「ホスピタリティ研修とはどんな内容の研修?」「ホスピタリティ研修をは自社で実施すべき?」このようにお悩みの担当者の方も多いのではないでしょうか?
ホスピタリティ研修を実施すれば顧客満足度アップだけでなく、業務効率改善効果も期待できます。
この記事では、ホスピタリティ研修の内容や、研修の対象者、実施のメリットなどを解説しています。
ホスピタリティ研修を自社でも実施するか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- ホスピタリティ研修の内容
- ホスピタリティ研修を実施するメリット
- ホスピタリティ研修実施の際のポイント
キーセッションでは、ニーズや予算に合わせて貴社にピッタリなホスピタリティ研修をご提案可能です。ご要望と予算感だけ頂ければ紹介可能なので、まずはお気軽にご相談ください。
船坂 光弘 - ザ・ホスピタリティチーム株式会社 代表取締役
新卒でホテルのオープニングを経験し、以降17年間ホテルマンとして現場でホスピタリティを体現。ホテルマン時代には、ベルマン、フロント、販売、バンケット、企画、宴会予約、ウェディングなど様々なセクションを経験し、ウェディング支配人時代には、ハード・ソフト両面で改革し、日本のホテルウェディング売上増部門で帝国ホテルを抜いて全国第1位となり、地方ホテルとしては異例の日本一を実現した。
続きを表示その経験を生かしてホスピタリティこそサービス業の核心だと実感し、2008年にザ・ホスピタリティチーム株式会社を開業。
いかにハードが良くてもスタッフの心、ホスピタリティが足りなければサービス業としてビジネスは上手くいかない。単なる接客を超えたホスピタリティビジネスの新たな可能性を感じ、コンサルティング・研修・講演サービスを通じて、サービス業界の発展と輝きのある社会を目指している。
ホテル、ウェディング施設、飲食業界、トリマー業界、ドレスショップ、旅館業、病院、住宅、不動産、保険、IT、介護施設等、今まで500社以上の経験と実績を持ち、様々な業種のホスピタリティの創造に向けたコンサルティングを全国で展開。
キーセッションでは、ホスピタリティを軸にさまざまな研修プランを監修・提供している。
・接客・接遇・サービス力向上のホスピタリティ研修
・人間関係の悩みを解決し社内活性化を図るホスピタリティ・コミュニケーション研修
⇒ザ・ホスピタリティチーム株式会社の研修プランを見る
■経歴
・1991年日本大学理工学部機械工学科卒
・1991年東洋観光事業ホテルブエナビスタ入社 ベルマン、フロント、販売、バンケット、企画、宴会予約、ウェディングなど17年間で様々な部署を経験し、ホスピタリティを現場で体現。
・2008年ザ・ホスピタリティチーム(株)開業
500社以上の支援実績、2万人を超える受講者
・2023年ザ・ホスピタリティチーム(株)開業15周年を迎える
■保有資格
・日本ホスピタリティ推進協会認定 ホスピタリティ・コーディネータ
認定NO.HC00372
・日本ホスピタリティ推進協会認定 グローバル・ホスピタリティ・コーディネータ
認定NO.GH00026
■講師としての実績
・500社を超える講師としての実績
・延べ2万人を超える受講者
■出版・監修の実績
・『接客サービス業のリーダーにとって一番大切なこと~お客様にもメンバーにも熱愛される「ホスピタリティチーム」の作り方~』(PHP研究所)
・『ホスピタリティを経営戦略に生かし収益を最大化する5大ポイント』(日本コンサルティング推進機構出版)
・『人を生かして勝ち抜く最強マネジメント』(セルバ出版)
ホスピタリティ研修とは
ホスピタリティ研修とは、「ホスピタリティ」を身につけるためのビジネス研修のことです。
ホスピタリティ研修の内容を、以下の切り口で解説します。
- 「心からのおもてなし」ができるようになるための研修
- ホスピタリティとは「思いやり」や「丁寧なおもてなし」という意味
- 日本のホスピタリティは世界でもトップレベル
「心からのおもてなし」ができるようになるための研修
ホスピタリティ研修とは、従業員一人ひとりがお客様の目線に立ち、「心からのおもてなし」ができるようになるための研修です。
マニュアルに沿って対応するだけでなく、相手が真に求めていることを察して行動する対応力の養成を目的とします。
ホスピタリティとは「思いやり」や「丁寧なおもてなし」という意味
「ホスピタリティ」の言葉には、「思いやり」や「丁寧なおもてなし」の意味があります。
