チームワークを超えたチーム全体の総合的な能力

「チーム力」とは、単なるチームワークを超えた、チーム全体の総合的な能力を指します。

チーム力が強い組織は、複雑な課題にも柔軟に対応し、効率的に目標を達成する能力を持ちます。これにより、組織全体の成果が向上し、競争力が強化されることが期待されます。

本記事では、チーム力の概念とその重要性について解説し、さらに高いチーム力を持つことがいかに生産性やモチベーションの向上につながるかを説明します。

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チーム力とは

「チーム力」とは、チーム内で協力し合い、目標を達成するための総合的な能力を指します。これは単なるチームワークとは異なり、メンバー各自のスキルや経験だけでなく、彼らがいかに協力して課題を解決できるかのスキルを指します。

チームワークはその一部に過ぎず、チーム力はメンバーの協調性や組織内の役割分担、リーダーシップといった要素を統合した、より広範な概念です。この力が強いチームほど、困難な状況でも高い成果を出しやすいとされます。

チームワークとの違い

チームワークは個々のメンバーが協力し合い、共通の目標に向かって努力することを指し、連帯性や協調性に焦点を当てます。

チーム力はチームワークを含むもっと広範な概念で、チーム全体の能力やパフォーマンスを示します。

チームワークが良好な環境は、メンバーが互いの弱点を補い合い、スムーズに目標達成を図れる場ですが、チーム力はそれを越えて、チームが直面するさまざまな課題に対してどれだけ効果的に対応できるかをも測る指標です。したがって、チームワークはチーム力を構成する要素の一つに過ぎませんが、チーム力はチームの総合的な成功を左右する決定的な要因となります。

参照書籍:チーム力については以下の書籍もご参照ください。

チーム力が重要な理由

チーム力が重要である理由は、ビジネスの高度化とグローバル化の進展による複雑な課題への対応が必要になっているからです。

現代の組織では、個々の専門性を活かしつつも、それを組み合わせて全体としての成果を上げることが求められます。このため、単に個人が優れているだけでなく、それらを統合し、柔軟に課題に対処できるチーム力が不可欠です。

特に新しい技術や市場の変動が激しい今、迅速かつ効果的に問題を解決できるチームは、競争力を保持し拡大する上で重要な役割を果たします。

また、チーム力は単なる業務遂行能力だけでなく、チームメンバー間のコミュニケーションや協調を通じて、働きがいやモチベーションの向上にも寄与します。

高いチーム力のメリット

チーム力の向上は生産性の向上に直結し、各メンバーが専門分野で力を発揮することで、プロジェクトの効率と品質が大幅に改善されます。

ーム内でスキルを共有することで能力差が縮まり、全員が効率的に業務を遂行できます。また、強いチーム力はメンバーのモチベーションを高め、職場のポジティブな雰囲気を形成し、結果として社員の満足度向上や離職率低下にも寄与します。

ここからは、高いチーム力がもたらすメリットについて解説します。

生産性の向上

チーム力の向上は、生産性の大幅な向上に直結します。重要なのは、各メンバーが自身の得意分野を活かしながら、チーム全体の目標に向かって協力することです。このような環境では、個々のスキルが組織全体の効率を高めるために最大限に活用されます。

例えば、特定の課題に対しては、その分野の専門家がリードを取ることで、問題解決が迅速かつ効果的に進行し、プロジェクト全体の時間短縮と品質向上が実現します。また、チーム内でスキルが共有されることで、メンバー間の能力差が緩和され、全員がより多くの業務を効率良くこなせるようになります。

モチベーション向上

チーム力が充実している組織では、メンバー間の信頼と支え合いが仕事への熱意を高めます。一人一人がチームの成功に貢献していると実感することで、自身の役割が認められると感じ、それがモチベーションの向上に直結します。チームメンバーが互いに励まし合いながら働く環境は、職場のポジティブな雰囲気を形成し、目標達成に向けた活動が活発になります。

