社員研修プログラムの作り方は?成功するコツや具体例を解説

「社員研修プラグラムの作り方を知りたい」
「研修プログラムの成功のコツは?」

社内研修を実施する際、どのように研修プログラムを策定すればよいのか、頭を抱えている担当者の方は多いものです。研修用のプログラムの作り方には、ある程度の型が存在します。

この記事では、社員研修プログラムの作り方や作成時のコツ、研修プログラムの例などを紹介します。研修プラグラムの組み立て方に悩んでいる方は参考にしてみてください。

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社員研修プログラムを作る目的

研修時にプログラムを作る目的は以下の2点です。

  • 研修を効率よく進めるため
  • 社員育成のロードマップを形成するため

研修を効率よく進めるため

研修プログラムは、社員研修を効率的に進めるために必要です。研修プログラムがあることで、必要な情報を参加者に過不足なく伝えられるためです。

研修プログラムが無い状態で研修を進めると全体像を把握できず、伝える情報の抜け漏れが発生する可能性があります。研修プログラムを作成し研修の全体像を描いておけば、情報の抜け漏れを防ぎ、スムーズな研修の実施が可能となるのです。

社員育成のロードマップを形成するため

研修プログラムは、社員を育てる際に役立つロードマップとしても有用です。プログラムを作ることで、社員育成のための社内方針やノウハウを可視化できるためです。

可視化することで、すでに実施している研修プログラムとの内容の重複を容易に確認できます。既存の研修を改良したい場合にも、一から作り直す手間が省けます。その結果、社員育成の質を担保しながら、研修準備にかける時間を大幅に短縮できます。さらに、人材育成のノウハウが社内資産として蓄積されます。

研修プログラムは、将来的に社員研修を実施するうえで役立つ資料となり得るのです。

社員研修プログラムの作り方

社員研修プログラムの作り方は、5W1Hに沿って検討していく形になります。以下で解説する5W1Hに沿って組み立てることで、効果的かつ満足度の高いプログラムにつながるでしょう。

  1. 受講者は誰なのか考える(Who)
  2. 研修の目的を明確にする(Why)
  3. 現状と到達目標はどこか確認する(Where)
  4. 何を伝えるか明確にする(What)
  5. いつ実施するか確認する(When)
  6. どのように実施するか考える(How)

1.受講者は誰なのか考える(Who)

受講者が誰なのか考えます。当該研修の対象となる人の属性(部署・役職・世代など)を考慮しましょう。受講対象を明確にすることで、研修の進行スピードや難易度、盛り込む内容を調整できるためです。

たとえば受講者の属性から「よくある質問」を想定しておき、資料に盛り込む方策などが考えられます。受講者目線のプログラムを作成することで、理解度と満足度の向上につなげましょう。

2.研修の目的を明確にする(Why)

受講者が定まったら、当該研修の目的を明確化しましょう。「なぜその研修が必要なのか」を明確化することは重要です。研修の目的が明確になれば、ゴールから逆算する形で具体的な研修内容を組めるためです。

受講の目的をしっかり共有することで、受講者は研修内容を「自分ごと」として能動的に捉えやすくなります。その結果、モチベーションアップや内容の定着が促進されます。

もしもすでに実施している研修プログラムがあれば、その内容と目的の重複がないかどうかを確認するのも成功の秘訣です。たとえば下記の例にあるように「役職階層 x 部署」の2軸で可視化する方法があります。

表:研修プログラム 分類一覧(サンプル)

共通 営業 技術 管理・事務
新人社員
(1~3年目)
新入社員研修・OJT 営業基本研修 技術基本研修 事務基本研修
中堅社員
(4年目~)
OJT研修・メンター研修・マネジメント研修
・コーチング研修
営業スキルアップ研修 技術スキルアップ研修 事務スキルアップ研修
その他(テーマ別) ハラスメント研修
コンプライアンス研修
ワークライフバランス研修

引用元:社員研修プログラム|作成のポイントや具体例を徹底解説

3.現状と到達目標はどこか確認する(Where)

現状と到達目標はどこか確認しましょう。受講者の現状(研修前の状態)と到達目標(研修後の状態)の間の差を分析することで、目標までの道筋が見えてくるためです。

具体的には、受講者の現状の課題を分析した上で、課題を克服するための具体的なステップを細分化していきます。

4.何を伝えるか明確にする(What)

受講者に伝える内容を明確化しましょう。具体的にどのような項目を研修プログラムに取り入れるべきかを決定するためです。

具体的には、ステップ3で分析した到達目標と現状の間の差を減らすために「何をすべきか」という視点で内容を詰めていきます。あれもこれもと内容を詰め込みすぎないことが成功の秘訣です。

5.いつ実施するか確認する(When)

研修時期を確認しましょう。研修を実施するためのスケジュールを調整・決定します。社内業務との兼ね合いを考慮しながら、適切な実施日時や実施回数などを検討することが重要です。実施するタイミングによっては、受講者のやる気や出席率、集中力が大きく左右されるためです。

適切な実施時期を見積もるためには、受講対象者の属する部署の上長とのすり合わせを入念に行うことがポイントです。先述のWhy(なぜ)やWhere(どこ)を示しながら相談することで、より理解と協力を得やすくなります。

6.どのように実施するか考える(How)

研修当日の動きや実施形態を決定します。具体的には、下記の内容を検討します。

  • 社内で実施するのか、外部の研修会社に委託するのか
  • 実地開催にするのか、オンライン開催にするのか
  • 配布資料の準備
  • 会場設営
  • 担当スタッフの確保
  • 当日の動きの確認

研修後のフォローアップや効果測定をどう行うのかも、この段階で決定しておきましょう。たとえば、理解度を確認するためのチェックテストや受講者アンケートを実施するなどの方策が考えられます。

