「アパレル接客のコツって何?」「従業員のアパレル接客がうまくいっていない」
アパレル業界で経営者や店長として働く方は、このような悩みを抱えているのではないでしょうか。
この記事では、アパレル接客を上達させるコツや、NGな接客の例などを解説します。従業員の接客で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- アパレル接客のコツ
- アパレル接客のNG例
- アパレル接客がうまい人の特徴
- アパレル接客を上達させるおすすめの研修
従業員の接客力を高める方法はいくつかありますが、研修の実施がおすすめです。お客様ごとにニーズの異なるアパレル接客においては、座学でのインプットだけではなく実践を想定した練習が欠かせません。
キーセッションでは、実践形式も含めたアパレル接客研修をご紹介できます。アパレル業界で実績豊富な研修会社の紹介も可能なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
アパレル研修は、従業員がファッション業界で成功するために必要なスキルを習得する研修です。商品知識、顧客サービス、販売技術、トレンド分析など、業務遂行に必須の能力を身につけます。
元アスリート、男性XL着用⇒自分を変えるためアパレル業界へ⇒1200枚の服を所有するもおしゃれに慣れず自信を無くす⇒整理収納、骨格、カラー資格取得⇒'15年TBSあさチャン出演⇒全国、世界から問い合わせ⇒'19年㈱NATURE設立/年間300案件/お客様満足度98%/口コミ紹介80%/依頼が絶えないスタイリスト。
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アパレルと他業種の接客の違い
アパレル業界と他業種における接客の違いは、高度な接客スキルと柔軟性が求められる点です。
他業種に比べて、アパレル店員は一人のお客様に対して長い時間対応します。お客様への声かけに始まり、ヒアリングやコーディネートの提案、試着の案内、レジ対応までを一人で行うからです。そして、その流れの中でお客様が望む商品を提案しなければ、商品はなかなか売れません。
また、アパレル業界はシーズンごとの商品の入れ替わりが多いです。店舗の商品だけでなく、業界の流行もすぐに変化します。そのため、常に最新の情報を追いかけて、知識を増やし続けることが求められます。
お客様一人ひとりの特徴と、最新の流行を踏まえた上での提案が必要なため、アパレル接客では高い柔軟性が求められるのです。
アパレル接客の5つのコツ
アパレル接客におけるコツは、以下の5つです。
- ファーストアプローチは簡潔に行う
- ベストタイミングを見極める
- 右斜め後ろから話しかける
- お客様の話に共感する
- 商品を複数提案する
以下で、それぞれについて詳しく解説します。
ファーストアプローチは簡潔に行う
アパレル接客のコツは、ファーストアプローチを簡潔に行うことです。ファーストアプローチは、商品のアピールではなく、お客様のタイプを見定めることが目的だからです。
愛想のいい返事が返ってきたら、商品を積極的に提案してもよいことがわかります。反対にそっけない反応であれば、その後のコミュニケーションは慎重に行いましょう。
ただし、簡潔とはいえ、おざなりにしてはいけません。感じのいいお店という印象を抱いてもらうために、入店してすぐ、笑顔でブランドイメージに合う挨拶をすることを心がけましょう。
ベストタイミングを見極める
お客様に声をかけるタイミングを見極めることも、アパレル接客のコツです。
たとえば、商品を比較したり、何かを探したりしているお客様は、商品に対して高い関心をもっています。商品説明やコーディネートの提案によって、試着や購入につながる可能性があるため、積極的に声をかけましょう。
一方で、入店直後や、ゆっくりと店内をまわっているタイミングでは、大半のお客様が一人で商品を物色したいと考えています。声をかけるとプレッシャーに感じ、居心地の悪さから店を出てしまう恐れもあるため、様子を見続けた方がよいでしょう。
話しかけても良いかどうか判断に迷うなら、お客様の視線や目線も基準の1つになります。目が合うお客様は話しかけて良いかもしれません。
また、下に目線を落してるお客様は靴を探していたり、まんべんなく全体を見ている方は何かしらの目的があったりとニーズを読み取るヒントになります。
お客様の嫌がるタイミング、喜ぶタイミングを見極めて話しかけられると、接客の成功率はぐっと上がります。
