研修計画の作り方|3つのパターンや計画のポイント、具体例も紹介

「研修の担当者になったけど、計画の仕方がわからない」
「研修計画を立てるポイントを知りたい」

研修の担当者に突然抜擢され、このような悩みに直面する方は少なくありません。たとえ研修の受講経験があったとしても、いざ実施する側に立つと右も左もわからなくなるのは当然です。

この記事では、研修計画の立て方について解説します。さらに計画のポイントや実際の例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

キーセッションでは、複数の研修専門会社から、貴社のご要望に沿った研修プランをご提案します。「業務に追われて研修計画を立てる時間が無い」「効果的な研修を計画できる自信が無い」というご担当者は、ぜひお気軽にご相談ください。

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研修計画とは

研修計画とは、「組織における人材育成の取り組みを計画すること」です。研修にはさまざまな種類があり、組織ごとに適切な研修方法が異なります。

対象者や目的を踏まえた組み立て方をしないと、効果を発揮しないどころか、実施の承認がおりないこともあるでしょう。その年の経営状況や社内環境を考慮した計画を作れるようになれば、多くの社員の成長機会となり、組織力を高められる研修が実施できます。

研修計画の3つのパターン

研修計画には、主に以下の3つのパターンがあります。

  • 組織全体の研修計画
  • 特定の対象者を育成するための研修計画
  • 特定のテーマに関する研修計画

それぞれを解説していきます。

組織全体の研修計画

組織全体や特定の年次階層などの大きなまとまりに対して、一年単位の育成施策を計画するパターンです。具体的には、全社員に向けたコンプライアンスの研修や、特定の勤続年数が経過した社員を対象にしたキャリアデザイン研修などを差します。

社員一人ひとりの成長を促すことはもちろん、コミュニケーションの促進や、組織全体の団結力の強化を目的として実施される場合もあります。

特定の対象者を育成するための研修計画

特定の対象者に向けた、一定期間での育成プログラムを計画するパターンです。基本的なビジネスマナーを習得させる新入社員研修や、昇進した社員のマネジメント力を磨くためのリーダー育成研修などが該当します。

「1.組織全体の研修計画」よりもターゲットを狭く絞るため、注力して鍛えたい人材がいる場合はこちらの研修を計画しましょう。

特定のテーマに関する研修計画

ある特定のテーマに関する知識やスキルを養いたい場合に実施する研修計画です。例としては、ハラスメント防止研修や、異文化コミュニケーション研修などがあります。

SDGsやDX・AIなど、時代の潮流に合わせたテーマが設定されることも多いです。テーマにおける深い学びを提供できるため、解決したい課題や強化したいポイントが明確な場合に実施されます。

研修計画を立てる前にやるべきこと

研修計画を立てる前にやるべきことは、以下の2つです。

  • 研修の対象者を選定する
  • 研修の目的を明確にする

それぞれを解説していきます。

研修の対象者を選定する

研修計画を立てる前には、まず研修の対象者を選定しましょう。組織全体に一つの育成目標があっても、役職や部署などが異なる社員たちに同じアプローチをしては、効果の差が顕著に表れます。

新入社員に対してはビジネスマナーを身につけるワークショップ、管理職に対してはマネジメントの知識とスキルを学ぶ座学研修など、研修対象によって適切な内容や方法は異なります。

現在の組織の状況と、「どの層の育成に注力するべきか」「何のテーマを強化するべきか」を考えて、対象者を絞り込みましょう。同じような知識・スキルをもつ層に対象を限定することで、時間やコストを抑えながら効果的な研修ができます。

研修の目的を明確にする

研修によって達成すべき目的を明確にすることも、研修計画を立てる前に欠かせません。目的を明確にするためには、研修対象者の現状・課題を分析する必要があります。

目的を明確にせず長きにわたって同じ研修を繰り返す組織もありますが、内容は毎年見直すことをおすすめします。研修を計画した当時と実施する現在では、組織や社会の状況が変化しており、対象者のもつスキルも異なる可能性が高いからです。

忘れてはならないのは、研修の先にある最終的な目標が、組織の理念に基づいた人材の育成だということです。研修計画を立てる際は、中長期経営計画や人事評価制度を確認し、組織の経営理念や行動指針を把握しましょう。経営層と人材育成の方向性についてすり合わせすることも一つの手です。

