企業理念、経営理念を対外的に発信している企業は多く、公式サイトや企業パンフレットなどを見ると誰でも見ることができます。
理念は経営陣だけが理解しているのではなく、社員全員で共有することが大切です。新入社員も社員の一員であることには変わりはありません。
仕事をおこなう上でも企業の全体像を知っておく必要がありますが、目の前のことに集中するあまり、企業全体のことまで気持ちが回らないという問題があります。
そこで、新入社員にも企業を理解してもらうために効果的な4つの方法をご紹介します。
目次
新入社員が企業を理解する必要性
どの企業でも、新入社員には1日も早く戦力として活躍してほしいと願っているはずです。担当する業務だけではなく、なぜ企業のことを理解しなくてはいけないのでしょうか。
その理由は2つあります。
モチベーションが上がる
入社した企業がどのような分野の仕事をしているのか、どのような商品を扱っているのか、どのような取引先があるのか、大まかに知っていても入ってみなければわからないこともあります。
早期に企業全体を知ることで、配属先での自分の役割、いつかチャレンジしてみたい仕事、今後取得するスキル、目標が立てやすくなり、モチベーションがアップします。
新入社員の入社3年以内での離職率が高くなっていますが、目標ややりがいを感じている社員は離職は考えません。
社会人としてのこれからをイメージしやすいように、入社して早期に企業を理解してもらうことが大切なのです。
企業の一員である自覚が生まれる
つい先月まで学生だった新入社員ですが、入社し企業の名前を背負っている以上は、「新入社員なので・・・」という言い訳は通用しません。
もう社会人であること、企業の一員であることを自覚しなければなりません。
そのためにも、企業として社会にどのようなことを提供しているか、自分がおこなっている仕事が企業のどの部分を担っているのかを理解することで、仕事への責任が芽生えます。
企業理念、各部署の業務内容と役割、取引先などを知っていることで、顧客からの信頼度も増し業績へとつながります。
企業の理解を深める4つの方法
新入社員は就職試験の時に企業について調べているはずですが、学生が情報収集できるできる範囲は限られています。
より深く正確に理解してもらうには、様々なアプローチが必要になります。
入社前研修の実施
内定者向けの研修がある場合は、そこで話をします。
採用時に企業の大まかな全体像と新入社員への期待などを伝えることで、心構えができますし、配属先の希望なども明確になってきます。
最初にたくさんの情報を伝えすぎると、ついていけるか不安になってしまうケースがありますので、注意が必要です。
新入社員研修の実施
入社後にビジネスマナーやコンプライアンス、業務に関する各種研修をおこなうと思います。その中に企業理解の内容を組み込みます。
ここでは企業理念や営業理念を中心に、業務全体のこと、業績、サービスや商品内容、今後の展望など、現在から未来に向けた話をすることで、新入社員自身が自分の未来をイメージできるようになります。
1度で企業すべてを理解するのは難しいかもしれませんので、機会があるごとに話をすると良いでしょう。
社員全員が同じ方向を向けるように、何度も何度も繰り返し伝えることが大切です。
新入社員同士の情報交換の場を作る
各部署に配属されると、自分の部署のことしか見えなくなってきます。
新入社員同士が集まれる場を作ることで、情報交換をしてお互いにどのような仕事をしているのかが理解でき、それぞれの役割も明確になります。
企業内での自分の位置と仕事の意味がわかると、仕事への向き合い方も変わってきます。
気軽に雑談の延長で話ができるようにレクリエーションを企画する、研修を合宿にするなどの工夫をすると良いです。
OJTを通して説明
配属先の部署での指導も大切です。
OJT研修を取り入れている企業は多いと思いますが、業務そのものを指導するのももちろん必要ですが、この部署での仕事がどのような意味を持っているのか、関わりの深い部署はどこなのかなど、少し広い範囲で指導をすることが必要です。
新入社員は目の前の仕事を覚えることに必死になり、他のことに目が行きにくくなっています。具体的な仕事に関連付けて話をすることで理解が深まり、企業全体への興味が湧きます。
仕事が忙しくなればなるほど、自分のことでいっぱいいっぱいになってしまうこともありますが、自分の部署の役割をわかっていたら関連部署への配慮もできるようになります。
新入社員への指導の適任者は?
新入社員へ誰が企業の説明をするのが良いのでしょうか。
企業を理解するのは、1度の機会では足りないため、上記でご紹介したように様々な場面で伝えていく必要があります。そのため、多くの人が関わり各立場から話をすることで、理解してもらいやすくなります。
経営者
入社前や入社時の研修で企業についての話を経営に関わる立場の人から聞くと、社会人として、企業の一員としての良い緊張感と自覚を促します。
経営者がどのような思いで運営しているのか、社会にどのように貢献していこうと思っているのかを知ることは、今後の社会人人生の刺激となります。
各部署の責任者
各部署の責任者は部署ごとの役割を伝えるのに適任です。
直属の上司ということで、経営者よりも新入社員に近いため、同じような話でも身近に感じてもらいやすくなります。
管理職の役目の中に企業理解への促進もぜひ取り入れましょう。
教育担当者
研修担当者やOJT担当者など、新入社員の育成に直接携わる先輩社員からの指導は、質問もしやすく、業務直結の内容が聞ける利点があります。
仕事に対する目的意識も持てるようになりますので、教育担当者も業務や研修のことだけではなく、企業のことも話す機会を作るようにしましょう。
企業理解は時間をかけておこなう
企業が目指している方向へ進み続けるためには、社員全員が企業を理解し、同じ方向を向いていなければなりません。
企業を知ることは、社員のモチベーションを上げ、離職率を下げる効果もあります。
新入社員として入社した時点から、企業への理解を深めてもらうように働きかけることが必要です。
研修、実務を通して伝えるだけではなく、社員同士の情報交換も大切な理解の場となります。
一社員が企業全体を理解するのには時間がかかります。時間をかけて伝え続けることが何より大切です。