コンプライアンス違反の事例10選!要因や対処法も解説

「コンプライアンス違反の事例にはどんなものがある?」「社内にコンプライアンス遵守の風潮を定着させたい」

このような疑問や悩みを抱えている研修担当者や人事担当者も多いのではないでしょうか。

この記事では、コンプライアンス違反の事例や、コンプライアンス違反を招く要因および対処法を紹介します。社内におけるコンプライアンス違反のリスクが気になっている方は、ぜひご一読ください。

この記事でわかること

  • コンプライアンス違反の事例
  • コンプライアンス違反を招く要因
  • コンプライアンス違反を予防する対処法

コンプライアンス違反の予防には、社内システムづくりとともに、従業員一人ひとりの知識習得や意識改革が重要です。そこでおすすめなのが、コンプライアンス研修の実施です。

研修会社では、コンプライアンスの意義を、事例を通じてわかりやすくレクチャーすることで、効率的にコンプライアンス遵守ノウハウを伝授してくれます。全社で実施すれば、企業全体の体質や風潮にアプローチでき、より効果的です。

キーセッションでは、複数の研修会社の中から、貴社のご要望に則した良質な研修会社をご提案します。無料相談も実施しているため、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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コンプライアンスに違反すると会社の信用を失い、最悪の場合、倒産という最悪の事態を招きます。そのような事態を避けるためにも、社員全員がコンプライアンス研修を通してコンプライアンスの重要性を理解し、ルールを遵守しなければなりません。

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そもそもコンプライアンス違反とは?

そもそもコンプライアンス(compliance)とは、日本語に直訳すると「命令や要求などに応じる・従う」という意味です。

企業活動におけるコンプライアンス違反とは、主に以下の3つに違反することを意味するのが一般的です。

  • 法律・条例などの法令
  • 社内規定・就業規則など社内で定められた規則
  • 道徳・社会倫理

近年では人権保護の風潮が進み、人種差別やジェンダー問題に関する社会倫理が変化したことで、それらに関するコンプライアンス違反も増加しました。

インターネットやSNSの普及により、情報を発信・伝達しやすくなったことも、昨今コンプライアンス違反が何かと取沙汰されるようになった大きな要因です。個人の発信などで内部告発がしやすくなり、拡散されることで公になるケースが増加傾向にあります。

コンプライアンス違反の例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 不正会計
  • 文書改ざん
  • 助成金の不正受給
  • 誇大広告・不当表示
  • 食品の産地偽装・ずさんな衛生管理
  • 過度な時間外労働などの劣悪な労働環境
  • ハラスメント
  • 個人情報・社内の機密情報の漏洩
  • 著作権の侵害
  • 不適切な情報発信

コンプライアンス違反の事例10選

コンプライアンス違反の具体的な事例として、以下の10件を紹介します。

  1. 製造業における排水データの改ざん
  2. 消防士の酒気帯び運転
  3. 市職員による上長の印鑑の不正利用
  4. 警察官によるテレワーク中のサウナ通い
  5. 市職員によるファックスでの誤送信
  6. 航空会社社員による営業機密の持ち出し
  7. 外国籍に対する説明会の一方的なキャンセル
  8. 老舗料理店における漂白剤入り水の提供
  9. 団体職員による給油カードの私的利用
  10. 消防司令長によるパワハラ

それぞれの概要を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.製造業における排水データの改ざん

2023年3月、千葉県内にある食品関連の製造業者が、排水データを合計97回にわたって改ざんのうえ県に報告していました。

同社は、水質汚濁防止法で定められた基準値を超える化学物質を地域の河川に排出していました。この際、担当者は社内報告をせず、自己判断でデータを書き換えていたとのことです。

2.消防士の酒気帯び運転

2023年6月、静岡市の消防士が酒気帯び運転のうえ、電柱に激突する事故を起こしました。

消防士は飲酒後7時間の睡眠をとっていたため問題無いと自己判断のうえ運転したそうです。しかし、事故後の呼気検査では、基準値を超えるアルコールが検出されました。

同市消防局は同年10月付で、該当の消防士を停職6ヶ月の懲戒処分に処したそうです。

3.市職員による上長の印鑑の不正利用

仙台市の水道局職員は、上長の決裁を必要とする書類において、上長の印鑑を不正利用のうえ独断で決裁処理していました。同職員は、上長の印鑑を無断で持ち出したり、上長の名前の印鑑を購入したりしたうえで、合計32件の決裁処理を不正に行っていたそうです。

