
管理職やリーダーとしてビジネスで活躍するためには、リーダーシップスキルを身につける必要があります。
たとえ営業などの実務で優れた成果をあげている方であっても、リーダーとして活躍するためには異なる力が要求されます。
この記事では、リーダーシップを身につけるために必要なポイントを解説したうえで、シチュエーション別におすすめの書籍を9タイトルご紹介いたします。
チームリーダーやその候補の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
リーダーシップを発揮するために必要なスキルとは?
リーダーシップを発揮するためには、どのようなスキルを身につけるべきかを理解する必要があります。
リーダーは、自分自身で営業や販売などの実務をおこなうことよりも、チーム全体が円滑に進むように努力しなくてはならないためです。
そのために特に必要となるスキルをご紹介します。
- 目標やビジョンを設定できる
- 円滑にコミュニケーションを図れる
- 若手や新人を育成できる
チームとして成果を高めるためには、メンバー全員が同じ方向を向いて力を発揮していかなくてはなりません。
各々がバラバラの方向を目指したり、特定のメンバーに依存したりする体勢は不健全です。
不健全な組織は、一時的に利益をあげられたとしても長期的に成功を収めることは難しいでしょう。
そして、健全なチーム運営のためには、リーダーがチームを引っ張っていかなくてはなりません。
優れたリーダーを目指す方は、まずリーダーとしての役割を理解する必要があります。
リーダーシップスキルを習得する方法
リーダーに必要とされるスキルは一般社員に求められるスキルとは異なります。
リーダーシップスキルを身につけるための出発点は、学び方を理解することです。
この章では、リーダーシップスキルを身につけるための4つのアプローチをご紹介します。
実務を通じて学ぶ
実務を通じてリーダーシップに必要なスキルを習得できれば、その場ですぐに利用できるため、とても実践的です。
さらに、業界や企業ごとに異なるルールを含めてやるべきことを身につけられます。
もしもリーダー候補の方がビジネスの基本を十分に備えていてリーダーの役割を正しく理解しているなら、効率のよい学び方であるといえるでしょう。
ただし、実務を通じて学ぶ方法には注意点もあります。最大のリスクは、失敗がそのまま企業の損失になってしまうことです。
例えば、リーダーシップの欠如により新人スタッフが育たなかったり、部下の退職を招いたりするなどのリスクが考えられます。また、業務中はどうしても日常のタスクに追われがちになるため、十分に知識やスキルの習得に集中できない点も懸念されます。
現場での知識のスキルは不可欠であるため、いかにほかの方法と補い合っていくかが重要です。
書籍で学ぶ
リーダーシップを身につけるための書籍も数多く販売されています。
書籍で学ぶ点の利点は以下のとおりです。
- ビジネスの第一人者や成果をあげている著者から理論を学べる
- 費用が安い
- 時間や場所を選ばずに学習できる
- テーマごとに体系立てて学べる
ただし、リーダーシップに関する書籍は数多く出版されているため、ご自身の課題にあった書籍を的確に選ぶ必要があります。
たとえリーダーシップに関する書籍であっても、ターゲットやジャンルが異なるものを選択すると効果的な学びを得られません。
書籍の選び方については次章でご紹介します。
シチュエーション別に書籍のポイントも記載しているため、書籍でリーダーシップを学びたい方はぜひ参考にしてください。
インターネット上のコンテンツで学ぶ
悩みや課題が明確になっている場合は、ブログ記事やYouTube動画などのインターネット上のコンテンツで学ぶことも可能です。。
インターネットコンテンツの最大のメリットは、大半が無料で利用できる点です。また、後悔されているコンテンツの中では、無料で利用できるものとは思えないほど、質の高い情報が公開されていることもあります。
ただし、注意しなくてはならないのは、インターネット上の情報の中には根拠が不明瞭なものや信ぴょう性が疑わしいものも含まれている点です。
インターネットの情報を閲覧する際には、どの情報を参考にするのかを判断する目が必要とされます。
研修・セミナーを受講する
リーダーシップを体系的に学びたい場合には、研修やセミナーを受講する方法もあります。
さまざまな研修・セミナープログラムが多くの研修会社から提供されているので、目的に合致した高品質な学びが可能です。
研修やセミナーは、予算・課題・ゴールに合致したものを選びましょう。
オンラインでのプログラムにするか、対面式のものを選ぶのかも重要なポイントです。
習得したリーダーシップスキルを定着させる方法
