マネージャー

組織の中には、『リーダー』『マネージャー』という役割が存在します。両者には明らかな違いもあり、共通点もあります

リーダーもマネージャーも組織においてとても需要な役割を担っています。どちらの役割も、その素質がない人がなると個人も組織も大きな損害となります。

両者の違いを抑え、誰をリーダにするのか、自分であればどちらが適任か考えながら最後までお読みください

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リーダーとは

まずはリーダーについての役割や特性を見ていきます。歴史上の有名な人物や今現在活躍されている人たちの多くが”リーダー”と称されています。

理想のリーダー像の調査では次のような結果が出ています。

1位 ソフトバンクグループ株式会社代表取締役会長兼社長 孫正義氏

2位 京セラ・KDDI創業者 稲盛和夫氏

3位 株式会社ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長 柳井正氏

日本を代表する企業の創業者・代表であり、柔軟な思考と行動力を持ち、社員のやる気を引き出す、そんなイメージを持つ方々が選ばれています。

リーダーの役割

リーダーとは、組織の中で先頭に立ちメンバーが安心して進めるように方向性を示す人のことをいいます。

組織の目標を達成するために、確実に歩みを進めることが役割です。時には今までのやり方を打ち破り、新しい方法を示す革新的な要素を持ち合わせています。

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リーダーに必要なスキル

課題を察知する能力

目標達成を阻む因子、課題、問題を適切に判断し、解決するための方法を示すことがリーダーには求められます。

予定通りに進まなない時に、状況に合わせて柔軟に軌道修正し、メンバーに安心と自信を与えることが必要です。

統率力

仕事には様々な人が関りを持ちます。

同じような考えや行動のパターンを持っている人だけが集まることは稀です。そのため人を選ばずまとめあげる能力が必要になります。

ひとりでも違う方向を向いてしまうと、目標を達成することが難しくなります。

カリスマ性

リーダーは人を惹きつけるカリスマ性が必要です。

持って生まれた資質と思われるかもしれませんが、人間力を上げることでカリスマ性を作り上げることができます。

この人についていこう!この人と一緒なら大丈夫!という思いを周囲に持ってもらうために信頼される人であることが大切です。

リーダー向きの人の特徴

リーダーに向いている人は次のような特徴を持っています。

・勉強熱心
・行動力がある
・辛抱強い
・失敗を恐れない
・好奇心がある
・端的な話し方ができる
・前向き

人を引っ張っていくためには、様々な分野の知識を持っている必要があります。もちろんチームメンバーから話を聞いたり、アイディアを出してもらうことはありますが、最終的に判断するのはリーダーです。

知識や経験がなければ判断もできませんので、勉強や好奇心は大切です。

マネージャーとは

次にマネージャーについてです。先程のリーダーの章のように「この人だ!」と思い浮かぶ有名人が居ないため、具体的に想像するのが難しいです。その理由は役割や特徴を知ると納得できます。