同氏は、上長から決裁をもらいづらかったうえ、書類の催促に耐えきれなくなり、不適切な事務処理を繰り返していたと説明しています。

同市は2022年6月付けで、該当職員を停職3ヶ月の懲戒処分に処したそうです。

4.警察官によるテレワーク中のサウナ通い

2022年4月、宮崎県警に所属する警視が、テレワーク中にサウナ通いを繰り返していたとして懲戒処分を受けました。この件は、県警への情報提供により発覚したそうです。

該当の警察官は、コロナ対策の一環でテレワークにあたっていました。この際、合計4回にわたり外出し、1~2時間ほどサウナを楽しんでいたそうです。

5.市職員によるファックスでの誤送信

2023年7月、石垣市の職員が、市民の個人情報の書かれた情報をファックスで誤送信する事案が発生しました。誤送信した文書には、市税の滞納者7名の住所氏名が記載されていたとのことです。

該当職員は、ファックスの送信エラーで再送の際、送信先をアドレス帳から再選択せず、発信履歴から再送信したそうです。市のマニュアルでは、アドレス帳から選択する決まりになっていましたが、該当者がルールを破って履歴から操作を行ったことで別の企業へ誤送信されました。

市は誤送信先の企業から文書を回収のうえ、個人情報が漏洩してしまった対象者7名のうち、連絡の取れた4名に謝罪したとのことです。

6.航空会社社員による営業機密の持ち出し

航空会社の元社員が、競合先の他社に営業機密を持ち出したとして、2023年8月に不正競争防止法違反の疑いで書類送検されました。

同社員は、元の勤務先で安全管理部門に勤務していました。この職員は退職時に、保安検査上の機密データを私物のUSBメモリにコピーのうえ持ち出したそうです。

別の航空会社に転職した同氏は、転職先で役立つと考えデータを持ち出したと話しています。

同社は、データが第三者に渡った事実は確認されておらず、この件で安全上の影響は無いと発表しています。

7.外国籍に対する説明会の一方的なキャンセル

2022年5月、大手飲食店は就職説明会において、外国籍の学生の予約を一方的にキャンセルした事実を認め謝罪しました。

この事案は、キャンセルされた学生のSNS投稿が発端となって発覚しました。飲食店側の言い分としては、外国籍は就労ビザの取得が困難なことから、内定しても入社不可の恐れがあるためキャンセルしたとのことです。

同社は、学生への説明や確認が不十分だったことを認め、謝罪しています。

8.老舗料理店における漂白剤入り水の提供

2023年9月、銀座にある老舗の料理店において、女性客に漂白剤入りの水を提供していた事実が発覚。同店は、次亜塩素酸ナトリウムによる食中毒により、中央区保健所から営業停止の行政指導を受けました。

同年8月末に同店を訪れた女性客は、店員に飲み水を要求しました。これを受けた店員は、厨房内で消毒中だった天つゆ用のピッチャーの水を、飲料水のピッチャーと取り違えて提供してしまったそうです。

この水を飲んだ女性客は、のどの痛みや胃痛を訴え救急搬送されましたが、幸いにも命には別状なく、その後回復したとのことです。

9.団体職員による給油カードの私的利用

2023年5月、北海道の団体職員が、公用車用の給油カードを私的に利用していたとして懲戒免職処分を受けました。該当職員は給油カードを無許可で持ち出し、合計10回、総額およそ6万円分ほどを私用車の給油に使っていたそうです。

同氏は、公用車への給油を行っているよう見せかけるために記録を改ざんしていました。しかし、管理職の承認が無い記録を同僚が見つけ不審に思ったことから、不正の事実が発覚したとのことです。

10.消防司令長によるパワハラ

2022年2月、志摩市の消防本部にてパワハラの事案があったとして、同市は消防司令長を含めた市職員3名を、停職・減給の懲戒処分に処したと発表しました。

同消防本部では、10年来パワハラが横行していました。学歴や容姿をおとしめるような暴言、長時間の叱責、私的な雑用の押し付け、暴力などが繰り返され、逆らった職員には罰が下されていたそうです。

今回事態が発覚したのは、同市が実施した匿名のアンケート調査の成果とのことです。

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コンプライアンス違反を招く要因

コンプライアンス違反が発生する主な要因は、大きく分けると以下の2つです。

  • コンプライアンスに対する意識やモラルの欠如
  • 社内体制の不備

それぞれ具体的に解説します。

コンプライアンスに対する意識やモラルの欠如

コンプライアンス違反が生じる大きな要因は、コンプライアンスに対する知識や意識、モラルの欠如です。

コンプライアンス違反の知識が不足していると、線引きがあいまいになり、意図せず違反する恐れがあります。また、コンプライアンスを軽視している人は、ラインを超える行為に躊躇しません。