互いを尊重し高め合う精神が根底にあるため、ホスピタリティは個人だけではなく、社内や社会全体に喜びと豊かさを与えられます。一般的な概念に囚われず、相手の満足度や快適さにつながる行動を察することがホスピタリティの第一歩です。
ホスピタリティは元々、サービス業や接客業、医療福祉業界で使われていた言葉です。しかしマナーやサービスが当たり前となった現在では、さまざまな業界でこの考えを取り入れている傾向にあります。
ホスピタリティは顧客や取引先などを対象としてとらえることが多いですが、社内やプライベートでも活用可能なスキルです。また突き詰めれば対人関係だけではなく、モノや社会、自然などあらゆるものに対する労わりや慈しみの心と行動がホスピタリティの本質ともいえます。
ホスピタリティ業界の主な目標の1つは、ユニークで思い出に残るポジティブな体験を提供することです。
《出典》 おもてなし経営とは? - University of Central Florida
日本のホスピタリティは世界でもトップレベル
日本のホスピタリティは世界でも類を見ないレベルにあるといわれています。接客において無償の奉仕マインドを持っている国民性は、世界でも少数派に入るためです。
事実、海外では接客サービス業に対してチップはマナーの一つです。有料であることを考えると、海外の一流ホテルや航空会社で受けるものは「サービス」の要素が強い傾向にあるといえます。
一方日本では、チップ制度の文化がありません。チップをはずんでもらえなかったという理由で、従業員の態度が豹変することはあり得ないことです。
訪日外国人が日本のホスピタリティに感動して、来てよかったと感じてもらえることは、日本の接客業界において名誉なことです。ホスピタリティが素晴らしいコミュニケーションツールの証明にもなっています。
ホスピタリティ研修の対象者
ホスピタリティ研修は、サービス業や接客業でお客様と直接関わるすべてのスタッフを対象としています。たとえば、以下のような業界に携わる方々です。
- 飲食店
- 観光、旅行
- ホテル・旅館
- ウェディング
- 医療、介護、住宅、金融、不動産、保険
また、ホスピタリティ研修を受けるのにおすすめの職種は、以下が挙げられます。
- 接客業
- 営業職
- 技術職
接客業
ホテルスタッフやブライダル関連、デパートの店舗スタッフなどの接客業スタッフは、ホスピタリティ研修が効果を発揮しやすいでしょう。顧客と直接やり取りする接客業にとって、ホスピタリティは重要なスキルの一つになるためです。
たとえばホスピタリティ研修で学んだことを実践できれば、以下のような小さな気づかいと行動で顧客に快適さを与えられます。
- お客様の表情の変化などをもとにサービス内容を変える
- 年齢や雰囲気によって話題を選び会話を盛り上げる
- 口頭での説明だけでは不十分なことはメモにして渡す
空間の雰囲気は、その場にいる全員で作るものです。ホスピタリティ研修を通じて、お客様の笑顔がスタッフの笑顔となり、好循環が生まれるのを体感できます。
営業職
企業の顔ともいえる営業職は、ホスピタリティ研修を受けておきたい職種の一つです。目の前にいるお客様を理解するスキルが身につくことで、顧客との良好な関係を構築できます。
成績のよい営業の多くは、無理に商品を売ろうとはせず、まずは相手の話を聞くことに専念します。ホスピタリティ精神が高いとお客様のニーズに気づき、求められている以上の提案やサポートができるためです。「この人から買いたい」と顧客から感じてもらうことこそが利益につながります。
技術職
実は技術職も、ホスピタリティ研修を受けるのがおすすめの職種です。
技術職は営業からの情報や指示を受けて仕事をし、お客様とは直接関わらないケースが多いと思われる傾向にあります。しかしこれは従来型の仕事の仕方です。今では技術職が、営業職と共に打ち合わせやヒアリングの場に同行し、直接顧客とやり取りするケースが多い傾向にあります。お客様への提案や商品説明を行う場合も見られるのが特徴です。
実際にSE職や製造業の企業から、ホスピタリティ研修の依頼が発生する機会も増えています。これからの技術職に、対人スキルの向上が求められている証です。
顧客に関わる職種全員がホスピタリティスキルを身につけ、お客様に寄り添う姿勢を取るのが大切です。
ホスピタリティ研修を実施するメリット・目的
ホスピタリティ研修を実施するメリットや目的には、以下が挙げられます。