経営学者のP.F.ドラッカーは、組織におけるマネジメントとは次の3つの事をおこなうことだと言っています。

・仕事を通じて社会に貢献する
・人を生産的にする
・社会的責任を果たす

企業がこれらをおこなえるように、中心的な役割を担うのがマネージャーです。

参考サイト:drucker-studies.com”マネジメントの3つの役割

マネージャーの役割

マネージャーとは、秩序にのっとりながら組織のメンバーが個々の強みや能力を発揮できるようにサポートする人のことをいいます。

組織としてのミッションを、期限内に確実に終わらせるための管理をおこなうのが主な役割です。

マネージャーに必要なスキル

目標設定力

マネージャーはいわば総監督です。

全員で目標を共有できるようにしなければなりません。そして、全体の目標に到達するためにメンバー個々の目標設定のサポートもします。

人材育成

目標達成にはチームメンバーの総合力が不可欠です。

必要な人材を育てるとともに、それぞれの特性を把握し能力が発揮できる仕事を割り振ることもマネージャーの役割になります。適材適所を見極める目も必要です。

評価する力

プロジェクト終了後には、チームメンバー個々の努力や動き、結果などについて評価をします。そして組織全体の評価と合わせて、これまでの経過や結果について考察します。

これらは次のプロジェクトメンバーを構成するためにも必要で、戦略を立てる重要なプロセスなのです。

マネージャー向きの人の特徴

マネージャーに向いている人は次のような特徴を持っています。

・目標達成への執着心
・サポートに徹することができる
・視野が広い
・冷静である
・情報収集が得意
・教えることが好き

現場で実際に動くリーダーに対してマネージャーは指示を出す人です。そのため自分が率先して行動をするのではなく、後方支援できる人の方が向いています。

目標設定のために必要な情報収集も必要になるため、流行や世の中の動きに敏感であることが求められます。

リーダーとマネージャーとの違い

リーダーとマネージャーとの違いは、実行者か管理者かという点です。

リーダーとは、組織の課題の明確化と目標設定をして、チームを引っ張っていく実行者のことです。リーダーは部下の身近な存在であり、手本となり信頼される存在にならなければいけません。

一方のマネージャーとは、組織活動が規則を守り、正しい方向へ導く存在のことです。組織全体の意思を理解し、戦略や指針通りに進んでいるかを管理します。また、構成員の教育を行い、組織全体の底上げをする役割も担っています。

リーダーとマネージャーは共に組織の将来を左右する重要な存在なのです。

リーダーとリーダーシップについて

リーダーシップとは、leader(指揮者、筆頭者)とship(率いる、舵取りをする)が組み合わされた言葉です。組織が成長するための課題分析・問題解決能力、チームを引っ張っていく統率力を表しています。

簡単に言うと、リーダーに求められるスキルがリーダーシップであるということ。

またオーストラリアの経済学者ピーター・ドラッガー(Peter Ferdinand Drucker)は、リーダーシップについて、以下の考えを示しています。

リーダーシップは生まれつきの才能で左右されない
仕事として捉えることが重要

このことからリーダーシップとは、才能がないと言い訳をせず、組織を成長させるための仕事としてチームを引っ張っていくスキルのことです。

9つのリーダーシップ理論

リーダーたち
これまでの章でリーダーとリーダーシップについて解説しました。
そこでこの章では、以下9つの具体的なリーダーシップ理論について紹介します。

  • アダプティブリーダーシップ
  • SL理論
  • PM理論
  • コンセプト理論
  • サーバント・リーダー
  • マネジメント・システム論
  • マネジリアル・グリッド論
  • リーダーシップ類型
  • リーダーシップ(ダニエル・ゴールマン)

それぞれの理論の違いから、組織における最適なリーダーシップがどのようなものかを考える参考にしてください。

アダプティブリーダーシップ

アダプティブリーダーシップ(適応型リーダー)とは、ロナルド・A・ハイフェッツにより提唱されたリーダーシップ理論のことです。著書である「最前線のリーダーシップ」で組織の課題は、以下の2つに分類されると定義しています。

  • テクニカル・プロブレム(技術的問題)
  • アダプティブ・チャレンジ(適応課題)

そして技術的問題は量的であるのに対して、適応課題は質的であると定義しています。組織において重要なのは、適応課題を管理していくことであり、リーダーシップに必要な力になると考えられています。

参考:BCG『アダプティブリーダーシップ』

SL理論

1977年にハーシィ(P.Hersey)とブランチャード(K.H.Blanchard) により提唱されたリーダーシップ理論の1つです。
部下の性質を「仕事志向」と「人間志向」の2つの視点から捉え、以下の内容の有効性が異なると示しています。

  • 指示決定の指導の強弱
  • 説得・参加型スタイル

また部下の成熟レベルで以下の4つのリーダーシップが有効であると示しています。

  • 教示的リーダーシップ(成熟度が低い)
  • 説得的リーダーシップ(成熟度が上がり始めた)
  • 参加的リーダーシップ(成熟度が上がった)
  • 委任的リーダーシップ(自立できるレベルまで成熟した)

部下を分類してリーダーシップの有効性を考える理論です。

参考:株式会社インヴィニオ『SL理論(Situational Leadership Theory)』

PM理論

1966年に日本の社会心理学者である三隅二不二が提唱したリーダーシップ理論です。
PM理論では、リーダーシップ能力は以下の2つで構成されています。

  • 目標達成能力(Performance)
  • 集団維持能力(Maintenance)

目標達成能力とは課題の分析と目標設定をして、チームが行動するための指示を出す能力のことです。集団維持能力とはチームが課題の解決をスムーズに遂行できる良質な人間関係作りと、チームの結束力を高める能力のことです。