学習して身につけたリーダーシップスキルを使えるものにするためには、実践に近い形で知識を活用していくことが重要です。
特に、書籍やセミナーなどの社外のコンテンツを活用して知識を習得した場合、習得した知識をご自身のチームに置き換える必要が生じるケースもあります。
具体的な方法としてあげられるのは、以下の対策です。
- 書籍やセミナーなどによる学びをレポートにして提出してもらい、考え方や解釈にズレが生じていないかをほかのメンバー・上層部が確認する
- 学びのあとも定期的に状況や課題を確認して、チーム運営がうまくおこなわれていることをチェックする
- 単発ではなく継続的に学びの機会が得られる企業としての体制を整える
- フォロー体制の整っている研修プログラムを受講する
これらの具体策は、チームの状況や予算などに応じて自社にマッチしたものを選択していくとよいです。
いずれのケースにおいても共通するのは、1度書籍を読んで理解すれば十分であるとはいえないことです。また、リーダーが知識やスキルを高めていけばいくほど会社としての成長が期待できることです。
これらの点をふまえて、企業として総合的かつ長期的に対策を考える必要があります。
リーダーシップ関連書籍おすすめ9選
書籍からリーダーに求められる知識やスキルを身につけたい方におすすめの書籍を厳選して9冊おすすめします。
項目別にご紹介するので、課題や目的にあわせて参考にしていただけたら幸いです。
リーダーとしてこれから活躍する方におすすめの書籍
これからリーダーになるというタイミングでは、リーダーシップの基本を全般的に学ぶ必要があります。ここではリーダーになる予定が決まっている方、リーダーになったばかりの方におすすめの書籍をご紹介します。
自分の頭で考えて動く部下の育て方上司1年生の教科書|篠原 信
「自分の頭で考えて動く部下の育て方上司1年生の教科書」は、上司としてのリーダーシップの発揮の仕方を、肩の力を抜いて学べる1冊です。
○この書籍で学べる内容
- 「指示待ち部下」を「ほっといても成果を上げる部下」に育てる
- 「部下に答えを教えようとしない」「部下のモチベーションを上げようとしない」など従来とは異なるアプローチの部下育成法を学べる
- 配属初日から3年目までの対応や困ったときの対策など、内容が具体的に記載されている
上記のように、コーチング理論に基づいて著者の理論が展開されています。
リーダーとしてのあり方のイメージがつかめない方、方向性に迷っている方におすすめです。
世界一ワクワクするリーダーの教科書|大嶋 啓介
各界の著名人から絶賛されている「世界一ワクワクするリーダーの教科書」は、「ワクワクすること」がリーダーにとって重要なことだと解説しています。「ワクワクすること」は部下にリーダーの「生き様」を見せることでもあります。
○この書籍で学べる内容
- 部下の可能性を引き出す方法
- 困難に対する立ち向かい方
- チームとしての成果のあげ方
これらに共通する「楽しい」という感情を引き出すためのポイントをこの書籍から身につけられます。
「世界一ワクワクするリーダーの教科書」は、これからリーダーになる方もすでにリーダーとして活躍している方もおすすめの1冊です。
リーダーとしての行動を身につけられる書籍
リーダーシップを発揮するには、リーダーとしての行動や振る舞いを示す必要があります。
ここでは、リーダーの行動を学べる書籍をご紹介します。
人を動かす|D・カーネギー
D・カーネギーの「人を動かす」は日本で500万部を突破しているベストセラーです。ビジネス書としては異例の売り上げで、コーチングやリーダーシップのバイブルともいえる著作です。
○この書籍で学べる内容
- 人に好かれる方法
- 人を説得する方法
- 人を変える方法
ベストセラーというだけあり、とてもわかりやすくなおかつ実用的に書かれています。また、時代が変わっても通用する普遍的な内容が記載されています。
状況やシチュエーションにかかわらず、リーダーとして活躍するなら一度は読んでおきたい1冊です。
1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え|エリック・シュミット
「1兆ドルコーチシリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベル成功の教え」の著者であるエリック・シュミットは、アップルやグーグルなどの創業者たちの師です。
○この書籍で学べる内容
- 数多くの世界的企業の創業者から「師」とする著者の考え方
- リーダー・マネージャーの「人」としてのあり方
- 「最高のマネージャー」の条件
