セルフマネジメントとは、直訳すると「自己管理」という意味になります。ビジネスにおける生産性の向上のためにも、社員一人一人のセルフマネジメント能力の向上 が求められます。自己管理ができずダラダラと非生産的な仕事をしていては、社員本人も残業が増えて大変ですし、会社も残業代などのコストがかさんでしまうからです。
この記事では、セルフマネジメント能力を身につけ、向上させるのに適した研修を紹介していきます。以下に紹介する研修を導入し、社員のセルフマネジメント能力を高めて個人のパフォーマンスを最大化しましょう。
目次
主体的な行動を促す「コーチング研修」
近年注目を集めている「コーチング」とは、主体的な行動を促す指示やコミュニケーション方法のことです。従来の組織では上司が部下に命令して、部下が命令どおりに動いていましたが、コーチングはそうではありません。命令とは異なり、部下が主体的に行動できるようにするマネジメント方法がコーチングです。
命令ではなくコーチングを行うことで、自分の頭で考えられる社員を育成することができます。社員一人一人が主体的に行動できるようになるため、良いアイディアが生まれる環境になり、会社や組織の力が活性化します。
コーチング研修ではその具体的な方法を学びますが、コーチングは実践する本人のセルフマネジメント能力を向上させることにもつながります。コーチング研修の内容とともに、なぜセルフマネジメント能力の向上に役立つのかを解説していきます。
自分の生産性を向上させることができる
コーチングを行う大きなメリットが、指示待ちの社員を減らせることです。主体的な行動を促すのがコーチングなので、時々リーダーの元に相談に来ることはあっても、1から10まですべてをリーダーが部下に手取り足取り説明する必要はありません。
そのため、リーダーには自分のための時間が生まれます。リーダーにも指示以外の仕事があるので、自分の仕事ができる時間を確保することで、無駄な残業や持ち帰りの仕事が減って生産性が高まります。
また、自分の仕事のための時間とメンバーの質問に答えたりする時間のバランスを上手く取ることは、セルフマネジメントに他なりません。コーチングで主体的に行動できる社員を育てることは、リーダーのセルフマネジメントの一環と言えるので、コーチング研修はセルフマネジメント能力の向上につながります。
コーチングを人材育成や能力開発のために取り入れている企業が増えています。個人の成長を促す効果があり組織全体に良い影響を与えます。組織成長の為にコーチング研修の導入をご検討下さい。
ストレスを貯めず円滑なコミュニケーションを可能にする「アンガーマネジメント研修」
アンガーマネジメントとは、怒りの感情をコントロールする方法のことです。職場ではさまざまなトラブルが発生しますが、その都度怒りを爆発させていては、本人も周りもストレスが溜まって本来の能力を発揮できない状態になってしまいます。研修でアンガーマネジメントのやり方を身につけることで、ストレスが少なく生産性の高い職場を作ることができるでしょう。
アンガーマネジメントは自分の怒りの感情をコントロールすることなので、セルフマネジメントの一環です。アンガーマネジメント研修の内容を紹介するとともに、どのような点がセルフマネジメント能力の向上に役立つのかを解説していきます。
信頼されるリーダーになれる
周囲がついていきたいと思うリーダーは、セルフマネジメント能力に長けており、目的に向かって論理的で一貫した指示ができます。
一方、セルフマネジメントやアンガーマネジメントができていない社員がリーダーになると、その場の感情で指示をしてしまう傾向があります。機嫌によって指示のやり方や内容を変えてしまうので、チームのメンバーはついていきにくいです。
一貫した指示を行うためにも、怒りの感情をコントロールして自分を管理しなければなりません。そのためには、アンガーマネジメント研修を受講して、怒りの感情とどのように付き合ったら良いのかを学ぶ必要があります。
よくある勘違いなのですが、アンガーマネジメントとは怒りを押し殺すことではありません。感情的に怒るのは本人にも周囲にもメリットがないことが多いので、怒りを爆発させるのではなく、正しく相手に伝えることがアンガーマネジメントの一つの目標です。アンガーマネジメント研修で怒りの感情と上手く付き合う方法を学び、セルフマネジメント能力を向上させることができます。
問題のある怒りが分かるようになる
怒りは人間にとって自然なもので、すべての怒りが悪いわけではありません。アンガーマネジメント研修では、対処が必要な問題のある怒りの種類を学ぶことができるので、自分が怒りの感情を抱いたときに適切な対処ができます。
