「ホテルのおもてなしって?」「ホテルのおもてなし力を高める方法が知りたい」
ホテルの経営者や人事担当者には、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ホテルにおけるおもてなしについて、サービス・ホスピタリティとの違いや、具体例などを解説します。ホテルのおもてなし力を高めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- おもてなしとサービス・ホスピタリティの違い
- ホテル業界でおもてなしが重要視されている理由
- ホテルのおもてなしの具体例
- ホテルのおもてなし力を高める方法
ホテルのおもてなし力を高めるには、研修の実施がおすすめです。ホテル業界向け研修では、実践形式のトレーニングを通じて、お客様のタイプやシチュエーションごとに最適なおもてなしを提供するスキルを身につけられます。
キーセッションでは、さまざまなホテル業界向け研修を紹介可能です。無料で相談できるため、ホテルでのおもてなしに悩んでいる方は、ぜひお気軽にお問合せください。
ホテルには世界中から、国籍、性別、年齢を問わずたくさんのお客様が訪れます。すべてのお客様へ最高のホスピタリティを提供するには、その基盤となる知識や技術が必要不可欠です。
新卒でホテルのオープニングを経験し、以降17年間ホテルマンとして現場でホスピタリティを体現。ホテルマン時代には、ベルマン、フロント、販売、バンケット、企画、宴会予約、ウェディングなど様々なセクションを経験し、ウェディング支配人時代には、ハード・ソフト両面で改革し、日本のホテルウェディング売上増部門で帝国ホテルを抜いて全国第1位となり、地方ホテルとしては異例の日本一を実現した。
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ホテル業界のおもてなしとは?
ホテル業界のおもてなしとは、お客様に対して心のこもったサービスを提供し、快適に宿泊してもらうことです。
では、「おもてなし」と「サービス」や「ホスピタリティ」にはどのような違いがあるのでしょうか。
- おもてなしとサービスの違い
- おもてなしとホスピタリティの違い
それぞれの違いを詳しく解説します。
おもてなしとサービスの違い
おもてなしとサービスには、もてなされる側ともてなす側の関係に違いがあります。
サービスは、もてなされる側ともてなす側に主従関係があり、基本的に「従業員がお客様のために仕事をする」認識のものが該当します。ルームサービスなどの本来の業務に加えて、お店によって定められている範囲でのプラスアルファや、基本的に対価が発生するものです。
一方おもてなしは、もてなされる側ともてなす側が対等であり、対価が発生しないものです。お店によって内容が決められているサービスとは違い、おもてなしは従業員個人の働きかけによる部分が大きいといえます。
おもてなしとホスピタリティの違い
ホスピタリティとおもてなしには、目的に違いがあります。
ホスピタリティは、分け隔てなく慈しみの心を持って行う、相手に喜んでもらうことが目的の行動・行為のことです。その日、そのときに訪れたお客に対して、個々の要望にできるだけ応えようと働きかけるものが該当します。
一方、おもてなしは、リピーターの獲得など見返りを求める思いやりや気遣いのことです。事前に訪問されるお客様を想定し、あらかじめ準備しておく気遣いが当てはまります。
とはいえ、基本的にはおもてなしとホスピタリティに大きな違いはありません。おもてなしとホスピタリティは、どちらもお客様に喜んでもらうための思いやりや気遣い、配慮を示します。
⇒ホスピタリティの使い方を例文付きで解説!意味や接客で実践する際のポイントも紹介
ホテル業界でおもてなしが重要視される理由
ホテル業界でおもてなしが重要視される理由は、以下の3つです。
- 口コミで高評価を獲得できる
- リピーターを獲得できる
- インバウンド客からの評価が高まる
それぞれの理由を詳しく解説します。
口コミで高評価を獲得できる
おもてなしによってお客様に満足して帰ってもらうことで、口コミで高評価を獲得しやすく、ホテルの価値も自ずと高くなります。
とくにGoogleマップや予約サイトでの口コミがよいと、新規顧客の獲得につながりやすいメリットがあります。口コミで高評価を獲得することで、宣伝コストが削減できるのも大きな魅力です。
また、富裕層の中でオフラインの口コミが広まると、新たな層の集客に繋がります。富裕層は同じ富裕層同士のオフラインでの口コミを参考にする傾向があるからです。富裕層はホテルの利用頻度や1回あたりの利用金額が高いため、獲得すれば大きなメリットを得られます。
リピーターを獲得できる
おもてなしによって、顧客ロイヤリティが高まるため、リピーターの獲得につながります。顧客ロイヤリティとは、忠誠・信頼・愛着を意味し、特定のサービスやお店を信頼したり愛着が湧いたりすることです。
とくにホテル業界においては、おもてなしなど旅行先での特別な体験は印象に残りやすく、顧客ロイヤリティが高まりやすいです。
