面白い企業研修は効果が高い!楽しく学ぶユニークな研修を紹介

「社員がしっかりやる気を出してくれるか」「難しすぎてついていけない社員がいるのでは」など、研修を選ぶ人事担当者には悩みがつきません。

最近では、「受講者が楽しめる面白い企業研修のほうが、やる気が出るので効果が高い」と考える研修会社が増えてきています。真面目すぎてつまらない研修より、面白いのにきちんと勉強になる研修のほうが、受講者にとっても記憶に残ります。

そこでこの記事では、なぜ今、面白い企業研修が選ばれているのか、面白い企業研修にはどのような種類があるのかを解説していきます。おすすめの企業研修も紹介するので、この中から候補を選んでみてはいかがでしょうか。

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面白い企業研修が選ばれている理由

面白い研修
はじめに、面白い企業研修が選ばれている理由を解説します。なぜ研修に面白さが必要なのか、背景を押さえてから研修を選びましょう。

企業研修の感想は「記憶に残らない」「退屈」

従来の真面目な企業研修でよくあるのが、「退屈だった」「何を学んだのかあまり覚えていない」といった消極的な感想です。研修の受講も仕事なので、社員は真面目な姿勢で受講しようとしますが、「やらされている感」が否めません。これでは能動性にも限界があるでしょう。

学校の授業でも、淡々とした講義より、先生の説明のしかたが面白い授業や、調理実習のように自ら行動した授業のほうを覚えているものです。企業研修でも同様で、研修の内容を社員にしっかりと理解してもらうためには、面白さ・楽しさが重要なのです。

当事者意識を持って参加できる

業務を抱えて忙しい社員だと、正直、研修を受ける時間すらもったいなく感じていることがあります。座学中心の真面目な企業研修だと、「研修は手を抜いて、残業のために体力を残しておこう」と考えたり、最悪の場合、研修中に寝ているといったこともあります。

しかし、面白い企業研修では、受講者が能動的に動かなければ先に進みません。受講者が自然と前のめりになる工夫がされているので、始まる前はやる気がなかった社員も、いつのまにか能動的に研修に参加しています。

コロナで同期の関係が希薄になりがち

コロナ禍でリモートワークが中心となり、同期のつながり作りに課題を感じている会社は多いです。部署を超えたつながりが作れないと、社員は仕事の相談をする仲間がおらず一人でストレスを抱えてしまいがちです。また、同期のつながりが新たな仕事を生み出すことがあるので、つながりが作れない現在の環境は、会社にとっても損失になり得ます。

そこで、レクリエーションと仕事の役に立つ勉強を同時に実現できる、面白い企業研修に白羽の矢が立っています。コロナ禍で社員どうしの結びつきが希薄になりがち、という課題を解決する手段になるので、面白い企業研修を探す人事担当者が増えています。

面白い企業研修の効果

次に、面白い企業研修を導入すると、社員や会社にどのような影響があるのかを解説していきます。「研修に面白さなんていらない」と考える人もいるかもしれませんが、効果を理解すれば認識も変わります。

能動的に参加できる

面白い企業研修の最大の効果は、社員が能動的に参加できることです。

どんな研修でも重要なのが、内容以上に受講者の姿勢です。せっかく講師が有益な内容を解説していても、受講者がそれを受け入れ、学ぶ姿勢になっていなければ、情報は右から左に流れてしまいます。今までの真面目すぎる企業研修がいまいち効果を発揮できなかったのも、受講者が退屈さを感じているのが一因と言えます。

面白い企業研修には、社員が能動的になれる仕掛けが施されています。社員が自然と学ぶ姿勢になるので、研修の効果が高まります。

実務のシミュレーションができる

面白さがウリの企業研修は、脱出ゲームや謎解きといったエンタメ要素を取り入れてはいますが、本質的な内容は実務に基づいています。実務をゲーム風にアレンジした研修、と言えるでしょう。

そのため、研修は楽しいだけでなく、実務のシミュレーションになっています。実務経験が少ない新入社員や内定者でも、実務で役立つ知識を自然に身につけることができます。

「面白い企業研修」と聞くと、楽しいゲームのような研修で何も身につかないだろう、と感じる人もいるかもしれません。そうではなく、実務で役立つことをベースに、誰もが楽しんで参加できるようにアレンジした研修
なのです。

