組織をダメにするリーダーの特徴とは?組織を成功に導くリーダーになる方法

組織をダメにするリーダーは、手段と目的をはき違えがちです。優秀なリーダーはプロジェクトの成功という目的をはっきり見据えています。この記事では、組織をダメにするリーダーの特徴を解説し、優秀なリーダーになるための方法を解説します。

すぐれたリーダーになりたい、メンバーのリーダーシップを高めたいのであれば、ぜひリーダーシップ研修の実施を検討してください。リーダーシップを身につけるには座学のみならず、専門性の高い講師からのフィードバックが欠かせません。

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組織のリーダーに求められること

組織のリーダーには「プロジェクトを成功に導くこと」が求められています。そのために、人の話を聴くコミュニケーション能力、責任が伴う場面で決断を下せる能力などのビジネススキルが必要となります。

組織をダメにするリーダーは、「プロジェクトを成功に導く」という自身のミッションを忘れがちです。コミュニケーションや決断といった手段が目的化してしまうので、プロジェクトが失敗しやすいのです。

組織をダメにするリーダーになりたくなければ、「自分の仕事はプロジェクトを成功に導くことだ」と理解してください。ときには自分のプライドを犠牲にしたり、我慢をしたりもしなければなりません。リーダーとは王様ではなく、プロジェクトの成功のために存在すると心得ましょう。

組織をダメにするリーダーの特徴

怒鳴り散らすリーダー
自分が組織をダメにするリーダーにならないようにするためには、まずダメなリーダーの特徴を押さえていきましょう。ダメなリーダーの特徴を反面教師にすることで、自分を成長させられます。
以下で紹介するのは、典型的なダメなリーダーたちです。あなたの周りにもいるのではないでしょうか。

コミュニケーションが苦手

コミュニケーション能力は現代のビジネスに欠かせないスキルなので、上司や部下、同僚とのコミュニケーションが苦手な人はリーダーには向いていません。

組織をダメにするリーダーは、「自分の発言が優先されるべき」「メンバーは自分の言うことに従えばいい」と無意識に考えてしまっています。そのため、メンバーが話している間にさえぎって自分の意見を言い始めたり、会議で自分の意見が採用されないと不機嫌になったりします。圧倒的なカリスマ性とセンスがある一部のリーダーを除き、このような態度のリーダーでは、通常はチームをうまくまとめられません。

ビジネスにおいて必要なコミュニケーション能力とは、チームのメンバーの話を最後まで聞き、相手のことを理解しようと努めることです。話す能力よりも聴く能力のほうが大切なのですが、ダメなリーダーは「自分がリーダーなんだからとにかく発言しないと」のように、手段と目的をはき違えてしまっているものです。

能力の高いメンバーに劣等感を抱く

チームに自分よりも能力が高いメンバーがいると、劣等感を抱くのも、ダメなリーダーの特徴です。例えば、海外出張の経験があって英語力に長けたリーダーが、英語も中国語も堪能な新入社員や若手社員に劣等感を抱き、語学が必要な業務を与えない意地悪をする、という事例です。

劣等感を持つこと自体は人間にとっては自然なことですが、ビジネス上は自分を押さえなければなりません。しかし、能力の高いメンバーから仕事を奪ったり、いじめやハラスメントにまで発展したりすれば、プロジェクトが失敗する上に職場の人間関係まで悪化してしまいます。

組織を率いるリーダーには、「ほかの人がやってくれることは任せてしまおう」「みんなが放置している仕事はないか探そう」とおおらかに構える姿勢が求められます。自分が得意なことであっても、現場の仕事で張り合うのではなく、「代わりにやってくれる優秀な人材がいてラッキー」と思うくらいで丁度良いのです。

責任のある決断ができない

リーダーにとって最重要とも言えるのが、大事な局面での判断です。ダメなリーダーは自分が責任を取るのが怖いので、責任が伴う決断を下せない特徴があります。リーダーが決断してくれないと、メンバーはどうしたらよいのかわからないので、仕事が滞ってプロジェクトが失敗します。

社風にもよりますが、プロジェクトの失敗をリーダーひとりに押し付ける職場は正常とは言えません。そもそもビジネスには正解がなく、市場や競合他社など環境によって成功と失敗が大きく左右されるため、いくら優秀なリーダーだって失敗するものです。しかし、ダメなリーダーは「失敗したら恥ずかしい」「後ろ指をさされるのでは」と被害妄想が膨らんでしまい、責任が伴う場面で決断ができなくなってしまうのです。

