作家・講演家として活動されている廣末登さんにインタビュー!

企業研修の総合メディアのキーセッションでは、講演会で講師として活躍する方の魅力をお伝えすべく取材を行っています。

今回は、作家・講演家として活動されている廣末登さんにお話を伺いました。

講演を行っているテーマを教えてください。


講演では、近年社会問題と化している「闇バイト」など、反社会的集団による各種犯罪の傾向と対策についてお話ししています。

講演を始めたきっかけや背景を教えてください。

大学院での研究対象が反社会的集団であったこと、法務省の職員や福岡県の更生保護就労支援事業所長としてさまざまな罪を犯した人と接したことなどがきっかけです。

それらの経験を踏まえて、安心・安全な社会づくりを目指し、犯罪の実態と更生のリアルを一人でも多くの方に知ってもらいたいと考えました。

他の講師の方にはない、自分の講演ならではの特徴や強みを教えてください。


日本の大学に勤務する研究者は、大学のレピュテーションリスクの観点から、反社会的集団の一次データが取れません。しかし私は、研究者に加えて、保護司という公職も務めています。日常的に「闇バイト」などに加わり罪を犯した人たちと面談しているため、最新の情報を聴取できるのです。つまり、実務と研究という両面から対象にアプローチできるところが強みです。

講演を通じて伝えたいメッセージや講演における目標は何ですか?

犯罪は、日々変化しています。情報化社会では犯罪も巧妙化しており、SNSの利用によって誰もが被害を受ける可能性があります。日々報道されている「闇バイト」などを、他人事ではなく自分事と考えなければなりません。

特に、企業は反社対策の新たな局面を迎えています。経営者はもとより従業員各自が、会社の内外を問わず、コンプライアンス意識を高めることが重要です。

講演の内容やテーマを決める際の工程はどのようにしていますか?

私が講演依頼を受けるのは、主に弁護士会や警察関連団体、金融系企業、信用調査企業などです。講演の内容やテーマは、講演を依頼される団体・企業担当者の方と相談の上パワーポイントを作成し、依頼者に了解頂いた上で講演に至ります。

講演を聴いた方との印象深いエピソードやうれしかった反響を教えてください。

講演を契機に、東京弁護士三会の民暴委員会の弁護士40名と、企業の反社対策に関する書籍を執筆しています。当局の情報は被害者の視点にはアクセスし易いですが、加害者の意識や背景という一次情報を得ることは困難です。本書は、加害者の一次情報に基づき、実態を踏まえた実務対策本となっています。

講演を依頼しようか迷っている方や参加を検討している方に、メッセージをお願いします。

犯罪に巻き込まれないためには、まず「犯罪者のリアルな実態を知ること」が大切です。「無知、無関心は犯罪の温床」といえます。昨今の犯罪は、誰もが被害者になり得ますし、企業のコンプライアンスは常に更新しないと実効性がありません。私の講演では、実例を交えて「いま、社会にある危険」を分かりやすくお伝えしています。

最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。


大学教員をしていることで、若者の「生き方」について相談を受ける機会が多いです。クランボルツ博士が提唱したプランド・ハップンスタンス理論(行動し、偶然を創り出す)に沿った行動を勧めていますが、昨今の若い人は失敗を敬遠する傾向があるようです。私の人生は、失敗の積み重ねでしたので、「失敗することの大切さ」を実感しています。私の成功や失敗の経験を若い世代に伝えることができれば、「経験の継承」として意味があると思います。

廣末登さんの基本情報

基本情報 項目
ホームページ https://n-jibunshi.jp/
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