上司に報告をする新入社員

ビジネスの場面では、いつも以上に言葉使いに気を使うものです。

言葉ひとつで相手に不快感を与えてしまったり、誤解を生む可能性があるためです。不用意なひと言で信用を失うだけではなく、仕事に支障を与え兼ねません。

この記事では、ビジネス会話の基本的な心得から、今さら聞けない正しい言葉の選び方と使い方を紹介します。実は相手は気になっているかもしれない注意すべき言葉もご紹介しますので、ぜひ確認してみてください。

ビジネスにおける会話の基本や敬語の使い方、会話の磨き方などを見直し、日々の仕事に活用しましょう。

ビジネス会話の基本を効率的に定着させたければ、ビジネスコミュニケーション研修の実施がおすすめです。ビジネス会話の基礎を効率的に学べるうえ、ロールプレイングで実践形式での練習も可能だからです

キーセッションでは、ビジネス会話の基礎が身につくコミュニケーション研修をご紹介します。貴社の課題にぴったりな研修を豊富な提携会社から紹介するので、ぜひご相談ください。

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ビジネス会話の基本的心得

取引先と会話するビジネスマン
ビジネス会話で気をつけたいのは4つ。相手が聞きやすい、理解しやすい、柔らかな印象がポイントです。

言葉使い

文化庁のアンケート結果
参考サイト:文化庁『令和元年度「国語に関する世論調査」の結果の概要

文化庁による『国語に関する世論調査』によると、国語が乱れていると感じている人の6割以上の人が、「敬語の使い方」と「若者言葉」を挙げています。

プライベートでは少々乱れたとしても、若者言葉を使っているとしても、ビジネスの場では敬語は当たり前と思い、使い分ける必要があります。

クッション言葉を使う

言葉や会話の雰囲気を柔らかくするために、声のトーンや大きさ、言葉選びが大切ですが、クッション言葉を使うことでより印象が良くなります。

クッション言葉とは、お願いやお断りなど、伝えにくいことを柔らかくする効果がる言葉です。

例としては

・差し支えなければ

・恐れ入りますが

・お手数ですが

・失礼ですが

・お言葉を返すようですが

・残念ですが

・あいにくですが

などがあります。

お誘いを受けたにも関わらず、断らなければいけない時に

「残念ですがその日は予定が入っております。お誘いありがとうございます」

と伝えることで、相手には誠意が伝わりやすくなります。

話の組み立て方

仕事は時間との戦いになることも多く、報告や提案は『簡潔にわかりやすく』が基本です。

5W2Hで話をする習慣をつけると良いでしょう。

Why(なぜ)

What(なにを)

Who(だれが)

When(いつ)

Where(どこで)

How much(いくら)

How to manage(どのように)

もうひとつ簡潔にわかりやすく話を進めるには、結論から話すというのがあります。

その後に経過や疑問、改善点などを話すことで、何を言いたいのか、相手に何を求めているのかがわかりやすくなります。

会話時の姿勢

相手の目を見る、頷きながら話を聞く、途中で話の腰を折らない、こちらの話ばかりしないなど、会話の姿勢はどのような場面でも変わりません。

ですがこれまで以上に意識をする必要があるのが、表情です。

マスク着用が新しいマナーとなっている今、表情が伝わりにくくなっています。マスクをしているからこそ、今まで以上に表情豊かにしなければ、唯一見えている目に感情を乗せることができません。

マスクの下は200%の笑顔が必要です。

敬語の基本

敬語は良く使われる言葉ですが、正しい使い分けが必要です。こちらが良いと思って使っていた言葉が、実は間違った使い方をしていたとならないように、改めて確認をしておきましょう。

