会社の競争力を高め売上を伸ばすためには、商品やサービスが優れていることだけでなく、社員の能力開発が重要です。売上を個人の資質や努力に依存するのではなく、誰でも一定の成果を上げられる状態に社員を導かなくてはなりません。
営業力やプレゼンテーション力、交渉力などを社員が身につけられるよう、効果の高い研修を導入しましょう。この記事では、売上向上に直結する研修となぜ売上アップに効果があるのかを解説していきます。
目次
優秀な営業マンを育てる「営業研修」
最近は営業マンに求められるスキルが高度になってきているので、営業研修で社員のスキルアップを図りましょう。
なぜスキルの高度化が進んでいるのかというと、最近はインターネットで誰でも簡単に商品やサービスの情報を仕入れられるようになっており、商品やサービスの説明ができるだけでは営業マンの存在意義が無いからです。「この人から商品を買いたい」「この人に任せたい」と思ってもらえる営業マンでなければ、顧客に選ばれることができません。
したがって、商品やサービスの質だけでなく、営業マンのスキルも売れ行き・売上に大きく影響します。この章では営業研修で学べることと、なぜ売上向上に直結するのかを解説していきます。
提案力の強化
提案力とは、顧客のニーズや課題を把握し、最適な解決策を考えて提案する能力のことです。顧客が商品を購入するのは自分や自社の困りごとを解決するためなので、優れた提案を持ってくる営業マンから商品を購入します。そのため、提案力は売上に直結するスキルです。
提案力を身につけるには、顧客へのヒアリング、課題の発見、提案書の作成などさまざまなスキルを学ぶ必要があります。場合によっては、顧客自身すら気づいていない課題やニーズを掘り起こさなければならないこともあるので、簡単ではありません。
このような総合的な提案力を身につけるためにも、営業研修を導入して社員が営業力を身につけられるように育成しましょう。
コミュニケーションスキル
売上を伸ばすには顧客が求める商品やサービスを提供するのが最適です。しかし、顧客のニーズが分からないから、売れ行きを改善することができないという悩みを抱えている会社も多いでしょう。
顧客のニーズを把握するために重要なのは、営業マンのコミュニケーションスキルです。顧客とコミュニケーションを取る中で、顧客の考えや理想を理解し、現実とのギャップを解決する商品やサービスを考えていくからです。
しかし、営業スキルは生来の性格だと考えている方も多いです。そのため、ノリの良さで判断して社員を営業に配属する企業もあるのですが、それでは上手く行かない可能性があります。友達付き合いの延長で営業を行い、失敗してしまう社員も多いのです。
ビジネス上のコミュニケーション能力とは、信頼関係を築き、的確な質問を投げかけることです。友達付き合いとビジネス上のコミュニケーションは似て非なるものであることも、営業研修を導入すればご理解いただけるでしょう。
営業成績が上がると社員のモチベーションが上がり、業績を非常に良くなります。優秀な営業マンを育てるために営業研修を導入しましょう。より実践的で効果の高い営業研修を紹介します。
相手の購買意欲を高める「プレゼンテーション研修」
対面の営業やコンペ、ちょっとしたセールストークなど、ビジネスの現場にはプレゼンテーションが欠かせません。プレゼンテーションを成功させて顧客に「この商品いいな」「購入してみよう」と感じてもらうことは、売上向上の第一歩です。
したがって、社員のプレゼンテーション能力を高めるため、プレゼンテーション研修を導入しましょう。この章では、プレゼンテーション研修で学べる内容と、なぜ売上向上に役立つのかを解説していきます。
効果的なプレゼンテーション方法が分かる
日本人は学校でプレゼンテーションを教わらないからか、プレゼンテーションが下手な人が多いです。研修を通じて効果的なプレゼンテーションとは何かが分かるだけで、営業やコンペでの訴求力が飛躍的にアップし、売上向上につながります。
よくある悪い例が、商品やサービスの説明だけをしているプレゼンテーションです。社員本人は自社商品や自分の提案に自信があるので、商品の良さを伝えれば買ってもらえると思っているのです。
しかし、プレゼンテーションを聞いている顧客は、自社のどのような悩みを解決してくれる商品やサービスなのかを知りたがっています。プレゼンテーションでは、顧客にとってその商品が必要な理由をアピールしなければなりません。
このような観点を持たずに営業やコンペなどで提案を行っている方も多いです。研修を通じて効果的なプレゼンテーション方法を理解するだけでも、訴求力が高まって売上向上に結び付きます。
プレゼンテーション資料の作り方が分かる
プレゼンテーション資料を作るのが苦手な人も多いので、訴求力の高い資料とは何かを研修で学ぶだけでも、売上向上に役立ちます。
よくある悪い例が、文字が大量に書いてあるプレゼンテーションです。画面が文字で埋まっていると、顧客の読もうという気持ちは萎んでしまうので、改善しなければなりません。シンプルな言葉で箇条書きにしたり、グラフを使って説明するなどの工夫が必要です。