また、研修の目的や対象が明確になったら、研修の計画書を作成しましょう。研修計画書については、下記の記事でも紹介しています。

研修スケジュールの作り方|作成の流れやポイント、テンプレートを紹介

研修計画の作り方・進め方

では、具体的にどのように研修計画を組み立てればいいのでしょうか。
ここでは7つの手順に従って、研修計画の作り方を解説します。

  1. 昨年の実績収集や現場ヒアリング
  2. 予算の確保
  3. 実施方法や場所の決定
  4. 業者や現場スタッフの選定
  5. スケジュール調整と告知
  6. 具体的な準備と実施
  7. 効果測定

それぞれの段階でやるべきことを、以下で詳しく紹介します。

1.昨年の実績収集や現場ヒアリング

まずは昨年の研修の実績を収集し、実現可能な規模感やプログラムなどを把握します。参加者アンケートがあれば要チェックです。改善点や充実させるべき点が見つかります。

さらに対象者や現場の管理者に向けてヒアリングし、現状の課題や身につけたいスキルなどのニーズを掴みましょう。現場の声を通じて、対象者が抱える本質的な課題に近づけます。

2.予算の確保

次に、事業計画や前年度の費用を参考にして、研修を実施するための予算を確保しましょう。研修の方法によってコストは大きく異なるため、おおよその形式が決まっている場合は、相場を調べた上で提案できるとよいです。

人材育成研修では、要件を満たせば厚生労働省から「人材開発支援助成金」を受け取れる場合があります。事前に確認するとよいでしょう。

3.実施方法や場所の決定

予算が確定したら、具体的な内容や実施方法、開催場所などの検討に入ります。何を決めればいいのか迷うときは、下記の「5W1H」に従って整理しましょう。

5W1H 内容
When いつ実施するか
Where どこで実施するか
Who 誰が対象か
What 何を学ぶのか、何を伝えたいのか
Why なぜ研修を行うのか
How どのように実施するか(ワークショップ形式か講義形式か、オンラインかオフラインか、など)

4.業者や現場スタッフの選定

研修を委託する業者や、当日の運営をサポートしてもらう社員を選定します。

自社で研修を行う場合は、研修内容の講師に相応しい社員を探して依頼します。講師を担当する社員は、通常の業務と並行して研修の準備を行う必要があるため、なるべく早めに依頼するように心がけましょう。

外部講師に委託する場合は、予算を踏まえて業者を検討しましょう。決定後は、業者と打ち合わせをして研修内容を確定させます。「3.実施方法や場所の決定」で事前に検討した内容を共有し、最適な研修プランを提案してもらうことも可能です。

業者に委託する場合でも、円滑な進行のために自社から運営スタッフを手配するケースがほとんどです。当日スタッフの社内リソースは、あらかじめ確保しておきましょう。

数多くの外部講師の中から、自社に適した講師を見つけるのは手間と時間がかかります。
外部講師に委託する場合は、ぜひキーセッションをご利用ください。キーセッションでは、貴社の研修の目的や予算に応じて、最適な研修会社や講師をご案内可能です。相談は無料なので、お気軽にご相談ください。

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5.スケジュール調整と告知

内容の確定後は、日程調整に移ります。企業の年間計画を基準に時期を決めたら、講師の予定と会場の空き状況を優先させて、なるべく全員が参加できる日を選びます。その際、「繁忙期は避ける」「他の行事と被らないようにする」などの配慮も必要です。

日時が決まったら、参加者が業務を調整しやすいように、なるべく早く告知しましょう。どうしても参加できない社員がいる場合は、動画での受講やeラーニングによる個別学習を提供できるとベターです。

6.具体的な準備と実施

研修当日に向けて、資料の準備や細かい流れを調整します。担当講師とコミュニケーションを取りながら、必要な資料や教材、機材などを用意しましょう。

当日の流れに関しては、研修中だけでなく、受講者の誘導から解散までの一連をシミュレーションしておくとよいです。問題が発生した際の対処法もあわせて決めておくと、不測の事態にも慌てず対応できます。