さらに、この種の職場環境は、社員の満足度を高め、長期的には離職率の低下にも寄与するでしょう。

参照記事:職場の雰囲気形成については以下の記事もご参照ください。
風通しの良い職場とは - 特徴とメリット・デメリットを解説

チーム力を高める方法とポイント

チームが一丸となって目標を達成するためには、ゴール・ビジョンの共有が重要です。共通の目標を設定し、定期的なミーティングで進捗を確認することで、チーム全体の連携が強化されます。また、意見を自由に交換できる環境を整え、メンバーそれぞれの自発性を尊重することが、持続的な成長に繋がります。多様なスキルを持つメンバーが協力することで、チームの創造性と生産性が向上します。

本セクションでは、チーム力を高めるための具体的な方法とポイントを紹介します。

ゴール・ビジョンの共有

チーム力向上の鍵となるのは、目標とビジョンの共有です。

全メンバーが一致団結できる共通の目標を設定することで、個々の行動がチーム全体の成果に直結し、作業の効率も向上します。具体的には、SMARTの法則(具体的、測定可能、達成可能、関連性あり、時間内に達成)を用いて目標を設定し、定期的なミーティングで進捗を共有することが有効です。

参照記事:目標設定については以下の記事もご参照ください。
チーム目標の決め方とは?目標設定がチームビルディングに与える効果

発言しやすい環境

組織内で全メンバーが役職や年齢に関係なく意見を共有できる文化を育むことで、帰属意識とモチベーションが向上します。

定期的なフィードバックと積極的な聞き手の役割を重視し、一方的な発言ではなく対話を促進することが重要です。また、会議では発言時間を均等に割り当てる等、公平な参加機会を提供することで、チーム内でのコミュニケーションの質を高めるべきです。

このような取り組みにより、チーム全体の生産性と創造性を引き出し、持続可能な成長を実現します。

チーム内でのこまめな連絡

チーム内でのこまめな連絡は、チーム力を向上させます。日常的な報告、相談、情報交換を促進することで、メンバー間の進捗共有が容易になり、仕事の進行がスムーズに行われます。

また、定期的なコミュニケーションは信頼関係を築く基盤となり、チーム全体の協調性と結束力を高めます。

自発性を尊重する

チームメンバーが自分の意見やアイデアを自由に発表できる環境を整えることで、彼らはより積極的に貢献しようとする姿勢を見せます。自発性を重視することにより、メンバーは自己主導で課題解決を行い、チーム全体の生産性が向上します。

リーダーとしては、メンバーの意見を聞く姿勢を持ち、適切な裁量を与えることが求められます。目標達成に向けて、個々の能力と自主性を活かし、チーム全体の動きを促進することが、高いチーム力へと繋がります。

チームメンバーそれぞれ異なる優れた技術を持つ

チーム力を高めるには、メンバーがそれぞれ異なる専門技術を持つことが重要です。

同様のスキルを持つメンバーが多いと、競争が生じチームの一体感が損なわれる恐れがあります。一方で、多様なスキルを持つメンバーは、プロジェクトに必要な多角的な視点を提供し、団結力を増すことができます。

異なる才能が集まることで、新しいアイデアが生まれ、問題解決の幅が広がります。

チーム力向上のためのリーダーの役割

明確な目標の設定と、達成するための具体的な戦略を策定

チーム力を向上させるため、リーダーはその中心的な役割を担います。リーダーはチームの各メンバーの能力と貢献を認識し、それぞれの強みを活かす方法を見つける必要があります。

また、リーダーはコミュニケーションを活性化させ、メンバー間の信頼関係を築くことが求められます。

リーダーは定期的にチームミーティングを開催し、プロジェクトの進行状況を共有することが重要です。さらに、個々のメンバーと一対一で会話を持つことで、個々人の悩みや期待を理解し、必要に応じて適切なサポートをします。