これら2つの能力が備って初めてリーダーシップが成立します。

参考:株式会社インヴィニオ『PM理論(PM Theory of Leadership)』

​​​​​​コンセプト理論

コンセプト理論とは、条件適合型理論を前提に提唱されているリーダーシップ理論です。
条件適合型理論とは、組織の経営状況や構成員の関係性など組織環境に合わせた行動が、リーダーシップの効果が発揮されるというものです。
このことを踏まえて提唱されたコンセプト理論には、以下があります。

  • カリスマ型リーダーシップ
  • 変革型リーダーシップ
  • EQ 型リーダーシップ
  • ファシリテーション型リーダーシップ
  • サーバント型リーダーシップ

参考:(論文:立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科 特任教授安部 哲也(あべ てつや))

サーバント・リーダー

サーバント・リーダーシップとは、グリーンリーフ(Greenleaf)により提唱されたリーダーシップ理論のことです。
最終決定権のあるリーダーは、メンバーを支援して人格的な成長を促す一方で、メンバーからのサポートがあって初めて成立する立場であると考えられます。そして人間関係が良好出ないと、顧客ニーズを満たした商品やサービスが提供できないのです。

リーダーとメンバーの関係によりリーダーシップは支えられています。

参考:(論文:桜美林大学大学院 国際学研究科 博士後期課程劉 炳燮)

マネジメント・システム論

マネジメント・システム論とは、1961年にミシガン大学社会調査研究所所長のリッカート(R.Likert)により提唱された理論です。
リーダーシップを以下の4つの管理システムに分類しています。

  • 権威主義・専制型(徹底した課題志向)
  • 温情・専制型(課題志向寄り)
  • 参画協調型(課題志向と人間関係志向の比重が同じ)
  • 民主主義型(課題志向より人間関係志向を重視)

これら4つの管理システムに分類すると、組織における生産性の高低の違いが明らかになります。

生産性の高い組織は、部下の人間性を踏まえた「部下中心型」の組織の形成ができています。一方で生産性の低い組織は、生産性を上げることだけに注力して、圧力的な「課題志向型」の組織の形成を行っていることがわかりました。

参考:株式会社インヴィニオ『リッカートのマネジメント・システム論』

マネジリアル・グリッド論

1964年にブレイク(R.R.Blake)とムートン(J.S.Mouton)により提唱されたリーダーシップにおける行動論のことです。
リーダーシップの行動を以下の2つに分類しています。

  • 人間に対する関心
  • 業績に対する関心

これら感心の度合いから典型的な5つのリーダーシップ類型を導き出しました。

  • 放任型リーダー(人間・業務のどちらにも興味がない)
  • 人情型リーダー(人間性を重視)
  • 権力型リーダー(生産性を重視)
  • 理想型リーダー(人間にも業務にも興味がある)
  • 妥協型リーダー(間にも業務にもほどほどに興味がある)

参考:株式会社インヴィニオ『マネジリアル・グリッド論(The Managerial Grid Model)』

リーダーシップ類型

リーダーシップ類型とは、アメリカの社会心理学者レヴィン(K.Lewin)がアイオワ大学で行った研究結果に基づいて提唱したリーダーシップの行動論のことです。

リーダーシップを以下の3つのに分類しました。

  • 専制型リーダーシップ(リーダーが部下へ指示を行う)
  • 放任型リーダーシップ(リーダーは部下への指示に関与しない)
  • 民主型リーダーシップ(チームの意向を踏まえた決定を行う)

そしてこれら3つの分類からレヴィンは、民主型リーダーシップが「作業の質」「作業意欲」「有効な行動」の面から有効であると結論づけました。

参考:株式会社インヴィニオ『レヴィンのリーダーシップ類型』

リーダーシップ(ダニエル・ゴールマン)

1995年にアメリカの心理科学者ダニエル・ゴールマン(Daniel Goleman)はリーダーシップを6つに分類しました。

  • ビジョン型リーダーシップ
  • コーチ型リーダーシップ
  • 関係重視型リーダーシップ
  • 民主型リーダーシップ
  • ペースセッター型リーダーシップ
  • 強制型リーダーシップ

