような経験から、「企業が永続的に成長するためには一枚岩の経営チームが不可欠である」と思うようになりました。日本の企業文化は、トップが全てを決定し、トップ以外の役員は、トップが決めたことに従うだけという風潮が根強く残っています。企業は売上さえ上げていればいいというものではありません。経営の仕事はあまりにも広く、深く、一人の人間でやり切れるものではありません。経営はチームによる仕事なのです。それを、多くの経営者に伝えたいという想いから、講演を始めるようになりました。

私は現在、「役員は力を合わせて、仕事にあっては一枚岩であって欲しい」「一日も早く経営チームをつくってほしい」という一心でこの仕事をしています。「1つひとつの企業が本来もつ力を発揮し、将来にわたって繁栄する経営基盤をつくってくださること」が私の願いです。

他の講師の方にはない、自分の講演ならではの特徴や強みを教えてください。

「経営の理論」と「経営者の仕事」はまったく違います。「ダイエットの知識を得ること」と「ダイエットすること」は違うのと同じです。私が行っていることは、役員に特化したトップマネジメント研修です。日本のトップマネジメント研修はほとんどが「経営の理論」の学びです。弊社が行っている研修は、「経営者の仕事」の実践です。また、理論の解説ではなく、実際にあった事例を紹介し、経営者の仕事の何たるかを掴み取って頂きます。この点が他の講師の方にはない点です。

コンサルタントや研修講師は大勢おりますが、実際に、役員の一人として経営に関する仕事をした人はあまりおりません。私はコンサルティング会社で企業を外部支援する仕事を経験し、かつ役員の一人として仕事をさせて頂きました。役員の一人として経営の仕事をした経験があるからこそ、理論通りに行かない現実をよく理解できます。だからといって、理論ではないということではなく、基本と原則を今の現実に合ったやり方でどう実践するかが重要なのです。この点が私の強みです。

講演を通じて伝えたいメッセージや講演における目標は何ですか?

ピーター・ドラッカーは誰もが一度は耳にしたことがあると思います。ドラッカーは長年、多くの企業の現場に入り、成果をあげるための基本と原則を誰もが学べるように体系的にまとめてくれました。ドラッカーのマネジメント論は、世界中で使われている理論のベースになっているものです。

私が講演や研修でお伝えしてることはすべて、ピーター・ドラッカーの内容です。どんなに多くの経験を積んだ人間がいたとして、たった一人の人間の経験には限界があり、それを教科書とすることほど危険なことはありません。私が講演や研修を通じて伝えたいメッセージは、「成功している企業のトップの仕事はチームで行われている」ということです。経営チームとは、部署名でもありませんし、組織上公式なものでもありません。また会社の規模によって、経営チームの形は違います。一般的に「中小企業」「中堅企業」「大企業」などと表現されている通り、「会社」と言ってもその規模はさまざまです。

中小企業は、顔を突き合わせながら事業にあたることができ、形式的な手続きもなく、力を合わせて仕事に取り組んでいくことができます。この場合、経営者は社長1人、その下はほぼ同列の文鎮型の組織でしょう。小さい会社でも、社長以外に取締役という役職を持つ人もいますが、「取締役兼○○部長」という肩書きで現場の仕事に専念しています。中小企業の経営チームは、社長のほか、経営者としての役職を持たない営業部長や経理課長が経営チームのメンバーになります。

中堅企業は、中小企業の延長でもなく大企業の手前でもない微妙な規模の会社です。だいたいが、トップが2代目か3代目の場合が多いです。歴史を持つがゆえにベンチャーのような改革に社員が慣れていないため、変化への適応力は強いとは言えません。中堅企業の場合、経営者は社長のほか既に数名の取締役がいます。中小企業と同じように、「取締役兼○○部長」という肩書きを持ち、取締役のほとんどが現場の仕事に追われています。そのため取締役は経営チームの仕事に貢献することができません。これが、中堅企業の成長を減速させている最大の要因です。

大手企業は、事業の規模、抱える社員の数からして、中小企業の合衆国のようなものです。事業ごとに、トップマネジメントチームが必要です。組織の大きさから、あらゆる仕事は正式なルートで進めなければならないため、意思疎通に多くの時間をとられます。「調整」という名の根回しに時間と労力を奪われます。官僚的な組織になっていて、お客様よりも組織の内部事情が優先されるようになり、社内手続きそのものが仕事となっています。

以上のように、会社の規模によって状況は違いますが、会社である以上、経営というものは付いてまわります。事業を安定的に繁栄させていくためには、会社の規模にかかわらず経営チームは必須です。

講演を聴いた方との印象深いエピソードやうれしかった反響を教えてください。

研修を受講された社長や役員からは、次のような言葉を頂きます。

理念、使命を問いただし、共有された経営意思が創り出されました。
自社の存在価値と事業価値をさらに高めていくことができました。
あらゆる角度から顧客を分析する方法を実行することができました。
顧客が求めているものを知り、顧客の期待を上回る方法が得られました。
理想とするお客様から「これが欲しかった!」と言われるようになりました。
事業の存続と繁栄に関わる八つの領域において目標を立てることができました。
事業を新しい次元に進化させる具体的な方法を修得できました。
先回りして事業に行き詰ることなく事業を成長させていく方法がわかりました。
一人ひとりの労力が組織全体の目標達成に方向付けされました。
生産性を高め、戦略の立て方と立てた戦略を共有することができました。
成果を生む組織をつくる具体的な方法と手順を理解することができました。
組織上の混乱や部門間の軋轢が激減し、業務が円滑になりました。
従業員が自発的に問題を発見し、進んで問題を解決してくれるようになりました。
会社全体の目標設定から個人目標への落とし込み方がわかりました。
経営者としてのリーダーのあり方と具体的な仕事のやり方が変わりました。
会社の将来を安心して任せられる磐石な後継体制をつくることができました。

最後に、講演を依頼しようか迷っている方や参加を検討している方に、メッセージをお願いします。

「ピーター・ドラッカーは本を読んだだけではよくわかりません。」という声を多くの人から聞きます。経営者であれば一度は本格的に学びたいのがドラッカーです。上司であれば一度は本格的に部下に学ばせたいのがドラッカーであり、部下であれば一度は本格的に上司に学んでほしいのがドラッカーです。幹部の成長のため、事業の繁栄のため、ぜひ一度お声がけください。

山下淳一郎さんの基本情報

項目 詳細
ホームページ https://topmanagement.co.jp/
メールアドレス info@topmanagement.co.jp
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