交流が盛んになる

面白い企業研修では、個人ワークよりグループワークに比重を置いています。そのため、社員どうしの交流が盛んになります。

内定者や新入社員が同期のつながりを作るのにも役立ちますし、若手からベテランまでを混ぜてチームを作れば、社内の人脈づくりにも役立ちます。社員どうしのコミュニケーションを活性化させることで、ビジネスが円滑になったり、新規ビジネスのアイディアが生まれたりするので、会社にとっても良い影響をもたらします。

面白い企業研修で効果を出すために大切なこと

楽しく学ぶ研修
研修を導入すれば自動的に社員が育つわけではなく、効果を出すためにやっておくべきことがあります。この章では、面白い企業研修で効果を出すために大切なことを解説していきます。

企業研修の目的を明確にする

まずはじめに、研修を導入して社員にどうなってほしいのか、目的を明確にしましょう。

目的がはっきりしない状態で企業研修を探すと、派手な広告にまどわされてしまいがちです。面白い研修は見つかるかもしれませんが、会社と社員にとって役に立たない内容の場合があります。

研修を人材育成に役立てるためにも、まずは研修に求める内容をはっきりさせましょう。

企業研修を受講する対象者の動機づけをする

企業研修が退屈なものになってしまう理由のひとつに、社員が積極的にならず、ただ話を聞いているだけだから、という理由があります。受講する社員本人がやる気を出さなければ研修の効果は半減してしまうので、研修を行う前に動機づけする工夫をしましょう。

例えば、本人のキャリアビジョンをヒアリングし、そのキャリアを歩むために研修が役に立つことを説明することが挙げられます。面談を設けて1年後、3年後、5年後のなりたい姿を社員から聞き、会社はどんな役割を任せたいと思っているのかも伝えます。その上で、どんなステップで成長していけば理想の姿になれるのかを社員と一緒に考え、そのために研修が役立つことを伝えます。
そのほか、「研修の受講状況や態度も仕事の評価に含まれる」など外的な動機づけも考えられます。

「なんのために」この研修を受けるのかを、受講者本人が認識することが重要なのです。

会社の業務に活かせる内容のものを選ぶ

企業研修は、会社の業務に活かせる内容のものを選びましょう。また、受講者の階層や業務内容も踏まえて研修を選びます。

近年の企業研修は内容が細分化しており、上層部や中間管理職向けのマネジメント系の研修から、新入社員研修・内定者研修などさまざまです。このように対象者がある程度決まっている研修もあれば、ハラスメント研修やダイバーシティ研修のように全社員が対象となる研修もあります。

どの領域でも工夫を凝らした面白い研修はありますが、自社の業務に合っているか、研修の受講者にとって有益かどうかを軸に企業研修を選びましょう。

面白い研修が用いられる人気のテーマ

近年は研修会社がさまざまな工夫を凝らしており、受講者が楽しみながら学べる面白い研修が増えてきています。特に新入社員研修、チームビルディング研修、コミュニケーション研修では、面白い研修があります。この3つの研修ではどんなことを学べるのか解説していきます。

新入社員研修

新入社員研修は、採用後、入社したばかりでまだ実務を経験していない新入社員を対象とした研修です。目的は、学生と社会人の違いを理解し、社会に出ていく準備をすることです。企業の理念や業務を理解したり、名刺交換やメールの書き方など基本的なビジネスマナーを学んだりします。

主な目的は以上のような社会人になる準備ですが、新入社員研修には、社員が同期のつながりを作るという副次的な目的もあります。拠点が多い企業の場合、職場に配属されると同期で交流できる機会が少なくなってしまいます。入社直後に交流できる機会を設け、同期の絆を作っておけば、そのつながりは仕事にも活かせます。

新入社員のつながり作りに活かせるのが、面白い研修です。ウォーキング研修やランニング研修など、レクリエーション系の研修が絆を深めるのに役立ちます。

楽しみながらも、ビジネスに必要なスキルや意識(社会人基礎力/自責意識など)を体感して理解できるビジネスゲーム型研修も人気があります。

チームビルディング研修

チームビルディング研修とは、組織をひとつのチームとして一体感を高めるための研修です。チームのメンバーは、それぞれが異なる経験やスキル、性格、価値観を持っています。一人一人が長所を最大限に発揮し、目標を達成できるチームを作ることが「チームビルディング」です。

研修の対象者は新入社員からベテラン、経営層まで幅広いです。実際のビジネスの現場では、年齢や性別などあらゆる属性が異なる人とチームを組むことが多いので、そうした場所で自分や周囲が力を発揮し、良い方向に進むための方法を学ぶ研修です。