参照書籍:チーム力については以下の書籍もご参照ください。

チーム力を向上させる研修

ビジネスにおけるチームワークの重要性は、近年急激に高まっています。価値観の多様化やIT技術の発展、新型コロナウイルスの影響で生活スタイルが一遍するなど社会の不確実性が増している中、個人プレーではなく多様な人材がアイディアを出し合って解決できる商品やサービスを考え出さなくてはなりません。

そのため組織のチーム力を高めることが大切なのですが、チーム力を育てるにはコミュニケーションの基礎を身につけたり、議論の仕方や相手への配慮を学んだりするなど、必要な知識や技術が多岐にわたります。社内の社員教育だけで乗り越えるのは難しいので、専門の研修会社が提供するプログラムを活用しましょう。

この記事では、チーム力を向上させるのに適した研修を紹介していきます。それぞれの研修の内容と、なぜチーム力向上に役立つのかも解説していくので、研修の導入を検討していきましょう。

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チームや顧客との連携がスムーズになる「コミュニケーション研修」

コミュニケーション研修では、社内や社外での情報の伝達において勘違いが起こらないよう、正しいコミュニケーション方法を学ぶ研修です。コミュニケーションが発生しない仕事はほとんど存在せず、すべてのビジネスの基礎にコミュニケーションがあると言っても過言ではないので、チーム力向上のみならず顧客との関係改善や売上向上にもつながります。

コミュニケーション研修を導入すると、チーム力の基礎を固めることができます。どのような効果があるのか、研修の内容とともに詳しく解説していきましょう。

異なる役職の社員のすれ違いを防ぐ

コミュニケーション研修を導入すると、部下は「上司は何を望んでいるか」が分かるようになり、上司は「部下は何を望んでいるか」を想像できるようになります。相手の立場や考え方を理解することで、すれ違いを防いでチーム意識を高めることできます。

職場でよくあるコミュニケーションのミスは、立場が異なる人どうしのすれ違いで起こります。ミスが起きたとき、部下は「上司の指示が悪かった」と感じ、上司は「部下が指示をきちんと聞いていなかった」と感じていることがよくありますが、これはコミュニケーションが取れていない職場の最悪な事例です。

上司は指示するときに「部下はどのような説明を望んでいるか」を意識して部下に合わせた説明をするべきです。部下も「上司がイメージする完成形はどのような形なのだろう」と意識し、不明点があれば質問をするべきです。

自分以外の立場に立って考える方法も、コミュニケーション研修で学ぶことができます。チームのメンバーどうしの理解が進めば、チーム力も自然に高めることができます。

研修自体が職場の風通しを良くする

コミュニケーション研修を行うこと自体が、職場の風通しを良くしてくれます。コミュニケーション研修ではグループで簡単なゲームを行うといった実践的なワークが中心だからです。ワークに取り組む中で自然と会話が生まれ、意見を言いやすい環境が生まれます。

会社内の人間関係は、どうしても同じくらいの年齢や同性でかたまってしまいがちですが、チームには色々な属性のメンバーが選ばれます。さまざまな年齢の男女がチームにいるのに、男だけまたは女だけで議論が進んでいく、といったことがありがちです。せっかく色々な価値観のメンバーがいるのに、こうなってしまってはもったいないです。

普段あまり接していない人どうしをグループにして、コミュニケーション研修のワークを行うことで、意見を言いやすい関係を作ることができます。風通しの良い職場を作るために、コミュニケーション研修を活用しましょう。

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良いチームを作って結束を固める「チームビルディング研修」

チームビルディングは日本語に訳すと「チーム作り」という意味です。チームビルディングとはチームのメンバーが能力やスキル、経験を最大限い発揮し、目標を達成できる強いチームを作ることです。

従来のチームは、メンバー全員がリーダーの指示を待ち、指示通りに仕事をするだけといったこともありました。これだとリーダーが優秀だったとしても、1人の価値観でしか物事を見ないチームになってしまうため、大人数が集まっている割には成果が低くなってしまいます。