たとえば、パワハラ・セクハラ・モラハラは、一昔前なら暗黙的に許されるケースもありましたが、現在でははっきり否定されるようになりました。そのため、いけない行為だと認識しないままハラスメントを行っている社員も中にはいると考えられます。

また、モラルが低い人は公私混同しがちです。違反行為だと知りながら「これくらいいいだろう」「黙っていればバレないだろう」「バズりたいからやってみよう」と安易に行ってしまう可能性もあります。

コンプライアンス違反が起こる要因は、単に社員一人ひとりの問題だけでなく、組織全体の体質や風潮に問題がある可能性も否定できません。

たとえば、経営陣からのコストカットや業務合理化の要求を契機に、長時間労働や安全対策への配慮不足も起こるようです。悪意がまったく無くても、法令は日々改正されていくため、常にアンテナを張っておかないと違反につながる可能性もあります。

社内体制の不備

社内体制の不備も、コンプライアンス違反を引き起こす要因です。

セキュリティ対策やウィルス対策などの社内システムに不備があると、情報漏洩につながる恐れがあります。また、重大な過失を未然に防ぐチェック体制が無ければ、人的ミスに起因したコンプライアンス違反が発生しやすいです。

法令でも社内規則でもはっきり定められていないコンプライアンスは、担当者の個人的な見解をもとに対応されるため、正しく判断できていない可能性も否定できません。コンプライアンスの遵守をチェックする社内体制が整っていないと、報告先がわからず、うやむやになってしまう傾向も見られます。

コンプライアンス違反について語るとき、よくいわれるのが「不正のトライアングル」です。不正のトライアングルとは、人が不正に走りやすいのは、機会・動機・正当化の三つの要素が揃ったときとする説です。

社内環境でこれらの要因がすべてクリアされてしまうと、コンプライアンス違反につながりやすいと考えられるため、注意を要します。

コンプライアンス違反を犯すことのリスク

コンプライアンス違反を犯すと、取引先や株主との関係悪化はもとより、社会全体への信頼が損なわれる大きなリスクがあります。

ブランドイメージの毀損から顧客離れが進み、売上減少や経営破綻、場合によっては倒産にまで発展する可能性があります。職場の雰囲気も悪化し、従業員の離職や入社希望者の減少など、人員確保の困難にもつながりやすいです。

法令に違反した場合は、損害賠償など行政から重い処分が下される場合もあるので、さらに経営がひっ迫します。

コンプライアンス違反によるリスクを回避するためには、コンプライアンス研修で正しい知識とノウハウを身につけるのが早道です。キーセッションでは、貴社の要望や予算に則したコンプライアンス研修を紹介可能なので、ぜひお気軽にご相談ください。

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コンプライアンスに違反すると会社の信用を失い、最悪の場合、倒産という最悪の事態を招きます。そのような事態を避けるためにも、社員全員がコンプライアンス研修を通してコンプライアンスの重要性を理解し、ルールを遵守しなければなりません。

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コンプライアンス違反を予防する対処法

コンプライアンス違反を予防する対処法としては、以下の3つが挙げられます。

  • 知識や認識をアップデートする
  • 社内体制の整備に配慮する
  • コンプライアンス研修を実施する

それぞれ詳しく解説していきます。

知識や認識をアップデートする

コンプライアンス違反を予防するには、コンプライアンスに対する社内の知識や認識のアップデートが重要です。

あらゆる階層の社員がコンプライアンスの重要度について理解し、時流に則した正しい知識を習得していかないと、社内には浸透しにくいものです。法令や社会的な風潮は変動していくものなので、いったん知識を習得して終わりにするのではなく、継続的なアップデートも求められます。

個人任せにしているのでは、社内全体の共通認識が浸透しません。そのため、社内報やポスターを利用した積極的な情報発信や、定期的なすり合わせの場が必要です。

社員の意識改革が進めば、不正のトライアングルの3要素のうち「正当化」が起こりにくくなる効果が見込めます。企業の上層部が率先して改革に取り組めば、社内の風潮として定着しやすいため、経営陣を含めたコンプライアンスに対する取り組みが重要です。