問題のある怒りとは、爆発する強い怒り、長い時間持続する怒り、頻度が高い怒り、暴言や暴力で攻撃する怒りの4つです。これらの怒りは原因が異なるので、対処法も異なります。
例えば、頻度が高い怒りに対しては、原因を突き止めることによって改善する傾向があります。原因は、部下の態度や間違った敬語の使い方、取引先とのコミュニケーション、家族とのすれ違いなど多岐にわたりますが、場合によっては話し合いで解決することがあります。部下の態度で気に入らないことがあるなら、怒りを表明するのではなく、なぜ良くないのかを教えて改善することで、怒りを感じないようになるはずです。
自分の怒りは問題のある怒りなのか、問題がある場合はどうすれば解決できるのかを考えることは、アンガーマネジメントであるとともにセルフマネジメントでもあります。アンガーマネジメント研修で考え方や対処方法を見につけ、セルフマネジメント能力を向上させましょう。
アンガーマネジメントとは、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。アンガーマネジメント研修では、怒らない方法を学ぶのではなく、怒った時の対処や沸点を低くする方法、怒る場面と怒らない場面の区別方法などを学びます。
組織を率いるリーダーを育成する「リーダーシップ研修」
リーダーにもセルフマネジメント能力が必要と言われるようになってきています。欧米では随分前から、肥満や喫煙の習慣がある人はセルフマネジメント能力が低いと見なされ、就職や昇進で不利になるとも言われてきたとおりです。
できるリーダーは自分のメンタルをしっかりコントロールしているので、毎日の仕事で一環した指示をメンバーに与えることができています。セルフマネジメント能力が低いと、機嫌が良いときと悪いときとで指示が変わってしまい、周囲がリーダーの機嫌に振り回されてしまうでしょう。
自分を律することができるリーダーを育てるためにも、リーダーシップ研修を導入しましょう。リーダーシップ研修で学べる内容と、セルフマネジメント能力の向上に役立つ理由を解説していきます。
組織やチームを客観的に把握できる
組織やチームのリーダーになる中堅からベテランの社員でも、リーダーの役割をきちんと理解している方は少ないです。リーダーは組織の全体を見て、全体をどう動かしていくかを決定する立場です。
しかし、これが理解できていない人は目の前の仕事をこなすことしか頭にありません。メンバーに与えるべき仕事も「他人がやるより自分がやった方が早い」のように考えてすべて自分で背負い込んでしまう傾向があります。メンバーの能力を有効に使えないことに加え、リーダー1人が多くの仕事を背負うため仕事の進行も遅くなりがちです。
こうならないためにも、組織やチームのリーダーはリーダーシップ研修を受講し、全体を客観的に見る力を養う必要があります。「他人がやるより自分がやった方が早い」と考える人も、研修を受講すると自分の能力の限界や他人の能力の有効活用を理解できるので、セルフマネジメント能力を向上させることができます。
組織で活躍できるリーダーには、ビジョンを語る力、マネジメント力が求められます。KeySessionでは課題解決やビジョン共有などができるリーダー育成のための「リーダーシップ研修」を紹介しています。
自分の心の健康を保つ「メンタルヘルス研修」
メンタルヘルス(心の健康)は、仕事の成果や生産性に大きく影響します。憂鬱な状態で仕事に取り掛かっても、ミスが頻発したり良いアイディアが浮かばなかったりして、高い成果を出すことはできません。
また、働き盛りの死因の多くが自殺であることや、メンタルヘルス関連の労災申請件数が多いことからも、職場におけるメンタルヘルスマネジメントの重要性が理解できます。
メンタルヘルスマネジメントとは、社員が心の健康を保ちながら働けるようにマネジメントを行うことです。自分自身のメンタルヘルスを整えることはセルフマネジメントの一環であり、セルフマネジメント能力を高めるためにもメンタルヘルスマネジメントを身につける必要があります。
メンタルヘルス研修では感情をコントロールする方法を学べるので、セルフマネジメント能力の向上にも役立ちます。この章ではメンタルヘルス研修の内容とともに、なぜセルフマネジメント能力の向上に役立つのかを解説していきます。
メンタルのセルフケア方法を学べる
心の健康は、取返しがつかないところまで進行してから医療などの力を借りるのではなく、ストレスが軽い状態でセルフケアを行って回復するのが重要です。そのため、メンタルヘルス研修ではセルフケアの方法を学ぶことができます。