右斜め後ろから話しかける
アパレル接客では、右斜め後ろから話しかけることもコツの一つです。
このテクニックは、イタリアで行われた心理実験の結果にもとづいています。左から話しかけられた人よりも、右から話しかけられた人の方が、問いかけに対して肯定的な反応を示したと結果が出ています。
また、いきなり話しかけて驚かせないように、視界に入る位置からゆっくりと近づくこともポイントです。お客様が商品をじっくり見ているときは、なるべく右斜め後ろからゆっくりと近づいて話しかけましょう。
お客様の話に共感する
お客様の話に共感することも、アパレル接客のコツです。
「共感」は、コミュニケーションにおいて有用なテクニックです。相手の気持ちを理解して寄り添うことで、相手の承認欲求を満たすとともに、心を通わせやすくなります。
接客の際には、商品に対する要望をヒアリングする中で、購入目的や探している理由などの個人的な話を聞く場合があります。そこで、共感を示しながら詳しくヒアリングできれば、お客様の店員に対する信頼感は高まるはずです。心を開いてもらえれば、潜在的なニーズまで引き出せる可能性が高まり、よりお客様にフィットした提案をしやすくなります。
お客様のニーズを引き出すためにも、「共感」をテクニックとして取り入れるように心がけましょう。
商品を複数提案する
アパレル接客の最後のコツは、商品を複数提案することです。
お客様から探しているアイテムやデザイン、カラーを聞き出せたら、要望に合った商品をいくつか紹介しましょう。選択肢を提供することで「服を買うか・買わないか」の2択から「AとBのどちらを買うか」という心理状況に誘導できます。また、コーディネートとして複数商品を提案すると、まとめ買いを促すこともできます。
ただし、たとえ店舗として売り出したいイチオシの商品があったとしても、お客様の要望を無視して勧めるのはNGです。ヒアリングした内容を第一に、お客様に喜んでもらえるような提案を心がけましょう。
アパレル接客のNG例
お客様が嫌がるアパレル接客のNG例は、下記のとおりです。
- お客様に付きっ切りで離れない
- NGフレーズや誤った敬語を多用する
- 一方的に押し売りする
以下で、それぞれについて紹介します。
お客様に付きっ切りで離れない
アパレル接客のNG例は、お客様に付きっ切りで離れないことです。
多くのお客様は、気楽な気持ちでお店に訪れています。店員に付きっ切りで接客されると、商品や店内を自由に楽しめないことから、不快感を抱かれてしまう恐れがあります。
そのため、店の外にいるお客様を待ち構えたり、入店後すぐに話しかけたりすることは控えましょう。ファーストアプローチの後は、お客様が話しかけてほしそうな様子を見せるまで待機を心がけるのが基本です。
この様子は先ほど解説したように、お客様の視線や目線を意識すると徐々に分かるようになっていきます。
NGフレーズや誤った敬語を多用する
NGフレーズや誤った敬語を多用することも、アパレル接客のNG例です。
正しい言葉遣いは、社会人として当然のマナーです。人を不快にさせる言葉遣いはもちろん、誤った敬語にも気を付けましょう。場合によっては、お客様とのトラブルや、ブランドの品格を下げることにもつながります。
以下はありがちなNGフレーズです。普段の接客で使用していないかチェックしてみましょう。
NGフレーズ | 解説 |
---|---|
「了解しました。」 | 「了解」は敬意を含まない言葉。 「かしこまりました。」「承知いたしました。」などが正しい。 |
「ご覧になられますか?」 | 「ご覧になる」と「~られる」の二つの尊敬語を使った二重敬語。 「ご覧になりますか?」などに言い換える。 |
「よろしかったですか?」 | 「バイト敬語」とも呼ばれる言葉遣い。 「よろしいでしょうか?」などに言い換えるとベター。 |
「今日は何かお探しですか?」 | お客様が何かを探している様子でないときは、避けた方がベター。 何も目的がなく店内を見ている場合、返答に困る人が多い。 会話のやり取りが2~3回続いた後、「本日は何かお探しでしたか?」と流れでお伺いすると答えやすいです。 |
「これ、実はインスタで芸能人の○○さんが着用していたんです。」 | 商品から気をそらすような情報を与えると、商品のインパクトが薄れてしまう。あくまで商品を話題の中心に据えるように接客する。 ただし、お客様との距離感が縮んでいる場合は、話題の1つとして出すことで会話が広がります。 |
一方的に押し売りする
アパレル接客では、一方的に押し売りすることもNGです。