- 顧客満足度が向上する
- リピーター層の増加につながる
- 社員のモチベーションを高められる
- 業務の効率化が見込める
ここでは、それぞれの重要なポイントを解説します。
顧客満足度が向上する
ホスピタリティ研修を実施することで、顧客満足度の向上が期待できます。
研修を通して社員一人ひとりにホスピタリティスキルが身につけば、お客さまのことを理解しようとする姿勢が生まれ、一人ひとりの要望に応じた接客が実現します。
画一的な接客ではなく、自分のためだけに丁寧なサービス・対応をしてくれれば、お客さまの満足度も自然と向上するでしょう。
リピーター層の増加につながる
ホスピタリティ研修の実施は、リピーター層の増加にもつながります。ホスピタリティマインドにあふれる対応は顧客を満足させ、企業ブランドのファン獲得に貢献するためです。
顧客に「また利用しよう」と思ってもらうことが、リピーター層獲得の近道です。リピーターが増えれば、さらなる売上アップにつながりますし、新規集客のコストも削減できます。
社員のモチベーションを高められる
ホスピタリティ研修を通じて、社員のモチベーションアップが望めます。研修を通して、上司や同僚から自分の存在を認めてもらっている、評価されていると安心感や信頼感が生まれるためです。
社員一人ひとりが「仕事が楽しい」と思えることで、会社や仕事への満足度が上がります。結果として自発的な行動も取れるようになるのが、ホスピタリティ研修の魅力です。
業務の効率化が見込める
ホスピタリティ研修によって、社内業務の効率化が見込めます。研修で社内にホスピタリティ精神が浸透すれば、お互い助け合いながら仕事をやり遂げられるためです。。作業分担や情報共有などにより、円滑な業務推進による生産性アップが可能です。
また社員同士のホスピタリティの影響は社内だけにとどまらず、社外にも現れやすい傾向があります。働きやすい企業の雰囲気は、社員を通して顧客に伝わります。同じような商品であれば、気配りのできる人から買いたいと感じるためです。こうした動きが、社員満足度と顧客満足度を比例させることにつながっていきます。
相互理解、相互満足を目指すホスピタリティは業務の効率化を進め、企業の収益アップ・生産性の最大化につながります。
参考:厚生労働省『取り組みませんか?「魅力ある職場づくり」で生産性向上と人材確保』
”ホスピタリティ”と”サービス”の違い
ホスピタリティと似たような意味合いで使われる言葉にサービスがありますが、この二つの違いは以下の三つです。
- 主従関係の有無に差がある
- 柔軟性を必要とするか否か
- マニュアル化できる範囲が異なる
それぞれの観点での意味の違いを、ここではご紹介します。
主従関係の有無に差がある
ホスピタリティとサービスには、主従関係の有無に差があります。
ホスピタリティには上下関係はなく、あくまで対等な立場が根底にあります。そのため“相互満足”が得られるのが特徴です。
それに対してサービスには主従関係が存在します。
サービスの語源は『仕える』や『召使』で、ラテン語では『奴隷』を意味します。サービスは主である相手に尽くすことであり、ホスピタリティとは意味が明確に異なるのがポイントです。
柔軟性を必要とするか否か
柔軟性を必要とするか否かも、両者の異なる点です。
ホスピタリティは、目の前にいる相手に対して何ができるか、何をすると喜んでもらえるかを考え行動します。そのため個別対応が必須で、柔軟性が求められます。
一方のサービスは、誰に対しても同じ対応をするのが基本であり、、柔軟性は必須ではありません。平等性が高いのがサービスの特徴です。
ホスピタリティ業界は、「ゲスト中心」の態度と、自分の世話をしている人々にサービスを提供したいという真の欲求を持っている人のためのものです。
《出典》 ホスピタリティマネジメントを通じて他者に力を与える - University of Central Florida
マニュアル化できる範囲が異なる
ホスピタリティとサービスでは、マニュアル化できる範囲が異なります。
ホスピタリティは人の潜在的なニーズを察知し解決するのに対し、サービスは顕在化しているニーズの解決をするためです。
このことから、ホスピタリティをマニュアル化することは難しく、人間力や感性、観察力が必要なため取得までに時間がかかります。
これに対してサービスはある程度マニュアル化が可能で、比較的短期間での経験や訓練によって身に付けられます。