セルフケアの具体的な方法としては、正しい呼吸、適度な運動やストレッチ、十分な睡眠や休養などが挙げられます。このような対処方法を知っておくことで、軽いストレスを気にせずに仕事に向き合えるようになります。
ストレスと上手に付き合うことはセルフマネジメント能力の一環なので、メンタルヘルス研修を受講することで、セルフマネジメント能力を向上させることができます。
集中力を高める「マインドフルネス研修」
一流の経営者やビジネスマンの間で流行しているのが、マインドフルネスです。瞑想と訳されることもあるのですが、本来の意味は「今この瞬間に目を向けること」です。精神を今に集中させるという意味で、集中力を高める効果があります。
多くの仕事では注意力が散漫になりがちなので、マインドフルネスの需要が高まっています。職場では、時間を気にしながらタスクに取り組み、突然の電話やメールに対応し、上司や部下に呼ばれたら対応するといったことがひっきりなしに行われています。学校の授業や試験と異なり、集中力を発揮しにくい環境になってしまっているのです。
仕事に忙殺されていると、集中力は低下していき、いざ集中したいときに集中できない人になってしまいます。そうならないためにも、マインドフルネスを行う時間を確保して集中力を高め、生産性を高める必要があります。
集中力を向上させることもセルフマネジメントの一環なので、マインドフルネス研修でマインドフルネスの方法を学ぶことも、セルフマネジメント能力の向上につながります。この章では、マインドフルネス研修で学べる内容と、セルフマネジメント能力の向上につながる理由を解説していきます。
精神をコントロールできるようになる
マインドフルネス研修では、マインドフルネスの効果ややり方を学ぶことができます。基本的には呼吸法なので、パソコンを閉じて呼吸に集中することで、職場でも簡単にマインドフルネスを実践することができます。
マインドフルネスの即時的な効果としては、頭がすっきりして心も安らかになるので、感じなくて良いストレスから解放され、冷静な判断を下せるようになることです。不安や感情に左右されない判断を行うというセルフマネジメントの目標にも合致します。怒りや焦りといったネガティブな気持ちを感じたときにマインドフルネスを行い、精神を休めて冷静を取り戻しましょう。
うつや精神的なストレスを和らげる
仕事で嫌なことがあると、誰でも憂鬱な気持ちになったり、ストレスを抱え込んでしまったりします。程度の差はありますが、うつ状態やストレスは仕事への意欲にも悪い影響を及ぼすので、対処方法を見につけておく必要があります。
マインドフルネスはうつや精神的なストレスにも有効で、マインドフルネスを実践することでつまらないストレスに振り回されず、大切なことに集中できるようになります。気持ちの切り替えが上手になるのです。
嫌なことに悩まされず、前向きに仕事に向かうことは、セルフマネジメントにおいても重要です。マインドフルネス研修を導入してストレスを受け流せるようになることで、セルフマネジメント能力も向上します。
マインドフルネスへの注目が高まり、世界の名だたる企業でマインドフルネス研修が取り入れられ、ビジネスの場面で良い成果をあげています。良い働き場所づくりに最適なマインドフルネス研修をご紹介します。
時間の使い方を改善して生産性を向上させる「タイムマネジメント研修」
タイムマネジメントとは単なる時間の管理を指すだけでなく、時間の使い方を改善して生産性を高めることを指しています。時間を有効に活用できるようになって1時間あたりにできる仕事の質や量を高めることができれば、社員本人もプライベートの時間を作れるメリットがあり、会社は残業代などのコストを削減できるメリットがあります。
時間を有効に使うことは、仕事で成果を上げるだけでなく、社員本人の人生を充実させることにもつながります。タイムマネジメントは自分の行動によって時間を有効に使うことなので、セルフマネジメントの一環です。
この章では、タイムマネジメント研修で学べる内容と、なぜセルフマネジメントに役立つのか理由を解説していきます。
限られた時間を有効活用する方法を学べる
タイムマネジメントの本質は「本人の行動を生産的に変革すること」にあります。時間を増やそうとしても、1日24時間と限られた時間しか存在しないからです。
タイムマネジメントの最も重要なポイントは、仕事の優先順位を見極め、優先度が高い仕事に時間を使うことです。重要な仕事はどれなのかを見極めて優先して行うことで、生産性が高まります。
タイムマネジメント研修では、ToDoリストを作って優先度を考える方法などを学ぶことができます。自分が集中してやるべき仕事を見つけて取り組むことで生産性が高められるので、まさにセルフマネジメントを上手に行えていることになります。