社内体制の整備に配慮する

社内体制の整備に配慮することも、コンプライアンス違反を防止するうえで重要なポイントです。

コンプライアンスを遵守するための社内体制が整っていれば、不正のトライアングルでいう「機会」が抑止されます。

まずは、社内で明確な規定を設け、グレーゾーンをなくすところを目指すのが大切です。社内でコンプライアンス違反につながりそうなリスクを洗い出し、対応策を検討しましょう。

たとえば、重大な過失対策としては、ダブルチェック体制を敷く方法が有効です。また、情報漏洩を防ぐためには、セキュリティ対策の強化や、従業員のアクセス履歴の管理が役立ちます。

実情にそぐわない無理なノルマの押し付けは、不正のトライアングルでいう「動機」につながります。このような要素も洗い出し、改善策を検討するのが重要です。

しかし、コンプライアンスは対応範囲が広く、網羅的な対処は難しい場合もあります。そんなときには、優先順位をつけて対策していくのがおすすめです。

必要に応じて、次のような対応策を講じるのも効果が期待できます。

  • 相談窓口の確立
  • 外部組織との連携
  • 奨励制度・罰則制度の制定

それぞれの内容については、次の通りです。

相談窓口の確立

まずは、相談窓口を確立しましょう。

いざコンプライアンス違反に通じそうな事態に直面しても、どこに相談したらよいのかわからない従業員は多いものです。そんなとき、相談窓口があれば、スムーズに報告・相談が可能です。

社員が気軽に相談できる風潮が生まれれば、情報を集めやすくなり、コンプライアンス違反の防止に役立ちます。そのため、匿名で相談できる体制も有効です。

コンプライアンス違反を犯す側からしても、管理体制が充実していれば、モラルの低下によるハラスメントなどを抑止しやすい利点があります。

外部組織との連携

外部組織との連携も、コンプライアンスの遵守に役立ちます。

社内だけに閉じたシステムの場合、立場を利用した無言の圧力がかかる恐れがあるため、公平さや公正さに欠ける可能性があります。そんな場合にも、弁護士・社会保険労務士・監査・第三者委員会などと連携しておけば、できる限り客観的立場からの判断が可能です。

奨励制度・罰則制度の制定

コンプライアンス遵守の意識が社内に定着しないようであれば、奨励制度や罰則制度の制定を視野に入れるのも一つの方法です。

意識の改革は難しい場合もあります。やらざるを得ない状態を強制的に作り出すことで、対策が進みやすくなるので、状況に合わせて利用を検討しましょう。

たとえば、コンプライアンスを遵守し企業に貢献した社員には、表彰やボーナスの支給を行う制度も有効です。

一方で、グレーゾーンの言動に対しては、注意喚起の実施を検討します。悪質なコンプライアンス違反があった場合には、減給処分を検討する余地もあります。

ただし、行き過ぎた罰則は社内の雰囲気悪化を招くので、慎重な判断が必要です。

コンプライアンス研修を実施する

コンプライアンス違反を予防するには、コンプライアンス研修の実施が効果的です。

対策すべき内容がわかっても、ノウハウが無いとどこから手を付ければよいのかわからないものです。そんなとき、コンプライアンス研修を実施し事例を通じて学べば、基本的な知識を習得しつつ、社員の意識改革も効率的に行えます。

研修会社を頼れば、現場スタッフ・管理職・経営陣など、階層ごとに求められる知識やスキルに合わせた研修実施が可能なメリットもあります。

キーセッションでは、実績のある講師によるコンプライアンス研修を紹介可能です。貴社の要望や予算に合わせた研修を紹介しているので、コンプライアンス研修を検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください

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コンプライアンスに違反すると会社の信用を失い、最悪の場合、倒産という最悪の事態を招きます。そのような事態を避けるためにも、社員全員がコンプライアンス研修を通してコンプライアンスの重要性を理解し、ルールを遵守しなければなりません。

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コンプライアンス研修で違反を予防し企業運営に役立てよう

コンプライアンス違反は、事例でも紹介した通り、社員の認識不足や、社内体制の不備から発生します。防止するには、これらに対する対策が必要です。

効率的に対策を行うには、コンプライアンス研修の実施がおすすめです。ノウハウをもった講師が直接レクチャーすることで、社内にコンプライアンス遵守の気風が高まり、社内体制づくりなど取り掛かるべき事項も明確化します。

キーセッションでは、複数の研修会社の中から、良質な講師によるコンプライアンス研修をご紹介可能です。相談は無料なので、ぜひお気軽にご相談ください。

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