一人一人が能力を最大限発揮しなければ、人数分の力以上の成果が出せません。そのための方法を学ぶのがチームビルディングで、チームビルディングとはチーム力の向上とイコールとも言えます。よって、チーム力を向上させたいならチームビルディング研修を導入しましょう。

この章では、チームビルディング研修の内容と、なぜチーム力向上に役立つのかを詳しく解説していきます。

チームの一体感を育てる

職場のメンバーは、チームに選ばれる前から全員がお互いをよく知っているわけではありません。チームビルディング研修ではチーム力を高めるグループワークを行うので、チームの一体感を育てることができます。

お互いの強みや性格を知らないままチームでの仕事を始めようとすると、仕事の振り分けが適材適所にならなかったり、遠慮して意見を言えない人が出てきたりしてしまいます。これでは全員の能力を最大限発揮することはできず、もったいない状態と言えます。

チームビルディング研修のワークを通じてメンバーがお互いの強みを知ることで、各自が仕事で強みを活かせるようになります。能力を最大限発揮して、個人プレーでは到達できない高い成果につなげることができます。

主体的なメンバーを育てる

チームビルディング研修を行うと、リーダーからの指示を待つのではなく、主体的に仕事を行う社員を育てられます。ワークを通じて自分の意見が採用されたり、過去の体験を活かしたりできることを経験し、社員自らが自分の能力は仕事に役立つと理解できるようになるからです。

自分は役に立てると理解すると、人は主体的にチームに関わり、仕事をするようになります。会議中に一度も発言したことがないような社員も、自分の能力に気づけば少しずつ発言できるようになっていきます。このように主体的なメンバーを育てることで、チーム力は飛躍的に向上します。

チームのメンバー全員が主体的に行動し、能力を発揮できるようになるためにも、チームビルディング研修を導入しましょう。

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チームの仕事を円滑に進める「ファシリテーション研修」

ファシリテーション研修は、会議のファシリテーター(会議の進行役)に必要なスキルを学べる研修です。会議を仕切る人や議長のようなイメージですが、ファシリテーションとは円滑化や促進といった意味で、ファシリテーターとは「中立的な立場から物事を円滑に進める人」を指します。ファシリテーター自身は自分の考えにこだわって会議を誘導することもないので、従来型の引っ張っていくリーダーとも異なります。

従来型のリーダーや議長タイプよりも、ファシリテーターがいるチームの方がメンバーの納得感が高い傾向にあります。納得して同じ方向を向いて仕事を進めていけるのでチーム力も向上しますし、無駄ないさかいが無くなるので生産性が向上します。

とはいえ、ファシリテーターの役割ができる社員が大勢いる企業はまだまだ少ないです。ファシリテーター研修を導入し、社員にもファシリテーターの能力を身につけてもらいましょう。ファシリテーター研修の内容とあわせて、なぜチーム力向上に役立つかも解説していきます。

建設的な会議を行う方法を理解する

会議を円滑に進めるのがファシリテーターの役割なので、ファシリテーター研修では建設的な会議を行う方法から学びます。

実際のチームの現場だと、積極的に発言する人もいれば、発言に消極的な人もいます。また、誰かの意見に対していつも否定意見を唱える人もいます。このようにバラバラな個性を持ったメンバーを上手くまとめ、声の大きい人からだけでなく、消極的な人からも意見を引き出すのがファシリテーターの役割です。

ファシリテーター研修では、ロールプレイングを行い、現場のように個性が異なるメンバーで円滑に会議を行う方法を見につけます。消極的な人にも質問を投げかけたり、否定意見が出てメンバーが委縮しないようにしたりすることで、メンバーは意見を言いやすくなり、チーム力の向上につながります。

短い時間で結論を出せるようになる

チーム力の向上には各々が能力を最大限発揮することが重要ですが、全員がバラバラの意見を言い出してしまい、会議の収拾がつかなくなるケースもあります。ファシリテーターは会議が混乱している場合でも、冷静に結論に導かなくてはなりません。