チームビルディング研修も面白い研修が多いです。協力しないとクリアできないゲーム形式の研修などがあり、社員の協調性を養うことができます。また、仕事の現場だと言いにくい本音も、楽しいグループワーク中ならポロっと言えてコミュニケーションが取りやすくなる、といったメリットもあります。

コミュニケーション研修

コミュニケーション研修とは、文字どおりコミュニケーション能力を高めることを目的とした研修です。社外の顧客とのやり取りだけでなく、社内の自分以外の社員とのやり取りにも活かせます。接客業だけでなく、最近ではさまざまな業界の企業がコミュニケーション研修を取り入れています。

社会人としてのコミュニケーション能力は大きく分けて2つあります。1つは相手を不愉快にさせずに自分の意見を正確に伝える力、もう1つは相手の話を聞いて引き出す力です。社会人経験の長さに関係なく、意外とこうした能力が必要なことを理解できている人は少ないので、全社員を対象にコミュニケーション研修を導入してはいかがでしょうか。

コミュニケーション研修には面白い研修が役立ちます。レクリエーション系の研修なら、打ち解けた雰囲気で会話ができるからです。普段の仕事の上下関係から離れたところで、コミュニケーションを深めることができます。

効果的で楽しく学べる企業研修9選

しごとっち】シゴト体験ビジネスゲーム型研修
この章では、面白い研修を取り入れている企業の事例を紹介していきます。研修会社に依頼する研修や、レクリエーションを兼ねて社内でも企画できる研修があるので、自社に合いそうな研修を取り入れていきましょう。

気づきを引き出し受講者の行動を変容させるシゴト体験ビジネスゲーム型研修

研修会社のノビテクが提供する『シゴト体験ビジネスゲーム型研修』では、基礎的なビジネススキルやマインドを身につけ、時間管理、G-PDCAサイクルを学ぶことができます。対象者は内定者、新入社員、若手社員、リーダー、リーダー候補と比較的若い世代です。

架空のおもちゃ会社に入社する設定で、参加者は売上1位を目指しておもちゃの開発を行います。ただ成果物を作成するだけでなく、その過程で起こりうるリアルなトラブルが組み込まれているので、参加者は予期せぬ問題に頭を悩ませます。チームで議論して解決していくので、まさにビジネスシミュレーションと言える研修です。

バンダイナムコゲームスのノウハウが詰め込まれた本格的な音響や映像、ツールを使用するため、ゲーム感覚で研修を受講できます。内容はビジネスシミュレーションなので、実際の仕事の現場でも役立つことばかりです。「若手社員が楽しく学べて、かつ役に立つ研修を探している」という方におすすめです。

オンライン版ビジネスゲーム型研修

こちらも株式会社ノビテクが提供する研修です。オンラインなのに体験型の研修ができるので、受講者は楽しみながら参加できます。対象者は新入社員や若手社員、リモートワークに慣れていない社員などです。

この研修では、リモートを含めどのような環境でも仕事を進められるスキルを学びます。特にコロナ禍でリモートワークが進んだのは良いですが、1人で作業する時間が増えるので、新入社員が正しく時間内に仕事を進められているか不安な方も多いでしょう。また、新入社員も「自分のやり方で合っているのかな…」と不安に感じながら仕事をしています。

リモート環境では、このようなコミュニケーション不足が発生しがちなので、研修でビジネスを体感し、練習するのがおすすめです。オンライン版ビジネスゲーム型研修ではビジネスシミュレーションを通じ、PDCAやタイムマネジメント、報連相などを身につけます。

チャンバラ合戦研修

株式会社IKUSAが提供する『チャンバラ合戦』は、スポンジ製の刀を持って戦うチーム戦のアクティビティを取り入れた研修です。体格差や人数があまり関係ないので、どのような企業でも導入できます。

勝敗を決めるのは戦略とチームワークなので、チーム内のコミュニケーションが活性化します。また、人それぞれの得意を活かし、不得意を補佐しあいながら進めるため、理想のチームビルディングの形を学べます。

ディズニーアカデミー研修

ディズニーアカデミー研修は、東京ディズニーリゾートが企業向けに行っている研修です。世界屈指の高いレベルのサービスを提供するディズニーから、顧客対応やホスピタリティについて学べます。

ディズニーのキャストといえば、「上司に言われたことを渋々やっている」のではなく、「ゲストを楽しませたい!」と能動的にサービスを提供しています。このようなメンタルを持つにはどうしたら良いのか、また育成するにはどうしたら良いのかを学べます。