ホスピタリティマネジメントは、企業や組織の構造と機能に関する包括的な洞察を提供します。
《出典》 What is Hospitality Management? - EHL
ホスピタリティ研修が必要な企業が抱えるお悩み
ホスピタリティが足りていないと感じる企業には、以下のような悩みがあります。
- スタッフがマニュアルに書いてあることしかしない
- スタッフがホスピタリティの本質や必要性を理解していない
- 職場でスタッフ同士が協力しない
こうした悩みの解決は、社内だけでの人材育成では困難です。研修を導入し、専門の講師にホスピタリティの意義や顧客満足を高める方法を教えてもらいましょう。
ホスピタリティ研修のラインナップ
キーセッションで扱っているホスピタリティ研修の例をいくつかご紹介します。企業のニーズに応じたカスタマイズも可能なため、気になる研修を見つけたら、気軽に問い合わせをしてみるのもおすすめです。
自らが自発的に相手を想い行動するホスピタリティ研修「ザ・ホスピタリティチーム株式会社」
ザ・ホスピタリティチーム株式会社は、サービス業専門の現場教育を行う研修会社です。お客様や従業員の喜びや幸せを追求し、その代価として企業の売上や利益を高める「ホスピタリティ経営」を念頭に、スキルアップできる研修プログラムを多数提供しています。
そんなザ・ホスピタリティチーム株式会社の実施するホスピタリティ研修は、サービス業や接客業に携わるスタッフ向けの研修です。すぐに実践できるマナーはもちろん、なぜホスピタリティが必要なのかを基礎から学べます。マニュアルどおりにマナーや言葉遣いを守るのではなく、目の前のお客様の満足のために何をすればよいのか、臨機応変に考えて行動する必要があることを理解できる内容です。
ロールプレイングなど参加型のワークを取り入れているので、受講者は学んだことを体に深く定着でき、現場でもすぐに実践可能です。また、顧客のためだけではなく、社員どうしのホスピタリティの重要性も学べます。チームワークを高めることもできる研修内容となっているので、社員の離職率改善の効果も期待できます。
ホスピタリティ顧客対応研修「株式会社ノビテク」
株式会社ノビテクでは、まずは基本的なメソッドをレクチャーのうえ、それをもとに解決策を自ら思考するよう導く研修を提供しています。受講者が知識を身につけ、自信をつけられるプログラムを提供しているのが特徴です。実践的なワークを多く取り入れており、受講者が眠くなりにくく、知識が定着しやすい工夫がされています。
そんな株式会社ノビテクのホスピタリティ顧客対応研修は、ホスピタリティあふれる顧客対応力を身につけられる研修です。マナーやコミュニケーション方法、クレームの初期対応など、顧客対応の現場で必要なスキルを体系的にレクチャーしているのが特徴です。
研修では、ホスピタリティの目的や、顧客満足ではなく顧客感動を目指す理由など、マニュアルだけでは実現できないホスピタリティの本質から学べます。なぜホスピタリティが必要なのかを理解したうえで、挨拶や表情トレーニング、身だしなみなどの基本的なスキルや、より実践的なお客様とのコミュニケーション方法を身につけるのを目標に据えます。1日かけてじっくりホスピタリティを学べるので、新入社員やホスピタリティ研修を受けたことがない若手社員などにもおすすめです。
ホスピタリティが高い企業と事例
ホスピタリティが高いといわれる企業の例は以下のとおりです。
- OLCグループ(東京ディズニーリゾート)
- リッツ・カールトン
- ネッツトヨタ南国
一般的に、顧客満足度が高くリピート率の高いサービスを提供する企業は、ホスピタリティが高い傾向にあります。
各社の提供しているホスピタリティの事例をご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
OLCグループ(東京ディズニーリゾート)
東京ディズニーリゾートは高いホスピタリティで知られるテーマパークです。キャスト(スタッフ)はすべてのゲスト(お客様)をVIPとして捉え、年齢や国籍、社会的な立場に関係無いサービスを提供しています。
ディズニーの入園料などには障がい者割引が無く、一見ホスピタリティが足りていないように感じられる可能性があります。しかし同社では、どんな人でも同じようにパーク内を楽しんでほしい観点から、割引を行っていません。園内では、国の基準をはるかに上回る厳しい基準でバリアフリー化を実施しています。お手伝いの必要なゲストにはキャストがサポートを行っているのも特徴です。