リーダーは、これら6つのスタイルを単独もしくは複数同時に使っていると提唱しています。

参考:四国地区大学教職員能力開発ネットワーク『リーダーシップのスタイル  byダニエル・ゴールマン』

組織のリーダーにこれから求められること

時代の流れとともに両者に求められることは変わってきており、今後さらに必要とされるスキル、考え方があります。

センスメイキング

目の前で起こっている事象を察知し、状況を理解し、良い方向に進むために積極的な行動につなげることをセンスメイキングといいます。

決断を迫られた時に、冷静で客観的な解釈があることで、周囲は納得します。そして行動への意味づけをすることで、自信を持って1歩を踏み出すことができます。

想定外のことが次々と起こる現代で、これまでの経験だけでは判断できないことが出てきます。その時にいかに周囲を納得させられるか、そして自ら行動する気持ちになれるか、それを促すことが求められています。

多様性の受け入れ

年齢、性別、国籍、宗教、文化、キャリア、仕事、ライフスタイルなど、様々な違いを否定することなく、受け入れる柔軟性が求められます。

世界的に社会情勢が変化していく中で、既存の思考や文化、やり方に囚われていては取り残されてしまいます。時代に合わせた人や物を受け入れる積極性が、企業の今後を左右します。

コミュニケーション力

2020年は企業にとっても個人にとっても変化の大きい1年でした。

顔を合わせておこなうことが当たり前だった会議や打ち合わせ、営業までもがオンライン化を迫られました。

部下や社員の評価も、目の前で仕事している姿が見えない中でおこなわなければなりません。

同じ空間にいることで言葉以外から感じられることも、オンラインでは感じにくくなります。そのため、今後は今まで以上に丁寧な会話が大切になり、コミュニケーション力が試されてきます。

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優秀なリーダーを育成する3つの方法

優秀なリーダーを育成するためには、以下の3点を考える必要があります。

  1. リーダー教育の目標とゴールの設定
  2. リーダーを選ぶ基準の明確化
  3. 研修の活用で効果的なリーダー育成をする

優秀なリーダーとは知識やスキルがあり、自分が組織にどのように貢献できるかを理解している人のことを示します。

効果的なリーダー育成をするために、ぜひ参考にしてください。

1. リーダー教育の目的とゴールの設定

リーダー教育の目的とゴールの設定をしましょう。
人間は目的とゴールがないと行動しない生き物だからです。そしてリーダー育成においても同様のことが言えます。

育成する目的を考えるには、企業が抱える課題を明らかにして、どのようなリーダーなら解決できるかを考えると良いでしょう。つまり組織の抱える具体的な課題を解決できることこそ、リーダーを育成する目的になります。

ゴールの設定は優秀なリーダーの育成ではなく、育成したリーダーが組織に貢献することです。闇雲にリーダー教育をしても結果は出ないため、まずは教育目的とゴールの設置をしましょう。

2. リーダーを選ぶ基準の明確化

組織がリーダーにしたい人の基準を明確にしましょう。

組織の求めるリーダー像が明らかになっていないと、育成する方向性が定まらないからです。また実際に人事担当者が間違った選出をする危険性もあります。具体的には、実績や資格などのハードスキルに加えて、性格や人間関係、将来ビジョンなどのソフトスキルを総合した評価基準を設けると良いです。

また、すでにリーダー業務をしており、組織に貢献している人を参考にすると、より具体的なリーダーの基準が浮き彫りになります。

3. 研修の活用で効果的なリーダー育成をする

なぜ人材の育成に研修が有効であるかを皆さんは知っていますか?
研修でリーダー育成をするメリットは、以下の4つです。

  • 組織の方向性に沿った内容の統一ができる
  • 社員の評価にも活用できる
  • 具体的なアドバイスや指導がしやすい
  • 組織の士気を高め、足並みを揃えやすい

リーダーのようにチームを統率する人材を育成するには、まず統一された教育が必要です。リーダーになる人材がそれぞれ違う方向へ進んでは、組織として成長できないからです。

対象者が一斉に集合し、教育内容を共有できる研修は効果的です。また、研修を通して、個人のソフトスキルの評価ができるため、より適切な人事の検討もできます。

これら様々なメリットを考慮すると、リーダー育成に研修を活用するのは非常に有効的であると言えるのです。

良きリーダー、良きマネージャーを育てる

心強いリーダー
リーダーもマネージャーも、企業が目標をクリアするために行動する立場であることには変わりはありません。

同じ方向を見て協力し合うことで、さらに良い結果が得られます

良きリーダー、良きマネージャーを育てることはいつの時代も企業の大きな課題であり、するべきことなのです。

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