著者の肩書きが圧倒的であり、リーダーだけではなく経営陣にも役立つ知識・スキルが学べる書籍です。
また、アメフトコーチの経験者でありながら、優秀なプロ経営者でもある著者の言葉は、チームの成果に直結する実践的な学びにつながるでしょう。
できるリーダーは、「これ」しかやらない|伊庭 正康
「できるリーダーは、『これ』しかやらない」は、リーダーとして力を入れるべきところが学べる1冊です。頑張るポイントを変えることで、部下を覚醒させて部下が自ら動き一丸となって戦えるチームを作る方法を学べます。
○この書籍で学べる内容
- 部下の力をの伸ばす方法
- チームとしての力の高め方
- リーダーとしての決断の仕方
上記のようにマネジメントの具体的な手法を身につけられる書籍です。
リクルートでの営業リーダー経験のある著者によって書かれているため、とてもリアリティを感じながら読み進められるのではないでしょうか。
究極のリーダーシップ~ 最大の成果をあげるための10の極意|鴨頭嘉人
「究極のリーダーシップ~最大の成果をあげるための10の極意」は、YouTuberとして有名な鴨頭嘉人さんによる著作です。
YouTubeでの講演を見てもわかるように、シンプルかつわかりやすい言葉でリーダーシップ論が記されています。また、著者自身のマクドナルドなどでの経験などが数多く盛り込まれていることも特徴的です。
○この本から学べること
- リーダーとしての気持ちのあり方
- コーチングの方法
特にリーダーとしてのモチベーションが低下している方や、部下との接し方に悩んでいる方は、著者の実体験が参考になるのではないでしょうか?また、店舗や小売業のリーダーにもおすすめの一冊です。
リーダーとしてのマインドや考え方を学べる書籍
リーダーとしてのスキルや知識は十分に身についていても、スタンスや考え方によって成果があげられない場合があります。ここでは、リーダーとしてのマインドや考え方を学べる書籍をご紹介します。
「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方|岩田 松雄
「『ついていきたい』と思われるリーダーになる51の考え方」は、誰もが頑張ればリーダーになれることを主張しています。そのための51の具体的な方法が項目別にまとめられています。
○この書籍で学べる内容
- リーダーとしての基本的な考え方
- 著者の経験に基づいた部下がついてくるリーダーとしてのあり方
本作全体をつうじて、「リーダーは弱くてかまわない」とのスタンスで書かれています。
著者自身がコカコーラやスターバックスなどの世界を代表する企業で役員として活躍をした経歴をもっており、その事実が内容の信頼性を高めています。
なぜ、あなたがリーダーなのか新版|ロバート・ゴーフィー/ガレス・ジョーンズ
「なぜあなたがリーダーなのか」は、行動経済学の専門家であるロバート・ゴーフィー氏によって著されました。
著者のいうリーダーシップの鍵は「自分らしさ」です。
リーダーが自分自身と向き合い、得意なことを深く掘り下げることでリーダーとしてのあり方が見えてくるといいます。
○この書籍で学べる内容
- 部下にリーダーとして認められるための振る舞い・行動
- チームに意見や考えを伝える方法
- 状況に応じたリーダーとしての対応
自分に向き合うことは、情報があふれている現代においては流れに逆境する考え方でもあります。
リーダーシップの旅|野田智義/金井寿宏 光文社
「結果としてリーダーになる」
誰もが最初から会社のために社長や管理職になりたくてなるわけではない、という事実をふまえ、「リーダーシップの旅」は自らが選択して行動することの重要さを解説しています。
「リーダーシップの旅」は、著者のリーダーシップ論が詳しく記載された新書です。
東京大学卒業後に日本興業銀行での勤務やロンドン大学での助教授などの経験を経た著者が、アカデミックな理論にも戸津知恵持論を展開しています。
○本書で学べること
- リーダーへの興味・関心を持つ方法
- リーダーシップの必要性
- リーダーシップの磨き方
新書なので手軽に学べる点も魅力です。
リーダーシップ関連書籍一覧
嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え
イシューからはじめよ──知的生産の「シンプルな本質」
リーダーの仮面「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法
心理的安全性のつくりかた
ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」
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