まとめて処理する時間を作れるようになる
タイムマネジメントでは、仕事の優先順位を決めて優先度が高い仕事から着手することです。一方で、優先度が低い仕事は後回しになりがちです。しかし、優先度が低い仕事も並行してこなそうとすると、集中力が散漫になって生産性が下がってしまいます。優先すべき仕事も時間がかかってしまうかもしれません。
タイムマネジメント研修では、優先度が低い仕事はまとめて処理する時間を作ると指導を受けます。お礼メールや資料のシュレッダーなど優先度が低い仕事は、簡単な仕事に集中する時間を作ってまとめて処理することで、無駄な時間をかけずに対応できます。
このように上手に時間を使うことは、セルフマネジメントに他なりません。タイムマネジメント研修で方法を見につけることで、セルフマネジメント能力の向上が期待できます。
働き方改革が推進されて、時間の使い方を見直す良い機会となっています。仕事量は減らないのに、業務時間が減っている現状で、どう時間を使いこなすかとい課題に頭を抱えているビジネスマンが多いです。タイムマネジメントの重要性を理解し、企業単位で取り組みを強化しましょう。
問題の本質を見抜く力を鍛える「デザイン思考研修」
デザイン思考とは、前例の焼き直しでは問題を解決できない現代の複雑な社会にも対応できる、問題の本質を見極めて課題解決方法を考える思考方法のことです。従来からデザイナーに必要な思考とされてきたためデザイン思考と呼ばれていますが、現代では非デザイナーの社員にも幅広く必要な考え方になっています。
デザイン思考は創造的な発想をするための考え方なので、短い時間で良いアイディアを創出して生産性を向上させるという点では、セルフマネジメント能力の一環と言うことができます。デザイン思考研修で考え方や実践方法を学ぶことで、セルフマネジメント能力の向上が期待できます。この章ではデザイン思考研修の内容と、セルフマネジメント能力の向上に役立つ理由を解説していきます。
デザイン思考のフレームワークを身につけられる
価値観が多様化してニーズが単一でない現代では、既存の商品やサービスにとらわれない発想が重要です。デザイン思考は新しい発想を生むための思考方法であり、以下のフレームワークで思考していきます。
- ユーザー視点で悩みやニーズを考える
- どのターゲットの悩みを解決するのか決める
- 解決するためのアイディアをできる限り多く出す
- 試作してテストする
このフレームワークを使うことで、今までの商品やサービスとは異なる考えが生まれます。特にアイディアをたくさん出すのが重要で、たくさん出せば出すほど、既存のアイディアから離れた斬新なアイディアが出やすくなります。
デザイン思考研修では、このフレームワークを座学と実践的なワークの両方で学ぶことができます。最初は慣れない思考方法に戸惑うかもしれませんが、研修でやり方を学んで練習することでコツを掴めるので、効率よく発想できるようになります。
短い時間で良いアイディアを出すことは、社員が本人の能力を最大限発揮することに他なりません。セルフマネジメントが目的とする、能力の最大化による生産性の向上にも役立つことが期待できます。
近年、ビジネスパーソンを中心に「デザイン思考」に注目が集まっています。デザイナーやクリエイター特有の思考方法ですが、デザイン領域以外の一般的なビジネスに応用でき、新商品や新サービスの考案に役立つので、広く注目を浴びています。
セルフマネジメントに必要な週間が身につく「7つの習慣研修」
「7つの習慣」とは、スティーブン・R・コヴィー博士が著書の『7つの習慣』で示している成功哲学です。ビジネスを成功させるための考え方が7つの習慣に落とし込まれており、誰でも実践できる内容にまとまっています。
具体的な7つの習慣は以下のとおりです。
- 主体的である
- 終わりを思い描くことから始める
- 最優先事項を優先する
- Win-Winを考える
- まず理解に徹し、そして理解される
- シナジーを創り出す
- 刃を砥ぐ
一部に比喩表現があって分かりにくいかもしれませんが、主体的であることや最優先事項を優先することなど、この記事で紹介してきた研修内容のまとめのようにもなっています。
コヴィー博士は、一人一人が成功を収めるためには、以上の7つの習慣が重要だと説いています。これらを身につけることはセルフマネジメント能力を向上させることでもあるので、7つの習慣研修で学べる内容や、セルフマネジメント能力の向上に役立つ理由について解説していきます。
主体的な社員を育成できる