また同時に、おもてなしは他ホテルと差別化できる大きな要素です。ホテル業界内で差別化を図ろうとすると、主に施設を改善する方法とサービスを改善する方法があります。施設の改善は費用も時間もかかるため、なかなか実現が難しいです。
一方で、サービスの質の改善は、施設の改善と比べて費用も時間もかかりません。従業員に適切なスキルを身につけてもらえば、すぐに実践できます。
このような理由から、おもてなしの実践は効率的なリピーターの獲得に繋がります。
インバウンド客からの評価が高まる
日本人ならではのおもてなしで、インバウンド客からの評価が高まり、海外からの顧客も誘い込めます。
とくに「おもてなし」は日本特有の言葉と文化のため、海外の人からは感動することが多いようです。基本的に海外では、必要最低限のサービスしか提供せず、要望がある場合はチップを支払う必要があるからです。
海外の観光客が増えている中、他のホテルとの差別化を図るためにも、おもてなしに力を入れることは重要であるといえます。
ホテルでのおもてなしの具体例
ホテルでのおもてなしの具体例は、主に以下の3つのケースに分けられます。
- 客室や設備のおもてなし
- 食事のおもてなし
- その他のおもてなし
それぞれのおもてなし例を詳しく解説します。
客室や設備のおもてなし例
客室や設備に関するおもてなし例は、以下の通りです。
- 手書きのウェルカムカード
- その地域のお菓子をプレゼント
- 誕生日のときに、部屋にホテルからのプレゼントがあった
- 受験で泊まったホテルの部屋で、縁起のよいダルマの折り紙が置いてあった
- 客室のお茶が好きで、たくさん飲んでいたら、多めに用意してくれた など
「なぜこのホテルに来たのか?」「滞在の目的は?」2つの点を明確に把握することで、おもてなしとしてのサービスを提供できます。観光目的ならご当地のお菓子、受験は少しでも縁起のよいものなど、それぞれに合ったおもてなしが喜ばれるポイントです。
また、長期滞在には「部屋でどのように過ごしているのか?」の想像を膨らませ、客室を整えることもおもてなしの一環です。
食事のおもてなし例
食事に関するおもてなし例は、以下の通りです。
- 過去に泊まったことがあるホテルで、顔を覚えてくれていただけではなく、ワインの好みも覚えてくれていて、おすすめのワインを持ってきてくれた
- 食事やチェックアウトで名前を言わなくても、スタッフが顔を覚えてくれていた
- プロポーズの旨を話したら、シャンパンを用意してくれた など
ワインや料理に関する専門性をお客様に提供することで、より満足感の高い食事ができるといえます。
またホテルマンとして、お客様の顔や好きなものを覚えるなどのプロ意識が垣間見えることでも、お客様は「おもてなし」として感じやすい特徴があります。
その他のおもてなし例
その他のおもてなし例は、以下の通りです。
- 高級ホテルに緊張していたら、気さくに話しかけてくれた
- お見送りで姿が見えなくなるまで手を振ってくれた
- 観光地に行く手段を教えてくれたり、交通機関の時刻表などを印刷したりしてくれた
- ホテル内のガーデンに散歩に行って雨が降ってきたときに、傘を持って迎えにきてくれた など
「滞在を一緒に素晴らしいものにする」姿勢を示すことで、おもてなしを感じやすくなります。常にお客様の立場になって考え、お客様の旅行を効率的にする手伝いをしたり、アクシデントに対応したりすることが大切です。
「わざわざ自分のために行動してくれた」「自分のことを見てくれていた」と感じさせるサービスこそ、満足感の高いおもてなしへと繋がります。
ホテルのおもてなし力を高める方法
ホテルのおもてなし力を高める方法は、以下の3つです。
- インスペクターを置く
- 従業員の業務を効率化させる
- ホテル業界向け研修を受ける
それぞれの方法を詳しく解説します。
インスペクターを置く
インスペクターによるしっかりとしたチェックで、客室や設備でのおもてなし力を高められます。インスペクターとは、部屋清掃のチェックや客室清掃係の教育をする専門業務のことです。
ホテルでは、リピート客が離れないために、いつでも変わらぬクオリティーを提供することも、おもてなしの一つです。少しでも違和感に気づき、徹底的にクオリティーを維持するためにも、インスペクターの設置は有効な方法です。
インスペクションのマニュアルも細かく設定することで、よりきめ細やかなサービスを実現できます。
従業員の業務を効率化させる
客室管理システムなどITシステムを導入し従業員の業務を効率化させることで、おもてなしに注力できるようになります。
クロストレーニングなどで、従業員間でのチームワークやコミュニケーションを効率的にすることも効果的です。臨機応変な対応が可能になり、結果的に顧客に関する対応も柔軟なものになります。
予約やチェックイン、チェックアウトをセルフサービスにするのも一つの手です。
ホテル業界向け研修を受ける
ホテル業界向け研修を受けることで、従業員におもてなしを意識してもらえるようになり、ホテル全体のおもてなし力も高められます。
ホテル業界向け研修では、実践形式のトレーニングを通じて、お客様のタイプや状況に応じた最適なおもてなしを提供するスキルを習得できます。