商品を手にしたからといって、そのお客様が必ずしも購入の意思を持っているとは限りません。販売のチャンスを掴もうと、まくし立てるように商品をアピールした結果、お客様を逃してしまうのはありがちなミスです。
接客では、一方的に説明するのではなく、お客様に刺さりそうなポイントを伝えるのが大切です。「人気だから」「トレンドだから」という理由ではなく、お客様一人ひとりのニーズを汲み取って、最適なアピールをしましょう。
アパレル接客がうまい人の特徴
アパレル接客がうまい人の特徴は、下記の3つです。
- ヒアリング力が高い
- 商品やトレンドに関する知識が豊富にある
- 接客パターンを使い分けられる
以下で、それぞれについて紹介します。
ヒアリング力が高い
アパレル接客がうまい人の特徴は、高いヒアリング能力があることです。
接客においてニーズを聞き出すことは重要ですが、質問ばかりしていると、お客様は会話を退屈に感じます。接客がうまい従業員は、雑談などの軽い会話を通じて、お客様に「この人と話したい」と感じさせる空気をつくります。そして、「どのような目的で来店したか」「好みのスタイルは何か」などを会話の流れで聞き出すのが上手です。
ヒアリングを通じて詳しいニーズを引き出せれば、お客様の好みにぴったりと当てはまる商品が提案できます。共感・反復などのコミュニケーション術を身につけてヒアリング能力を高めることは、接客を成功させる近道と言えます。
商品やトレンドに関する知識が豊富にある
商品やトレンドの知識が豊富なことも、アパレル接客がうまい人の特徴です。
商品にはそれぞれ多様な魅力がありますが、それをお客様に説明できるかは、店員の知識量にかかっています。売り込むためには、サイズや色の展開はもちろん、コンセプトや売れ行きなど、さまざまな観点から商品について説明しましょう。
また、自社商品だけでなく、他店舗情報やSNSや雑誌などで最新のトレンドをキャッチすることも重要です。情報収集を通じてアピールポイントをうまく説明できるようになれば、商品の魅力をより的確に伝えられます。
最近ではファッション理論の骨格診断やパーソナルカラー診断の情報も、決め手の1つとして非常に注目されています。
接客パターンを使い分けられる
アパレル接客がうまい人は、接客パターンを使い分けられます。
店舗に来店するお客様は、一人ひとりが異なる趣向や個性を持っています。それぞれの年代や性格を見極め、最も適した接客パターンでお客様に応対するのが、接客上手な店員の特徴です。
一般的には、若い方にはフレンドリーに、年上の方にはかしこまった態度で話しかけると、好感をもたれやすいとされています。また、活発な方には明るい接客、大人しい方には穏やかな接客など、会話のトーンを調整することも心地良さを生み出すコツです。
それぞれのお客様に最適な接客方法を使い分けることで、お客様の心を掴めれば、リピーターの増加にもつながります。
接客がうまい人の特徴は、下記の記事でも詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
⇒接客が上手い人の特徴は?接客のコツをホスピタリティのプロが解説。
アパレル接客がうまくなるおすすめの研修
アパレル接客が上達するおすすめの研修として、以下3つがあります。
- ショッピングモール・百貨店の売上アップに欠かせない3つのポイント研修
- 【店長向け】部下育成ティーチング・コーチング研修
- セルフ購入UP&接客アシストのPOP/VMD研修
スタッフの接客力を底上げするには、専門家による研修が効果的です。とくに、高い柔軟性とコミュニケーション力が求められるアパレル業界では、従業員の実践的なトレーニングが欠かせません。
ぞれぞれの研修について、詳しく紹介していきます。
「ショッピングモール・百貨店の売上アップに欠かせない3つのポイント研修」株式会社NATURE
一つ目のおすすめは、「ショッピングモール・百貨店の売上アップに欠かせない3つのポイント研修」です。
本研修の目的は、売り上げが伸びる仕組みを理解したうえで、店長の不在時でも売り上げを増加させる仕組みを確立することです。主に、店長やリーダーポジションのスタッフを対象としています。
受講すれば、店舗運営の基礎から応用を学び、「売り上げが伸び悩んでいる」「スタッフの育成方法がわからない」などの疑問を解消できます。120分を1回や、90分を4回など、カリキュラムのカスタマイズもできるため、研修時間の確保が難しい方にもおすすめです。
ショッピングモール・百貨店の売上アップに欠かせない3つのポイント研修