参考サイト:ビジネス日本語独学『敬語とは

敬語3つの使い分け

敬語には『尊敬語』『謙譲語』『丁寧語』の3種類があります。

尊敬語

相手に対して敬意を表現する言葉です。目上の人や上司、社外の人に対して使います。

相手の立場を自分よりも『上』に位置付けており、主語は相手になります。

謙譲語

相手に対しての自分や自分の行動を、控えめにへりくだった表現方法をいいます。

自分を下にすることで、相手の位置を上げる言葉で、主語は自分です。

丁寧語

文字通り、丁寧な言葉を指します。

誰に対しても使え、相手への敬意を表すことができます。

良く使われる敬語

同じ言葉でも、尊敬語、謙譲語、丁寧語で表すことができます。

ビジネスで使われる言葉をまとめました。

基本形 尊敬語 謙譲語 丁寧語
来る お越しになる いらっしゃる 伺う 参る 来ます
行く いらっしゃる おいでになる 伺う 参る 行きます
言う おっしゃる 申し上げる 申す 言います
する される なされる いたす します
いる いらっしゃる おる います
会う お会いになる 会われる お目にかかる 会います
あげる くださる 差し上げる あげます
もらう お受け取りになる お納めになる いただく 頂戴する 受け取ります
見る ご覧になる 拝見する 見ます
食べる 召し上がる 頂戴する いただく 食べます
待つ お待ちになる お待ちくださる お待ちする 待ちます

使い方に注意が必要な言葉と話し方

普段よく使ってる言葉の中で、使う相手によっては失礼にあたる言葉があります。当たり前のように使っているその言葉、実は相手は気になっているかもしれません。該当するものがあった方は、すぐに直しましょう。

了解しました

頼まれごとをされた時によく使う言葉です。

この言葉は『了解』の丁寧語ですから、ビジネスシーンで使うのは問題ありません。しかし、敬意を含まない言葉のため、目上の人や上司、社外の人に使うのは失礼に当たります。

『承知しました』『承りました』『かしこまりました』と言うのが礼儀です。

了解しましたは、年下や同僚にのみ使うようにしてください。

なるほど

誰かの意見や話を聞いた時になどに使う人が多い言葉です。

この言葉も相手によっては失礼と取られてしまいます。

なるほどという言葉は、もともと『できる限り』という意味で使われていました。それが『なるべく』『なるたけ』に変化し、その後『いかにも』という相手を肯定する意味で使われるようになりました。

このように敬語でもなければ丁寧語でもない言葉を、目上の人や上司に使うのは不適切です。

『おっしゃる通りです』『仰せの通りです』という言葉のほうが敬意が感じられます。

ご苦労様です

職場内で良く使われる言葉ですが、これは目上から目下に対して使う言葉ですので、部下が上司い使ったり、社外の人に使うのは失礼になります。

また、似たような言葉に『お疲れ様です』があります。

こちらは目上や上司、同僚にも使える言葉ですが、社外の人には使わないようにします。

どちらの言葉も社内限定で年齢や立場により変えるというのが良いでしょう。

ビジネス会話の磨き方

ビジネス会話は社会人には当たり前のマナーでありスキルです。

正しい言葉選びと話し方をマスターするにはどのような方法があるのでしょうか。

話し方のプロから学ぶ

日本語は時代により使われる意味合いが変わることがあります。最新の知識は、やはり日本語や話し方のプロから学ぶのが確実です。

正しいと思って使っている言葉が、間違って使い続けている場合もありますので、定期的に学ぶ機会を作るようにします。

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日常生活でも使う

せっかく学んでも使わないとどんどん忘れてしまいます。

日常生活の中で言葉や使い方に慣れることが大切です。インプットだけでは自分のものにできませんので、アウトプットすることを心がけましょう。

補足:ビジネス会話の基礎知識がないと、仕事に身が入らない

社会人経験がない新入社員は、会社で自分が発する言葉にとてもプレッシャーを感じています。学生から勤め人になることで、大きく環境が変わり、使う言葉と話し方を変えなければならない自覚があるからです。

ビジネス会話の基礎知識がなければ、「この報告は、会社ではどんな言葉を使えば正解なのかな」「この気持ちを上司に伝えるには、どう話せば恥ずかしくないのかな」など、性格により個人差はあるものの、誰もが気になり悩むのです。

そうすると、上手く感情を伝えることができなかったり、伝えるまでに時間をかけてしまったり、起こらなくてもいいはずの認識のズレや時間のロスが生まれます。これが取引先が相手となると、余計に緊張したり、憂鬱になってしまいます。

言葉遣いについては、現場の指導係に頼るよりも、新人研修などで受講する機会を設けたほうが効率的です。

会話はビジネスの基本

ビジネスの成功は人と人とのつながりがカギとなります。良いコミュニケーション、良い人間関係を築くには会話が重要です

基本的な話し方を身につけることで、印象も良くなりますし、思いが伝わりやすくなります。

美しい日本語を正しく使い、ビジネスに役立てるようにしてください。

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