研修では7つの習慣の内容を学ぶとともに、なぜその習慣が必要なのかも学ぶことができます。なぜ主体的になる必要があるのか、なぜWin-Winを考える必要があるのかを理解することができるのです。
研修前は「上の指示が悪い」「頑張っているのに評価されない」と感じていた社員も、7つの習慣研修を受講すれば、自分にも問題があることに気づけます。主体性や他者の理解に徹する重要性を学ぶことで、自分が受け身になっているから成功できないのだと気づくことができます。
そして、状況を良くするためにはどうしたら良いのかを考えられるようになります。受動的な姿勢から主体的に行動できるようになることは、まさにセルフマネジメント能力の向上です。7つの習慣研修を導入することで、セルフマネジメント能力の高い社員を育成できます。
自ら挑戦する社員を育成できる
7つの習慣は成功するための哲学なので、研修でイロハを学んだ社員は成功に前向きになることが期待できます。「お金のために仕事をしているのだから、難しいことはしたくない」と考えていた社員も、難しい仕事に自ら挑戦できるようになります。
7つの習慣を学ぶと、仕事を自分の人生をより良くするためのものとして捉えられるようになります。よって、積極的に難しい仕事に挑戦すれば自分の満足度を高められると学べるのです。
難しい仕事に主体的に挑戦する意欲を持つことは、セルフマネジメントでも重要な項目です。7つの習慣研修を通じて成功哲学を学ぶことで、セルフマネジメント能力の向上も期待できるのです。
仕事を1人で抱え込まない「仕事の進め方研修」
最近の社員にありがちなのが、仕事を周りの人に振れず、1人で抱え込んでしまうことです。若手社員の場合は先輩や上司に協力をあおぎにくかったり、1人で仕事をこなすことが優秀だと勘違いしている場合に起こります。中堅やベテランの社員でも、仕事を振ってパワハラだと言われたらどうしよう、といった不安から、部下に仕事を振りにくくなっている人がいます。
このような状況を放置すると、仕事を1人で抱え込んで破綻してしまったり、職場でのコミュニケーションが上手く行かず連携不足の失敗が起きたりします。放置してはいけないので、年次に関係なく仕事の進め方を研修できちんと学ぶべきです。
また、仕事の進め方はセルフマネジメントそのものと言っても過言ではありません。自分の能力を最大限発揮するためには、まず正しい仕事の進め方が大前提だからです。この章では、仕事の進め方研修の内容とともに、セルフマネジメント能力の向上に役立つ理由を解説していきます。
仕事の優先順位を把握できるようになる
優先順位の高い仕事を先に行い、余った時間で優先順位が低い仕事に取り組むのが一般的なビジネスの考え方です。しかし、優先順位が高い仕事は難易度が高いことも多く、やる気が起きないといった理由で後回しにしがちです。
仕事の進め方研修では、やるべき仕事を可視化するところから始めます。仕事を緊急度と重要度の2つの軸で分類するのです。すなわち、仕事を以下の4種類に分類します。
- 緊急度が高く、重要度も高い
- 緊急度は高いが、重要度は低い
- 緊急度は低いが、重要度は高い
- 緊急度が低く、重要度も低い
このように可視化すると、まずは緊急度も重要度も高い仕事から始めなければならないことが分かります。次に重要度は低いものの緊急度が高い仕事を行います。こうして可視化することで、社員本人も難しいから後回しとはできず、今すぐやらなければ、というモチベーションを高めることができます。
意欲を持って仕事に取り組めるように工夫することも、セルフマネジメントの一環です。仕事の進め方研修で仕事を可視化する方法が分かれば、仕事への意欲が湧いてくるので、セルフマネジメント能力を向上させることにもつながります。
コミュニケーション能力が身につく
仕事の進め方研修を受講すると、周囲とのコミュニケーション方法を見につけられます。仕事は1人で抱え込まず、周囲と協力して進める方が効率が良いので、コミュニケーション能力はとても重要な能力と言えます。
仕事の進め方研修では、コミュニケーションが不足した職場ではどのような問題が起きるのかを学びます。そして適切な報連相やコミュニケーションの方法を学ぶので、仕事を1人で抱え込んでしまう社員も周りに協力を求めやすくなります。
特に緊急度が低く重要度も低い仕事は、手が空いている人にやってもらうことも大切です。緊急度も重要度も高い自分の仕事をしっかり行うためのセルフマネジメントの一環とも言えます。
仕事を時間内にスムーズに進め、周囲と情報共有しながら質の高いアウトプットをする力は、年齢やキャリアに関係なくすべての社会人が身につけるべきスキルです。仕事の進め方研修で社会人基礎力を身につけ、社内外で信頼される人材を育成しましょう。