社員研修プログラムの効果を高める成功のコツ

研修効果を最大限に高めるための研修プログラム作成の3つのコツは以下です。

  • 研修目的を明確化する
  • 集中が続くように工夫する
  • 研修前後の準備・フォローアップを重視する

社員研修プログラム作りで成功するためにも、それぞれのポイントを理解しておきましょう。

研修目的を明確化する

研修前の準備段階で研修目的を明確化しましょう。論点のずれや伝える情報の過不足を防ぐためです。

具体的には、研修目的が以下の4点に沿っているかを計画段階で確認することをおすすめします。

  • 具体的かどうか
  • 測定可能かどうか
  • 達成可能かどうか
  • 達成時期が明確かどうか

集中が続くように工夫する

受講者が研修内容に集中できる環境を整えましょう。内容の伝え方や見せ方を工夫し、集中力を持続させます。「何を伝えるか」はもちろん大切ですが「どう伝えるか」という点も研修の成否を左右する要素です。

たとえば、以下の施策が考えられます。

  • アイスブレイクの導入
  • アウトプットの機会(指名・発表など)
  • 身体を動かすワーク(ストレッチなど)
  • グループワーク
  • ディスカッション

研修前後の準備・フォローアップを重視する

研修そのものだけでなく、研修前後の準備やフォローアップも重視しましょう。

準備やフォローアップの重要性は、研修効果測定研究の専門家ロバート・ブリンカーホフ氏によって裏付けられています。ブリンカーホフ氏によると、効果が無い研修の8割は研修前の準備段階と研修後のフォローアップ段階にあるといわれています。

研修前の入念な準備は研修のスムーズな進行に役立ち、研修後のフォローアップは受講者の理解を深めます。研修効果を高めるためにも、準備とフォローアップを大切にしましょう。

社員研修プログラムの具体例2選

ここでは研修プログラムの具体例を2つ紹介します。研修プログラムといってもさまざまな種類があります。ここでは多くの企業で導入されている「新入研修」と「管理職研修」を例に解説します。

  • 新入研修
  • 管理職研修

新入研修

新入研修とは、主に新卒で採用された社員を対象とした研修です。新入社員が社会人として活躍していくためのマインドセットや基本的なマナーを学び、実務力を養います。

たとえば、以下のプログラム項目を学びます。

  • 社会人マナーの理解度チェック
  • 学生と社会人の違い(ディスカッション)
  • 学生と社会人の違い(講義)
  • 業務の進め方についての基礎知識(講義)
  • 上司に報告・連絡・相談の仕方(グループワーク)
  • 名刺交換の練習(グループワーク)

新入社員研修については下記の記事でより詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。

新入社員研修

管理職研修

管理職研修とは、主に入社5~10年目の上級職を対象とした研修です。管理職研修では主にマネジメントやチームビルディングの手法を学び、スムーズな社内連携につなげます。たとえば、以下のプログラム項目を学びます。

  • 管理職の役割は何か
  • 問題解決力やリーダーシップを高めるためには何をすべき
  • チームビルディングの目的は何か

下記3記事では管理職向けの研修について解説しています。ぜひ合わせてお読みください。

管理職向け研修
マネージャー向け研修
リーダー研修

社員研修プログラムの実施例

ここでは実施形態(How)の観点から、研修プログラムの実施例を2例紹介します。

  • 社内業務に関する研修
  • ビジネスマナーや自己啓発に関する研修

社内業務に関する研修

研修の一つに、社内業務に関する研修があります。実務に直結する内容は、外注するよりも内部社員に講師を依頼するのが効果的です。社内を知り尽くしている内部社員であれば、現場経験や専門知識を研修内容に活かせるためです。

たとえば以下の項目を扱う研修では、社内から適任者を探すのがおすすめです。

  • 自社の経営方針
  • 社内規則の確認
  • 業務の専門知識

ビジネスマナーや自己啓発に関する研修

ビジネスマナーや自己啓発に関する研修があります。その際、自社には無い技術や知識などを学ぶ研修の場合は、外部の専門家や研修専門の会社に依頼するのがおすすめです。外部の専門家の力を借りることで、自社でカバーできないスキルを効率的に補えるためです。

たとえば以下の項目を扱う研修では、外注を検討するのがおすすめです。

  • ビジネスマナー
  • コンプライアンス
  • 自己啓発
  • 最新の法令
  • 業界研究
  • 自社にない技術の習得

キーセッションでは、上記の内容を含む豊富な研修プログラムを提供しています。

たとえば、近年ビジネスの場面でも重視されつつある「EQ(心の知能指数)」やコミュニケーション能力、ロジカルシンキング力、レジリエンス力(困難を乗り越える力)などを養うプログラムのご提案も可能です。実務遂行能力との相乗効果によって、組織力を底上げすることができます。

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社員研修プログラムの作り方まとめ

限られたリソースで効果的な研修を実施するためには、研修プログラムの作成が欠かせません。5W1Hを意識しながらプログラムを策定することで、完成度の高いプログラムとなります。研修効果を高めるためには研修当日だけでなく準備・フォローアップ段階も重視することなどが重要です。

実施形態としては、研修内容によって社内講師と社外講師をうまく使い分けることが重要です。実務に関する研修は社内リソースを活用し、ビジネスマナーなどに関する研修は外注するのがおすすめです。複数社で研修を実施している研修会社は効果的な研修カリキュラムのノウハウを保有しており、自社で0から企画するよりも効果が期待しやすいです。

キーセッションでは提携研修会社の300以上の研修プランの中から、貴社にぴったりなものをご提案しています。予算や目的・課題など最小限の情報だけ共有いただければ、複数の研修プランを提案可能です。

相談は無料なので、研修プログラムづくりに不安を感じている方はぜひご相談ください。

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