失敗したときのリスクに過敏になりすぎているリーダーには、「絶対に失敗しないリーダー」なんていないことを理解していただきたいです。

⇒こちらもチェック!事なかれ主義とは?組織をダメにする原因と対策

組織を成功に導くリーダーの特徴

組織をダメにするリーダーの特徴を理解できると、その反対の特徴を持つ「組織を成功に導くリーダーの特徴」も見えてきます。上記で紹介したダメなリーダーとは対照的な、優秀なリーダーの特徴について解説していきます。

メンバーに動いてもらう重要性を知っている

組織を成功に導くリーダーは、メンバーの重要性をよく理解しています。それぞれのメンバーが得意分野を活かして仕事をできるよう、采配に気を配っています。

ダメなリーダーにありがちなのが、「メンバーの仕事の品質に納得がいかないので、自分がやり直す」という行動です。これでは自分の業務量が増えるだけですし、せっかくのチームを活かしきれていません。部下も「どうせ全部やり直されるんだから、適当にやろう」と思ってしまいます。

優秀なリーダーは、任せることの重要性を知っています。頼りないメンバーには途中で何度も報告させ、軌道修正することで導くのです。メンバーのプライドを傷つけず、仕事の品質を上げていくことができます。

多様性から生まれる付加価値を理解している

組織を成功に導くリーダーは、メンバーの多様性からビジネスのヒントを得られると理解しています。プロジェクトを進めながらもメンバーの意見を取り入れ、最終的な成果を初期のゴールよりも高いレベルに引き上げるのです。

ダメなリーダーは、自分と異なる意見が出ると強く反対してしまいがちです。「自分のほうが目上なのに、反対意見を唱えるなんて失礼だ」と感じてしまうのです。しかし、リーダーは王様ではなく、プロジェクトを成功に導くための存在。むしろ、自分には思いつかないような切り口で意見をくれるメンバーの存在はありがたいものです。

優秀なリーダーはプロジェクトの成功という目的を理解しているので、さまざまなメンバーの意見を歓迎します。

問題解決のために厳しい決断もできる

リーダーの大きな仕事が、責任のある場面での決断力です。組織をダメにするリーダーの多くが苦手とする決断ですが、リーダーになると決断から逃げることはできません。

ダメなリーダーが決断できない理由は、本人の性格というより、情報不足や判断軸の欠如のほうが大きな原因として挙げられます。決断するための情報が揃っていない状況や、情報はあってもどんな判断軸で決断を下せばよいのかがわからない状況では、誰だって決断できません。

優秀なリーダーは情報収集をしっかり行い、目的を意識した軸を持って決断しています。カリスマ経営者を紹介するテレビ番組や雑誌記事を見ていると、決断の速さは天性のものであるかのように紹介されていますが、実際には情報収集や経験など努力で補える部分なのです。

実際に企業を大きく成長させたリーダーたち

この章では、孫正義氏、松下幸之助氏、稲盛和夫氏という3名のリーダーについて紹介します。いずれもカリスマ経営者、最高のリーダーとして知られています。彼らのどんなところがリーダーとして理想的なのか、学んでいきましょう。

孫正義

孫正義氏(1957年~)は、ソフトバンクグループ株式会社の取締役会長です。国内最大手の通信会社と関連企業を一代で築いた名経営者で、知らない人はいないでしょう。

孫氏のリーダーとして素晴らしいところは、レベルの高い目標を必ず有言実行することです。ソフトバンクの創業時に「1兆、2兆と数える会社にする」と言ったことは有名ですが、現在の売上高は世界で500億ドルを超え、本当に兆円で数える会社になりました。

ツイッターではこれからの事業や経営者としての考え方をフランクに発信しており、その興味深さから200万人以上のフォロワー数を獲得しています。自分がこれからやろうとしていることを、200万人に向かって宣言し、有言実行しているのです。
孫氏には、目標を口に出して自分を追い込む姿勢が見られます。「やっぱり面倒だからやめよう」といったネガティブな気持ちが起こらないようにメンタルをコントロールしているのでしょう。

また、「こういう事業をやりたい」と口に出しておくことによって、賛同者も見つけやすくなります。理想的なチームを組む上でも、有言の効果は大きいのです。

孫正義Twitterオフィシャルアカウント

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松下幸之助

松下幸之助氏(1894~1989年)は、パナソニックを一代で築き上げた経営者です。松下氏は「人を活かす」という理念の下で経営を行い、その哲学は現代のビジネスパーソンの心をも動かしています。

松下氏は子どもの頃から体が弱かったため、人を頼ることの大切さを知っていました。ひとりが膨大な仕事を抱え込むのではなく、組織を部門ごとに切り分け、徹底した分業制を導入したのです。松下氏自身も、自分で仕事を抱えるのではなく、どんどん人に任せていました。仕事を安心して任せるための人材育成にも積極的でした。

