働き方改革の推進により労働環境が様変わりしてきています。さらに2020年は新型コロナウィルスの影響により、会議や打ち合わせなどでオンラインを活用するケースが急増しています。
社員教育に欠かせない企業研修も例外ではありません。これまでは集合研修が主流でしたが、徐々にオンライン研修を検討・導入する企業が増えてくることが容易に想像できます。
オンライン研修にはeラーニングとWeb研修の2種類があり、ここではオンライン研修の中でもWeb研修の特徴やメリット、成功させる5つのポイントを解説しています。
▼ オンライン研修のおすすめ研修会社をお探しの方はこちらの記事をご覧ください。
オンライン研修とは?プログラム例やおすすめの内容を紹介
オンライン研修のメリット
オンライン研修とは、PC、タブレット、スマホなどでWeb会議システムを使って講座を開催します。集合研修にはないメリットがたくさんあります。
準備時間とコストが減らせる
研修のための特別な会場を準備する必要はなく、社内の会議室やオフィススペースなどに分かれて参加することができます。会場費や会場までの交通費の削減になります。
就業時間への影響が少ない
オンライン研修の場合は、1回の研修時間が短く設定されていることが多く、また社内でできるため、集合研修よりも仕事への影響が少ないのもメリットです。
集合研修の場合は、社員全員が集まるため1日かかりの研修が多くなりがちですが、オンライン研修の場合は業務を1時間短縮して受講するということができます。
当サイトがインタビューした企業の声
定休日がないため、全員での研修が難しく、これまでは代表者1名が受講したり、グループ分けして時期をずらして受講していた。
オンライン研修は就業時間後に自店にいながら全員で受講できた。
場所にとらわれず全国(海外)から参加できる
支店や営業所を複数持っている企業では、研修会場までの移動や必要に応じて宿泊先の手配など、様々な準備が必要でした。
オンライン研修は各支店や営業所で受けられますし、テレワーク中の社員も自宅で受けることが可能です。
どこにいてもネット環境さえあれば受けられるため、場所による制限がありません。
当サイトがインタビューした企業の声
コロナの影響を考慮して急遽オンライン研修に切り替えた。意外と集合型との大きな違いはなかった。交通費や手続きの手間を考えると、コストパフォーマンスが良い。
録画による保存が可能
使用するWeb会議システムによっては、録画が可能なため研修内容を保存し、必要な時に見直すことができます。
全員参加の研修が難しい場合でも、都合の良い時に受講できるため、社内全体で研修内容を共有できます。
オンラインならではの演出ができる
画像や映像を効果的に使った研修がおこなえます。
集合型の研修では、席によってはスライドが見えにくかったり、音声が聞こえにくいことがありました。オンライン研修の場合は、どの場所からでも目の前のモニターから画像や映像を見ることができます。
画像や映像や音楽がよりよい条件で届けられるため、受講者の理解度が高まります。
ZOOMサポート担当者様に聞いた企業の声
集合型だと見にくいこともある資料が個々のPCで鮮明に見えるのでより理解が進んだ。
オンライン研修で準備すべきもの
オンライン研修を開催する際は、次のものを準備する必要があります。
Web会議システムの決定
Web会議システムの種類は増えており、アプリのダウンロードが必要なもの不必要なもの、接続できる人数、料金、録画機能、資料等の共有機能など、提供されているサービスや特徴が違います。
各システムの情報を整理し、自社にあったところを選ぶようにします。
PC、インターネット環境
スマホやタブレットでもオンライン研修は受けらますが、企業研修の場合は人数分のPCがあるほうが研修に集中できます。
安定したインターネット環境も必要ですので、大人数が接続しても問題がない環境を整えましょう。
Webカメラ、ヘッドホン
PCにカメラがついている場合は不要ですが、ついていない場合はWebカメラを準備します。
PCについているマイクですと周りの雑音等で聞き取りにくいことがありますので、ヘッドホンかイヤホンがあると良いでしょう。
大画面モニター
PCを人数分準備するのが難しい場合は、大画面モニターやスクリーンを使います。
受講生の様子はPCやカメラを使い映し出します。講師から受講者一人ひとりの様子はわかりにくくなりますが、受講者には講師は見えますので、研修には大きな支障はありません。
オンライン研修の効果を上げる5つのポイント
オンライン研修で本当に効果があるのか?という不安を抱くかもしれませんが、成功のポイントをおさえることで効果的な研修が可能です。
1回の時間を短く設定する
オンラインでは研修内容が単調になりやすく、目の前に講師がいないことで緊張感が薄れてしまいます。
集中力も続きにくいため、1回の研修時間を2時間程度にすると良いでしょう。そして45分から60分に1回10分~15分の休憩を挟むのが理想です。
長くても半日間を目安に計画を立てるようにします。
事前にPCやインターネット環境を確認する
オンライン研修で起こりやすいトラブルとして、インターネットがつながらない、音声が途切れる、画面が固まるなどがあります。
前日までに、インターネットがつながるかどうか、Web会議システムのアプリがダウンロードされているか、マイクやスピーカーが使えるかをチェックしておきましょう。
当日は研修開始10分前にはすべてのPCが研修を受けられる状態にします。
受講者全員が社内にいる場合はサポートができるので良いのですが、テレワークで近くにいない場合は、電話やオンラインで接続の状態を確認しましょう。
顔出し受講にする
受講者の画像を映さずに、音声のみで受講することも可能です。講師の姿が見られて、資料等があれば研修は進められます。
ですが、基本的に受講者は顔出し受講とすることが望ましいです。
オンラインでは集合研修よりも講師と受講者に距離ができます。画面越しでもお互いの顔が見えることで、距離が縮まり身近に感じることができます。
質疑応答の時間を必ず作る
集合研修の場合は全員が同じ空間にいるので、受講者の声が講師に届きやすいです。研修の途中でも質問しやすいですが、オンライン研修では同じようにはいきません。
そのため、質問のタイミングがわからずそのままになってしまう可能性があります。
研修の最初に質問は最後に受け付ける旨を説明し、必ず質疑応答の時間を作るようにしましょう。
補助役を決めておく
受講者全員がPCの扱いに慣れているとは限りませんし、Web会議システムの使い方を知っているわけではありません。
オンライン研修導入したばかりの時は、何かしらのトラブルは付きものです。
不測の事態が起こった時に速やかに対処できるように、進行役の他にPCのサポート役を決めておくとスムーズに研修が進みます。
サポート役は研修担当者というよりも、PC操作とWeb会議システムを理解している人が適任です。
多様化した働き方でも研修は実現できる
オンライン研修は場所にとらわれることなく参加することができるため、働き方の多様化が進む現代にとても便利な研修方法です。
求めている効果が得られるのか、導入の流れが良くわからないなど、不安もあると思います。
ですが、事前準備も必要なものもそれほど多くはありません。むしろ集合型でおこなうよりもコストも時間もかからないケースの方が多いです。
また、顔出しの受講をすれば、他の受講者の取り組み方が見えるとこもあり(もちろん自分も見られる)、かえって集合型よりも真剣な姿勢で参加する傾向もあります。
社員の人材育成やスキルアップのために、質の高いオンライン研修を導入しましょう。