業務に必要な知識やスキルを身につける

研修期間とは、新入社員が必要なスキルや知識を身につけるための期間です。

この間にビジネスマナーや企業文化の理解、社会人としての自覚を高める研修が行われます。また、試用期間と異なり、研修期間は特定の技能を学ぶことが主目的であり、通常業務は行わないのが一般的です。

この記事では研修期間と試用期間の違いや、研修実施時のコツや新入社員向けの研修の例などを紹介します。

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研修期間とは?

研修期間とは、働くために必要なスキルや知識を習得する期間です。マナーやビジネススキルを講義やロールプレイを通して身につけます。また、自社の事業内容や企業文化への理解を深めたり、社会人としての意識を高めたりする研修も行います。

さらに、新入社員同士が研修期間を一緒に過ごすことで、つながりを深めるとともに、成長できる仲間を作るためにも必要な期間です。

研修期間を通して、企業は新入社員のスキルアップと意識変容、人間関係の形成をサポートしていくことが求められます。

試用期間と研修期間の違い3つ

研修期間に似た言葉として「試用期間」が挙げられます。試用期間とは、採用することを前提として、本採用をするかどうかを判断する雇用期間を指します。

いずれも入社間もない状態であり、業務に慣れていない期間という点では似ていますが、どのような点が異なるのでしょうか。

違い①:期間を設ける目的

研修期間と試用期間の違いは、企業側がその期間を設ける目的にあります。研修期間は「業務に必要な知識やスキルを身につける」ということが目的です。一方で、試用期間は「業務能力や適性、社風に合うかどうかを見極める」ために設けられます。

つまり、研修期間はその後の採用が確定しています。一方で、試用期間は採用が前提ですが、明確には保証されていない状態といえます。

ただし、いずれも正当な理由なく解雇はできません。ルール違反や採用面接時の虚偽報告など、社員に重大な過失が認められないと、不当解雇になる可能性があるため、扱いには注意が必要です。

違い②:通常業務の有無

通常業務を行うかどうかも、試用期間と研修期間の違いの一つです。試用期間中は、業務への適性をチェックするため、通常業務を行います。一方で、研修期間は基礎知識や技術を学ぶことが中心で、通常業務は行わないことが一般的です。

違い③:必要な期間

研修期間と試用期間の長さにも違いがあります。研修期間は数週間~3カ月未満が一般的ですが、試用期間は1~6カ月が多いでしょう。自社への適応や業務適性を見極めるためには、一定の時間が必要なため、試用期間の方が長くなる傾向があります。

また、研修期間は採用時に期間が決められているのに対し、試用期間は延長される可能性があります。試用期間終了となっても、本採用に至る判断を保留する場合に延長されることがあるでしょう。

違いのポイント 研修期間 試用期間
期間を設ける目的 業務に必要な知識やスキルを身につけることが目的。 業務能力や適性、社風に合うかどうかを見極めるために設けられる。
通常業務の有無 基礎知識や技術を学ぶことが中心で、通常業務は行わないことが一般的。 業務への適性をチェックするため、通常業務を行う。
必要な期間 数週間~3カ月未満が一般的。 1~6カ月が多く、試用期間は延長される可能性がある。

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平均的な研修期間と期間ごとの研修例

新入社員に対する研修期間は、3カ月未満が一般的です。しかし、業種や職務内容によっても必要な研修期間や教育形式は異なります。特に、専門的なスキルが必要な職種ほど、長い期間が必要です。

一般的に多い2週間、1カ月、3カ月という3つの期間で研修を行う場合の具体例について解説します。

2週間:基礎的な研修が中心

2週間の研修期間は、ビジネスマナーや自社の事業内容の理解など、基礎的な内容が中心となります。配属部署での実務的な内容まではカバーすることが難しいでしょう。

短期集中で研修を行うことにより、研修担当者の負担や教育コストを削減できるというメリットがあります。担当者は、通常業務を行いながら、研修を実施することも可能でしょう。

一方で、新入社員は短期間で多くの内容を学習しなければならないこともあり、負担が増大する可能性があります。また、短期間では専門的なスキルの習得も難しいといえます。

営業職など座学よりも現場での経験が重要な職種では、2週間の研修期間が適しているでしょう。また、メンター制度などフォロー体制が整っている企業も、短期間での研修後、丁寧にOJTを行えばコストを抑えられます。

1カ月:基礎に加えて実務も学べる

ある程度の専門知識やスキルが必要とされる職種で多い研修期間です。ビジネスマナーや事業内容など基礎知識に加えて、実務に直結する内容も盛り込めるほど、十分な期間といえるでしょう。また、3カ月に比べると負担やコストも軽減できます。

一方で、高度な専門知識が求められる職種では、1カ月では短い可能性があります。配属先で用いられている用語や業務の流れがわからず、現場社員に負担をかけてしまう恐れがあるでしょう。

3カ月:充実したカリキュラム

ITや金融などの高度な専門性が求められる業種では、3カ月ほどの研修期間が必要でしょう。3カ月の研修期間では、資格取得を期待できるほどの充実したカリキュラムが組めます。また、研修期間内で、学習の遅れが生じても、柔軟に調整することも可能です。