また、ホテル業界に特化した研修会社には、ホテル業界に精通した実績のある講師が在籍していることが多いです。そのような講師から学ぶことで、より実践的なスキルを習得できるでしょう。
さらに、研修の実施は従業員のモチベーションにも影響します。新たなスキルや知識を習得することで、従業員は自信をもち、意欲的に仕事に取り組んでくれやすいです。
キーセッションでは、数ある研修の中から、貴社の課題や予算に応じて最適なホテル業界向け研修をご提案可能です。相談は無料なので、お気軽にお問い合わせください。
ホテルには世界中から、国籍、性別、年齢を問わずたくさんのお客様が訪れます。すべてのお客様へ最高のホスピタリティを提供するには、その基盤となる知識や技術が必要不可欠です。
ホテルのおもてなしを学べる研修
ホテルのおもてなしを学べるおすすめの研修は、以下の3つです。
- 明日から実践できる接客/接遇力向上ホスピタリティ研修
- 接客・接遇・サービス力向上のホスピタリティ研修
- ホテル開業向け研修 - キャリア・世代・国籍を超えてひとつのチームを作る
それぞれの研修を詳しく解説します。
「明日から実践できる接客/接遇力向上ホスピタリティ研修」ザ・ホスピタリティチーム株式会社
1つ目におすすめなのは、これからの時代に求められる接客・サービスを学び、実践的な接客スキルを習得できる研修です。
17年間ホテルマンとして現場でホスピタリティを体現してきた講師が、接客における大切にすべきこと、お客様がして欲しいことに気付く「感察力」の磨き方を丁寧に解説します。
また、これからの時代に重要な接客による付加価値についても学べ、スタッフによる主体的な接客サービスが提供できるようになります。
明日から実践できる接客・接遇力向上ホスピタリティ研修 (3時間 または 6時間)
本研修ではホスピタリティを深く理解し、ホスピタリティを接客・接遇に生かす具体的な方法を、一方的な講義ではなく、ロールプレイングやワークショップを通じて気づきを得ながら楽しく学びます。
「接客・接遇・サービス力向上のホスピタリティ研修」ザ・ホスピタリティチーム株式会社
2つ目におすすめなのは、自発的に相手を想い行動する真の「ホスピタリティ」を身につけられる研修です。
現場で生きるホスピタリティの大切な心を「し・あ・わ・せ・想」理論から習得し、お客様の期待を超えるホスピタリティの実現を目指します。また、ホスピタリティにおいて見落としがちな「お客様に伝わる接客」を丁寧に解説し、より深くホスピタリティについて理解ができます。
一方的な講義形式ではなく、ロールプレイングやワークショップを通じた参加型の講義なので、実践的なスキルが身につけられる点も大きな魅力です。
また、社内ホスピタリティの重要性についても詳しく解説しているので、社内の人間関係の改善にもつながります。
接客・接遇・サービス力向上のホスピタリティ研修 (6時間)
自らが自発的に相手を想い行動するホスピタリティを一方的な講義ではなく、参加型で気づきを得ながら明日から実践で使えるホスピタリティを学びます。
「ホテル開業向け研修 - キャリア・世代・国籍を超えてひとつのチームを作る」ザ・ホスピタリティチーム株式会社
3つ目におすすめなのは、ホスピタリティを理解し同じ価値基準でおもてなしできるチームを作る、ホテル開業に向けた研修です。
以下の観点から、ホテル開業に必要な「基礎」を創造し、誇りを持ってホテルで働く意志を育てます。
- ホテリエとして働く意味・誇りをマインドセット
- 接客サービスの知識・スキル向上
- 世代・キャリアを超えたチームワークの醸成
- 主体性の高い自立型人材の育成
未経験者、経験者が混在するチームのチームワークを高めたい場合や、ホスピタリティについての理解を深め、スタッフのスキルを向上させたい場合におすすめです。
ホテル開業研修 - キャリア・世代・国籍を超えてひとつのチームを作る (1日6時間 / 計5日間)
ホテル開業向け研修では、ホスピタリティの深化とスタッフの輝きを追求。接客スキルの向上、チームワークの醸成、自律型人財の育成を中心に、ホテルの成功の礎を築く独自のプログラムを提供。5日間の研修スケジュールでホテリエの誇りを育みます。
ホテル業界向けの研修についてもっと詳しく知りたい方は、以下の研修ページをご一読ください。
研修でおもてなしスキルを身につけて顧客満足度を高めよう
おもてなしとは、もてなされる側ともてなす側が対等であることが前提の、リピーターの獲得などの見返りを求める、思いやりや気遣いのことです。ホテル業界においておもてなしを重視することは、リピーターや新規顧客、インバウンド客の獲得につながります。
おもてなし力を高めるためには、インスペクターの設置や業務の効率化などがありますが、中でもおもてなしを学べる研修を受けることが有効です。経験豊富な講師から、実践的なおもてなしを学び、顧客満足度を高める素晴らしいおもてなしスキルを身につけましょう。
キーセッションは、複数の研修会社の中から、貴社の課題や予算に応じて最適な研修会社をご提案可能です。相談は無料なので、お気軽にお問い合わせください。
ホテルには世界中から、国籍、性別、年齢を問わずたくさんのお客様が訪れます。すべてのお客様へ最高のホスピタリティを提供するには、その基盤となる知識や技術が必要不可欠です。