他にも東日本大震災の際、ゲストにぬいぐるみを配る対応や、清掃スタッフが地面にキャラクターの絵を描いてゲストを楽しませるなど、キャストが自分の頭で考えてアドリブでホスピタリティを発揮しています。ゲストのためになることを考え、期待以上の行動を取るからこそ、「また来たい」リピートしてくれるのです。
リッツ・カールトン
一流のホテルとして名高いリッツ・カールトンは、ホスピタリティの高さでも知られています。同ホテルでは、お客様の問題を解決して満足度を高めるため、スタッフが自ら考えることを重視しているからです。
とくに苦情への対応はユニークで、2時間のクレーム対応講座の受講を全従業員に義務付けています。講座では、苦情を自分のこととして受け止めて即座に「申し訳ありませんでした」と言うことや、別の担当者のせいにしないことなどを学びます。
一般的に、会社に非が無い一方的なクレームの場合は謝らなくて構わないと言われます。しかし同ホテルでは、それで顧客の気持ちが満たされないことを知っているため、適切な対応方法を学びます。顧客の気持ちに応えることこそがホスピタリティであると同社ではとらえているのです。
参考:ザ・リッツ・カールトンオフィシャルサイト「サービスバリューズ:私はリッツ・カールトンの一員であることを誇りに思います。」より
ネッツトヨタ南国
ネッツトヨタ南国はトヨタ車の販売会社の一つで、顧客満足の高い企業として知られています。顧客が店舗に行くとスタッフが入り口の前で出迎えてくれる、高級ホテルのような応対がユニークです。日常業務における応対にはマニュアルが無く、スタッフが自ら考えて実践しています。会社にはスタッフの気づきや実践を評価する仕組みがあるため、スタッフが能動的にホスピタリティ向上に取り組んでいけるのです。
入社後にはバリアフリーお遍路くらぶに参加し、視覚障がい者の介助をしながら、4日間にわたって四国霊場88カ所を巡礼します。障がい者のお手伝いをするだけでなく、視覚のハンデを補う彼らの独特な感覚に触れることで、社員に気づきを促すためです。社会的な立場に関係なく、すべての人を尊重しおもてなしをする精神を養うのが同社の狙いといえます。
参考:バリアフリーお遍路の旅
ホスピタリティ研修を実施する際のポイント
ホスピタリティ研修を実施するうえでのポイントは、下記のとおりです。
- 講師はプロに依頼する
- ロールプレイング要素を含める
せっかく実施するホスピタリティ研修が失敗することがないように、それぞれ押さえておきましょう。
講師はプロに依頼する
ホスピタリティ研修の講師は、実績のあるその道のプロに依頼しましょう。
すべてのお客様へ最高のホスピタリティを提供するには、その基盤となる知識や技術が必要なためです。お客様との信頼関係の構築には正しい言葉づかいや礼儀作法が大前提であり、プロから学ぶ機会が欠かせません。
実際に接客業界で働いていた経歴のある講師なら、現場での体験を活かした実のあるホスピタリティ研修が期待できます。
ロールプレイング要素を含める
ホスピタリティ研修では、ロールプレイング要素を含めるのがおすすめです。
座学でのインプットだけでは、なかなかホスピタリティマインドは身につきません。実践形式でコミュニケーションをとることで、より実務で役立つスキルが養えます。
講義形式だけではスキルが定着しにくい人でも、ロールプレイングなら体感しながら知識が身につけられるのが特徴です。
ホスピタリティは”意識”をすることで身につく
ホスピタリティに興味を持ったら、プロに学ぶ前に自分でもできることがいくつかあります。
- 自分の周りにアンテナを張り巡らして、できるだけ多くの年齢の人々を観察すること
- 微笑みを意識して、自分から進んで気持ちのよい挨拶や言葉掛けをすること
- まずは1日1つのホスピタリティの達成を目指すこと
ここから始めることがポイントです。詳しくみていきましょう。
周囲の人をよく観察する習慣を身につける
ホスピタリティの実践のためには、周囲の人をよく観察する習慣を身につけることが求められます。ホスピタリティでは「察する力」が重要で、まずは観察力が必須になるためです。
たとえばホテルスタッフはチェックインの際、瞬時にお客様にいかに快適かつ安全に過ごしていただけるかを考えます。
お客様の顔色をうかがい、具合の善し悪しや要望の有無のチェックを行うと共に、不審な所は無いかもチェックしています。具体例は次の通りです。