7.効果測定

研修が終わったら、受講者アンケートや筆記テストなどを用いて、必ず効果測定を行いましょう。以下の3段階で実施すると、より明瞭に効果を測定できます。

  • 研修前
  • 研修直後
  • 一定期間の経過後

受講者の満足度や、研修を通じた意識の変化、業務における行動の変容を調べて、次回以降の研修計画に役立たせましょう。

研修計画を組み立てるポイント

研修計画を組み立てる際は、以下のポイントを意識しましょう。

  • 現場と連携してフォローアップを実施する
  • 効果測定を参考にPDCAを回す
  • 無理のないスケジュールを設定する

それぞれについて、詳しく解説します。

現場と連携してフォローアップを実施する

研修終了後のフォローアップも、あらかじめ研修計画に織り込んでおくとよいでしょう。

フォローアップ研修では、研修で学んだことが実際の業務で活用できているかを振り返ります。改善点や課題を確認することで、スキルの定着度を高めるとともに、モチベーションの向上や不安の解消にもつながります。普段の仕事と研修内容を照らし合わせることが重要なため、研修担当者や人事だけで行うのではなく、なるべく現場の上司にも協力を仰ぎましょう。

具体的なフォローアップの例は、下記のとおりです。

  • フォローアップ研修の実施
  • 人事担当者との面談
  • 直属の上司との面談
  • メンター制度

効果測定を参考にPDCAを回す

研修計画を組み立てるときは、PDCAを回すことが大切です。

PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のことです。PDCAのサイクルを回すことで、取り組みをよりよいものへとブラッシュアップできます。

Plan(計画)の段階では、課題を分析した上でのAction(改善)が必要です。過去の効果測定の結果を参考に、続けるべき点となおすべき点を整理して改善策を考えます。また、次回以降にも続けてPDCAが回せるように、研修終了後の効果測定は必ず行いましょう。

無理のないスケジュールを設定する

1回の研修に内容を詰め込みすぎず、受講者にとって無理のないスケジュールを計画しましょう。

インプットが過多になると、受講者の集中力は継続せず、モチベーションも定着度も低下してしまいます。学んだ内容を業務に活かしてもらうためにも、インプットとアウトプットの両方の機会を提供することが大切です。たとえば前半は座学、後半はワークやロールプレイングなどのスケジュールにすると、学ぶ内容への理解が深まります。

習得させたいスキルや知識が絞り込めない場合は、研修自体を複数回に分けることがおすすめです。

研修の具体例

実際に、企業ではどのような研修が実施されているのでしょうか。
以下2つの研修の具体例を紹介します。

  • 新入社員研修
  • SDGs研修

具体例1:新入社員研修

新入社員の定着や早期戦力化のために実施する研修です。

新入社員研修 具体例
目的 社会人の心構えをはじめ、基本的なビジネスマナーやコミュニケーションスキルを身につける。また、自社についての理解を深める。
内容 会社紹介やビジョンの共有/ビジネスマナーの基本講習(挨拶、報告・連絡・相談の仕方、電話対応など)/ワークショップ・ケーススタディ/ビジネスの実践研修など。

新入社員研修の詳細は、下記の研修ページで紹介しています。

新入社員研修

具体例2:SDGs研修

SDGsを理解し、「誰一人取り残さない社会」の実現に向けて行動できるようになるための研修です。

SDGs研修 具体例
目的 SDGsの観点から見た自社の課題を発見したり、強みを活かして問題を解決できないか検討したりする。SDGsを理解してビジネスにつなげられる人材を育成する。
内容 SDGsの基礎知識講習/ビジネス事例の解説/ワーク(「2030SDGs」カードゲーム、自社事業とSDGsを結びつけるディスカッションなど)/明日から社内で実施するSDGsの取り組みの目標設定など。

SDGs研修の詳細は、下記の研修ページで紹介しています。

SDGs研修

研修計画の作り方を知って効果的な研修を実施しましょう

研修計画は、下記のステップに沿って進めましょう。

  1. 昨年の実績収集や現場ヒアリング
  2. 予算の確保
  3. 実施方法や場所の決定
  4. 業者や現場スタッフの選定
  5. スケジュール調整と告知
  6. 具体的な準備と実施
  7. 効果測定

このステップを進める上では、現場と連携したり、無理のないスケジュールで進めることが大切です。しかし、これらのステップをスムーズに進めるのは大変な作業です。そこで、研修の準備や実施は、外部の研修会社に依頼するのはいかがでしょうか。

キーセッションでは、複数の研修専門会社から、貴社のご要望に沿った研修プランをご提案します。「業務に追われて研修計画を立てる時間がない」「効果的な研修を計画できる自信がない」というご担当者は、ぜひお気軽にご相談ください。

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