ファシリテーター研修では、短時間で結論を出す方法も身につけることができます。短時間で会議を収束させるための事前準備や会議の進行の方法を学び、生産性の高いチームを作ることができます。

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相手に配慮した主張が出来るようになる「アサーティブコミュニケーション研修」

アサーティブコミュニケーションとは、相手を尊重して配慮した上で、対等な立場から自分や自社の意見を言えるコミュニケーション方法のことです。アサーティブコミュニケーション研修では、言いにくいことを上手く伝える方法などについて学べます。

コミュニケーションにおいて最も難しいのは、自分の要望を伝えることで相手を不機嫌にさせてしまうかもしれない場面です。クライアントとの価格交渉や、上司から部下へのミスの指摘などです。チームで仕事をしていると、相手を怒らせたくないあまり、我慢してしまうこともあるでしょう。

しかし、言わなければ状況の改善は見込めないので、伝えなければなりません。アサーティブコミュニケーション研修では上手に伝えるための方法や考え方を学ぶので、チーム内でも主張するべきことを上手に伝えられるようになります。この章ではアサーティブコミュニケーション研修の内容と、チーム力向上に役立つ理由を解説していきます。

風通しの良いチームを作れる

アサーティブコミュニケーション研修で言いにくいことを伝える技術を身につけると、チームのメンバーどうしで意見を言いやすくなり、風通しが良くなります。

従来の組織だと、年次や先輩・後輩といった上下関係に配慮し、部下が意見を言えないことも多かったです。しかし、意見を言えない環境だと誰かが我慢をしてわだかまりが残るので、チーム力は向上しません。

言いにくいことを上手に主張する技術を身につけることで、誰もが伸び伸びと能力を発揮できる環境を作ることができます。アサーティブコミュニケーション研修を導入し、チーム力を高めましょう。

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異なる価値観を尊重して高い成果を上げる「ダイバーシティ研修」

ダイバーシティとは多様性のことで、チーム力向上のためにはダイバーシティへの理解が欠かせません。性別や出身、国籍、経験などができる限り異なる多様なメンバーがチームを作ることで、色々な角度から意見を出してより良いアイディアや結論を導けるからです。

しかし、立場の違いがいじめに発展してしまうケースもあります。例えば、一人が産休や育休の取得することで、他のメンバーに仕事のしわ寄せが来てしまう場合などです。立場が違う人が意見を出し合えば建設的な議論ができるのに、「自分は損してあの人は得している」と先走った考えを持ってしまうことで、職場でいじめやハラスメントが発生してしまうことがあります。

いじめやハラスメントを防ぎ、多様な価値観をチームの成果に活かすためにも、ダイバーシティ研修を導入しましょう。ダイバーシティ研修で学べる内容とチーム力向上に役立つ理由について、詳しく解説していきます。

お互い様であることを理解しチーム力を高める

ダイバーシティ研修が必要な背景には、自分は多様性とは無関係だと感じている社員が多いことが大きな要因です。特に日本の企業で多数派になる日本人の男性は、自分も多様な人材の一員であると気づいていないことが多いのです。

ダイバーシティ研修では、一人として同じ人間はいないので、組織に所属する全員が多様な人材であることを学びます。ダイバーシティとは、女性活躍やLGBTQといった限られたトピックのみと関係するものではないのです。

自分も多様な人材の一人だと理解し、今後数十年にわたって同じ働き方ができるかを考えることで、自然と他者への配慮が生まれてきます。もし今、育休や産休で休まれるのは迷惑だと感じている社員がいたとしても、その人も育休や産休を取得したり、親の介護のために時短勤務をしたりする必要が出てくるかもしれません。メンバーどうしがお互い様だと思うことでチーム力が高まるので、ダイバーシティ研修を導入して社員全員が多様性の当事者であることを啓発しましょう。

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OJT担当者を育成する「OJTトレーナー研修」

OJTはOn the Job Trainingの略称で、職場での実務を通じて育成対象の社員(新入社員など)を能力を高めていく人材育成方法です。OJTトレーナー研修は、指導をする上司や先輩社員を対象とした研修です。