- 手の力が弱いなと気づいたら、すぐにボールペンではなくマジックペンを差し出す
- 耳が遠そうだなと気づいたら、お客様の耳元でゆっくり丁寧に話したり、筆談で対応したりする
これらはどの会社でもすぐに取り入れられるホスピタリティの一例です。
常に微笑みを、関わる人すべてに進んで挨拶を
ホスピタリティを身につけるには、常に微笑みを意識し、自分から進んで周囲の人に挨拶することも大切です。
仕事で関わりを持つ人々はもちろん、身の回りの人に明るく接すれば、自然とホスピタリティの習得につながります。
人間関係はいつどこでつながるかわからない側面があります。、ふとした会話をきっかけに人脈作りへ励むことが大切です。知り合いを増やすことは、ビジネスにも相乗効果をもたらします。
ホスピタリティを伸ばすには
ホスピタリティを伸ばしたいと思ったときにおすすめなのが、一日一善にトライすることです。
たとえば、以下のような些細なことからでも構いません。
- 身体の不自由な人に手を差し伸べた
- ベビーカーで難儀している人をサポートした
- エレベーターのドアを押さえてあげた
必ず微笑みを浮かべて、スマートに相手の立場を思いやる気持ちをもって実行してみましょう。
社員の誰もが自然体で、思いやりを実行に移せるようなホスピタリティあふれる会社になれば、評判が多くの人に広まります。会社の業績上プラスとなるばかりではなく、社員の今後の円滑な人間関係構築にも役立ちます。
ホスピタリティ研修についてよくある質問
最後に、ホスピタリティ研修の導入を考えている企業から多く寄せられる質問について、回答を紹介します。詳細は研修会社によって異なるので、気になることは問い合わせ時に確認しましょう。
- Q. 会社に合わせたカスタマイズは可能か
カスタマイズは可能です。ホスピタリティ研修の主な対象はサービス業ですが、飲食店やホテル、旅行などさまざまな業種が該当します。研修を導入する企業に合わせた研修を導入できるため、問い合わせ時に自社の業界についても伝えておくのがおすすめです。
会社独自の理念や理想を盛り込み、受講者に伝えることも可能です。扱ってほしい内容があれば研修会社に伝えましょう。
キーセッションでは、貴社のご要望にあわせた研修をご提案可能です。予算感と希望を伺えれば、貴社にあったプランをご紹介しますので、ぜひお気軽に無料相談にお申し込みください。
- Q. オンラインでの実施は可能か
研修会社によりますが、多くの会社ではオンラインの研修も実施しています。ホスピタリティ研修もオンラインで受講できるものが多いので、本社から離れた地域で勤務する社員も参加しやすいのが特徴です。
オンラインの研修の場合、ライブ配信形式かeラーニング形式か確認し、自社に合った研修を選びましょう。ライブ配信型の場合、講師と受講者がリアルタイムでつながる生中継のような研修のため、受講者のニーズに合ったきめ細やかな指導が受けられます。受講者の質問にも、講師がその場で回答してくれるのが魅力です。
eラーニング形式の場合、事前に録画された講義動画を受講者が都合のよいときに視聴します。好きな時間に受講できるので、忙しくて営業時間中に現場を離れられないサービス業の社員でも受講しやすいメリットがあります。
- Q. 短時間でホスピタリティ研修を実施できるか
短時間での研修も可能です。企業の要望に合わせた時間で研修を行うので、ご希望の時間を研修会社に伝えましょう。
ただし、効果を高めるためには受講者のレベルに合った研修プログラムを実施することが大切です。そのため、短時間では効果が出にくい場合があります。たとえば新入社員にホスピタリティ研修を実施する場合、ホスピタリティの基礎から実践までを教えなければなりません。短時間で完了するのは困難なため、長めに時間を取り、研修を導入したほうが効果的です。
- Q. ホスピタリティの身近な例は?
ホスピタリティの身近な例は、飲食店におけるおしぼりの提供や座席への案内です。その他にも、お客様の好きなメニューをメモに残して把握しておくといった行動も該当します。
またホテルの接客においては、雨天時に傘やバスタオルを提供したり、誕生日にサプライズでケーキをプレゼントしたりすることも、ホスピタリティの例として挙げられます。
ホテルの接客においても、雨天時のバスタオル提供や誕生日ケーキのプレゼントなどが例にあげられます。ホスピタリティは日々多様な形で実践されているのです。