箇条書きやグラフで伝えた方が良いことを理解している方は多いです。それでも文字ばかりの資料になってしまうのは、説明する本人が自分のセリフをすべて文字に起こしてしまうからです。あれもこれも大事だから伝わらなかったらどうしよう、といった不安から、大事な部分はどこなのかを見失ってしまっています。
このような悪い癖を自覚し、スッキリしたプレゼンテーション資料を作るためにも、研修を導入しましょう。
プレゼンテーション研修では、プレゼンテーションの専門家から高度な技術を習得することができます。社内全体のボトムアップにつなげることができるため、売り上げの向上に悩む経営者や幹部のみならず多くの階層の社員を対象にした研修です。
利益の最大化を実現する「交渉力研修(ネゴシエーション研修)」
ビジネスにおいて、交渉を避けて通ることはできません。理想的には、顧客と自社など関係者の利害を調整し、全体として利益が最大化されるようにビジネスを行いたいものです。誰かが大きな得をして誰かが少ししか得できないといった状態は避けなければなりません。そのためにも、交渉力(ネゴシエーション力)が必要です。
相手に配慮するばかりに、自社が損失を被るような交渉をしていては、売上は落ち込むばかりです。社員の交渉力を底上げすることで、利害関係者全体の利益を最大化できる人材を育成しましょう。
この章では、交渉力研修の内容となぜ売上向上に役立つのかを解説していきます。
相手の利害を理解する力
交渉が必要な場面では、自分・自社の利益を押し付けるのではなく、相手の利害も尊重する必要があります。双方が折り合って、お互いにとってプラスになる解決を目指さなければなりません。
そのためには、相手の利害を理解する力が必要です。相手の業務についての知識も必要なので、簡単なことではありません。
交渉力研修では、交渉を始める前の事前準備について学ぶことができます。相手にとってもメリットのある提案ができる人材を育て、交渉をスムーズに進めて売上を高めるためにも、交渉力研修を導入しましょう。
伝えにくいことを伝える力
交渉においては、値上げなど伝えいにくいことを伝えなければいけないこともあります。最近は、嫌がられるのが怖いといった理由から、言いにくいことを言わずに我慢してしまう人も増えています。このような状態で交渉を担当させると、相手の言いなりに値下げをしてしまい、売上を減少させてしまうかもしれません。
そうならないためにも、交渉力研修を通じて伝えにくいことを伝える力を社員が身につけられるようにしましょう。クッション言葉をしたり、上手に譲歩したりする方法を教えてもらうことができます。
交渉力が高まると、ビジネスにおけるあらゆることを有利に進められることができるようになります。また、自社だけではなく取引先とWin-Winの関係を築いたり、互いに継続的に良好な関係を維持したりするためにも、交渉力は不可欠です。
形だけでなく機能するOJTを実践「OJT研修」
OJTとはオン・ザ・ジョブ・トレーニング(On-the-Job Training)の略で、職場での実践を通じて業務知識を身につけることを指します。教えられる側は業務知識を身につけて会社に即戦力になり、教える側は指導者として成長できるメリットがあるのですが、効果が教える側の技量に左右される懸念があります。
せっかくOJTを行うなら、教える側・教えられる側双方に成長してもらうべきです。即戦力になる人材を育てて売上アップにつなげるために、まずOJTを担当する社員がOJTのイロハを身につけられるようにしましょう。
そのためにも、OJT研修を導入するのがおすすめです。OJT研修の内容と、売上向上に役立つ理由について解説していきます。
育成計画の立て方を学ぶ
準備をせずにOJTを行うと、育成対象の社員に目の前の仕事を担当させるだけの行き当たりばったりな指導になりやすいです。OJT担当者に、OJT指導は社員育成プログラムの一環であり、育成対象者は担当者の秘書ではないことを理解してもらいましょう。
そのためにも、育成計画を立てることが重要です。何を覚えれば現場で活躍できる社員の第一段階をクリアできるのか、担当者と会社の人事部門とで共有する必要があります。
OJT研修では、育成計画の立て方を学ぶことができます。即戦力になる人材を育てて売上向上を目指すためにも、育成対象者がきちんと育つ計画の立て方を身につけましょう。
バランスの良い難易度を理解する
OJTで最も難しいのは、育成対象者にとって難しすぎず、簡単すぎない丁度良い実務を振ることです。難しすぎると投げ出したり、仕事が嫌になって出社しなくなる懸念がありますし、簡単すぎると仕事を軽んじたり、甘さゆえのミスが出やすくなるからです。
OJTの効果を高めるためには、OJT担当者が適切な業務を対象者に振り分ける必要があります。そのためのスキルを学ぶためにも、OJT研修を導入しましょう。バランス良く業務を振ることで対象者を効率よく育成できるので、即戦力になって売上向上にもつながります。