OJTはトレーナーの指導力によって効果が大きく変わり、トレーナーの力量が無いと育成対象者の大きな成長は期待できません。即戦力となる人材を育成するためにも、まずはトレーナーがOJTの目的や方法を学ぶ必要があります。

そのために導入したいのが、OJTトレーナー研修です。OJTトレーナー研修の内容とチーム力向上に役立つ理由について、詳しく解説していきます。

仕事の動機を教えられる力を身につける

OJTでは、業務知識がゼロの新入社員に対し、実務を通じて仕事を教えることになります。新入社員からすれば、やるべきこと以上に「なぜこの仕事が必要なのか」が分からない状態です。実務が分かっている社員は疑問に思わないことでも、新入社員は疑問に感じることがあるのです。

OJTトレーナー研修では、新入社員に仕事を教えるだけでなく、動機づけから行う方法を学びます。これはOJTだけでなく、日頃の業務で他人に仕事を任せる場面でも役立つスキルです。「なぜこの仕事が必要なのか」が明確に分かっている方が、任せられた人も仕事をしやすいですし、より良くする改善案も生まれやすくなるからです。OJTだけでなく、チーム力向上にも役立つスキルと言えます。

最近の新入社員の傾向を理解する

新卒で入社する新入社員の傾向を理解することも、OJTにおける重要なポイントです。最近の新入社員は真面目で、指示を嫌がらずにこなす人が多いのですが、自己主張を全くしなかったり、自分が必要がないと判断した仕事をやりたがらなかったりする特徴もあります。このような傾向に対してどのような言葉をかけて仕事を促すかも、OJTトレーナー研修で学ぶことができます。

OJTトレーナー研修で身につけたスキルは、新入社員に対してのみならず、チームで仕事をする上でも使えるスキルです。人に動いてもらうにはどうしたら良いのかが分かるので、円滑にチームの仕事を進められるようになるでしょう。

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部下のやる気を引き出せるようになる「部下育成研修」

部下育成研修は、部下を持っており育成の責任がある社員が受講する研修です。初めて部下を持つ社員を中心に、育成方法・指導方法を学ぶことができます。

部下育成における悩みも多様化してきており、部下のやる気を引き出す方法や育成に時間を取られて自分の仕事が進まないことへの対処法、テレワーク時の指導方法などさまざまです。部下の価値観も多様化しているので、一人一人に合った指導方法が求められていますが、上司にとって負担が大きくなっているのも事実です。

部下育成研修では、部下とのコミュニケーション方法や指導方法を学ぶことができます。研修で得た知識がヒントになって職場での指導が上手くいくようになるので、研修を受講することをおすすめします。この章では部下育成研修の内容と、チーム力向上に役立つ理由について解説していきます。

部下のタイプ別に指導方法が分かる

一口に部下といっても一人一人性格が異なるので、コミュニケーションが難しいと感じる方は多いでしょう。研修では部下のタイプ別にどのように指導したら良いかを学ぶことができます。例えば、何度も同じミスを繰り返す部下や、何でもどうしたら良いか聞きに来る部下などです。

部下のタイプ別に指導方法が分かると、部下だけでなくチームを率いる際にも役立ちます。相手の性格に応じた指導をすることで、相手が早く成長するからです。

正しい叱り方を身につけられる

最近は部下に気を使いすぎてしかれない上司が増えています。言いすぎて傷つけてしまったらどうしよう、パワハラと訴えられたらどうしよう、といった悩みが背景にあります。

部下がミスをしても頭ごなしに叱るのではなく、優しく対話をしてミスの原因を探り、再発防止を考えるのが理想的です。部下育成研修を通じて、問題を解決するための話し方を身につけましょう。

正しい叱り方は、部下育成だけでなくチームを率いる際にも役立ちます。頭ごなしに叱ると相手が委縮して能力を発揮できなくなるかもしれないので、対話によって解決し、チーム力を高めましょう。

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