「店長、リーダー業務の負担を軽減したい。」「いつも自分ばかり動いてしまっている。」といった新人店長や昇格したばかりのリーダーをターゲットにした研修プログラムで 、研修を通して店舗運営の全体像の理解を深めます。売上の伸び悩みやスタッフの育成問題、客数の増加などの課題を解決するための研修です。
「【店長向け】部下育成ティーチング・コーチング研修」株式会社NATURE
二つ目におすすめする研修は、「【店長向け】部下育成ティーチング・コーチング研修」です。店長クラスのスタッフにおすすめの研修となっています。
店舗を運営するうえで「新しいスタッフを採用してもすぐに辞めてしまう」という悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。スタッフの定着率を上げるためには、「ティーチング(教える)」スキルだけでなく、「コーチング(考えさせる)」のスキルが必須です。
本研修では、他店の成功事例や退職するスタッフの心理を学びながら、「イマドキ新人」の考え方を理解します。さらにロールプレイングを通じて、新人の気持ちに寄り添うコミュニケーション術や、コーチング方法を身につけられます。
講義と演習を交互に繰り返す参加型の研修のため、研修後すぐに効果が発揮されるのも、おすすめのポイントです。
店長向け研修: 「イマドキ」のスタッフ育成テクニックを学び、モチベーションアップを目指します。教え上手のテクニック、チーム力向上、自店でのコーチング活用など、実践的なスキルを習得し、すぐに実行できる内容を提供します。
「セルフ購入UP&接客アシストのPOP/VMD研修」株式会社NATURE
最後におすすめするのは、「セルフ購入UP&接客アシストのPOP/VMD研修」です。POP(Point of Purchase)とVMD(Visual Merchandising Design)に焦点を当てた研修となっています。
魅力的な売り場をつくることは、顧客満足度を高めて、リピート購入につなげるために重要です。本研修では、複数回に分けて実施されるプログラムを通じて、売り場づくりのテクニックや戦略を体系的に学びます。座学だけでなく実践的なワークも盛り込まれているため、VMDの応用やPOPの作成スキルを高める機会としても最適です。
複数回に分かれていることで、学んだ知識をただ実践するだけでなく、改善指導も受けられるため、スキルが深く身につきます。それぞれの店舗の課題を分析したうえで提供されるオリジナルのカリキュラムは、入店数や売り上げの向上にも効果的です。
売り場作りにおけるお客様への第一印象は極めて重要です。近年、商品の単純な並べ方や物的価値だけでなく、購入後の「買ってよかった!」という感情を呼び起こす情緒的価値の時代が到来しています。VMDやPOPはその感情を伝え、引き寄せるためのツールとして注目されています。VMDとの連携を取り入れた接客は、顧客満足度を上げリピート購入に繋げる重要な要素となっています。「セルフ購入UP&接客アシストのPOP/VMD研修」は、これらのテクニックや戦略を学ぶためのプログラムです。
アパレル研修については、下記のページにて詳しく解説しています。他にもおすすめの研修について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
アパレル研修は、従業員がファッション業界で成功するために必要なスキルを習得する研修です。商品知識、顧客サービス、販売技術、トレンド分析など、業務遂行に必須の能力を身につけます。
アパレル接客のコツを熟知して販売力を高めよう
アパレル接客のコツは、「ファーストアプローチは簡潔に行う」「右斜め後ろから話しかける」などです。コツを掴みつつ、ヒアリングや接客パターンの使い分けなどのスキルを向上させることで、接客は上達します。
なお、アパレルスタッフの接客スキルを向上させるためには、アパレル研修がおすすめです。成果を得るためには、研修の内容や講師の質が重要ですが、数ある研修会社の中から、質の高い研修を選ぶのは難しいでしょう。
キーセッションでは、複数の研修会社の中から、良質かつ貴社の目的・予算に応じた研修会社をご提案します。相談は無料なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
アパレル研修は、従業員がファッション業界で成功するために必要なスキルを習得する研修です。商品知識、顧客サービス、販売技術、トレンド分析など、業務遂行に必須の能力を身につけます。