漫才研修

中古車用品を扱う株式会社アップガレージでは、『漫才研修』というユニークな研修を導入しています。芸能事務所で芸人の育成をしている構成作家を講師に招き、社員どうしでコンビを組んで漫才を学びます。

笑いのセンスやセールストークを身につけるだけでなく、人前で話すことに慣れたり、コンビで対話を繰り返すことによりコミュニケーションを学べます。ネタという作品が成果になるので、研修の達成感もひとしおです。

ライオンキング研修

『ライオンキング研修』は、人材育成トレーナー佐藤政樹さんによる研修です。劇団四季出身の佐藤さんから、劇団四季の顧客満足度が高い秘訣やプロ意識を学べます。

実際にライオンキングを鑑賞するので、教わったプロ意識がどこに活きているのかがわかります。どの業界でも活かせる普遍的なビジネススキルを学べる研修です。

マーダーミステリー研修

株式会社IKUSAが提供する『マーダーミステリー研修』は、推理ゲーム「マーダーミステリー」を基に、社内イベントや研修用に開発されたものです。体験型の推理ゲームで、参加者は事件の登場人物になりきり、刑事や犯人、政治家などの役割を演じながらゲームを進めていきます。チームで推理を進めていくことで、真実を見つけ出します。

チーム内のコミュニケーションが活性化するだけでなく、論理的に考えて答えを導かなくてはならないので、ロジカルシンキングの練習にもなります。「事件」という非日常的な体験ゲームなので、社員にも仕事を離れて新鮮な経験をしてもらえます。

竹とんぼ作り研修

『竹とんぼ作り研修』は、総合電子部品メーカーTDKが導入している研修です。「日本一の竹とんぼを作ろう」をテーマ、新入社員が3人1組で取り組みます。

この研修には、コスト・品質・期限が設けられており、実際の業務と同じように進めることができます。学生時代は締め切り間際にレポートを始め、結局間に合わず、期限を過ぎてから適当なレポートを提出していた…という内定者や新入社員もいるかもしれませんが、社会人になってからはそのような考えでは通用しないことが学べます。

社会人としての基本的なことを学べるので、応用して導入してみてはいかがでしょうか。

ウォーキング研修

タクシー会社の国際自動車株式会社では、ウォーキング研修を取り入れています。都内の観光スポットを歩く研修で、タクシードライバーの育成に直接役立ちます。それだけでなく、同期とウォーキングすることで絆を深められるメリットもあります。

タクシードライバーの育成なのに、徒歩で名所を回るところが非常にユニークです。ゆっくり歩くからこそ仕入れられる地域の情報は、お客様をタクシーに乗せるときにも役立っています。

視点を変えるテクニックは、ほかの業種の社員にも役立ちます。ウォーキングのあとに「お客様に伝えたい地域のプチ情報」のプレゼンを行うなど、工夫次第で低コストなのに効果的な研修ができます。

面白い企業研修についてよくある質問

最後に、面白い企業研修を探している方からのよくある質問について解説します。回答は研修によって異なるので、比較検討の際のポイントにもしましょう。

研修にかかる費用はどれくらい?

研修の期間や内容によって費用は異なりますが、社員1人あたり3万円~5万円が相場とされています。

人材育成は投資なので、意外と費用がかかります。「少なくないお金を支払うのだから、社員にもしっかり受講してほしい!」と思った方は、上記で解説した「社員の動機づけ」をご参考ください。

厚生労働省のキャリアアップ関連の助成金では、条件を満たす研修について費用の補助があります。助成金を使って研修を導入するのも良いでしょう。

講師はどんな人?

講師は研修で扱う内容に精通しています。チームビルディング研修なら企業を率いた経験のある講師、新入社員研修ならビジネスマナーも深く理解している講師などです。実務経験を活かした指導やアドバイスが期待できます。

ただし、中には経験がないのに講師をやっているケースもあります。講師のプロフィールを確認したり、研修のレビューや評価を見てから、研修を申し込みましょう。

研修の期間はどれくらい?

研修日数は、内容によって異なります。数時間や半日で終わる研修、1日~2日の研修などさまざまです。新入社員研修のように、1ヶ月から数ヶ月に及ぶ研修もあります。

今回ご紹介した面白い企業研修は、1日から2日程度のものが多いです。長期にわたる新入社員研修で、座学ばかりでは社員が飽きてしまうと予想されるとき、テコ入れのような形で間に導入するのもおすすめです。

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