組織をダメにするリーダーの特徴の章で、能力の高いメンバーに劣等感を抱いて仕事を奪ってしまうことを解説しました。松下氏の哲学に照らすと、このような考え方が誤りであることがよくわかります。優秀なメンバーがいるなら、頼らないという選択肢はないのです。

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稲盛和夫

稲盛和夫氏(1932年~)は京セラや第二電電(現KDDI)など名だたる企業を創業し成長させてきた実業家です。経営破綻に陥った日本航空に会長として就任し再生させる難しい事業も成し遂げました。その経営手腕の高さから、稲盛氏に憧れる経営者やビジネスパーソンが大勢います。

稲盛氏が大切にするのは、何のために経営をするのか目的をはっきりさせることです。これは「稲盛経営12ヵ条」の第1条にも書かれています。「公明正大な目的でなければならない」と語られるとおり、組織を動かすためには、従業員が一生懸命になれる目的が必要なのです。

お金儲けや家族を養うためといった目的もあり得ますが、リーダーがそう考えていては、メンバーはついてきてくれません。より次元が高く、メンバーとも共有できる目的を掲げる必要があるのです。角度は違えど、松下氏と同様に人を大切にする価値観が表れています。

日本を始め昨今の先進国では、物が飽和し満ち足りており、低成長の時代に入っています。「新しい物を作ってどんどん売って稼ごう」という時代は終わったのです。このような時代において、稲盛氏の経営哲学は大きな注目を集めています。

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優れたリーダーに成長するために

組織のリーダー
この章では、具体的にどうすれば優れたリーダーになれるのかを考えていきます。

上述したように、優れたリーダーの特徴は才能ではなく、努力で身につくものです。初めてプロジェクトのリーダーに就任した人や、今までうまくリーダーをまっとうできた自信がない人も、努力次第で優れたリーダーになれるのです。

セルフリーダーシップを磨く

優れたリーダーになるためには、いきなり組織のリーダーとしてデビューするのではなく、まずは自分自身を導くリーダーシップを磨きましょう。いわゆるセルフリーダーシップです。

プロジェクトも自分の仕事も、PDCAの流れは同じです。自分の仕事をプロジェクトに見立て、スケジュールを立てて進行を管理したり、角度を変えて見たりしてみましょう。行き当たりばったりにならないよう、進めていくのです。

何から始めたら良いのかわからない人におすすめなのが、理想とするリーダー像をイメージすることです。「自分も理想のリーダーになる」という目的のプロジェクトを自分で立ち上げるのです。理想と現状のギャップを書き出し、いつまでに何をすれば目的を達成できるのか、スケジュールに落とし込んでいきます。実際に取り組みながら、無理のあるスケジュールを修正するなど対処していきましょう。

この方法だと、プロジェクトのマネジメント方法を理解できるだけでなく、実際に理想のリーダーに向かって歩めるので、自分を大きく成長させることができます。

目標のリーダーを見つけて学ぶ

「なりたいリーダー像はありますか?と聞いたときに、答えられない方がほとんどです」これはリーダー層に企業研修を行っている講師から聞いた言葉です。

優れたリーダーになるためには、「自分が理想とする目標のリーダー像」をはっきりさせることが重要ですが、それを明確に持っている人は少ないのです。

孫正義氏のように著名な実業家でも良いですし、身近なかっこいい先輩を目標にするのも良いです。目標とするリーダーを学び、彼らがどのように仕事をしているのかを勉強すれば、自然と自分もそのやり方に染まることができます。

書籍があるなら、何度も読んで実践することでその人のやり方が身につきます。身近な人を目標とするなら、その人に「どうしてこの局面ではこうしたほうが良いと考えたのですか?」など直接質問することで、目標とする人の思考回路を理解できます。

目標とする人のやり方をどんどん吸収することで、自分も同じような考え方ができるようになっていきます。まずは目標とするリーダーを見つけることから始めましょう。

リーダー研修でノウハウを学ぶ

上述した方法は独学に近く、時間がかかってしまうのがネックです。短時間でリーダーシップを学び、優れたリーダーに成長したいなら、リーダー研修を受講してノウハウを学びましょう。

リーダー研修の内容は、問題解決やコミュニケーションのトレーニングなどを行います。現場のリーダーがすぐに使えるスキルを重点的に学ぶので、短期間で大きく成長できます。リーダー研修を受講し、理想のリーダーに近づきましょう。

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リーダーがチームメンバーの成長とチームの成果を左右すると言っても過言ではありません。それぞれのチームが成果を上げることで企業の信用と収益を高めます。良いリーダーを育てること、それがリーダー研修の目的です。


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