一方で、研修にかかる担当者の負担や教育コストが大きいことが懸念点だといえます。負担が大きい場合は、OJTと組み合わせながら段階的に行うなど、柔軟に対応するとよいでしょう。

また、新入社員側も、仕事をしている感覚や成長の実感を持ちにくくなる可能性があります。研修期間に先輩社員との交流会を行ったり、成長を振り返るワークを行ったりするなど、モチベーションを維持する取組が必要です。

↓ 新入社員研修のおすすめ研修会社はこちらの記事にて紹介しています。本記事と合わせてご確認ください。

新人研修の期間や内容を決める3つのポイント

新入社員研修の期間や内容は、どのようにして決めると効果的なのでしょうか。

  1. 研修目的の明確化と共有
  2. 適切な研修期間設定
  3. アフターフォロー体制の構築

以上の3つのポイントを意識しながら研修期間を決定すると、密度の高い研修を行えるでしょう。

1.研修目的の明確化と共有

研修期間の中で、新入社員に企業として何を身につけさせたいかを明確化することが大切です。一人前の戦力として活躍するために、何を身につけるべきかは企業によって異なります。現場の意見や過去の事例などを参考にしつつ、考えていくとよいでしょう。

また、研修でどの段階までを習得させるかを決めておくことも重要です。例えば、座学で専門知識を学んでから実務に臨むか、研修は最低限で実務をしながら学ぶかなどの方針を決めましょう。そのためには、配属先で必要なスキルから逆算して考えることが有効です。

そして、研修目的は新入社員とも共有しておきましょう。成長のゴールが明確になり、モチベーションを維持しやすくなります。

2.適切な研修期間設定

研修期間は、長すぎず短すぎない期間設定が重要です。研修期間が短すぎると、期間内に十分な知識やスキルを得られないままの配属となってしまいます。現場社員の負担が増大したり、新入社員の職場不適応につながったりするなどの問題が生じかねません。
 
一方で、長すぎると、新入社員のモチベーションを維持しにくいでしょう。研修担当者の負担も大きく、通常業務と並行するのが難しくなる可能性があります。

期間の目安がわからない場合、同業種や同職種の平均的な期間を参考にすることがおすすめです。平均的な期間で実施し、新入社員の理解度をチェックしたり、現場の意見を聞いたりしながら、最適な期間を模索していきましょう。

3.アフターフォロー体制の構築

研修期間後のアフターフォロー体制についても、きちんと考えておく必要があります。新入社員が、研修で得た学びやスキルを再確認し、問題点や改善点の改善や目標設定を行うことが目的です。

配属後は、どのように役に立てばよいかわからず、なじめないといった悩みを抱える新入社員も少なくありません。配属後1~3カ月以内は、新入社員に変わった様子がみられないか、丁寧にフォローすることが大切です。

具体的には、配属後3カ月以内に集合研修を行い、実際の業務での様子を共有し研修時と現在の姿を比較できるとよいでしょう。新入社員は、研修時よりも成長している実感を持てたり、不足している部分を自覚できたりするなど、モチベーションを高めながら仕事に取り組めます。

おすすめの新人研修テーマ例

新人研修は、どのようなテーマで行うと効果的なのでしょうか。代表的な3つのテーマを紹介します。

テーマ①:ビジネスマナー

挨拶や言葉遣い、名刺交換、メールの書き方などの社会人としてのビジネスマナーを学習します。

ビジネスマナーを身につけるには、ただ学習するだけでなく、個々のマナーの必要性を理解することが重要です。ビジネスマナーに沿った行動は、他者と気持ちよくコミュニケーションを取る土台作りであることを意識づけられる内容にすると効果的でしょう。

また、研修で学んだビジネスマナーを実践するには、習慣化することが大切です。研修においては、ロールプレイを取り入れながら、自然に振る舞えるまで練習できるようにしましょう。

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テーマ②:コミュニケーション

仕事におけるコミュニケーションについても、研修できちんと学習することが大切です。仕事で求められるコミュニケーションはプライベートのものとは異なります。社内メールの書き方や上司への報連相の仕方などを身につけることで、配属後の適応をスムーズにします。

また、顧客の応対時のやりとりやクレーム対応など、社外のやりとりについても、ロールプレイを行いながら身につけるとよいでしょう。

具体的な内容については、実際の仕事をイメージできる内容を盛り込むと効果的です。例えば、以下のようなスキルやテーマが挙げられます。

  • 報連相について:連絡と報告の違い
  • 相手が話しやすいと感じる聴き方
  • 上司に話しかけるタイミング
  • 依頼するときのクッション言葉

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テーマ③:ロジカルシンキング

ロジカルシンキングとは、物事を論理的に考えるスキルです。論理立てた説明やPDCAサイクルを活用した思考法など、論理的思考力を学ぶことも、新入社員の研修として大切です。

ロジカルシンキングの向上により、話の本質を理解でき、相手にわかりやすく説明できるようになるでしょう。上司が教えたことの本質をスムーズに理解でき、成長速度が向上するでしょう。

ロジカルシンキング研修は、実務やコミュニケーションに役立ちますが、入社直後は基礎的な研修を優先させる方がよいでしょう。入社後2~3カ月後のタイミングで取り入れることがおすすめです。

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